ロイヤルコート劇場×新国立劇場 「劇作家ワークショップ」で誕生した若き才能による3作品をロンドンで上演
「New Plays: Japan(新作:日本)」
ロイヤルコート劇場が「New Plays: Japan(新作:日本)」の公演を、2023年1月26日(木)~28日(土)まで行うことが発表した。日本演劇界の3人の若き才能が生み出した驚きが詰まった新作戯曲を英訳し、リーディング形式でおくる。
本シリーズでは、ロイヤルコート劇場が新国立劇場とタッグを組み日本で初めて実施され、「劇作家ワークショップ」の中でディベロップされた3作品が上演される。
■『真夜中とよぶにはまだはやい』(英題: Not Yet Midnight)
作:小高知子
翻訳:鈴木小百合
3人の会社員は悪事のさなか。公園のカップルは謎解きを始める。そして店員は最後の客を追い出すことに失敗する。
小高知子 プロフィール
小高知子
大阪市出身。
2014年、伊丹想流私塾にて劇作をはじめる。
2016年『さよならあかるい尾骶骨』が第7回近松賞最終候補、2019年『光の中で目をこらす』が第 24 回劇作家協会新人戯曲賞最終候補となる。
■千葉沙織作『その先、鬼五郎渓谷につき、』(英題: Onigorou Valley)
作:千葉沙織
翻訳:ヒングリー・スーザン・もも子
原発事故から七年後の、山深い鬼五郎渓谷で起きた怪奇譚。
千葉沙織 プロフィール
千葉沙織
1984年、福島県富岡町生まれ。
円演劇研究所で演劇を学んだ後、フリーの俳優として活動。
2011年の東日本大震災と原発事故をきっかけに、劇作を始める。
新国立劇場×ロイヤルコート劇場の劇作家ワークショップが、劇作家として初めての活動となる。
■松村翔子作『28時01分』(英題: 28 hours 01 minute)
作:松村翔子
翻訳:鈴木小百合
松村翔子 プロフィール
松村翔子
劇作家・演出家・俳優。2000年より舞台俳優として東京の小劇場を中心に活動。2013年に演劇ユニット「モメラス(Momeraths)」を旗揚げし、劇作・演出を始める。自身の体験や関心をもとにリサーチを重ね、社会的に不利な立場にある若者や、女性の人生における問題、現代を生きる人々の闇に焦点をあてた作品を多く展開している。(非正規雇用、貧困、性被害、中絶、不妊治療、出産 他) 観客の想像を超えた方向へ飛躍する物語や、詩的言語や身体表現を用いて、現実を超えた「新しいリアル」を舞台上に表出させている。
ロイヤルコート劇場のインターナショナルプログラムは、世界中の劇作家やアーティストと長期的な関係性を育み、多種多様な伝統、言語、文化背景を持つ演劇人や団体と長期的な協力体制を築いている。
なお、上演期間中の27日(金)には3人の劇作家と小川絵梨子新国立劇場演劇芸術監督によるパネルディスカッション、28日(土)には3作品の連続上演が行われる。
劇作家 アリスター・マクドーウォル コメント
このワークショップで14人の劇作家たちと時間を共に出来たのはとても幸せなことでした。彼らと過ごした時間からはこれからも自分自身の創作の中で活きることを学びましたし、あの時間は大切な思い出です。彼らの戯曲は一つ一つが活気に満ち、何かを探求していて、そしてどこまでも革新的でした。日本の新作戯曲をロイヤルコートで上演することの一端を担えたことを光栄に思います。
新国立劇場演劇芸術監督 小川絵梨子 コメント
このたび、ロイヤルコート劇場×新国立劇場で行ってきた劇作家ワークショップの集大成として3人の劇作家の作品がロンドンでリーディング公演を行われることに、大きな喜びを感じています。COVID19という大きな壁に阻まれながらも、1年半の長きにわたり14人の劇作家が集い、作品を生み出し、相互にディスカッションを重ねながら作品を生み出せたことは、彼らや彼らと同世代の劇作家にとっても、日本の演劇界にとっても大きな出来事だったと思います。そして、3本の作品がロンドンで上演をされるのです。ここに至るまで、ロイヤルコート劇場には劇作家たちに本当に大きなバックアップをし続けていただきました。深く深く感謝申し上げます。
公演情報
2023年
1月26日(木)
19:00 『その先、鬼五郎渓谷につき、』『28時01分』二本立て
1月27日(金)
19:00 『真夜中とよぶにはまだはやい』+3 人の劇作家と小川絵梨子新国立劇場演劇芸術監督によるパネルディスカッション
1月28日(土)
16:00 『真夜中とよぶにはまだはやい』
18:00 『28時01分』
20:00 『その先、鬼五郎渓谷につき、』
詳細: https://www.nntt.jac.go.jp/play/playwrights_project/
後援:ブリティッシュ・カウンシル