自分と向き合う時間を届けたい 細貝圭×久保田創『最後の医者は桜を見上げて君を想う』インタビュー

インタビュー
舞台
2022.8.25

■気心知れたメンバーとの作品づくり

――稽古は始まったばかりとのことですが、共演者の皆さんの印象はいかがでしょう。

久保田:まだ会えていないキャストもいますが、ずーみん(今泉佑唯)も気心知れていますし、元々裏表のない人間ですからね。どんどん成長している彼女が、子供をみごもっている奥さんの役をどう演じるのが楽しみです。芝居にはどうしてもその人自身・人間性が出ると思うんです。そういう意味でも、今までやったことのない役を通して、ずーみんの新たな一面がお客さんに届くといいなと思っています。

細貝:鳥越くんは何年か前に共演して、涼介は19歳くらいの時に共演して久しぶり。非常に大人になって、地に足がついている印象ですね。

久保田:自分の考えをしっかり持っている人だよね。他のメンバーは共演経験があるのもあって、涼介くんがどういう人なのか、自然と目がいくんです。「この言葉はこうがいいですよね」とか「ここでこう動くとスムーズに台詞に繋がる」とか、ちゃんと自分の中で論理性を持っている印象です。

細貝:普段から桐子みたいな状態だよね。一見何を考えているか分からないけど、話を振ると面白いことを言う。

久保田:ふと笑った時に「あ、いいな」って思うんですよね。あの笑顔がなんとも可愛らしいというか。作中でも、笑わなかった桐子が最後にちょっと笑うみたいなシーンがあるといいなと思ってト書に付け加えたりしました。あとは馴染みのメンバーや大先輩など、いろんな人間が集まってくれたのが作品にとってプラスだと思っています。

――演出の岡村さんの印象も教えてください。

久保田:ずっと一緒にいるもんね。圭ちゃんは親戚みたいって言ってたっけ?

細貝:親戚のおじさんです。

久保田:僕はそんなことないですよ。劇団に入って僕が研究生の頃、岡村さんがクロムハーツをジャラジャラつけていた頃から知っているので、親戚のおじさんなんてとても言えない(笑)。

細貝:演劇好きおじさん(笑)。

久保田:(笑)。つかさんのことはみんな好きだけど、岡村さんは本当につかさんのことが大好きな人です。あと、『修羅雪姫』でも思ったけど、新作をやるのが向いている人ですね。すごくエネルギーがあるから。

細貝:作品や人物像の捉え方が僕と全然違う。「?」になることも多いけど、話をしながら擦り合わせてお互いが納得する形になると気持ちいいんですよね。

久保田:擦り合わせの作業を絶対諦めないよね。今回はいい感じになってると思うし、岡村さんと圭ちゃんのすごくいい相乗効果があると思う。岡村さんの想いが溢れちゃうと理解できなくなるところもあるけど、圭ちゃんは話し合いができるし、分からない人がいたら僕らが橋渡しできるから。

細貝:創くんは岡村さんの思いを噛み砕いて説明するのうまいよね。

久保田:僕もめちゃくちゃディスカッションしますよ。稽古をして夜中もメールして、みたいな(笑)。こうやって劇団公演みたいに作っていけるプロデュース公演は中々ない。

細貝:僕らは(岡村演出を)分かるからいいけど、カルチャーショックを受けるかも(笑)。

久保田:そういう意味では、涼介くんが新しいカラーを持ち込んでくれて、すごくいいなと思いますね。

>(NEXT)作品を通して自分自身と改めて向き合ってもらえたら

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