桑田佳祐、40万人超を動員した5大ドームツアー『お互い元気に頑張りましょう!!』が横浜追加公演3DAYSで大団円
桑田佳祐 LIVE TOUR 2022「年末も、お互い元気に頑張りましょう‼」supported by SOMPOグループ 12月31日横浜アリーナ Photo by 関口佳代
桑田佳祐が12月28日(水)・30日(金)・31日(土)の3日間にわたり、神奈川・横浜アリーナで『桑田佳祐 LIVE TOUR 2022お互い元気に頑張りましょう!!」supported by SOMPOグループ』追加公演を開催した。
『桑田佳祐 LIVE TOUR 2022お互い元気に頑張りましょう!!」supported by SOMPOグループ』は、11月2日(水)宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ公演2DAYSを皮切りに、東京・愛知・大阪・福岡・北海道の5大ドームを巡ったツアー。「年末も、お互い元気に頑張りましょう!!」と題した横浜アリーナ追加公演は12月28日(水)、30日(金)、31日(土)の3日間にわたって実施。ツアー全公演では完売、総計40万2,000人を動員。桑田は、ソロミュージシャン史上初となる3度目の全国5大ドームツアーを成し遂げている。また、サザンオールスターズとしても3度の全国5大ドームツアーを開催している桑田は、バンド・ソロそれぞれの活動で3回以上5大ドームツアーを開催したことになる。
桑田佳祐 LIVE TOUR 2022「年末も、お互い元気に頑張りましょう‼」supported by SOMPOグループ 12月31日横浜アリーナ Photo by 高田梓
最終公演となる12月31日(土)。全公演即完売となった会場には、端から端まで超満員となる13,000人の観客が会場に足を運び、マスク着用のもと桑田佳祐とメンバーを大きな拍手で迎えて公演はスタート。序盤の「炎の聖歌隊 [Choir(クワイア)]」では、「開演お待ちどうさん ご来場大変御足労さん」と声高らかに歌い、昨年開催したツアーから約1年の時を経て再会することの喜びを、観客と共に分かち合っていた。冒頭のMCでは「今日がツアーの最終日となってしまいました。とても楽しいツアーでした」と、今回のツアーが充実したものであったことをうかがわせた。また、「今日は年越しライブです。みなさんに会えてうれしい!」と、大晦日からの年越しを多くのファンとともに過ごせる喜びを語った。
ライブではいぶし銀なロックナンバー「真夜中のダンディー」で会場を熱狂の渦に巻き込む場面や、若い世代をはじめ全世代が口ずさむことのできる代表曲のひとつでもある「明日晴れるかな」を情感たっぷりに歌い上げるなど、ソロ活動35年を迎えた特別な年のライブならではの、全世代に向けた選曲で観客を楽しませた。
さらには、1986年に1年限定で活動した伝説のユニット・KUWATA BANDの「BAN BAN BAN」を今回ならではのアコースティックアレンジで披露するなど、ツアーだけのためにアレンジされた楽曲を堪能できるのも桑田佳祐のライブの醍醐味だ。MCでは、自身が全面バックアップしたソロアルバム『婦人の肖像 (Portrait of a Lady)』をリリースしたばかりの原 由子について触れる場面もあるなど、桑田の活動の充実ぶりがうかがえる。
長きにわたり愛されている名曲たちが次々と繰り出される一方で、コロナ禍に日本中を勇気づけた「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」をはじめとする“今”の桑田佳祐を表す楽曲たちが、ライブに大きな感動をもたらしていた。そして何より、観客の心にじんわりと染み込み感動を呼んだのが、ベストアルバム『いつも何処かで』のために書き下ろされた最新曲「なぎさホテル」だ。神奈川県逗子市の海辺に実在した洋式ホテル・なぎさホテルから着想を得て書かれたこの曲は、海風の香る情景と溢れる恋心をノスタルジックに描いたドリーム・ポップバラッド。全国のラジオでのオンエアや、自身も出演するユニクロのTVCMソングとしても注目を集めているこの曲は、かつての"湘南"の情景と大切な人との軌跡を綴った歌詞が、桑田佳祐の原風景である夏の海辺と波音、友や家族、仲間、デビュー以来ずっと支えてくれているファンの人達との愛情や絆などを想起させる。ライブで水面を揺蕩(たゆた)うかのような照明の世界の中で桑田が歌うと感動も一入(ひとしお)だ。
桑田佳祐 LIVE TOUR 2022「年末も、お互い元気に頑張りましょう‼」supported by SOMPOグループ 12月31日横浜アリーナ Photo by 高田梓
本編も終盤に差し掛かると、故・アントニオ猪木さんへの哀悼とリスペクトを込めて首に赤いタオルを巻き「Soulコブラツイスト〜魂の悶絶」を披露。畳み掛けるように場全体に大きな盛り上がりを生み出すライブナンバー「悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)」を演奏し終えると、時は年明けまであとわずか。2023年の幕開けへのカウントダウンが始まり、30秒後についに新年を迎える祝砲が鳴り響く。客席にはきらびやかな金テープが舞い、色とりどりの無数の風船が天井から降り注ぐと、会場は新しい年を迎える歓喜に包まれたのだった。間髪入れずに「ヨシ子さん」が始まると、会場は再びライブの熱狂に引き戻される。続いて、美空ひばりの60年代の大ヒット曲「真っ赤な太陽」を披露し、あたかも本編が終了するかの如くステージを去ろうとした瞬間に「波乗りジョニー」のイントロが鳴り響くと、観客のボルテージはマックスに。会場は大興奮と笑顔に満ちたまま本編の幕は下ろした。
アンコールでは、「ROCK AND ROLL HERO」「銀河の星屑」を披露。桑田の圧倒的なパフォーマンスと、縦横無尽に会場を照らす照明やレーザーを使った光の演出などとのコラボレーションは、2022年エンタメの粋の結晶とも言える一幕といっても過言ではない。「白い恋人達」をしっとりと歌い上げて会場を感動に包むと、最後に「100万年の幸せ!!」を披露。桑田佳祐からファンに、そしてファンから桑田佳祐に、魂のエールを送り合うかのような幸せに満ちた時間が流れていく。まさに“お互い元気に頑張りましょう!!”を体現したライブは、明日への活力に満ちた祝祭的なムードの中、大団円を迎えた。
なお、本公演の公式セットリストのプレイリストも公開されている。