赤星マサノリが率いるStarMachineProject、オールスタンディング&展示型の新作『定位』を上演

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2022.8.30
StarMachineProject『定位』テストプレイより。 [撮影]Mya

StarMachineProject『定位』テストプレイより。 [撮影]Mya

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ウォーリー木下が主宰する「sunday」のメンバーで、映像作家としても活躍している俳優・赤星マサノリが、自身の作品を発表するユニット「StarMachineProject」(以下SMP)。2018年の旗揚げ以来、最新の映像や音響技術と、俳優の肉体が拮抗するマルチメディア演劇を次々に発表。特に近年のコロナ禍では、これまでの技術を活かした配信公演や、バーチャルな空間を用いた作品に挑戦し続けている。最新作『定位』は、フィジカルな上演としては、約1年半ぶりとなる作品だ。

本作はもともと、神戸の公立劇場「神戸アートビレッジセンター(KAVC)」の若手支援企画「KAVC FLAG COMPANY2021-2022」参加作品として、2022年初頭に上演される予定だったが、新型コロナウイルス第6波の影響を受けて公演延期に。しかし約半年の猶予期間を得たことで、より多様な形で楽しめる作品にブラッシュアップしてみせた。

StarMachineProject『定位』テストプレイより。 [撮影]Mya

StarMachineProject『定位』テストプレイより。 [撮影]Mya

まず舞台機構を、オールスタンディングに変更。会場全体を丸ごとアートな空間にして、インスタレーション的にも楽しめる世界となっている。また会場を訪れるだけでなく、仮想空間でのライブも同時に視聴できる仕様に。それによって、SMPいわく「演劇への向き合い方はそのままに、構造や制度を見直すことで新たな視点を発見すること、想いや考えをめぐらせるコンセプチュアルな演劇」を目指すという。

観客は劇場内を自由に歩き回り(仮想空間の場合はマウスを動かして)、会場内数ヶ所に設置されたブースを、ガイダンスの声を参考にしながら自由にめぐっていく。そこで起こる様々な出来事は物語というより、俳優たちの周りで起こったことや、普段感じていることなどを“音”で伝えるものが中心だ。観客はパフォーマンス上演中に、いろいろな意味で自分にとって心地の良い、あるいは気になってしょうがない“定位”を探ることになる。

SMP主宰で構成・演出を担当する赤星からは、以下のようなコメントが届いた。

「延期になってから7カ月が経ちました。それまでに創ってきたものを見直し、基本的な考えはそのままにして全体を創りなおしました。見えないものをどう見えるようにするか、そして見えるものをどう見えないようにするかということを考えました。今回は仮想空間と実空間両方から見ることができます。仮想空間から見て実空間をどう捉えるかに重きを置きました。どこから見ても楽しい作品になっていると思います。見えているもの、見えていないものの裏側に何が潜んでいるのかぜひ体験してみてください」。

マルチメディア形式の演劇は、技術の披露に力を入れすぎてソフト面がおざなりになるか、逆にハードを使い切れていないなどの危うさをはらみがちだ。しかしSMPは、もともとsunday自体がマルチメディア寄りだったこともあり、肩肘張らずに最新技術を楽しみつつ、ちょっと変わった形の演劇を提示し続けている。上演時間も60分と気軽に楽しめる長さだし、展示だけ鑑賞するのもOKなので、お散歩気分で足を運んでみてほしい。

公演情報

StarMachineProject『定位』
 
デザイン:山口良太

デザイン:山口良太


■参加メンバー:赤星マサノリ(StarMachineProject/sunday)、岩城典子、植田昇明(kasane)、久保田健二(株式会社 闇)、公文名創、サカイヒロト(WI’RE)、坂口修一、坂下丈太郎、佐藤武紀、澤田誠、柴田頼克(かすがい創造庫)、髙安美帆(エイチエムピー・シアターカンパニー)、武内美津子、年清由香(sunday)、中村るみ、細川慶太良、真木丸槇(sunday)、Mya、安元美帆子(sunday)、山口良太(slowcamp)、吉光清隆(PLAYSPACE)、若旦那家康(コトリ会議/ROPEMAN(44))
 
■日時:2022年9月1日(木)~3日(土) 1日=19:30~、2日=15:30~/19:30~、3日=11:00~/13:30~/17:00~
※1日公演後にトークあり。ゲスト:きたまり(KIKIKIKIKIKI)
※本公演はオールスタンディング公演となります。足腰が不自由な方は椅子を貸し出しますので、事前にご相談ください
■会場:神戸アートビレッジセンター B1シアター
■料金:前売=一般3,500円、学生2,500円 当日=各500円増
※劇場版・配信版共に同一料金。
※上演以外の時間、会場展示の様子は、youtubeLIVEやKAVC1階ギャラリーにて、無料でご覧いただけます。また、各日最初の公演の開演1時間前~開演時間までは、公演がなくても、実際に会場内で展示を鑑賞できます。
■問い合わせ:078-512-5500(神戸アートビレッジセンター) ※火曜休館
■公演特設サイト:
https://note.com/starmachine/n/n10c380fe7cd5(StarMachineProject)
https://www.kavc.or.jp/kfc/2021-2022/company/03.html(KAVC FLAG COMPANY2021-2022)

 
※この情報は2022年8月28日時点のものです。新型コロナウイルスの状況などで変更となる場合がございますので、公式サイトで最新の情報をチェックしてください。
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