祝・第2位受賞! 入賞直後の古谷拳一(ファゴット)に直撃インタビュー~コンクールの裏側から7月の来日公演、JNOの活動まで
――そして、そのパシフィック・クインテットでの来日公演が東京と京都で7月に開催される予定ですが、いったいどんなコンサートになるのでしょうか?
2019年から始動したこの国際的クインテットが日本に初来日して、このような機会を頂き、演奏会をできることになりました。メンバーは全員違う国籍でキャラクターも5人それぞれ違っています。
5つの楽器から繰り出される、5つの個性的な音色が、どんな風に日本で響いて、皆さんの心に届くのか注目していただきたいと思います。
左から 古谷拳一(ファゴット・日本)、ヘリ・ユー(ホルン・韓国)、フェルナンド・マルティネス(オーボエ・ホンジュラス)、アリヤ・ヴォドヴォゾワ(フルート・ロシア)、リアーナ・リスマン(クラリネット・ドイツ)
Pacific Quintet // C. Nielsen - Wind Quintet
―― 選曲の狙いと聞きどころを教えてください。
モーツァルトの歌劇「魔笛」序曲は、通常オーケストラのものを木管五重奏にアレンジしたものを演奏します。オーケストラのようなたくさんの楽器で演奏しても大変な仕事量が必要な曲ですが、それを木管五重奏のためにコンパクトにしたので、何倍にも難しくなります。そんな超絶技巧をお聞きください。
ラヴェルの組曲「クープランの墓」。こちらはピアノが原曲ですが、オーケストラにも編曲され、有名になっております。特にオーボエが大活躍する曲です。そして優しいフランス的なハーモニーや木管楽器の音色の重なりをどこまで表現できるかが鍵です。
ドボルザークの「アメリカ」は原曲は弦楽四重奏で、木管五重奏でどこまで弦のダイナミックな響きと動きに近づけられるか、またさらに木管五重奏ならではの響きに変えられるか楽しみにしてください。ちなみに作曲家のドボルザークはチェコを代表する作曲家です。
バーンスタインウェストサイドストーリーは私たちのゆかりのあるPMF(パシフィックミュージックフェスティバル)の創設者バーンスタインが描いたミュージカル映画の音楽を抜粋して、美しく描写します。今年、スピルバーグがリメイクしたミュージカル映画も公開となり、その音楽の価値があらためて見直されていると思います。
――パシフィック・クインテットは、古谷さんにとってどんなグループですか?
国を超えた家族という感じです。
喜びを皆で分かち合い、落ち込んだ時も慰め合い、お互いの好きな食べ物嫌いな食べ物、行動や性格も常に理解しあっています。
PACIFIC QUINTET(パシフィック・クインテット)
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