30人の宝石たちがきらめく！　 ジュエルステージ「オンエア！」ゲネプロレポート

ジュエルステージ「オンエア！」が2022年6月3日（金）から東京ドームシティシアターGロッソで幕を開けた。今回は公開ゲネプロの様子をレポートする。

『オンエア！』は株式会社colyが提供していたスター声優育成アプリゲーム。スター声優を夢見る生徒たちが通う声優育成学校、「宝石が丘学園」に《特待生》として唯一の女子学生の主人公（ユーザー）が入学する。29人の個性あふれる声優の卵たちと過ごす、声優育成ゲームが、満を持して今作、舞台化された。

ジュエルステージ「オンエア！」では、ゲーム内でも重要な位置を占める、グラン・ユーフォリアが舞台となる。まさに宝石の卵ともいえるキャストはオーディションを実施、フレッシュなメンバーが勢ぞろいした。

経営破綻寸前だった宝石が丘学園の再建のため、全員で辿り着いた夢の一日、グラン・ユーフォリア。かつて行われていた学園をあげての祭典が復活する当日が本作の舞台だ。ステージ上では生徒たちが本番に向けての準備に走り回っている。

講師の荒木 冴（川上将大）は《特待生》と生徒たちが、グラン・ユーフォリアに辿り着いたことを振り返る。グラン・ユーフォリアの復活には生徒たちで結成された6つの学内ユニットの協力が欠かせない。

《特待生》が必死につないだ各ユニットの絆……ついにグラン・ユーフォリアがはじまる。——ただ当然一筋縄でいくわけもなく。

Hot- Bloodは雅野 椿（三原大樹）、加賀谷 蓮（野口友輔）、鳥羽 霞（戸舘大河）、橘 央太（吉田拓也）、藤間 鈴（阿部大地）からなるユニット。「姫」「プリンセス」と呼ばれる椿を中心とした、華やかな実力派集団。ステージ衣裳はどこかヴィランのような赤と黒をメインにしたものだった。

パフォーマンスはラップも含むハードなもの。ユニットソングはそれぞれの特徴や性格が反映されているが、Hot- Bloodのパフォーマンスで感じたものは「情熱」「個性」そして、それをお互いに高め合う存在（メンバー）の絆。バラバラなようでいてまとまりがある。

エメ☆カレは雛瀬碧鳥（白石康介）、見明佐和（正木 郁）、小野屋あずき（大友至恩）、天神陽人（大久保 樹）、冠 嵐真（安部 瞬）の5人、夢の世界にいざなうアイドル集団。

彼らは大人気ソーシャルゲーム『エメラルド☆カレシ』のキャストであり、ゲームの声優だけではなく、現実世界でもそのキャラとして活動しているという異色の生徒たち。曲は、男性アイドルからファンに向けて歌うイメージにぴったりなキラキラした楽曲。

MAISYでステージに立つのは、光城新多（きたつとむ）、森重優那（嶋崎裕道）、愛澤 心（大見洋太）、神谷 祈（藤希 宙）だが、入院中の黒曜 護（結城伽寿也）も病院から見守っている。5という数字を大事に、メンバー同士の絆を重視するMAISYもメンバーの名前の頭文字からとられている。衣裳はセーラー服のような白を基調とした爽やかなもの。

全員でナンバーワンを目指している彼らは、とても前向きで思わず笑顔になってしまう。無邪気さと明るさ、それが彼らの大きな武器だ。

Re:Flyは青柳 帝（長塚拓海）、夜来立夏（飯塚智基）、浮間志朗（宮内伊織）、辺見 宙（小椋涼介）、天橋幸弥（吉澤  翼）。彼らは学園のなかでも上級生、大人なプロフェショナル集団だ。

エースの帝を筆頭に、3年生と2年生だけで結成されたグループの彼らは、スタイリッシュなパフォーマンスを見せ、しっとりとしたダンスと歌で観客を魅了する。

パフォーマンスだけでなく、舞台裏でもとても落ち着いている印象がある。帝はHot- Bloodの椿といとこ同士。帝が椿をからかうシーンは見ていて微笑ましい。

Prid’sは気高き天才スター集団、輝崎千紘（今井俊斗）、一色 葵（野島大貴）、櫻井百瀬（松井健太）、吉條七緒（北乃颯希）、輝崎 蛍（阿部冬夜）。グループの千紘と蛍は双子の兄弟だ。彼らは廃校しても、自分たちはやっていけるとあまり前向きではなかった。

衣裳から、まさに王子様！　彼らがステージ衣裳に着替えて現れた瞬間、華やかさに圧倒された。彼らはまさに天才、誇り高く、それでも慢心することなくさらに上を目指し、“頂点のそのまた上”を目指している。

グループ同士がリレー形式でパフォーマンスする間に、朗読劇やゲームコーナーなど、イベントグループの垣根を超えてステージに立つ。

ただ、その間に、徐々に舞台裏ではトラブルが発覚し、全員を巻き込む事態に発展していく。

そんな中、学園から承認がおりていないユニットであるdropは、グラン・ユーフォリアの裏方として奮闘していたが、彼らも舞台に立つことになる。

dropは橋倉 杏（橋下陽春）、白雪 零（赤間頼依）、雨知祭利（北原十希明）、美和 巴（中三川歳輝）の4人は驚きながらも懸命にステージに立つ。キュートさが爆発するパフォーマンス。とにかくかわいい！　衣裳もパステルカラーでふわふわとしたシフォン素材。

グラン・ユーフォリアの舞台に立てるとは思っていなかった彼らは客席を見て感激する。発展途上という言葉がまさにぴったりな4人だ。

そしてついに、伝説のグラン・ユーフォリアが開幕。その日、ステージで何が起こるのか、是非見ていただきたい。今回は感染症の対策のため、声を出して応援することはできないが、ライブパートに限りペンライトで応援・参加ができるので、ペンライト片手に会場へ。

また、回替わりイベントも充実。全公演でスペシャルカーテンコールを実施。その時間はスマートフォンでの撮影・動画の撮影OKとなる。SNSに「#舞台オンエア」「#ジュエステ」のハッシュタグと共に呟いて、公演をもりあげよう。抽選でのブロマイドプレゼントや、キャスト（ユニット単位）でのお見送りも実施される。

30人のフレッシュなキャストが全身全霊で駆け回る。まさに宝石の原石。彼らの満天の笑顔は、カラフルな奇跡を見せてくれた。ジュエルステージ「オンエア！」は2022年6月3日（金）～6月12日（日）まで、東京ドームシティ シアターGロッソで上演。

なお、本作が声優の卵たちのストーリーということで、声優・三ツ矢雄二。そして、開幕にあたり、演出の伊藤マサミ、各ユニットのエースよりコメントが到着した。

三ツ矢雄二　コメント

今回、朗読の部分とアフレコの部分を指導させていただきました。
皆非常にカンが良く、ダメ出しに敏感に反応してくれて、ハイレベルな挑戦をしてくれました。これからの声優は、演技のみならず、歌や踊りもマスターしなければならないと言う状況です。今の声優の今の姿を、この舞台は具現していると思います。出演者一同、すごい熱量とテンションで、良い舞台を作り上げています。また新たなエンターテイメントが生まれた感があります。声優という仕事の広がりと将来性を、ぜひ応援してください。

演出 伊藤マサミ（進戯団 夢命クラシックス）

ついに幕が上がりました。30人の男子による、ノンストップ青春群像劇。まさに「ショウ・マスト・ゴーオン」で描かれる今回の物語は、彼らの“現在（イマ）”とリンクするようです。
【自分以外の誰か】の為に奔走し、【仲間】と手を取り合って苦難を乗り越える。互助の精神は心も体も強くする。
暗いニュースが多いこの現代だからこそ、「この舞台を観に来てよかった！」そう思ってもらえるよう、千秋楽まで心込めてお届けします。

【MAISY】光城新多役：きたつとむ

いよいよジュエルステージ｢オンエア！｣が開幕となります！！
30人全員が、それぞれ自分のキャラクターと向き合って作り上げてきました。
あとは、僕らを輝かせてくれる皆様の応援があって、ジュエルステージ｢オンエア！｣はこれから走り出せるのだと思います。
皆様が心から楽しんでくれて、笑顔になって帰ってくれたらそれだけで僕らは幸せです。
本当にたくさんの方々に愛されているこの『オンエア！』という作品を僕らも誠心誠意愛して届けます！
どうか皆様の心に残る作品になりますように。よろしくお願いいたします！

【Prid’s】輝崎千紘役：今井俊斗

ついに、開幕ということで僕自身わくわくが止まりません！
あっという間の稽古期間でしたが千紘というキャラクター、そしてこのカンパニーに対する愛が深まっていることを実感しています。
30人全員が違う色を持ったカラフルな作品に仕上がっていると思います！
原作を愛しているお客様にもジュエステを愛していただけるよう精一杯演じますのでよろしくお願いします！

【Hot-Blood】雅野 椿役：三原大樹

この1ヶ月間、30人誰一人として手を抜くことなく全力でこの作品を観ていただけるお客様のために稽古に励んできました。
30人が出演する舞台ですので、文字通り目が足りなくなると思います。全員が自分を見てくれと全力で舞台に立つ姿を楽しんでいただけると嬉しいです。
応援よろしくお願いします！！

【Re:Fly】青柳 帝役：長塚拓海

いよいよ総勢30名、全員で作り上げるジュエルステージ「オンエア！」の世界が始まります。
個人的に今までに演じたことが無い役柄という事もあり、全てが新鮮に感じています。
一つひとつ大切に積み上げてきたものを皆様にお届けできると思うと、ワクワクが止まりません！
今も愛され続けているこのタイトルを、愛情を持って表現していけたらと思っています。

【エメ☆カレ】雛瀬碧鳥役：白石康介

この1ヶ月間、ユニットはもちろん、チーム全員でこの“グラン・ユーフォリア”を成功させるために準備を進めてきました。
稽古が始まってから、僕も含めキャスト全員が作品をより良いものにするために悩みながら試行錯誤し、実践していく場面が多くありました。
そんな僕たちだからこそ作り上げられた今回の作品だと思っています。ぜひお楽しみに！

【drop】橋倉 杏役：坂下陽春

演出のマサミさんから、この作品を通してお客様にどう思ってほしいか、どう伝えたいかを聞いて胸が熱くなったことを覚えています！
これまで日々試行錯誤しながらこの作品と向き合ってきました。
この作品を通してお客様に伝えたいこと、そしてそれぞれのユニットの伝えたいことやこのイベントに出演するにあたってのテーマなどにも注目していただきつつ、“グラン・ユーフォリア”を存分に楽しんでいただきたいです！
ご観劇の際には何も気にせず目の前のことに心を揺さぶられたり、幸せな気持ちになっていただければそれで充分です！

 

取材・文・撮影＝森 きいこ