5人の指揮者×5人のピアニスト×4人の声楽家
ベートーヴェンと出演者たち
年末といえばやはり“ベートーヴェンの第九”だろうか。今回ご紹介する演奏会は第九に加えて、ベートーヴェンのピアノ協奏曲5曲にヴァイオリンのためのロマンス2曲を1日で演奏する。しかも5人の指揮者と5人のピアニスト、4人の声楽家によって実現する大規模な難民支援チャリティーコンサートだ。
管弦楽を担当するブロッサムフィルハーモニックオーケストラは、これまでにも東日本大震災の復興支援チャリティーコンサートを何度も行い、常に「大変な想いをされている方々の手助けはできないか」と考えてきた。そして今年の4月頃、指揮者の曽我大介さんから「平和貢献ということで何かチャリティーコンサートをしてみないか」という話があったことをきかっけに『国連難民援助活動支援チャリティーコンサート』を開催することにした。
「やはり『平和を願う』という想いを込めた演奏会にしたかったので第九はプログラムに入れたかったです。ならば…ということでベートーヴェンの交響曲全曲演奏会というのも一瞬考えましたが、『珍しい演奏会』というものを作りたい気持ちもありました。そこから5人の指揮者と5人のピアニスト、4人の声楽家によるチャリティーコンサートを行うことになったのです。」と企画の経緯を話してくださったのはブロッサムフィルの音楽監督兼常任指揮者の西谷亮さん。
チャリティーコンサートを多く開催してきたブロッサムフィルだが、子供にもクラシック音楽を身近に感じてほしいという想いでこれまで多くの子供向け企画を行ってきた。
江東区内小・中学生を演奏会に招待するほか、おくのほそ道の出発した場所として知られる江東区では、小学校の授業で俳句の勉強をする。それをきっかけに…ということで演奏会を実際に聴いて感じたことなどを俳句で詠む「深川クラシッ句」(音楽俳句)や絵画の募集を行っている。こうした取り組みの結果、子供が演奏会に積極的に来るようになったという。
チャリティーコンサートと子供向け企画の2つを柱にするブロッサムフィルハーモニックオーケストラ。今後の活動に注目が集まる。
なお、今回の演奏会でピアノ協奏曲第2番のソリストを務める仁田原祐さんに先日インタビューを行った。仁田原さんは今年の9月からドイツとオーストリアの国境に位置するザルツブルクに留学。そこではヨーロッパに流れてくる難民を目の当たりにした。そんな時、この演奏会のソリストの話が舞い込んできたという。彼のインタビューは近日公開予定。
■日時:2015年12月28日(月)15:00開演
■会場:ティアラこうとう 大ホール
■出演者:
指揮/曽我大介、碇山隆一郎、和田一樹、中島章博、西谷亮
ピアノ/石井楓子、仁田原祐、冨永愛子、今川裕代、髙橋望
ソプラノ/辰巳真理恵
メゾソプラノ/成田伊美
テノール/芹澤佳通
バリトン/吉川健一
ヴァイオリン/中村太地
管弦楽/ブロッサムフィルハーモニックオーケストラ
合唱/平和を祈る《第九》特別合唱団
■曲目:
ベートーヴェン
ピアノ協奏曲第1番
ピアノ協奏曲第2番
ピアノ協奏曲第3番
ピアノ協奏曲第4番
ピアノ協奏曲第5番
ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス 第1番
ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス 第2番
交響曲第9番
■料金:
S席 ¥10,000
A席 ¥9,000
B席 ¥8,000
学生席(大学生まで) ¥4,000
■公式サイト:http://www.blossom-phil.or.jp/concert/charity2015/