[Alexandros]『RUSH BALL 2021』ライブレポート ーー忘れられないマジックアワーに、2日間連続出演で泉大津に舞い戻ることを約束
[Alexandros] 撮影=渡邉一生
『RUSH BALL 2021』[Alexandros]
『RUSH BALL 2021』開催直前に、出演キャンセルで空いてしまった枠で追加出演として発表された[Alexandros]。唯一の二日連続出演となった彼らは、初日のアクトを更新する勢いでよりアグレッシブなステージとなり観客とまたとない興奮と感動の渦を巻き起こした。
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時刻は18時00分。夕焼けが美しいステージに登場するや否や、川上洋平(Vo.Gt)が「綺麗事にするつもりないぜー! やるからには全部奪っていくぞー! 最後までついてこい! 大阪ー!」と口火を切って、「Kick&Spin」でライブをスタート。白井眞輝(Gt)がステージを広く使って、全身全霊でプレイ。観客の興奮は早くもブチ上がり、負けじとジャンプとハンズアップで応える幕開けに。さらに「声出せないことを言い訳にしてんじゃねえぞ!」(川上)と捲し立て「Beast」を放つ。磯部寛之(Ba.Cho)とリアド偉武(Dr)の分厚く、力強いリズムが地を揺らし、川上も膝をつきテレビカメラを捕まえて叫ぶように歌うなど、迫真のプレイが続く。
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畳みかけるように、今度はニューシングル「閃光」へ。美しいメロディのロックチューンで中盤に差し掛かるも熱気は増すばかり。残響を響かせ、そのまま今度は「PARTY IS OVER」へ。「今日ここに来た、あなたたちのために歌います!」(川上)とじっくり聴かせ、泉大津で共に過ごす限られた時間をたっぷりと味わうひと時に。
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ビジョンに映し出された「PARTY IS OVER NOW」の文字。曲が終わりを迎えようとした頃には、偶然か必然がちょうど夕日が沈み、1日の終わりへ向かうところだった。時刻はおよそ18時25分。すると、ビジョンの文字は「NOW」だけがループ……次は何が起こるのかと観客もクラップで待ち構えていると、文字は「CLAP」に変わってアンセム「ワタリドリ」へ。
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「飛び跳ねろ!」の合図で、みんなでジャンプ。<声を出せない大阪を踊らせたいから>と歌詞を変え、川上はフィールドの奥の方まで見渡しながら手を振り、ひとりひとりの顔を見ながら語りかけるように、指を差して確かめ合うようにして歌う。
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ラストの<いつか舞い戻るよ>の歌詞で川上はステージを指差し、さらにはWANIMAに捧げるようにしてメンバー全員でこれでもかと早弾きする「高速ワタリドリ」を見舞って終幕。ライブが終わった頃には、日没後に見られるマジックアワーの美しい空が広がっていた。冒頭で「最後までついてこい!」と投げかけられた通り、最後まで追いかけ追い越せの思いでついていったら、魔法のように想像を超える、眩しい景色と時間がそこにはあった。いつかまた泉大津の地で会う日まで、この日のことを思い返せば強く生きていけそうだ。そう確信できる、[Alexandros]にしかつくりえないステージだった。
取材・文=大西健斗 撮影=渡邉一生
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