『IDORISE!! FESTIVAL 2022』2Daysで開催されたシブヤテレビジョンが主催するサーキットイベントから厳選してレポート<Day.2>

レポート
音楽
2022.5.24
『IDORISE!! FESTIVAL 2022』

『IDORISE!! FESTIVAL 2022』

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『IDORISE!! FESTIVAL 2022』<Day.2> 2022.03.13 渋谷6会場

シブヤテレビジョンが主催するサーキットイベント『IDORISE!! FESTIVAL 2022』、東京渋谷6会場(Spotify O-EAST / Spotify O-WEST / Spotify O-nest / Spotify O-Crest / duo MUSIC EXCHANGE / WOMBLIVE)連動で二日間に渡り開催されたから本イベントから、各日程8組を厳選してレポートをお届けする。

NEO JAPONISM

NEO JAPONISM

NEO JAPONISM

NEO JAPONISM

NEO JAPONISM

DAY1はO-WESTで2階席後方までたくさんの拳を突き上げさせていたNEO JAPONISMが、DAY2はメインステージO-EASTに登場。パフォーマンスを観ていて気づいたのは、彼女たちは発声からしてロックだということ。しかも、みんな上手い。ダンスにしても、フォーメーションを揃えるというよりも、それぞれの個性をダダ漏れさせることを重視しているように見える。熱量の届け方もそれぞれ異なる。体全体で、歌声に乗せて、心に秘めて。初見でもメンバーの特徴を掴みやすいのはそのせいかもしれない。

ライブは、滝沢ひなのが「クラップ!クラップ!」と舞台袖から走り出して前のめりにフロアを煽りつつ、1曲目「Buster Buster」からスタート。デジタルノイズ混じりのVJ映像がグループの世界観を増幅する。瀬戸みるかはtheアイドル的な歌声を持っているが、だからこそこの曲の落ちサビではエモさが増す。自分たちがステージに立つ理由を証明するかのようなラウドチューン「NO FIGHT NO DREAM」で胸を掴まれたあとは、クールなサウンドとシリアスなメッセージを届ける「TRAUMA」。実は、振りに歌舞伎を取り入れたり、エンタメ度も高い。サビでステージ後方から一斉に照らされるバックライトがカッコよかった。

彼女たちも自分たちと同じように日々もがきながら生きている。闘っている。だからこそ、<すすめすすめすすめ どうせ明日がくるなら>と歌う「すすめ」で見せる必死なパフォーマンスがこれほどまでに胸に響くのだろう。あとで知ったのだが、これは滝沢ひなのが初めて作詞作曲を手掛けた曲だという。素晴らしい。泥臭さと洗練が上手くミックスされたステージだった。

我儘ラキア

我儘ラキア

我儘ラキア

我儘ラキア

我儘ラキア

<RAKIA in the house>というリフレインとともにステージに現れたのは我儘ラキアの4人。「最高な1日にしようぜ!」とフロアに向かって呼びかける星熊南巫。彼女のボーカルにはのっけからぶっ飛ばされた。

ボーカルパートにおいて星熊と双璧をなすのはMIRIのラップ。「New World」で、ステージ後方から前に出てきてラップをかます見せ方がいかにもヒップホップ的でさすがに上手い。ラキアはボーカルだけ聴いているとロックだが、海羽凜と川﨑怜奈という2人のダンスがあることで女性らしいセクシーさが加わる点も見逃せない。そこがラキアの唯一無二の武器だ。

星熊と並んで川﨑もメインボーカルをとった「Leaving」ではとにかく笑顔で楽しそうにしていたMIRIだが、「SURVIVE」では一転、気迫のこもったラップで表現の幅を見せる。この日はあらゆる場面で彼女の活躍が光っていた。

ラストは高速パンクチューン「Days」。曲の最後、イヤモニを外すメンバーたち。当然、そうしたところでフロアの声は聞こえない。それでも彼女たちは懸命に観客の心の声を聴こうとしていたのかもしれない。

THE ORCHESTRA TOKYO

「渋谷DUO、盛り上がっていきましょ~! エビバディクラップユアハンズ!」と大きな第一声とともに登場したのはTHE ORCHESTRA TOKYO。オープニングナンバー「ACT」はハードなギターと強烈な四つ打ちが牽引する曲。4人のダンスは軽やかで勢いがあり、ときおり出てくる90年代っぽいダンスがフックになっている。

「Checkmate」はEDMとロックがうまく溶け合った楽曲。ABサビの展開がわかりやすく、初見でも入り込みやすいキャッチーさが魅力だ。終盤の「ESCAPiSM」もそうなんだけど、覚えやすいフレーズをサビに持ってくるのがうまい。イタロハウスっぽい鍵盤フレーズが牽引するダンスチューン「DANCING MONSTER」も、サビの「ダンス!」というリフレインが耳に残る。この曲は、終盤からメジャー展開になるのも意外性があってテンション爆上がりだ。

その一方、「螢」の序盤は和テイストのパワーバラードで、指先に至るまでの表現に4人の思いが通っている。彼女たちの歌には切なさというよりも前のめりな思いが乗り、後半は力強いパワーチューンへと展開していく。

ラストはEDMアンセム「My HERO」。「みなさん、手は上がりますか!?」という呼びかけに対して観客は無数の腕で応える。アイドル経験者もいるとはいえ、結成から1年と少しでここまでのステージングを完成させたのは正直、すごい。来年はもっと大きなステージに立っているのではないだろうか。

Ringwanderung

生歌の力を見せつけたのはRingwanderung。繊細な鍵盤フレーズとギターの絡みが印象的な「Memories」から本気の生声を響かせる。強い。

曲間ゼロでストイックに次々と曲を畳み掛けていくのだが、メンバーは自然な笑顔を浮かべてパフォーマンスを積み上げていく。身体能力が高いのかリズム感がいいのか、はたまたその両方か、歌もダンスも小気味よく、全体的にスポーティというか、アスリート的な印象を受ける。見ていて楽しい。

しかし、「輪廻」では一瞬狂気が増す。性急なビートに乗るのは、<お前のその暗闇ん中で 妄想今日も死んだ振りをしているだけ>という歌詞の世界感に合わせたやさぐれたボーカル。その一方で、語尾の微妙なニュアンスの表現に鳥肌が立つ。

途中までは歌に意識を奪われていたけど、Ringwanderungの楽曲はハモリが少ないことに気づく。あったとしても必要最低限。自分のたちのメロディの力を信じているのだろう。

ラストは「La La」。これまで統率力のあるパフォーマンスを繰り広げてきた5人だが、ここでは間奏でメンバー紹介を挟んだり、表情や動きに自由度が生まれる。セットリストだけでなく、感情の緩急をつけることによって30分の壮大な物語を彼女たちは描いていたのだった。お見事。

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