『IDORISE!! FESTIVAL 2022』2Daysで開催されたシブヤテレビジョンが主催するサーキットイベントから厳選してレポート<Day.1>
『IDORISE!! FESTIVAL 2022』
『IDORISE!! FESTIVAL 2022』<Day.1> 2022.03.12(sat) 渋谷6会場
シブヤテレビジョンが主催するサーキットイベント『IDORISE!! FESTIVAL 2022』、東京渋谷6会場(Spotify O-EAST / Spotify O-WEST / Spotify O-nest / Spotify O-Crest / duo MUSIC EXCHANGE / WOMBLIVE)連動で二日間に渡り開催されたから本イベントから、各日程8組を厳選してレポートをお届けする。
フィロソフィーのダンス
フィロソフィーのダンス
フィロソフィーのダンス
外は春の到来を感じさせ、汗ばむぐらいの陽気。フィロソフィーのダンスによるグルーヴィなダンスミュージックが渋谷の空気を震わせた。
真っ白な衣装に身を包んだ4人が1曲目に選んだのは「ドント・ストップ・ザ・ダンス」。シーントップクラスのボーカルスキルを誇るグルーブだが、力で押し切るのではなく、楽曲に寄り添う歌唱が心地いい。オリジナルアニメ映画「フラ・フラダンス」のCMでよく聴いた「サンフラワー」は柔らかく穏やかなダンスが印象的だ。
「すべての魅力が伝わる30分セトリを組んできた」と自信たっぷりな発言のとおり、グッとアダルトなムードで歌い上げる「シスター」など、幅広く攻める。歌を牽引するのは日向ハルだけど、他のメンバーの声も楽曲の彩りには決して欠かせない。そして、妥協のない本気の音が魅力のフィロのスは、各メンバーが随所で見せる笑顔やキュートな仕草もたまらない。
「ライブ・ライフ」ではフロアに向けてハンドクラップを煽るなどより一体感を増していき、相乗効果でメンバーの歌声にさらなるハリが生まれる。ラストの「ダンス・ファウンダー」ではそれが頂点に達した。必要以上に煽らなくても、音楽とパフォーマンスの力でフロアがひとつになっていく様は圧巻だった。
Devil ANTHEM.
Devil ANTHEM.
Devil ANTHEM.
EDMの狂騒的なSEに乗って現れたのはDevil ANTHEM.。ミディアムテンポでしっとりとしたフィロのスとの対比で、グッとテンションが上がる。
オープニングは「OMONPAKARU」。メンバー全員が身につけているグローブから放たれる緑のレーザーや忙しなく動き回る照明の効果もあって、一気に脳内が覚醒。特にレーザーはメンバーの動きに合わせて不規則に動くため、心のざわつきが半端じゃない。
そんなこちらの状態はお構いなしに、彼女たちは曲間をビッチビチに詰めて音を畳み掛ける。「ミッドナイトドライブ」ではフリーキーに鳴り響くサックスが曲を牽引。サビのわかりやすい振付でフロアには振りコピが大量発生。<We are the デビアン>と宣誓する「あなたにANTHEM.」も激キャッチーだ。
さらに、「FEVER」の落ちサビでのマイクリレーではたしかな歌唱力も披露。ハードコアテクノなキックに終始頭がぐわんぐわんに揺らされたが、実はどの曲もメロディがいいし、強烈なトラックに負けない歌を届ける彼女たちの歌は強い。「by your side」を披露し終えたあと、MC最後の「ありがとうございました!」の裏で「ドーン!」と高らかに一発音を鳴して終わるのが、めちゃくちゃカッコよかった。2日間で一番の爆音だったが、決して不快ではなかった。そこにしっかり主張が込められていることが伝わってきたからだ。
クマリデパート
クマリデパート
クマリデパート
SEが鳴り出した瞬間に軽いどよめき。ステージ上に6人のメンバーが揃うと、一斉にハンドクラップが起こる。オープニングナンバーは「あみだ☆ふぉーちゅーん」。全員同じ振付がほとんどないのに、すさまじい連帯感を感じさせるフォーメーションがすごい。複雑に動き回りながら、アッパーかつ、トリッキーなポップソングを歌い上げる。スキルの高さが圧倒的である。
続く、「ウダガワ・ヨッキュー」は会場がある宇田川町の歌。楓フウカの歌が存在感を示すなか、ここでも6人のフォーメーションが際立つ。縦や横だけでなく、斜めのラインも実に美しい。ブレイクでビシッと揃う振りよかった。6人のシューズの音が客席まで鳴り響いた。衣装とMCはかわいいに全振りしつつ、パフォーマンスはキレと統率の塊。
「シャダーイクン」や「極LOVE浄土」といった大人気曲も、これまでは楽曲を楽しんでいただけだったが、空間を広く使ったフォーメーションが抜群のシンクロ率だということに気づくと違った興奮が湧き上がってくる。音が聞こえなくても、目だけでも楽しめるパフォーマンスだ。さらに、ラストに披露した変拍子ゴリゴリの「限界無限大ケン%」では、ステージ背後の壁一面にMVが映し出され場内がどよめくなか、6人は華麗に舞い、歌うのだった。いやぁ、すごかった。
Jams Collection
Jams Collection
Jams Collection
出番前、ステージ裏から体育会系ばりの気合の入った掛け声が聞こえ、それに対して観客が拍手を送る。Jams Collectionの登場だ。彼女たちはこの日2本目のライブとなる。「アイドライズ、Jams Collectionと一緒に盛り上がっていきましょう!」という挨拶とともに「プラネットナイン」でステージの幕は切って落とされた。
アッパーなオープニングナンバーからガラッと雰囲気を変え、続いてはエッジの効いたロックチューン「ブルーアワー」へ。この曲はライブでしか披露されておらず、まだ音源化されてない人気曲。狙っていたのか偶然なのか声の高いメンバーが揃っているため、ユニゾンでの統一感が気持ちいい。ステージ上はもちろんのこと、フロアも統率の取れた振りコピで応える。彼女たちに対するファンの熱が伝わってくる。
間髪入れずに放り込まれた「愛你」でさらにテンションは高まる。途中、グッとテンポを落とし、サビで再び高速になって横一列に同じ振付で踊る様は圧巻。一体感もすごいが、客席を巻き込んでいくパワーがすごい。場内の熱気で汗が吹き出してくる。
スリリングな「愛你」からどポップな「最先端フォーミュラ」という展開のつけ方もエグかった。しかも、この曲は一聴すると王道のアイドルソングのようでありながら、低音の強さなどサウンドのつくりで激しく踊らせる仕様になっているんだから手が込んでいる。あと、メンバーの背格好が全員近いせいなのか、並んだときの見栄えも美しい。シンプルな振付であればあるほど美しさが増す。
会場の熱量に後押しされるかのようにボーカルにより力が入ったのは「疾走ドリーマー」。そして、タイトルコールされた瞬間フロアがざわついたのはラストに披露した「サマーポップ」だ。この曲に出てくる<蒸し暑さが染め上げて>という歌詞は、彼女たちが作り上げたこの30分間を見事に言い表していた。