新国立劇場、2021/2022シーズンオペラ リヒャルト・シュトラウスの名作『ばらの騎士』を上演
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新国立劇場「ばらの騎士」2017年公演より 撮影:寺司正彦
2022年4月3日(日)~4月12日(火)新国立劇場オペラパレスにて、新国立劇場 2021/2022 シーズンオペラ R.シュトラウス『ばらの騎士』が上演されることがわかった。
本作は、ウィーン上流社会を舞台に、美しく気高い元帥夫人と若い愛人との情事、刻々と経過する時間と衰えゆく美貌への想い、やがて結ばれる若い二人への祝福を描いた物語。。劇作家ホフマンスタールと R.シュトラウスの名コンビによる傑作で、あらゆるオペラの中でも最も贅沢で美しいと称され、中でも第2幕の“銀のばら”の献呈シーン、終幕の女声三重唱「私が誓ったことは」など聴きどころ、見どころが続き、観る者を陶酔の世界へ引き込んでくれる作品だ。
新国立劇場「ばらの騎士」2017年公演より 撮影:寺司正彦
演出を務める英国の演出家ジョナサン・ミラーは細やかな人物描写に優れ、時代を台本の18世紀から『ばらの騎士』世界初演1年後の1912年に移して、当時の聴衆が感じていた「時代の移ろい」の感覚をも作品から引き出している。。時代変動直前の貴族たちの優雅な館を登場させた視覚的にも美しい奥行きある舞台で、諦念と未来への希望が成熟したタッチで見事に描かれる様は、オペラの醍醐味そのもの。新国立劇場の数あるレパートリーの中でも抜群の人気を誇っている。
アンネッテ・ダッシュ
元帥夫人には、バイエルン州立歌劇場、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、バイロイト音楽祭などで世界トップソプラノとして活躍するアンネッテ・ダッシュが登場、元帥夫人役のロールデビューを果たす。新国立劇場へは03年『ホフマン物語』アントニア、08年ニューイヤー・オペラパレス・ガラ以来、オペラファンが待ちに待った出演となる。
妻屋秀和
安井陽子
小林由佳
そのほか、日本のトップ歌手として獅子奮迅の活躍を見せる妻屋秀和のオックス男爵、2011年公演でも大絶賛を博した安井陽子のゾフィー、小林由佳の得意役オクタヴィアン、さらに、加納悦子、与那城敬、森谷真理、宮里直樹と実力派たちが集結する鉄壁の布陣となっている。
サッシャ・ゲッツェル
また、指揮には、ウィーン出身でウィーン国立歌劇場の『ばらの騎士』も指揮、日本のファンも多いサッシャ・ゲッツェルが新国立劇場デビューを飾る。
新国立劇場「ばらの騎士」2017年公演より 撮影:寺司正彦
【第1幕】 陸軍元帥夫人マリー・テレーズは、夫が不在の館で、若い恋人オクタヴィアンと甘いまどろみのなか朝を迎える。そこに元帥夫人の従兄オックス男爵がやってくる。新興貴族ファーニナルの娘ゾフィーと婚約するというオックスは、婚約者に銀のばらを贈る儀式の使者"ばらの騎士"を誰にしたらいいか相談しに来たのだ。逢瀬の現場を見られてはまずいと大慌ての2人だが、もう逃げられず、オクタヴィアンはかわいらしい小間使いマリアンデルに変装。女たらしのオックスは元帥夫人に相談しながらも小間使いが気になる様子。元帥夫人はオクタヴィアンを"ばらの騎士"に推薦する。その後、元帥夫人はひとり思いにふけり、年齢を重ねることの無常を思う。
【第2幕】 "ばらの騎士"としてゾフィーに銀のばらを届けに来たオクタヴィアンは、一目で彼女と恋に落ちてしまう。オックス男爵が現れるが、彼のあまりにも無作法な態度にゾフィーは結婚を嫌がり、オクタヴィアンは婚約を取り消すようオックスに申し出る。しかしオックスが相手にしないため、オクタヴィアンは剣を抜く。オックスも剣を手に取るが、すぐにオクタヴィアンの剣の先が腕に当たる。負った傷はほんのかすり傷だが、オックスは泣きわめいて大騒ぎ。そこにマリアンデルから逢引の誘いの手紙が来て、オックスはすっかりご機嫌に。
【第3幕】 逢引の場の安宿の一室には、オックスを懲らしめるための罠を仕込み、オクタヴィアンはマリアンデルに変装して準備万端。何も知らないオックスは浮足立ってやってきて"彼女"を口説こうとするが、いい雰囲気になろうというとき、幽霊が現れ、「彼の子」と称する子を連れた女や、警官が来て大騒動。すっかり追い詰められたオックスは婚約を破談にすることを了承する。そして元帥夫人は身を引き、オクタヴィアンとゾフィーを祝福する。
新国立劇場オペラ『ばらの騎士』ダイジェスト映像 Der Rosenkavalier-NNTT
公演情報
R. シュトラウス『ばらの騎士』
Richard STRAUSS / Der Rosenkavalier
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
会場:新国立劇場 オペラパレス
予定上演時間:約4時間(休憩含む)
【指揮】サッシャ・ゲッツェル
【演出】ジョナサン・ミラー
【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター
【照明】磯野 睦
【再演演出】三浦安浩
【舞台監督】髙橋尚史
【元帥夫人】アンネッテ・ダッシュ
【オックス男爵】妻屋秀和
【オクタヴィアン】小林由佳
【ファーニナル】与那城 敬
【ゾフィー】安井陽子
【マリアンネ】森谷真理
【ヴァルツァッキ】内山信吾
【アンニーナ】加納悦子
【警部】大塚博章
【元帥夫人の執事】升島唯博
【ファーニナル家の執事】濱松孝行
【公証人】晴 雅彦
【料理屋の主人】青地英幸
【テノール歌手】宮里直樹
【帽子屋】佐藤路子
【動物商】土崎 譲
【合唱】新国立劇場合唱団
【児童合唱】多摩ファミリーシンガーズ
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
※招聘キャスト、指揮者につきましては、出入国制限の状況により変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。
※オックス男爵役に出演を予定していたクリスティン・ジクムントソンは、健康上の理由により出演できなくなりました。また、オクタヴィアン役に出演を予定していたマリア・カターエワは、本人の都合により出演できなくなりました。このため出演者を変更して上演致します。
公演情報 WEB サイト https://www.nntt.jac.go.jp/opera/derrosenkavalier/