『IDORISE!! FESTIVAL 2022』2Daysで開催されたシブヤテレビジョンが主催するサーキットイベントから厳選してレポート<Day.2>
Kolokol
Kolokol
Kolokol
ライブ前、影アナでライブ中の諸注意が流れたのだが、影アナというのは特徴がありすぎるその声は、改めて名乗られる必要もないぐらいKolokol佳凪きの。彼女だけでなく、Kolokolはそれぞれのメンバーが独特な歌声をもち、そんな4人のハーモニーがそのままグループの魅力となっている。大阪BIGCATでの初ワンマンを直前に控え、相当気合いが入っていただろう。
新曲「Deeper Deeeper」にはじまり、「Untill the End」「Dead End」と徐々に、シリアスなムードでビルドアップしていく様がカッコいい。メンバーに笑顔はなく、コンセプチュアルなステージングで魅了していく。「Deeper Deeeper」と同時に発表された「Sand Castle」もパフォーマンスにキレがあり、もはや単独へ向けた準備バッチリという雰囲気。
終盤はミドルのEDMチューン「Hello」で新たな旅立ちを歌い、ラスト「カーニバル」で大団円を迎えるのだが、トータルで見るとしっかり一編の物語になっていることがわかる。しかも、ハッピーエンド。Kolokolらしいストーリーテリングで、短編映画のような充実感を与えてくれた。
26時のマスカレイド
26時のマスカレイド
26時のマスカレイド
「ダンデライオンに恋を」という春を思わせる曲から26時のマスカレイドのステージはスタート。5人のパフォーマンスは、キレがあるというのとも、ダイナミックというのとも違って、ふんわりと柔らかい所作が美しくてかわいい。歌も同様で、パワフルに声を張り上げるのではなく、丁寧に思いを届けることを意識することでニジマスらしい世界が構築されている。現場で聴くとギターの音がわりと前で鳴っていてにぎやかに感じる曲だが、表現の仕方によってこちらの受け取り方もまったく異なるのである。
映写機のサウンドエフェクトやマーチングドラムがノスタルジックな雰囲気を醸し出す「二人だけの初めてをもっと」では、控えめながら随所で聴かせるコーラスワークが美しかった。その一方、「B dash!」はアッパーで完全なるアゲ曲。落ちサビではフロアから高速のハンドクラップが送られるほど。だけど、メンバー一人ひとりの柔らかい所作がアゲ曲とはまた異なる次元の楽曲に感じさせる。スタンバイの時点でどよめきが起こった「ハナイチモンメ」もそうだ。指の先まで意識した表現がニジマス独自のパフォーマンスへと昇華させていくのである。
この日のパフォーマンスからしばらくして、10月30日に行われる東京国際フォーラム公演をもってグループは解散することが発表された。まだ彼女たちのステージを観たことのない人がいるのだとしたら、いち早く現場に足を運んでみてほしい。きっとあなたの心に何かを残すはずだ。
ばってん少女隊
ばってん少女隊
ばってん少女隊
フロアが色とりどりのペンライトでカラフルに染まり、スカパンクチューン「ばりかたプライド」のイントロとともに登場したのはばってん少女隊。「拳!」「ジャンプするよ!」とフロアを明るくポジティブに誘導していく。「おっしょい!」でも引き続きエネルギーを全開放していくのだが、それとは対象的にアシンメトリーなデザインのスカートの揺れが生み出すシルエットが美しい。
サウンドはスカからファンクへと移行していく。「スウィンギタイ」だ。しかも、ファンクに寄せていくんじゃなくて、ファンクを自分たちの世界に引きずり込む感じ。サウンドだけでなくパフォーマンスにも変化が生まれた。エネルギッシュなダンスからキメの多いダンスへ。この切り替えには唸るしかない。
MCを挟んで終盤になると、サウンドはさらに変化を遂げる。ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)が手掛けた新曲「YOIMIYA」からはミニマルなダンスミュージックへ。地を這うようなベースラインに合わせたかのような細かな足技が光る。さっきまでヘドバンしていた人たちとは思えない。「わたし、恋始めたってよ!」はリスニング向けな印象だったが、ライブでも映えることに気づいた。そして、ラストは「OiSa」。この中毒性特濃の発明品みたいな1曲は、「YOIMIYA」からの流れで観ることによってより映える。スクリーンに映し出されたVJ映像も効果的だった。35分という短い時間でばっしょーの魅力を見事に伝えきっていた。
いぎなり東北産
いぎなり東北産
いぎなり東北産
祭り囃子の SEが鳴り響くなか、「私たちの本気、受け取ってくださーい!!」という大絶叫が聞こえてくる。わらわらとステージに現れた9人のメンバーは口々に何か叫んでいるが、その内容はわからない。とにかく気合がとんでもなく入ってることだけは伝わってくる。なんだかよくわからないが、ステージ上で寝っ転がってそのままステージ袖まで引きずられているメンバーまでいる。もうやりたい放題だ。あとで知ったところによると、引きずられていたのは藤谷美海。もう歌い始める前から逸材でしかない。
このまますごい騒ぎを巻き起こしていくかと思いきや、オープニングナンバーはどバラード「Whatever」。拍子抜けしたものの、IDORISE!!2日間の大トリという大舞台に懸ける思いをバラードに込めるというのはグッとくるではないか。しかも、桜ひなのを筆頭に、歌がすごい。9人いることの強みが出ていて、バラードでも見ていて飽きない。
ニューロマンティックな「ニュートロ」を挟んだMCでは、安杜羽加の「みなさん、死ぬ気で死んでください!」というパワーフレーズも飛び出し、そのまま次の曲へ移るかと思いきや、とあるメンバーが立ち位置を間違えてメンバーから総ツッコミを受ける。またしても藤谷美海である。
しかし、「HANA」「いただきランチャー」と続くうちに、彼女たちのパフォーマンス力の高さと豪快さに圧倒されていく。「伊達サンバ」なんてフロアよりもステージ上がカオス。10年前ぐらいのスタダを思い起こさせるようなドタバタっぷりだが、やっぱりみんな歌がすごい。「天下一品 〜みちのく革命〜」も完全なるアゲ曲なのに歌は安定してるんだから驚くしかない。とどめは「うぢらとおめだづ」。なんだかよくわからないけど元気が出るという、アイドルソングのお手本のような一曲で締め。
エンディングの挨拶で「以上!」と叫んだ橘花怜の声がかすれていた。彼女たちが全力でステージに臨んでいたこと改めてグッときながらも、ステージ去り際の「みんな、ファンクラブ入ってねー!」という桜ひなのの言葉でズッコケるのだった。きっと、「爪痕 残し方」で検索をかけたら最初に出てくるのはこのライブだ。
取材・文=阿刀"DA"大志 撮影=真島洸
セットリスト
01.Buster Buste
02.NO FIGHT NO DREAM
03.TRAUMA
04.WORLD PARADE
05.すすめ
06.I'm a dreamer
01.GIRLS
02.reflection
03.New World
04.Leaving
05.SURVIVE
06.Melody
07.Days
01.ACT
02.PROGRESS
03.Checkmate
04.DANCING MONSTER
05.螢
06.ESCAPiSM
07.My HERO
01.Memories
02.燃える火曜日
03.River
04.FlashBack
05.カケラ
06.ササル
07.La La
01.Deeper Deeeper
02.Untill the End
03.Dead End
04.Sand Castle
05.Fragment
06.Hello
07.カーニバル
01.ダンデライオンに恋を
02.二人だけの初めてをもっと
03.B dash!
04.ハナイチモンメ
05.Go Way
06.COLORS
01.ばりかたプライド
02.おっしょい!
03.スウィンギタイ
04.でぃすたんす
05.OTOMEdeshite
06.YOIMIYA
07.わたし、恋始めたってよ!
08.OiSa
01.東北産出囃子
02.Whatever
03.ニュートロ
04.HANA
05.いただきランチャー
06.伊達サンバ
07.天下⼀品 ~みちのく革命~
08.うぢらとおめだづ