大好きなアニソンが更に特別な曲になる場所『Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-』DAY1レポート

2022.8.27
レポート
アニメ/ゲーム

CHiCO with HoneyWorks×亜咲花 (c)Animelo Summer Live 2022

20分間の休憩を挟んで後半戦がスタート。 CHiCO with HoneyWorksは今季ソング「ヒミツ恋ゴコロ」から初出演のアニサマを噛み締めていく。「アニサマ楽しんでますか!はじめまして CHiCO with HoneyWorksです!アニサマ初出演ということで、袖からカッコつけてセンターステージへと歩いてきたものの心臓バクバクでした!」とやはり緊張は隠せなかった様子。それでも「夏のたった3日しかないイベントを、青春を駆け抜けていきましょう!」と素敵なコメントも残し「続いては我々のデビュー曲を…」と「世界は恋に落ちている」を紹介すると待ってました!と言わんばかりの拍手に包まれる。2曲を終えCHiCOからは「2014年デビューなんですが、デビュー前の2013年には買って普通にアニサマ来てました!その辺りで見てたんです〜!」と客席に向けて手を振る。ちょうどこの8月に8周年を迎え、演技の良い並びでアニサマに出られたことに感謝し、メンバー紹介へ。1人ずつアニサマへの特別な想いを語っていた所だったが、最後に「エモーい!」と叫びながら亜咲花がサプライズ登場した。彼女もデビュー前からチコハニのファンで、初めて買ったCDアルバムが彼女らの1stアルバム「世界は i に満ちている」というエピソードも披露すると、メンバーから「エモーい!」返しを受ける。そんな亜咲花とのコラボレーションで披露したのは、TVアニメ「銀魂 ゚」第2クールOPテーマ「プライド革命」。「皆さん私たちと一緒に戦ってくれますか!爆上がりしてくれますか!」と目一杯に煽り、ラスサビの掛け合いでは、お互い向き合って高め合っていく姿に後半戦1組目からして、会場のボルテージも上がる。

愛美 (c)Animelo Summer Live 2022

続いて登場した愛美は「カザニア」「LIGHTS」の2曲を披露。 「なんと、ソロでのアニサマは初出演ということで、普段一緒にやってるバンドリ!やD4DJのみんな出てきてくれないかな〜なんて」と素直に緊張を漏らす。「私とアニサマの歴史は結構古くて、実は1番最初はアニサマダンサーとしてステージに立たせてもらったことからスタートしていて、その後けやき広場のステージにも立ち「いつかこの目の前にあるSSAのメインステージに立つぞ!」と思ってから10年を経て、ようやく立つことが出来ました!」とその想いの深さを語ってくれた。

フードを奥深に被って、怪しげな雰囲気で東山奈央が再び登場し「de messiah」を披露。先程とは打って変わってダークなオーラを纏い、得意のキレのあるダンスパフォーマンスを魅せる。タットやロッキンなど様々なスタイルを用いるダンスのスキルに加え、激しく動き回りつつブレスが短い英詩の歌詞を歌いながらのもはや声優離れしたパフォーマンスは脱帽するしかない。

ASCA×鈴木このみ (c)Animelo Summer Live 2022

ASCA (c)Animelo Summer Live 2022

東山の流れを受け、続くASCAもダークなイメージの自身の世界観でアリーナを染め上げていく。「CHAIN」「君が見た夢の物語」と「二曲お届けしました、楽しんで頂けましたか?次の曲は10年来の親友と歌いたいと思います!」と紹介を受け、白の衣装に身を包んだ鈴木このみが登場。オーディション番組で出会い、共にファイナリストとして残り、同い年でもある。その時に交わした「いつか一緒のステージで歌おうね」という約束を、 TVアニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」より「僕たちの行方」のカヴァーで10年越しに叶えた。

亜咲花 (c)Animelo Summer Live 2022

続いて登場した亜咲花は、TVアニメ「サマータイムレンダ」2nd OPテーマの「夏夢ノイジー」をまずは披露。ダイナミックなバトルシーンが増える2期の映像がたっぷり使われ、またそこに亜咲花の力強い歌声がユニゾンしたパワフルな登場となった。2曲目の「Ready Set Go!!」では声量のあるロングトーンと弾ける笑顔で会場を包んでいく。「今年も無事にアニサマ開催できて嬉しく思います。17回目、セブンティーンということで青春がテーマ。私が17才の時、けやき広場のステージに立たせて頂いてから、今回で5回目のアニサマ。3曲も歌わせて頂けるようになりました。」と、人に歴史ありを思わせるエピソードをしつつ、「アニサマ好きからしたらやっぱりセットリストの考察が捗りますよね!私が後半の3曲枠に入ると思ってた人居ました?」とアニサマオタクな一面もちゃんと覗かせるのが彼女らしい。最後には映画「ゆるキャン△」より「Sun Is Coming Up」をキッチリ歌い上げていく姿にもアニソンシンガーとしてのレベルアップを感じずにはいられなかった。

オーイシマサヨシ×鈴木愛理 (c)Animelo Summer Live 2022

オーイシマサヨシ (c)Animelo Summer Live 2022

続いては「オーイシマサヨシのゆるラジ!」なるラジオ番組風の語りからオーイシマサヨシ・オン・ステージが幕を開ける。「えー、ここでお便りをひとつ。気になる人に告白したのですが、なかなか勇気が出ません。そんな僕にぴったりの曲をお願いできますか」と言った恋愛相談のお便りを読み上げると、浴衣姿のオーイシマサヨシがステージ上にせりあがり「君じゃなきゃダメみたい」の、あのファンキーなイントロを弾き出す。「アニサマじゃなきゃダメみたい!」のフレーズも飛び出した所で、同じく浴衣姿の鈴木愛理が登場。

TRUE (c)Animelo Summer Live 2022

オーイシマサヨシxTRUE (c)Animelo Summer Live 2022

「さっき姿見みて思ったんやけどアコギとギター、完全にギター侍やん。」と会場の笑いを誘いつつ、「愛理ちゃんとはMCとして一緒に番組やってるけど、デュエットしたことないよね。せっかく今回はスパークル、青春、そして浴衣を着ているわけだし、夏っぽい曲を。」とカヴァーしたのは「打上花火」。完全に余談だが、-O-カーン選手は目頭を押さえていた。 -O-カーン様、分かります。鈴木愛理がハケた直後に「エモーい!」と叫びながらTRUEが登場。「オーイシのOとTRUEでOxTRUE(オクトゥルー)だ!」と「UNION」をカヴァー。爽やかで軽快なギターとピアノソロを経て、ラスサビの「侵略されてるぞ!」で2人とも大きくジャンプ!会場を染めるペンライトもグリッドマンイメージの赤や青からオレンジに変わり、ラストスパートへ会場とひとつになっていく。

TRUE feat. Ayasa (c)Animelo Summer Live 2022

「改めまして皆さんこんばんは、TRUEです!」と1人ステージに残ったTRUEは「音楽を通じてたくさんの幸せにエンカウントしてください!」と曲フリからの「Happy encount 」を披露。ステージ後方からせり上がってきたAyasaもそこへ加わり、まさに曲フリ通りの様々な楽器の賑やかな音色と多幸感ある楽曲にAyasaのバイオリンが華を添えた。

2021年のDAY3の大トリは彼女だった訳なのだが「昨年からこのステージにまた立てることを楽しみにしてました。やっぱり無条件に楽しいですよね。私たちアーティストはこうやってステージに立たせて頂けて初めて輝くことができます。」「そして、伝えたいことはまだまだあるけど、全てはこの先の楽曲に込めます。ブチがってもいいですか?燃えたぎっていきましょう!」と「飛竜の騎士」を2番飛ばしで披露。「ぶち上がってくぜアニサマー!」の叫び声に呼応して、炎の柱が燃え盛る。「こんなもんじゃねーだろアニサマ!まだまだいくぜ!!!」と「Divine Spell」も2番飛ばしだ。落ちサビで膝から崩れ落ち、まさに全身全霊で歌い上げる。そして最後には「UNISONIA」。間髪入れずに聞こえてきたイントロでブチ上がりすぎて、大きな声が出そうになるのをグッと堪える。いつからか一部のファンの間で「三種の神器」と呼ばれるようになっていた、TRUEの中でも強めの楽曲が全て一同に披露されてしまった。こんなことをされて、よくみんな暴れたりせずに大人しく我慢できたよなと改めて振り返っても思う。

鈴木このみ (c)Animelo Summer Live 2022

 残すアーティストはあと1人。この日のトリを務めるのは鈴木このみだ。ドラムソロの演奏から、黒のドレスへ着替えた彼女が階段上からせりあがってきた。「アニサマ、行くよ!」気合い十分の表情を覗かせつつ「Theater of Life」を披露。中央のステージで黒装束の人物が砂時計をひっくり返すと「命の灯火」へ。2曲を終えて「ふぅ」と息をひとつ。込み上げてくる気持ちを整えて、鈴木このみは語り出した。「15歳でアニサマデビューして、10年連続出演、そして今日初めてトリを務めさせて頂いてます。正直大トリを任せてもらえるなんて全然思ってなくて、でもしっかり果たしたいと思います。今までの集大成ではなく、みんなともっと輝ける未来へ行けるようにこの曲で一緒にライブをしましょう。ありったけで歌います。」

鈴木このみ (c)Animelo Summer Live 2022

聞こえてきた「This game」イントロのピアノソロの間、会場中からのピシッと芯の食ったクラップの音がシンと張り詰めたさいたまスーパーアリーナの中をこだまする。宣言通り、ひと息で出せる限りの声で、これまでに聞いたことの無いくらい力一杯ありったけの「This game」を聞かせてくれた。そして「DAYS of DASH」のイントロが聞こえてきた時に、思わず膝から崩れ落ちてしまった。今年でデビュー10周年の彼女が、”青春”がテーマのアニサマで、初日の大トリを初めて務めるにあたって、これほどまでにピッタリな曲はない。「迷いながら涙を飲み込んだ 不器用だね 夢も遠回り」。10年を掛けてようやくアニサマの大トリを務められるほどのアニソンシンガーへとなれた。緊張やプレッシャーも大きくのしかかるこの大舞台だが、1番終わりに笑顔の「最高!」がこぼれる。永遠など知らないけれど、きらきら光る太陽が照らす場所をずっと進もう!と彼女が歌ってくれるから、もっと輝ける未来へ行ける気がする。彼女の歌声にはそんな未来へと引っ張っていってくれるような力強さと優しさが確かに存在した。

そして最後には本日の出演者が全員出てきて、最後の曲「Sparkle」へ。

改めて17年という時の長さについて考えてしまった。昔のアニサマが良かったという意見もあるだろう。そういう部分もあるかもしれない。けど確かにひとつ言えることとして、今も昔も変わらず、アニサマにはアニソンの"今"がある。アニサマは常にアニソンの最前線を張っている。これだけは間違いないと思う。「アニソンってやっぱ最高だ。」アニサマはそんな当たり前のことを痛いほど再認識させてくれるお祭りなのだ。

アニサマへ行ったことがないという人の中には、いつもセトリを見て「うわ、すげぇ〜。楽しそう〜」と思ったことがある人も多いのではないだろうか?そんな人は是非一度行ってみてほしい。その通り、楽しいのだ。以前は行ってたけど、最近は行ってないな〜って人も安心してほしい。最近のアニメをあまり追えてなくても十分楽しめるようにアニサマは出来ている。

アーティストにとって、アニサマが特別なステージであり続けるのは、間違いなくそこに集まってくれる観客がいるから。そんな我々にとって、アニサマが特別なステージである理由。それはアニサマが新しいアニソンに出会える場所である事と、そして何より大好きなアニソンが”もっと特別な存在”になる場所だから、ではないだろうか?。自分にとって元々大好きなアニメ作品の、大好きなアニソンだったのだが、「DAYS of DASH」に対する思い入れが今はハンパじゃなく高まってしまっている。

好きなアーティストが多すぎて、どの日に行こうか決められないという人もいるかもしれない。金土日と3日間を全通するのには、金銭面的にも、時間の問題的にも難しいかもしれない。けれど、一度難しく考えるのはやめて、もっと簡単に捉えてみてほしい。きっと本命のアーティストが少なかったとしても、そこまで思い入れがなかった曲が流れたとしても、アニサマという舞台には「やっぱり楽しい」と思わせてくれる仕掛けがたくさんある。実際に今年のアニサマは自分にとって予想外の部分での”楽しさ”に溢れていて少し驚いた。何日目だとか難しく考えずに自分の都合が1番いい日だけフラッと行ってみるのだって全然アリだとさえ思えた。登山家がそこに山があるから山を登るように、アニソン好きにも理由なんて要らないのかもしれない。そこでアニサマがやっているなら、アニサマへ行ってみてもいいんじゃない?と私は思う。

文・レポート=前田勇介

■『Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-』DAY1 PHOTO GALLERY
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