劇団「地蔵中毒」がコント公演『立ち漕ぎマリリン・モンロー』、各回多彩なゲストとのアフタートークも

 

劇団「地蔵中毒」は、新たに「地蔵中毒のコント菩薩」と題されたコント公演のシリーズを開始、そのvol.1として、『立ち漕ぎマリリン・モンロー』（作・演出：大谷皿屋敷）を、2021年11月25日（木）～28日（日）、東京・渋谷のユーロライブで上演する。出演は、大谷皿屋敷（25日のみ）、かませけんた、三葉虫マーチ、東野良平、hocoten、立川がじら（志らく一門／26日～28日のみ）、3105、小野カズマ、佐藤一馬、大宮二郎（コンプソンズ）、髙畑遊（ナカゴー）、神谷圭介（テニスコート）。大谷と立川がじらはWキャスト。フライヤーのデザインは天久聖一が手掛けた。

また、各回毎にゲストを招き、アフタートークを実施する。25日（木）15:00＝春とヒコーキ、25日（木）19:30＝せきしろ、26日（金）15:00＝ななまがり、26日（金）19:30＝日本エレキテル連合、27日（土）15:00＝しずる、27日（土）19:30＝ZAZY、28日（日）14:00＝おほしんたろう、28日（日）18:00＝掟ポルシェという豪華な顔ぶれだ。上演時間は90分程度を予定。また、今回もStreaming+による生配信を実施（25日19:30、26日19:30）、今回は配信終了後、アーカイブ視聴も可能となっている。

公演内容については、劇団より以下の説明文が当編集部に寄せられている。

「歯くそで、封筒を綴じるだと！？」

服部調理専門学校の不合格者を中心に、2014年、オンライン仮想空間で結成された地蔵中毒。そんな地蔵中毒が、オリジナル憲法の考案ついでに創り上げた、珠玉の糖質オフコント集！
前世占いを配役決めに取り入れる等、従来の創作方法を根底からひっくり返すその姿勢は、地方養老院を中心に多くのフォロワーを生み、また小劇場界から順当に黙殺されている。
今回は、特別ゲストに「餅吸い名人」を迎え、餅に対する新たなアプローチを探る。
スティックのりの代わりに、歯くそで封を綴じる集団に、果たして未来はあるのか！？ そして、同級生との年収の差とは！？
さあ！ 合言葉は「その下、ホットパンツ履いてるかだけ教えて！」

【主宰・大谷皿屋敷より】

中学の授業で、「自分の名前の由来を親に聞く」という課題があり、母親に名前の由来を聞いたことがあった。
母親は「浜田雅功の『雅』、松本人志の『人』を取って、「まさひと」にした。笑いで人を笑顔にして欲しい。アンタには、1人ダウンタウンになって欲しいんだよ。」とだけ俺に伝え、台所に夕飯の支度をしに戻った。

俺は、静かに興奮していた。

「俺は、笑いをとることを望まれてこの世に産み落とされた、笑いの申し子なのだ。俺がこの世の笑いを変えなくてはいけない。」と、テレ東のちょいエロい番組を録画することしか楽しみがない、地方で燻っている13歳の少年は、謎の義務感を勝手に背負い込み、それから「1人ダウンタウン」になる為、浴びる様にお笑いを摂取した。
いずれ東京に出て、伝説の一万円コントライブ、「寸止め海峡(仮題)」を超えるライブをやるのだ、と日夜コントの分析に励んだ。

数年後、なんの気無しに、例の「1人ダウンタウン」の話を母親にしたところ、
「ん？ それ、嘘だよ。アンタの名前の由来は『真の思いやりを持った人間になって欲しい』だよ」と半笑いで言い放った。

殴ろうかと思った。
小銭を握ったグーで殴ろうかと思った。
何故、そんな意味のない嘘をついたのかが全くわからないし、その時母親が着てた「ニセモノのトムとジェリーみたいなキャラが描かれてるトレーナー」も、意味がわからなかった。

たしかによく考えてみれば、「教育に悪い」という理由で「ごっつええ感じ」を観ることを禁じていた人間が、子供につける名前ではない。でも、もう今更、「真の思いやりを持った人間」に方向転換するのは無理だと思った。

それから、なんやかんやあって、東京で「お噂はかねがね」と言われるだけの、訳のわからない劇団を作り、今月、初のコントライブをやることになった。
もう「この世のお笑いを変えてやろう」とか思ってないし、なんなら「できる限り、楽してウケたい」くらいの、薄っぺらいおじさんになったけれど、13歳のスケベ少年に「東京でコントライブやることになったぞ」って言うのを伝えてあげたい。
あと、「テレ東録画しなくても、Tokyo Motionとかでエロ動画見れるぞ」っていうのも。

●劇団「地蔵中毒」とは？
劇団「地蔵中毒」は、思いついてはみたものの社会に発表するにしては“見せられる側が迷惑” な、くだらない“思いつき”の供養の場として発足された「無責任エンターテイメント集団」である。ぼんやりと浮かんだ輪郭のない“思いつき”を、「無職」「無気力」「無教養」の三重苦を抱えたメンバーがコーティングして、ぐにゃぐにゃな形のままお届けする演劇には「?」がいっぱい。欲しいのは「演技力」よりも「日銭」！毎日お腹いっぱいなら、それでいい！演劇河川敷でフラフラと、廃棄弁当を貪る“演劇ホームレス”それが劇団「地蔵中毒」です。

●主宰・大谷皿屋敷について
1989年、北海道生まれ。大学時代に学生落語全国大会てんしき杯にて優勝、詩のボクシング全国大会にて準優勝を経て、そろばんの先生に50万の借金をして上京。2014年に、劇団「地蔵中毒」を旗揚げ。 極端に生活力が低く、ゴミ屋敷に住む。自宅のゴミ屋敷を掃除してもらう「ゴミ屋敷掃除ワークショップ」や「観客がジャガイモを握りながら観る演劇」を開催する等、自分でもよくわからない活動を続け、小劇場界から黙殺され続けている。近年の活動は、劇団の本公演として、第12回公演『おめかし、鉄下駄、総本山 削ればカビも大丈夫 (村の掟 全無視 Edition) 』（下北沢 駅前劇場）、第13回公演『宴たけなわ天高く円越える孫世代』（ザ・スズナリ）、第14回公演『母さんが夜なべをしてJavaScript組んでくれた』（同）の 作・演出を務める。また、安藤玉恵による一人芝居劇『SAVE THE どん平 安藤玉恵による"とんかつ" と"語り" の夕べ vol.1 切断』にて作・演出、WOWOWオリジナルコントドラマ『松尾スズキと30分の女優』シリーズにて脚本参加している。