ReoNa「今だけは、すべてを忘れて踊りましょう。」に込めた意味と想い 「シャル・ウィ・ダンス?」インタビュー

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インタビュー
アニメ/ゲーム
2022.7.27
ReoNa 撮影:大塚正明

ReoNa 撮影:大塚正明

――そしてもう1つ。「JAMMER」ですが、頭からブラストビートで始まる激しい曲です。これは作曲編曲が毛蟹さんで作詞が傘村トータさん。ピアノも荒幡亮平さんですよね。

荒幡亮平さんです。今回ギターは初めてご一緒するMintJamのa2cさんに初めてお願いしてるんです。またギターの音色はちょっと今までに無い感じ担っていると思います。

――a2cさんはfripSideの楽曲にギターで参加されたりもしていますよね。「Only my railgun」とか。

今までReoNaのサウンドに無かった新しいギターを入れていただいているんですけど、それ以外は全部ReoNaバンドのバンドメンバーです。ドラムも比田井修さんですし、ピアノもたぶんライブとか来ていただいた方にはすぐ気付いてもらえるんじゃないかなってぐらい荒幡亮平さん全開ですし、ベースも二村学さんです。

――ざっくり分けると「Independence」系統の激しい曲になるじゃないですか。でもそこに傘村トータの歌詞が乗ってるのがおもしろいなと思いました。これだけ攻撃的な曲なのに、傘村トータさんどこか日常の切り取りをあててくるって、凄いいい意味でミスマッチでいいですね。

今までこういうタイプの激しい楽曲って神崎エルザ starring ReoNaとしての楽曲でやっていたことが多くて、ReoNaとして出すのは珍しいかもしれません。そこでまさに傘村トータさんっていう。

――あれだけ頭でブラストビートでドラムが鳴ってるのに一言目が「スカート穿きなさい」ていうところから始まるので完全に気持ち持っていかれましたね。この曲要は「うるさい!」っていうことじゃないですか。

そうです、キレてます。

――変な話ですが、ReoNaさんってこういうキレかたするんですか?

実際に「しのごのくらい言わせて」って私自身からでた言葉ですし、ほっといてよって思う局面がこの社会の中では多いなと思ってます。それこそスカートを穿きなさいもそうですし、仲良くするべきとか、人には優しくするべきとか「するべき」みたいな事の押し付けとか。

――それは多いと思いますね。

SNSをやってても、好きなものを発信しただけなのに、その好きに対してそれを嫌いな人がわざわざつっかかってきたりとか、常に誰かの目を気にしていなくちゃいけない、常に誰かの機嫌を取ってなくちゃいけないっていうのに対する怒りというか、ちょっとうんざり感みたいなものを傘村トータさんとお話させてもらって、私も実際生きてきてなかなか人に対して声を荒げて怒ったりだとか「やだ!」って言うことってなかなか難しくて、でもそれを変わりに言葉にしてくれてるものを聴くだけで、その怒りが収まったりとか、怒りって共感で癒されることってあるなと思っているんです。そんな誰かの想いを代わりにReoNaが叫ぶ曲になったらいいなと思います。

――これ、「JAMMER」って妨害とかいう意味の「jammer」と、「邪魔」が掛かってるじゃないですか。「あなたは邪魔」って言ってるのが2番では「私も結局あなたの邪魔」って言ってるのが凄く面白いですね。怒ってる方も別に建設的な怒り方をしていない関係値なのが興味深い歌詞でした。

生きてるだけでお互い干渉して干渉されてると感じます。なんというか、どこか陰鬱とした思いを抱えているような、オタク的な意識をもっている人のために怒る曲ってあまりなかった気がしてるんです。キレるんですけど、でもキレたあとに「そうは言っても私も邪魔だしな……」って反省しちゃうというか。

――最終的に相互理解できないっていうところで落ち着くっていうか。

実際怒った後に自己嫌悪に陥って、余計に怒りが収まらなかったりだとかするのもあるあるなのかなって思います。結果自分が一番疲れちゃうみたいな。でも「たまにはちょっと認めてよ」って心の内側の欲求もあるんです。

――ReoNaさんにもそういうのはある。

認められたかったです。なんだかんだ「どうでもいいし」って言いながらも、認められたかった。

――他人に対して「どうでもいいし」とか言ってはいたんですね。

「別にどうでもいいし」って言ってるけどその実は……っていうのはありました。

――それは今でもある?

ありますね。一生拭える事はないんだろうなって思います。

――「ネリヤカナヤ~美ら奄美(きょらあまみ)~」と「JAMMER」に関しては秋に予定されているツアー「"De:TOUR STANDING -歪-"」「"De:TOUR SEATING -響-"」も意識してるんだなって思いました。

実際まだこれから「歪」「響」、お互いどういう見せ方をするのかっていうのは詰めていくんですが、実はオールスタンディングのツアーって「Wonder 1284」以来やってないんです。久しぶりのオールスタンディングになるので、どういう感じだったかを思い出さないとならないなとは思っています。

――このツアー、正直体力的にも精神的にもしんどそうですよね。変な話セットリストを2個覚えないといけない。

そういうことになりますよね。

――それも踏まえてツアー前にこれらの楽曲を出してくるっていうのは、今回こういう感じでいくよ! っていう意思表明を感じたんですよね。

そこは期待していただけたら嬉しいなと思います。今回過去最多公演数なんです。9都市で16公演を回らせていただくので、本当に会場ごと特別な事ができたらいいなと思ってますし、初めて行く場所もあります。新潟もそうですし広島、香川に行くのも初めて。

――ReoNaさんは、デビューからほぼ休み無く動いてるじゃないですか。ライブとかツアーを発表しなかった時ってほぼ無かったと思うんですけど、デビュー時と比べて体力付いてきた感覚はありますか?

前よりは付いてきてると思いますけど、それでもまだまだだなって思います。自分の理想には追いついてないですし。ただその日歌うだけで精一杯というところからは、今日は何を伝えたいんだっけとか、この曲このお歌がどんな風に響いて欲しいんだっけとか、考えられることの厚みは増やせてきてるのかなって思います。

――なるほど。では最後にもう一つ、「シャル・ウィ・ダンス?」はキャッチコピーとして「今だけは、すべてを忘れて踊りましょう。」ってつけてるじゃないですか。それがどこかしらトータルとして4つの楽曲含めた今のReoNaさんのシングルに対する想いだと思うんですけど。それを踏まえて、今だいぶ世界が混沌としてきてるじゃないですか。国際紛争があり異常気象があり……そんな中、絶望系を掲げてお歌を紡ぎ続けているReoNaさんが「今だけは、すべてを忘れて踊りましょう。」を掲げる意味だったり意義だったり想いだったりを聞きたいです。

ここ数年間思い通りに動けないこと、出来ないことが色んなシーンや日常生活にあるのもそうですし、みなさん息苦しさみたいなものって凄くあったのかなって思っていて。そこでReoNaが何を発信できるだろう、どんな想いを届けられるだろうって思った時に「今だけは、すべてを忘れて踊りましょう。」っていう言葉が出てきたんです。この言葉って、今を生きる人達に届けたい想いだよね、というのがチーム全体としてあって。

――なるほど

「テディ」で私は改めて「手を引かない。背中も押さない」って宣言したと思ってるんです。頑張れって言われるのが辛いって思ってる人がいると私は思っているから。でも、そんな私がちょっとだけ欲を出して、もう1歩だけプラスアルファで誰かを応援できないかなと思った時に出た答えが「今だけは、すべてを忘れて踊りましょう。」っていう言葉だったんじゃないかと。

――言葉の強さ、重さ、温かさ、冷たさを知ってるReoNaさんが、踊りっていう行動で自分の想いを見せていくっていうのは発想の転換としてそれがあったか! と思わされた部分はありますね。

あえて踊るというか。私個人としては勿論チャレンジではあるんですけど、そうではなくて、手も引かずに背中も押さずに、もう一歩何かの役に立ちたかったんだと思います。

――先程も少し話しましたが、「シャル・ウィ・ダンス?」自身が結構スリリングだと僕は思ってるんです。結構刹那的なものを描いていながらも、コロナ禍を超えたら踊れなかった人達が踊れるようになるんじゃないかとか、そういう希望も垣間見えるというか。

想いが凄く分厚い1枚になりましたし、これから先この楽曲と色んな形で出逢っていただけるところがあると思うんです。ライブだったりラジオだったり作品だったり。その1つ1つでこの楽曲の中の「今だけは、すべてを忘れて踊りましょう。」っていう言葉の意味だったり、想いが届いてくれたらいいなと思います。

――お客さん達がどう受け取ってどう聴きこむのかも楽しみだし、ライブでどう化けるかも楽しみですね。

本当にこれから届くんだなって感じがしています。制作し始めてから半年間、色んな制作があって、楽曲と一緒にいて、ついにこれから届くんですね。どんな風に受け取ってもらえるかもそうですし、どんな風にライブで一緒に遊べるかだったりとか、本当に今だけはすべてを忘れて踊ってもらえる楽曲になったらいいなと思います。

――ReoNaさんと観客が一つになって、心躍ってるシーンを実際に見るのが楽しみですね。

ちょっとメラメラしてる部分は私の中であります。それを一緒に感じてもらって、今だけは、すべてを忘れて踊ってもらえたら嬉しいです。

インタビュー・文=加東岳史 撮影=大塚正明

リリース情報

ReoNa 6th single「シャル・ウィ・ダンス?」

TVアニメ『シャドーハウス 2nd Season』オープニングテーマ

■発売日:2022年7月27日(水)
■レーベル:SACRA MUSIC
■シングル予約ページ:https://reona.lnk.to/shallwedance
■先行フル配信リンク:https://reona.lnk.to/ShallWeDance_DG

・初回生産限定盤(CD+DVD) VVCL 2070-2071 / ¥1,760(税込)
☆「シャル・ウィ・ダンス?」Music Video 収録 DVD
☆撮りおろしフォトブック同梱
☆トールケースサイズ三方背スリーブケース仕様
・通常盤(CD+DVD) VVCL 2072 / ¥1,320(税込)
・期間生産限定盤(CD+DVD) VVCL 2073-2074 / ¥1,760(税込)
☆描きおろしイラスト使用ミニポスター
☆描きおろしイラスト使用三方背ケース付
☆TV アニメ「シャドーハウス 2nd Season」
ノンクレジットオープニング映像収録 DVD 同梱
【ReoNa オフィシャルサイト】http://www.reona-reona.com/
【ReoNa Offcial YouTube Channel】https://w ww.youtube.com/channel/UCyUhtF50BuUjr2jOhxF3IjQ

ツアー情報

ReoNa ONE-MAN Live Tour 2022 "De:TOUR STANDING -歪-"

ReoNa ONE-MAN Live Tour 2022 "De:TOUR SEATING -響-"

「"De:TOUR STANDING -歪-"」はオールスタンディング、「"De:TOUR SEATING -響-"」は全席指定席、となります。
 
【"De:TOUR SEATING -歪-"】
10/2(日)CLUB CITTA'(神奈川県)OPEN 16:00 / START 17:00
10/7(金)ダイアモンドホール(愛知県)OPEN 18:15 / START 19:00
10/10(月祝)PENNY LANE 24(北海道)OPEN 17:15 / START 18:00
10/16(日)DRUM LOGOS(福岡県)OPEN 16:15 / START 17:00
10/21(金)Rensa(宮城県)OPEN 18:15 / START 19:00
10/23(日)NIIGATA LOTS(新潟県)OPEN 17:15 / START 18:00
10/28(金)広島 CLUB QUATTRO(広島県)OPEN 18:15 / START 19:00
10/30(日)高松festhalle(香川県)OPEN 17:15 / START 18:00
11/11(金)なんばHatch(大阪府)OPEN 18:00 / START 19:00
11/19(土)豊洲PIT(東京都)OPEN 16:00 / START 17:00
 
【"De:TOUR STANDING -響-"】
10/1(土)CLUB CITTA'(神奈川県) OPEN 17:00 / START 18:00
10/6(木)ダイアモンドホール(愛知県)OPEN 18:15 / START 19:00
10/15(土)DRUM LOGOS(福岡県)OPEN 17:15 / START 18:00
10/20(木)Rensa(宮城県)OPEN 18:15 / START 19:00
11/10(木)なんばHatch(大阪府)OPEN 18:00 / START 19:00
11/18(金)豊洲PIT(東京都)OPEN 18:00 / START 19:00
 
:6,500(税込 / ドリンク代別)

ライブ情報

ReoNa ONE-MAN Concert 2023"ピルグリム" at 日本武道館~3.6day 逃げて逢おうね~

■日程:2023年3月6日(月)
■会場:日本武道館(東京都)
■OPEN 18:00 / START 19:00
:指定 ¥8,800(税込)
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