誰も予想していなかった!松平健もゲストで登場! 『Animelo Summer Live2022-Sparkle-』DAY3レポート
GYROAXIA (c)Animelo Summer Live 2022
休憩時間を挟んでのライブ後半戦のトップバッターを務めるのは、クロスメディアで展開するボーイズバンドプロジェクト『from ARGONAVIS』から、パワフルなボーカルと迫力のラウドサウンドが魅力のロックバンド・GYROAXIA。アリーナ中央ステージに立ち、真っ赤なコンサートライトの光に包まれた中で、『劇場版アルゴナビス 流星のオブリガート』ED主題歌「火花散ル」からライブがスタート。場内の応援のパワーを上回ることで期待に応えようとするかのごとく、激しい演奏とボーカルで休憩明けの空気を一気に熱いライブモードへと引き戻して見せた。
一曲目を歌い終えた旭 那由多(CV:小笠原 仁)は、初参加だった去年とはまったく違う満員の光景に
「観客として10年前から参加して、去年からアニサマ出演二度目なので、この美しい光景をもっと教えてください」
「こんなにたくさんの皆さんがいる光景、ステージ上から見るアニサマは違うなと」
と感動と感謝を伝えた。そんなアニサマというイベントや出演アーティスト陣の先輩方へのリスペクトの気持ちを込め、今回はDAY2に出演したGRANRODEOのナンバーからTVアニメ『恋する天使アンジェリーク〜かがやきの明日〜』OPテーマ「慟哭ノ雨」をカバーし、一曲目同様に迫力あるパフォーマンスで自分達の存在感とアニサマへの想いを見せつけた。
そのまま間髪入れずスタートした三曲目は、オリジナルナンバーの「DANCING PARANOIA」。メインステージ上のスクリーンには『from ARGONAVIS』のPVが映し出され、スーパーアリーナがリアルと二次元がシンクロする空間になったかのようなステージを繰り広げた。そして最後はステージ上で深く一礼して、ファンの拍手に応えながら引き上げていった。
花澤香菜 (c)Animelo Summer Live 2022
続いてゴンドラに乗って登場したのは、何と11年ぶりのアニサマ出演となる花澤香菜。黒のロングドレスと金色の大きな帯を組み合わせた衣装をまとい、ゴンドラ上から応援に応えつつ唄うのは、最新ナンバーとなるTVアニメ『それでも歩は寄せてくる』OPテーマ「駆け引きはポーカーフェイス」。ファンはピンクのコンサートライトの輝きで彼女を迎え入れ、ステージについてからも彼女はファンに手を振って応えながら唄い、場内の空気をほんわかとした空気で満たしていった。
歌い終えてからのMCでは、思ったよりスピードが出ているゴンドラの話や、間近でファンのみんなの顔を見られた嬉しさ、そしてTVアニメ『ロウきゅーぶ!』から生まれたユニット・RO-KYU-BU!でアニサマに参加した時の思い出などを語る。そして今年でアニメの仕事に関わる様になって20年となり、「胸を張って声優として生きていられるのはみんながアニメを楽しんでくれているから。そんな楽しみの一つになるよう日々がんばってます」と感謝の気持ちを伝えた。
そんな気持ちを込めて送る二曲目は、海外でも花澤香菜の象徴として人気の高いTVアニメ『化物語』なでこスネイク OPテーマ「恋愛サーキュレーション」。歌い出しの「せーの!」をライブで聴けたことで場内のテンションも一気に跳ね上がり、可愛らしいラップやクラップ、そして腕を振る振りに合わせて場内もコンサートライトを揃って振ってウェーブのようになるなど、場内が一体になって盛り上がった。
そして最後はオリジナルナンバーの「SHINOBI-NAI」。理不尽なことで忍びない世の中を、思いきり蹴り飛ばして自由に生きようという気持ちを、ダンサーも交えたパフォーマンスと共に元気に唄い上げて、ステージを締めくくった。
やなぎなぎ (c)Animelo Summer Live 2022
前半戦では鈴木みのりとのコラボステージで見事な歌声を披露したやなぎなぎが登場。一曲目は人類の命運を背負った少女達の切ない戦いのドラマを描いたドラマチックRPG『ヘブンバーンズレッド』テーマソング「Before I Rise」。重々しいピアノのメロディと悲しみ漂うゲームPVと共に、やなぎなぎの低めののびやかなボーカルが切ないリリックを情感たっぷりに唄い紡ぐ。
続く二曲目はTVアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』OPテーマ「春擬き」。一曲目から一転してリズミカルでアップテンポなメロディだが、それに乗せて青春の切なさが美しいボーカルで唄い上げられ、応援する多くのファンの心を揺り動かしたかのように、曲が終わると大きな拍手が場内に響き渡った。
「メジャーソロデビュー10周年にして初めてのアニサマ…みなさんにお会いできるのを心待ちにしてました」
そんなあいさつと共に送る三曲目は、セレクションアルバムの中から10年越しに唄った一曲として選ばれた「メルト 10th ANNIVERSARY MIX」。初音ミクを中心としたVOCALOIDのムーヴメントを語る上で外せない名曲を、その産みの親であるsupercellのryoが再アレンジしたナンバーだ。スポットライトが蒼い光にそまるステージに立つやなぎを照らし出す。そして彼女から紡がれたピアノのメロディに乗せての「メルト」独唱、そこから一転してアップテンポなメロディでの波に場内も盛り上がる。コンサートライトの輝きも、オリジナルの初音ミク繋がりかグリーンの輝きで染まり、やなぎの圧倒的なボーカルに誰もが酔いしれた。そしてラストは全員でのジャンプでフロアを揺らしほどの盛り上がりを見せた。
大黒摩季 (c)Animelo Summer Live 2022
数々のミリオンヒットを飛ばし、音楽だけでなくミュージカルにも挑戦するなど多岐にわたる活躍をしているベテランシンガー大黒摩季が、昨年に続いてアニサマに登場。アリーナ中央ステージに自らのバンドと共に登場した大黒摩季は、今年7月からTVアニメ『名探偵コナン』OPテーマとなっている最新曲「SPARKLE」をベテランならではの重厚なパフォーマンスと圧倒的なボーカルで披露した。
内田雄馬 (c)Animelo Summer Live 2022
前半戦ラストの「マツケンサンバⅡ(Summer Sparkle ver.)」にもダンサーとして参加していた内田雄馬が、激しいダンサブルなメロディと共にステージに登場。
TVアニメ『怪病医ラムネ』OPテーマ「SHAKE!SHAKE!SHAKE!」とTVアニメ『灼熱カバディ』EDテーマ「Comin' Back」を二曲立て続けに披露。一曲目はクールなブルー、二曲目は灼熱のレッドと曲に合わせたライティングの中で、ダンサーとの息の合ったダンスパフォーマンスやラップを交えて、躍動感あふれるダンサブルなステージングで場内のテンションも跳ね上げていった。
「後半戦まだまだ元気ー?」とゲキを飛ばしながら始まったMCパートでは、二回目のソロ参加となるアニサマを「みんなで最高に夏を楽しむお祭り」と今年も楽しんでいることを語った。さらに中学時代に「マツケンサンバⅡ」に絡んだ思い出があったことから、前半戦ラストの「マツケンサンバⅡ(Summer Sparkle ver.)」ステージに参加できたのが嬉しかったことを語る。そして同ステージで「生き別れの姉(内田真礼)と出会えたけど気付いてないんだろうな…でも凄く楽しそうだったから幸せです!」と続けて笑いを誘った。
そして11月に初の武道館ライブが決まったことを伝え、「音楽はどんな人達も繋ぐ最高のモノ。たくさんの人達と音楽を楽しみたいし、ここにいるみんなを音楽で幸せにしたい」と音楽にかける想いを語った。
内田雄馬&saji (c)Animelo Summer Live 2022
続いてはコラボステージということで、同世代・同レーベルの友人でもあるsajiを招き入れる。チーズケーキ作りにハマっている内田に誕生日にケーキを作ってもらった話や、蕎麦打ちをリクエストしているのになかなかやってくれないから、このコラボステージの出来が良かったら蕎麦を打ってと約束するなど、内田の料理絡みのエピソードでMCが盛り上がる。そうして始まったコラボライブのナンバーは、TVアニメ『あひるの空』EDテーマの「Over」。仲間と一緒なら限界知らずに強くなってどこまでも行けるという歌を、お互いのパワフルなボーカルと演奏で唄い上げるという、まさに曲のテーマそのままの熱いステージが繰り広げられた。最後は互いに握手とハグで健闘をたたえ合い、内田の「まだまだアニサマ熱くなれ!」のゲキで締めくくった。
内田真礼 (c)Animelo Summer Live 2022
スクリーンに深夜の会社内を映し出す映像とナレーションが流れ出す…よくよく見ればTVアニメ『社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。』のアバンタイトルだ。最後に「うちの会社は深夜になると出る……」というところでアニメなら幽霊ちゃんがでてきるところだが、おどろおどろしい音楽からのかわいい効果音と共に舞台下からポップアップしてきたのは幽霊ではなく内田真礼!
「みんな、まだまだ盛り上がっていきましょー!」
そんなゲキも交えてスタートしたのは、同作品のエンディングテーマ「聴こえる?」。自分が本当になりたい自分へと導いてくれる何かがいることを、ポップなメロディに乗せて切なく唄うナンバーを情感あふれるボーカルで唄い上げた。
「さっきと会場の雰囲気が違う…みなさん先程は生き別れの弟に出会ったようで? どこにいたんだろう?」
ついさっきまでステージで唄っていた弟・内田雄馬をいじるネタで笑いを誘いながら始まったMCでは、まあや姫として松平健と共演した「マツケンサンバⅡ(Summer Sparkle ver.)」ステージの話に。誰もが思ったであろう「何故アニサマでマツケンサンバ?」という疑問を内田も聞いたとのことで「マツケンサンバは壮大なキャラソンだから」とスタッフ陣がノリノリでOKしたとのこと。でも、そんなコラボによってアニサマやアニソン文化が盛り上がってくれるなら嬉しいと喜ぶと、場内のファンも彼女のイメージカラーであるホワイトに輝かせたコンサートライトを振って、その想いに応えて見せた。
内田真礼 (c)Animelo Summer Live 2022
「今日はまあや姫がレスキューされたので、内田真礼もみんなにレスキューしてもらってイイですか?」
さらなる大きな声でアニソンを歌っていきたいという内田真礼からのライブ定番のフリに、ファンもコンサートライトを振る腕にさらなる力を込めて応える。そして始まったのは彼女のライブの定番曲でもあるTVアニメ『俺、ツインテールになります。』OPテーマ「ギミー!レボリューション」。恋する女の子の気持ちをノリの良いメロディとボーカルで畳み掛けるように唄うアッパーなナンバーに会場全体がノリまくり、サビを〆る「レスキュー!」のかけ声ではみんながジャンプしてフロアを揺るがす盛り上がりっぷり。そしてラストは内田と共に全員でのジャンプを決めて、今回も見事なレスキューでステージを締めくくった。
WANDS (c)Animelo Summer Live 2022
暗闇に包まれた会場内をパトライトの赤い光が飛び交いサイレンが鳴り響く。そんな中で響き渡るのは、今回のために新録されたという江戸川コナン(CV:高山みなみ)のナレーション。それを合図に舞台下からポップアップでWANDSのボーカル・上原大史がステージに出現。唄うのは2020年にTVアニメ『名探偵コナン』のOPテーマとなった「真っ赤なLip」だ。男と女の駆け引きをミステリーになぞらえたナンバーを圧巻のボーカルと迫力の演奏で唄い上げて、場内のファンを一気に自分達の世界へと引き込んでいった。
「前回は心配をかけてしまったので、リベンジできる機会を与えていただいてありがとうございます」
本来ならば前回のアニサマで初出演の予定だったWANDSだが、昨年は直前に上原が新型コロナに感染してしまったために出演が叶わず、今回は満を持しての出演になったことへの感謝を語り、さっきのポップアップでの登場も人生初だったのでとても怖かったと語って笑いを誘った。
続く2曲目はTVアニメ『ドラゴンボールGT』第4期EDテーマである「錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう」。思い出深い人も多い『ドラゴンボール』の曲だけに場内も盛り上がり、迫力のバラードナンバーにみんながじっくりと聴き入っていた。
WANDS feat. 大黒摩季 (c)Animelo Summer Live 2022
そして三曲目にはコーラスとして大黒摩季もステージに登場。二大ベテラン同士のコラボで贈るのは、こちらもアニソン界の歴史的名曲であるTVアニメ『SLAM DUNK』第2期EDテーマ「世界が終るまでは…」。じっくりと聞かせる名曲がボーカリスト二人の手に掛かることで静かな迫力と味わいに満ちた仕上がりに。特にサビの迫力は絶品でアニサマでしか聴けない実力派の共演に大きな拍手が送られた。
TrySail (c)Animelo Summer Live 2022
アニサマ2022最終日のラスト…正真正銘の今年の大トリを務めるのは、デビュー1年後の2015年から毎年アニサマに参加してきたTrySailの三人だ。
「夢を叶えて自分の未来をその手に掴め」
デビュー曲である「Youthful Dreamer」の一節がスクリーンに映し出され、初出演となった2015年からこれまでのアニサマでのTrySailの歩みがピアノのメロディと共に流れていく……。ある意味アニサマの申し子のような歩みを辿りながら現在に追いついた瞬間、ステージ前面から炎が吹き出し、その熱さを受け止めるようにTrySailが登場すると、早くもフロアが揺れる程の盛り上がりでライブがスタートした。
一曲目はTVアニメ『ハイスクール・フリート』OPテーマ「High Free Spirits」。ノリの良さと迫力のハーモニーが光るTrySailの定番ナンバーとなった一曲を、三人は初っ端から全開の如きパワフルさで熱唱。間奏ではメンバーからの「アニサマー!」のかけ声に合わせて、ファンも拳とコンサートライトを突き上げて全力の応援を送った。
一曲目を終えての第一声が「火が熱かった!」と盛り上がる三人は、久々に見るコンサートライトの輝きに満ちたステージからの景色に感動しつつも、大トリを務めるコトへの緊張で胸がドキドキしていると語った。そして初出演となったアニサマ2015ではまだシングル2枚ぐらいの時で、いきなりゴンドラに乗っての初登場だったことなどを振り返った。
「みんなのまだ残ってる力を搾り取ってから帰ってもらう」
そう宣言して再開したライブ2曲目は、前曲から一転してかわいい雰囲気の新曲で、TVアニメ『阿波連さんははかれない』OPテーマ「はなれない距離」。軽やかなハーモニーと三人で寄り添いながらのダンスで魅せるなど、柔らかな可愛らしいステージをPVを交えながら繰り広げた。
TrySail (c)Animelo Summer Live 2022
二曲目ラストでポーズを決めたまま始まる次の曲は、TrySailにとって記念すべきデビューシングル曲のTVアニメ『電波教師』OPテーマ「Youthful Dreamer」。「みんな行くよー」のかけ声と共にトロッコに乗り込み、ファンの間近で応援に応えながら自分達の始まりの曲を熱唱。さらに3つあるステージスクリーンのうち、メインの映像だけが何かが違う…なんとこれだけが2015年の初出演時のもので、最後にはステージに戻った所で過去と現在のTrySailが一つに重なるという憎い演出で魅せてくれた。
「みんなー! まだまだ弾けたりないんじゃないですか?」
「いくよー! アードーレーナリーン!」
そしていよいよのラストナンバーは、こちらもすっかりTrySailの定番となったTVアニメ『エロマンガ先生』EDテーマの「adrenaline!!!」。縦ノリ系のアクションが多い曲だけに、始まった直後から再びフロアが揺れるほどの盛り上がりを記録。三人の縦ノリに合わせて観客も連続ジャンプで応え、最後は出演陣全員もステージに揃っての大ジャンプを決めて、TrySailは見事に初の大トリをやりきってみせた。
(c)Animelo Summer Live 2022
ステージ上に揃った全員が初の大トリを務めたTrySailを讃え、彼女達も「メチャクチャ気持ち良かった」「すべて出し切った」と満足げに語った。そして「最後にキュンとしちゃいましょう」ということで、TrySailをセンターに据えて全員でのテーマ曲を熱唱。
「暑い夏をありがとうー!」「最後は全員で一緒に飛ぶよー!」のかけ声に合わせて、最後はこの場に居合わせたアーティストとファン全員がジャンプを決めて、アニサマ2022は正真正銘の大団円でフィナーレとなった。
新型コロナ禍はまだまだ油断のできない状況ながらも、きちんと対策をとってファンも協力すれば大規模ライブも可能ということが示された「Animelo Summer Live 2022」。さいたまスーパーアリーナの場内をコンサートライトの輝きが埋めつくす風景が再び甦ったことで、アニソンファンの夏の祝祭はここに復活したと言っても過言ではないはず。来年の更なる盛り上がりをまた目にできるよう、アニソンファンも体調管理に気をつけて来年の夏に備えておこう!
文・レポート=斉藤直樹
■『Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-』DAY3 PHOTO GALLERY
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