日本映画としては初の栄誉 嵐莉菜主演『マイスモールランド』が『ベルリン国際映画祭』アムネスティ国際映画賞を受賞
(C)2022「マイスモールランド」製作委員会
5月6日(金)公開の映画『マイスモールランド』が、『第72回ベルリン国際映画祭』のアムネスティ国際映画賞からスペシャル・メンション(特別表彰)を授与されたことがわかった。
『マイスモールランド』は、是枝裕和監督率いる映像制作者集団・分福に所属する川和田恵真監督の商業映画デビュー作。在日クルド人の少女が、在留資格を失ったことをきっかけに“自分の居場所”に葛藤し、成長していく姿を描いた作品だ。5ヶ国のマルチルーツを持ち、viviの専属モデルとしても活躍する主演の嵐莉菜が、在日クルド人の高校生・サーリャを演じ、サーリャが心を開く少年・聡太を奥平大兼が演じている。
2005年以降、国際人権NGO・アムネスティー・インターナショナルは、『ベルリン国際映画祭』で上映された作品の中から、人権問題をテーマにした作品に対して「アムネスティ国際映画賞(Amnesty International Film Award)」を授与している。2022年度は、ベルリン国際映画祭に正式招待された全部門の中から15作品が事前にノミネートされており、ベルリン現地2月17日に本年度の《アムネスティ国際映画賞スペシャル・メンション(特別表彰)》として『マイスモールランド』が選出されたことが発表されている。
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「私たちは今回の栄誉ある授与について『マイスモールランド』は、世界中で起こりうる出来事を、力強く語った映画作品だと思いました。難民への非人道的な扱いを批判しながら普遍的テーマを描いています。作品から学ぶことが多く、ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います」と同映画賞の公式発表として、審査員らのコメントが発表されている。
なお、2005年から17年間づづく同映画賞から、日本作品が栄誉を受けるのは、今回が初めてとのこと。
受賞を受け、川和田恵真監督は「世界中の人々の人権のために活動されているアムネスティーインターナショナルより『マイスモールランド』の普遍性や力強さを評価いただけたこと、大変嬉しく思います。国籍を問わずより多くの人々に、この作品が届くきっかけになることを願っています。」とコメント。主人公・サーリャを演じた嵐莉菜は「初めて主演を務めさせていただいた作品で、この大好きなチームで作り上げた作品を評価いただけたこと、本当に本当に光栄です!!人種や民族に関する問題は、形を変え、世界中どこでも起こっていると思います。この映画を観て何か関心を持つきっかけになってもらえたら嬉しいです」と語っている。また、聡太を演じた奥平大兼は「日本に住むクルド人の方々について、僕は演者としてこの映画に関わらせて頂いて、初めてしっかりと考えることができました。そして映画として作品にするのはとても難しいことだと感じていました。それがこのようにベルリン映画祭の舞台で評価していただけてとても嬉しいですし、これが、より多くの方々に見ていただけるときっかけになれば良いなと思います」と明かした。
ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門のヘッドプログラマーのセバスチャン・マルクト氏は「世界共通のテーマである現代社会の矛盾を、とても美しく、映画らしい構成で物語に練りこんでいる」とコメントしている。
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なお、受賞の報に合わせ、場面写真8点も解禁されている。
『マイスモールランド』は5月6日(金)新宿ピカデリーほか全国公開。