SIX LOUNGE × w.o.d. 白熱のロックンロール・ショー、“PEAKY BLINDERS”ツアー追加公演を観た

レポート
音楽
2023.2.7
w.o.d. / SIX LOUNGE

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SIX LOUNGE × w.o.d. スプリットツアー“PEAKY BLINDERS”  2023.1.25  渋谷CLUB QUATTRO

SIX LOUNGEとw.o.d。オーソドックスなロックンロールを鳴らす3ピースバンド2組のスプリットツアーが、1月25日の渋谷CLUB QUATTRO公演で幕を閉じた。大津、甲府、郡山、新潟、熊谷公演を経て開催された追加公演は、彼ら曰く「ツアーファイナルが打ち上げだとしたら今日は二次会」とのことで、まさに宴と呼びたくなる空気。1週間で6回も対バンし、濃い日々をともに過ごした2組と、ド平日のライブハウスを超満員にさせたオーディエンスが、ロックンロールを肴に大盛り上がりだ。バンドのサウンドはもちろん、観客が突き上げる拳の一つひとつも力強く、魂がこもっているように感じられる。コロナ禍に入ってから、ライブハウスもロックバンドも厳しい時期を味わったが、今ここにある熱気はコロナ禍以前と何ら変わりない。会場は“俺らもお前らも最高!”的なポジティブなムードに包まれていて、実際メンバーもそういった言葉を観客に何度も投げかけていた。

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先に言ってしまうと、アンコールでは両バンドのメンバー全員が出てきて、w.o.d.の「1994」とSIX LOUNGEの「ピアシング」を演奏した。こういう段取りは普通サプライズにしておくものだが、ライブ本編では先出しのようにw.o.d.が「ピアシング」を、SIX LOUNGEが「1994」をカバー。“やりたいからやるっしょ”と本能に突き動かされている姿がかえって痛快で、また、どちらももはや自分の曲のようになっているのが微笑ましかった。MCによると、「ピアシング」はこのツアーで計20回近く演奏されたそう。単純計算で1日3回以上演っている。

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そんな熱狂のツーマンを振り返りたい。先攻はw.o.dで、後攻はSIX LOUNGE。出演順はじゃんけんで決めたとのことで、w.o.d.のサイトウタクヤ(Vo/Gt)は「あっち(SIX LOUNGE)の方が男気あるってことで。まあ分かるっすよね」と言っていたが、サイトウがギターを掻き鳴らすなか、Ken Mackay(Ba)、中島元良(Dr)が同じリズムに刻み、観客も同じリズムで手拍子した1曲目「失神」からして一音一音が骨太で、それこそ男気のようなものを感じる。サイトウが「w.o.d.です」と一言加えることでこの曲を挨拶に替えると、8分刻みのベースにドラムのキックやノイジーなギターが重なり、「イカロス」へ。楽器の出音もボーカルの発音も初速が速く、サウンドはどんどん鋭利になっていく。特に終盤の畳みかけが凄まじく、曲が終わると、ナイスプレイと言わんばかりにフロアから「フゥ―!」と歓声が上がった。「Fullface」までの3曲で観客の心を焚きつけたあとは「サニー」、「煙たい部屋」といったミディアムナンバーを響かせる。

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MCに入ると一番に観客に「最高です」と伝えたサイトウ。ここでは、ツアータイトルの『PEAKY BLINDERS』はイギリスのドラマからとったと紹介し、「SIX LOUNGEも俺らも楽しくやれてます。今日も好きに楽しんでくれたらと思います」と語った。そして「去年世界中で一番いいアルバムを出しました。そこから1曲やります」と、4thフルアルバム『感情』収録の「オレンジ」を披露。甘酸っぱい余韻が広がるなか、リズミカルなビートとともに「馬鹿と虎馬」で転がり出す。そして間髪入れずに歌い始める「リビド」。爆発力が凄まじい。短いMCを挟み、「めっちゃカッコいい曲やるので」とSIX LOUNGE「ピアシング」をカバーすると、休符込みのギターリフによる緊張感で場の空気を変えてから再び疾走。「モーニング ・ グローリー」、さらに「Mayday」へ。ここでw.o.d.流の4つ打ちダンスナンバー「踊る阿呆に見る阿呆」を投入されたらブチ上がらざるを得ない。ぶっといベースが轟いたと思いきや、再びの「ピアシング」。そして「1994」でさらにスピードを上げると、「またね、SIX LOUNGE楽しんで!」(サイトウ)と駆け抜けた。

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SIX LOUNGE

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ヤマグチユウモリ(Gt/Vo)、イワオリク(Ba)、ナガマツシンタロウ(Dr)の3人でジャーンと一発鳴らしたあと、「トウキョー!」とヤマグチが叫び、SIX LOUNGEのライブがスタート。バンドの音に誘われて、1曲目の「ナイトタイマー」から早速たくさんの拳が上がる。シンコペーションのリズムが疾走感をさらに増幅させる「STARSHIP」はヤマグチの歌声も気持ちいい。<I LOVE YOU YEAH>のロングトーンも伸びやかに響くなか、今度はゴツッとしたサウンドで鳴らされるリフが楽しい「23歳」だ。そして「好きなバンドとツアーまわって、最終日にこれだけ集まるだけで十分なんですけど、もっとすごいところまで行って、何も残らないくらいになりたいですね!」(ヤマグチ)と語ったあとは、「スゲー風吹かせて帰ろう!」と最新曲の「キタカゼ」へ。ヤマグチの歌唱力が際立つ歌い出しも印象的なこの曲はストレートなギターロックソングで、ダイナミックなアンサンブルからは包容力も感じられる。

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セットリストのいいスパイスになっていたのは、ダンサブルなビートに哀愁あるメロディをあえて掛け合わせた「New Age Blues」。「DO DO IN THE BOOM BOOM」を経て、パンクのビートとともに始まったのは「スピード」で、その後「トラッシュ」に突入する黄金の流れ。さらに「俺らもやろうかな」と言いながらの本家「ピアシング」。「ごめん、アンコールでやるはずだったけど、テンション上がったけん、やるな」と前置きしてからのw.o.d.「1994」カバー。「あー、気持ちいいなー。ありがとうございます!」とヤマグチ。「w.o.d. ありがとう。カッコいいバンドだなと思ってるし、人間も最高。6ヶ所も同じバンドとまわることはなかったので、好きすぎて(別れが)つらいです」という気持ちとともに鳴らしたのは「上海DOLL」で、会場の外にまで突き抜けるようにバンドの音が響く。

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感染症対策のガイドラインが徐々に緩和され、ステージから見えるフロアの光景も変わりつつあることを実感してか、MCでは、「クアトロこの前もやりましたけど、その時よりもまた良くなってますね。ちゃんと進んでるなと思って嬉しくなりました」と語る一幕も。「ほぼ同世代にこんなカッコいいバンドがいるって嬉しくなりますよ。そんで、この2バンドにこんなに集まるんでしょ? 最高。未来しかないです」という言葉とともに演奏したのは「メリールー」で、「天使のスーツケース」、「僕を撃て」と続けて本編を締めた。

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アンコールでは、ビール片手に登場した ヤマグチの呼び込みで全員が登場。ステージ上で(ツアータイトルになったドラマに因んで)グラスにウイスキーを注ぎながら、サイトウの「PEAKY BLINDERS!」の掛け声で乾杯。その後は「1994」、「ピアシング」をともに演奏したが、フロア後方からだと今誰が演奏しているのか正確に把握できないほど、ステージ上はわちゃわちゃとごった返している。とりあえず「ピアシング」2連投のうち、2回目の方は中島が歌うレアバージョンだったこと、もはや無礼講といった具合に6人が混ざり合い、楽しそうにしていたことは確かだ。2組の共鳴がライブハウスにもたらした熱狂は、最後に温かい余韻を残したのだった。


取材・文=蜂須賀ちなみ

w.o.d. / SIX LOUNGE

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セットリスト

■w.o.d.
1.失神
2.イカロス
3.Fullface
4.サニー
5.煙たい部屋
6.オレンジ
7.馬鹿と虎馬
8.リビド
9.ピアシング(SIX LOUNGEカバー)
10.モーニング ・ グローリー
11.Mayday
12.踊る阿呆に見る阿呆
13.ピアシング(SIX LOUNGEカバー)
14.1994
■SIX LOUNGE
1.ナイトタイマー
2.STARSHIP
3.23歳
4.キタカゼ
5.New Age Blues
6.DO DO IN THE BOOM BOOM
7.スピード
8.トラッシュ
9.ピアシング
10.1994(w.o.d.カバー)
11.上海DOLL
12.メリールー
13.天使のスーツケース
14.僕を撃て
■w.o.d.×SIX LOUNGE(ENCORE)
1.1994
2.ピアシング
3.ピアシング

w.o.d. 情報

w.o.d. presents "TOUCH THE PINK MOON"
4/6(木)神戸・MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
GUEST:Sisters in the velvet
OPEN 18:30 START 19:00
4/7(金)神戸・MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
GUEST:Newdums
OPEN 18:30 START 19:00
4/13(木)東京・恵比寿LIQUIDROOM
GUEST:8otto
OPEN 18:00 START 19:00
Ticket On Sale

  
ライブ盤『Live in Tokyo 2022』
2023年2月15日(水)発売
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[DVD] 感情 Live From GOK SOUND
[封入特典] ポストカード3種, ステッカー1種 (デロ)
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