藤山直美、20年ぶりの正月公演は前川清との人情物語ーー大阪・法善寺横丁で『新春特別企画 前川清・藤山直美』成功祈願
『新春特別企画 前川清・藤山直美』
2022年1月4日(火)から31日(月)まで、大阪・新歌舞伎座で上演される新春特別企画『前川 清 藤山直美』。芝居は第一部が「恋の法善寺横丁」、第二部が「前川 清オンステージ」の二本立て。前川扮する板前・徳三と正月公演の出演は約20年ぶりという藤山が、昭和初期の法善寺横丁に佇む小料理屋の女将・お辰に扮し、笑いと涙、そしてほのかな恋を織り交ぜた人情喜劇を繰り広げる。
●2年越しの上演に歓喜、「新たな気持ちで頑張ろう」●
先日、大阪の法善寺で公演の成功祈願をおこなった前川と藤山。この特別公演は2020年にコロナ禍の影響を受け、あえなく中止になったことから今回は約2年越しの上演となる。それだけに、水掛不動尊に手を合わせる姿からも「今度こそは」という気が感じられた。成功祈願の後、取材会に応じた二人は次のように語った。
前川は「前回は本番直前、新歌舞伎座の楽屋を整えていた時に中止になり、出演者、関係者の皆さんが涙しました。こうして直美さんと改めて出させていただき、本当に嬉しく思っております」と目を細めた。
藤山は「こうしてまたご縁をいただきまして、舞台に立たせていただくことができ嬉しく思います。1月に舞台に立ちますのは約20年ぶり。気持ちも新たにお正月から前川さんに会えるというのは……。この続きは「幸せです」とか、「不幸です」とか、どうぞご自由に書いてください(笑)。よろしくお願いいたします」と、冗談を交えながら喜びを語る。
法善寺横丁で『新春特別企画 前川清・藤山直美』の成功を祈願
何度も共演しているという前川と藤山、互いに尊敬しあう姿が印象的だ。
「直美さんが50歳の時に松竹で(舞台を)やるからと声をかけていただき、それからずっとお世話になっております。僕は歌い手としてやっていながら、こうして舞台もやらせていただいています。今回、新歌舞伎座の1月、そして明治座の2月と出演でき、ありがたい気持ちと救われた気持ちがあります。一度は中止になった舞台ですけども、また新たな気持ちで頑張ろうと思っております。直美さんは私のことを……?」と藤山の顔を覗き込む前川。
「こうしてしゃべらせてもらってますけどね、言いませんよ、私は。前川さんは「墓石みたいに動かへん」とか「靴減らへんやろ」とか、「広いステージでも大きい座布団1枚しか要らない」とか。冗談ですけど」と、笑いを誘う藤山。
『新春特別企画 前川清・藤山直美』
続けて「母が95歳になりまして、歌番組を見ることが多いですね。私も横に座って前川さんの歌を聴かせてもらっているんですけど、前川さんは本当に上手い。ご本人は無意識だと思います。ガツガツされてませんし、歌の世界でも「頂点を目指して!」という感じではない方だと思うんです。頂点に行きたいという人には申し訳ないけど、悲しいかな、私はやっぱり一番上手いと思った。あと、いい歌が多い。ヒット曲にもたくさん恵まれている方やし。「もうちょっと自信を持たれたらどうですか?」と言うんですけれども、下をずっと向いてます。生きてはる姿勢が、あんまり鳩胸じゃないんですよね。それは何なん? 電池切れですか?」と藤山が尋ねると、「電池切れです……(笑)」と前川。そんな二人の息の合ったやり取りからも、作品への期待が高まる。
大阪公演も5年ぶりという藤山。「大阪のお客様には、気分は楽にさせていただいています」と笑顔を浮かべ、前川と共に久々の対顔を心待ちにしている様子だった。
取材・文・撮影=Iwamoto.K
公演情報
会場:新歌舞伎座
料金:1階席 13,000円
2階席 7,000円
3階席 4,000円
特別席 15,000円
<第一部>
「恋の法善寺横丁」
脚本 = 横山一真
演出 = 竹園 元
<第二部>
「前川 清オンステージ」
(予定曲目)
・長崎は今日も雨だった
・そして、神戸
・中の島ブルース
ほか
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