加藤健一事務所が G・グリーン原作『叔母との旅』を上演~男性4人が老若男女24役を演じ分ける摩訶不思議な異空間ドラマ

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2021.11.11
(左から)清水明彦(文学座)、天宮 良、加藤健一、加藤義宗

(左から)清水明彦(文学座)、天宮 良、加藤健一、加藤義宗

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加藤健一事務所は、2021年11月22日(月)~28日(日)、東京・池袋のサンシャイン劇場でグレアム・グリーン原作の『叔母との旅』を上演する(脚色:ジャイルズ・ハヴァガル、訳:小田島恒志、演出:鵜山 仁)。出演は、加藤健一、天宮 良、清水明彦(文学座)、加藤義宗の男性4人。

<STORY>
2年前、勤めていた銀行を53歳で早期退職、庭のダリアをいじるだけの平穏な暮らし、それがヘンリーの日常。父は40年前に他界、86歳で亡くなった母の葬式で、母の妹であるオーガスタ叔母さんに再会。
年齢や常識にとらわれないエキセントリックな叔母から出てくる話はどこか怪しくて…。思いがけず一緒に行くことになった旅先で、スーツケースに金塊は入ってるし、ホテルに警察は乗り込んでくるし、関わる男は指名手配犯?おまけに留置場まで体験してしまった。叔母に巻き込まれたスリリングな日々は、これまで静かに暮らしてきた男の本能を刺激し始める。人生に、今更スタートできないものなんて無いのかもしれない。


1993年度ローレンス・オリヴィエ賞ベスト・エンタテイメント賞を受賞した、日本でも演劇ファンに人気の高い今作。老若男女24役を、男4人で演じ分けるだけでなく、主人公・ヘンリー役は複数の役者が瞬時に入れ替わって演じるという大胆な手法で描かれ、スリリングでスピード感あふれる、演劇ならではの強烈な体験を味わうことのできる摩訶不思議な異空間ドラマとなっている。以下に各出演者のコメントを紹介する。

■加藤健一

上演のためのノート。「役柄は24人。男性15人、女性9人。これを男4人のみで上演。場所の設定は多岐にわたるが、これは演出家のやり方次第でどうにでも表せるだろう。」
作者からのこんなノートを読まされたら、何としてもやってみたくなるのは役者の性かな?しかも原作者はあの『第三の男』を書いたグレアム・グリーン。本を読んだ限りでは物凄く面白いのに、どんな風に完成するのか全く分からない。きっと稽古場は丁々発止の作業場となる事でしょう。

■天宮 良

僕は、この戯曲の持つコミカルさとスリリングでどこか怪しげなストーリー展開に魅了されている。普段芝居では、舞台セットや衣裳はそこがどこでどんなキャラクターなのかを伝える重要な武器になる。しかしこの作品ではそれらはあまり使えないようだ(稽古が始まってみないとわからないが…)。おそらく生身の役者の「存在」と「台詞」と「肉体」のみで表現しなければならないだろう。まさに役者の真価が問われる作品だ…。
これをどれだけ自由な発想を持って楽しみながら演じられるか、ここが今回の私の大きな課題である!!

■清水明彦(文学座)

人生は旅で、旅は人生。このコロナ禍で大好きな旅にも出られず、ヘンリーのように庭の草花の面倒をみたり、家の周りの小さな旅をすることが多くなったこの頃。
サンシャイン劇場から地球の裏側までひとっ飛び!24役を4人の俳優で…どんな舞台になるのかワクワクドキドキ。この素敵なメンバーでオーガスタ叔母さんの世界へ、レッツゴー!

■加藤義宗

僕にとっては今まで経験した役の中で、一番自分が何をやるのか分からない作品です(笑)チラシにも役名「???」となっておりますが、台本の冒頭には「話の展開の中で重要な役割を担っていた」とだけ書かれており、それ以外はどこで何をしろという指定がないので、稽古が始まるまで全てが謎です。 
お客様も劇場で不思議な旅をする事になると思いますが、僕自身も不思議な旅になりそうです。ぜひ劇場でご体験下さい。


 
【プロフィール】

●加藤健一(かとうけんいち):静岡県出身。1968年に劇団俳優小劇場の養成所に入所。卒業後は、つかこうへい事務所の作品に多数客演。1980年、一人芝居『審判』上演のため加藤健一事務所を創立。その後は、英米の翻訳戯曲を中心に次々と作品を発表。紀伊國屋演劇賞個人賞(82、94年)、文化庁芸術祭賞(88、90、94、01年)、第9回読売演劇大賞優秀演出家賞(02年)、第11回読売演劇大賞優秀男優賞(04年)、第38回菊田一夫演劇賞(13年)、他演劇賞多数受賞。2007年、紫綬褒章受章。2016年、映画『母と暮せば』で第70回毎日映画コンクール男優助演賞を受賞
 
加藤健一事務所:1980年、俳優・加藤健一が一人芝居『審判』を上演するために立ち上げた。加藤健一事務所の劇団員は加藤健一のみ。上演プログラムからキャスティング、演出、照明、音響、美術、衣裳など全てに渡って加藤本人がプロデュースするという体制をとっている。加藤が本当に芝居の好きな役者たちを集めて舞台づくりをする場であり、既成の劇団とは異なる個性的な活動を主とし、演劇界では常に注目を集める存在である。毎年、東京公演に加え、地方公演も活発に行っており、各地で好評を得ている。
1991年には東京都練馬区江古田に3階建ての自社ビルのスタジオを開設し、“スタジオK”としてレンタルも行っている。
加藤健一

加藤健一

公演情報

加藤健一事務所 vol.111 『叔母との旅』
文化庁「ARTS FOR THE FUTURE!」補助対象事業
 
■出演:加藤健一、天宮 良、清水明彦(文学座)、加藤義宗
 
■原作:グレアム・グリーン
■脚色:ジャイルズ・ハヴァガル
■訳:小田島恒志
■演出:鵜山 仁

 
■スタッフ:美術/乘峯雅寛 照明/古宮俊昭 音響/秦 大介 衣裳/加納豊美 舞台監督/畑﨑広和
 
■会場:サンシャイン劇場
■日程:2021年11月22日(月)~28日(日)
・11月22日(月)19時
・11月23日(火祝)14時
・11月24日(水)14時
・11月25日(木)14時
・11月26日(金)19時
・11月27日(土)14時
・11月28日(日)14時
■料金(全席指定・税込)
《前売》7,000円
《当日》7,550円 《高校生以下》3,500円(学生証提示、当日のみ)
ご予約前、ご来場前に必ず加藤健一事務所公式ホームページ内の注意事項と本公演の最新情報をご確認ください。
■公式サイト:http://katoken.la.coocan.jp/

 
<地方公演>
●京都公演:京都府立府民ホール“アルティ” 2021年12月4日(土)昼13時開演/夜18時開演
●所沢公演:所沢市民文化センター ミューズ マーキーホール 2021年12月11日(土)14時開演
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