演劇ユニット「unrato」が 保坂知寿・霧矢大夢・平体まひろ で『三人姉妹』を上演

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2023.3.22
(1段目)保坂知寿 霧矢大夢 平体まひろ(2段目)大石継太 笠松はる 須賀貴匡 ラサール石井(3段目)鍛治直人 近藤頌利 内田健司(4段目)浦野真介 須賀田敬右 青山達三 羽子田洋子

(1段目)保坂知寿 霧矢大夢 平体まひろ(2段目)大石継太 笠松はる 須賀貴匡 ラサール石井(3段目)鍛治直人 近藤頌利 内田健司(4段目)浦野真介 須賀田敬右 青山達三 羽子田洋子


演劇ユニット「unrato」(アン・ラト)がアントン・チェーホフ『三人姉妹』を、2023年9月に東京・浜松町の自由劇場で上演する。上演台本を広田敦郎、演出を大河内直子が担当。出演は、保坂知寿 霧矢大夢 平体まひろ、大石継太 笠松はる 須賀貴匡 鍛治直人 近藤頌利 内田健司 浦野真介 須賀田敬右 青山達三 羽子田洋子、そして、ラサール石井。

『三人姉妹』は、『かもめ』『ワーニャ伯父さん』『桜の園』と並ぶチェーホフ4大戯曲のひとつ。1901年に初演。モスクワでの華やかな生活に戻ることを夢見ながら、田舎の閉塞感に満ちた日常の中で生きていく三姉妹たちを描く。

チェーホフは1892年頃、疫病の治療と衛生対策のために郊外の町に赴任。その仕事を終え、『かもめ』そしてこの『三人姉妹』を書いた。彼はその町で樹木を植えることに生きがいを見出していったと書き残している。コロナ禍の影響を強く受けた演劇界にとって、今は暗い時代かもしれない。しかし今回、この舞台の主催者は、その虚無的な憂いの中で、未来の「生」へのある確信を描く物語として、『三人姉妹』を企画したという。暗い雰囲気に目をとらわれがちな作品だが、ラストの三人姉妹の姿には、諦めではない、自分たちが去った後の未来を信じる「生」への強い姿があるのではないか、と思えたからだそうだ。「生きましょう」と語る三人姉妹とともに、人は何のために生きているのか、未来をどう見据えるか、演劇で問いかけていきたいとのこと。

タイトルロールともいうべき三人姉妹には、長女オーリガにミュージカルからストレートプレイまで幅広く活躍する保坂知寿、二女マーシャに元宝塚歌劇団トップスターでunrato『薔薇と海賊』などでの好演も記憶に新しい実力派・霧矢大夢、三女イリーナに2021年芸術祭賞演劇部門新人賞を受賞した文学座のホープ・平体まひろが決定。ほかにも、ラサール石井、大石継太、笠松はる、須賀貴匡、鍛治直人、近藤頌利、内田健司ら、がっつりとチェーホフ戯曲に向き合う布陣が揃う。

■大河内直子(演出)コメント

2017年にスタートしたunratoは、この秋で10作目を迎えます。その半分の時間がコロナ禍でした。コロナ禍の日々を過ごす中で、折々に思い出されたのが、『三人姉妹』の最後のせりふでした。改めていま、このせりふが自分たちに、そしてお客さまにどう響くかを問いたいと思い、チェーホフに挑戦しようと決めました。三姉妹には、保坂知寿さん、霧矢大夢さんというunrato公演で何度もご一緒くださった信頼するおふたりと、文学座のエネルギーあふれる平体まひろさんをお迎えします。ほかにも、ラサール石井さんはじめ多士済々な方々が集まってくださいました。皆と一緒に骨太な『三人姉妹』をつくりたいと思います。

【大河内直子(おおこうち・なおこ)略歴】
1992年、英国王立演劇学校(R.A.D.A.)に日本人で初めて入学。演出とプロダクションマネージメントを学ぶ。英国で蜷川幸雄に出会い、卒業後は演出助手、翻訳などに携わる。蜷川幸雄演出作品では『夏の夜の夢』『身毒丸』『美しきものの伝説』『コースト・オブ・ユートピア』『ムサシ(ロンドン・NYバージョン)』『マクベス』『尺には尺を』『海辺のカフカ』などに演出助手として参加。海外公演も多数担当する。2017年、プロデューサーの田窪桜子と演劇ユニット「unrato」を結成。演出作品に『犀』(2004年)、『さすらい』(2006年)など。unratoでは、ミュージカル『I DO! IDO!』(2014年、霧矢大夢が読売演劇大賞優秀女優賞)、『THE LAST FLAPPER』(2016年・2017年)、『BLOODY POETRY』(2018年、日本初演)、『受取人不明 ADDRESS UNKNOWN』(2018年・2019年、日本初演)、ダーチャ・マライーニ作『メアリー・ステュアート』(2020年)、木下順二作『冬の時代』(2020年)、清水邦夫作『楽屋』、三島由紀夫作『薔薇と海賊』などを演出。本年は4月6日から東京芸術劇場シアターウエストにて、スコットランドの戯曲『Our Bad Magnet』を上演する。

【アントン・チェーホフ Anton Pavlovich Chekhov】(1860年1月29日~1904年7月15日)
ロシアを代表する劇作家であり、多くの優れた短編を遺した小説家である。南ロシアのタガンログの商人の家に生まれる。モスクワ大学医学部を卒業し,医師としても活動した。学生時代からユーモア短編を多作,やがて本格的な文学を志して,『曠野』『わびしい話』などの作品で1880年代末に短編小説の名手としての地位を確立。1890年にはサハリンに旅行,以後,作品に社会的な幅と深みも加わって,『六号室』『中二階のある家』『箱に入った男』『可愛い女』『犬を連れた奥さん』などの名作を書いた。晩年にはモスクワ芸術座と『かもめ』、『ワーニャ伯父さん』、『三人姉妹』、『桜の園』などの戯曲を発表,近代劇の新しい時代を開いた。

公演情報

unrato #10『三人姉妹』
 
【作】 アントン・チェーホフ
【翻訳・上演台本】広田敦郎
【演出】大河内直子
【会場】自由劇場(東京・浜松町)
【公演日程】2023年9月23日(土・祝)~9月30日(土)
【一般発売開始】 2023年8月上旬~
【問い合わせ】 info@ae-on.co.jp

 
【出演】
オーリガ:保坂知寿 プローゾロフ家の長女
マーシャ:霧矢大夢 二女
イリーナ:平体まひろ 三女

 
アンドレイ:大石継太   ブローゾロフ家の長男
ナターシャ:笠松はる   アンドレイの婚約者、のちに妻
クルイギン:須賀貴匡     教師、マーシャの夫
ヴェルシーニン:鍛治直人   中佐、砲兵隊長
トゥーゼンバッハ:近藤頌利   男爵、中尉
ソリョーニ:内田健司 大尉
フェドーチク:浦野真介 少尉
ローデ:須賀田敬右 少尉
フェラポント:青山達三 市議会の守衛、老人
アンフィーサ:羽子田洋子 乳母、八十歳

 
チェブトゥイキン:ラサール石井 軍医
 
【スタッフ】
作:アントン・チェーホフ
上演台本:広田敦郎
演出:大河内直子
音楽:権頭真由
美術:BLANk.R&D(石原敬・牧野紗也子)
照明:山本創太(A.S.G)
音響:早川毅(ステージオフィス)
衣裳:前田文子
ヘアメイク:国府田圭
舞台監督:矢島健
制作:麻場優美   
プロデュース:田窪桜子
企画・製作:unrato 主催:(株)アイオーン

 
【公式サイト】https://ae-on.co.jp/unrato/
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