人気漫画が初の舞台化!校條拳太朗主演の舞台『珈琲いかがでしょう』製作発表会見レポート
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キッチンカーが舞台上に?コーヒーの香りが漂う舞台?
菅野臣太朗
ーー菅野さんに質問です。それぞれの役どころに対して期待していることを教えてください。
菅野:この原作で、青山一が校條くんとなったときに、ああ、ぴったりだなと思いました。彼とお仕事でご一緒するのは3回目なんですけど、彼のたたずまいは、なんというか邪魔にならない“居方(いかた)”をするんですよ。隣にいるときのマンパワーが、青山一の印象とすごく近い気がする。青山一は人を救っているんですけど、押し付けじゃなくて、そっと背中をしてあげるというか、気づかせる/気づかせていくような役所なので、そこが校條くんの人柄と合うかなと思います。それに青山一は、原作にもありますけど、実は裏社会にいたという設定もあるので、少しエッジの効いた部分も混在できるような役を担っていただきたいなとは思います。
奈緒ちゃんは初めましてです。お客さんの役なんですけど、例えば、仕事で自分はAが正しいと思っているのに、上司や周りに言われて、Bをやらなくてはいけない会社勤めの人や人付き合いをしている人って多いと思うんですよ。客席にもそういうお客様がいらっしゃるかもしれないので、 そこの代弁者であってほしいなと。そして、青山一のコーヒーを飲むことによって「あ、私が正しいと思っていることは正しいんだ」「見てる人は見てくれてるんだ」と背中を押される役なので、同じような境遇の方々を救えるような、日常の涙を拭うような役どころになってくれたら嬉しいなと思っています。
みくちゃんも青山と出会う役。先ほど仰っていただいたように、昔から描いていた夢がなかなか実現しないし、「自分のやりたいことと求められることが違う」と苦しんでいる役なんですね。それで、虚勢を張って強い部分を見せようとする。そういう自分でいた方が楽だと仮面をかぶっているんですけど、エスプレッソに出会って、いろいろと気づきを得ていくという役なんですよ。こちらも奈緒ちゃんの役とはまた違った角度で共感していただけるお客さんがいるのかなと思いますし、お客さんの心をなでてあげるような役になっていただければと思ってます。
太田奈緒、校條拳太朗
ーー今回の演出や舞台セットについて見どころを教えてください!
菅野:美術家と打ち合わせを重ねて、今回、舞台上にキッチンカーをご用意させていただくことになりました。本物の車を購入して、改造して、舞台上に乗せるというこだわりようです。校條くんがコーヒーを淹れるシーンが実際にあるので、舞台上でもコーヒーが淹れられるような演出を考えています。
それプラス、演劇が映像作品と違うのは、そこに人がいること。役者がいること。役者の目の前にもお客さんがいること。そして、同じ空間を共有することだと思うんです。だから、お客様にコーヒーの匂いを少しでも感じていただくような演出を、今スタッフたちといろいろ実験をしています。
ーー花陽さんはカフェコラボ企画で、千住のカフェを巡られましたね。感想を教えてください。
花陽:今回は17店舗巡らせていただきました。他にもたくさんカフェがあるんですけど、今回は徒歩圏内ということで、17店舗です。趣味で1日カフェ巡りをやるんですけれども、失礼ながら私はあまり北千住に来たことがなくて……今回全く知らなかったところからのスタートでした。
「舞台を通して開催地である北千住を盛り上げたい」という制作会社の想いに、舞台上演地である千住の地元の喫茶店やカフェが応えました。協力いただく店舗は17店。出演者の一人であり、バリスタ資格を有する、元宝塚歌劇団所属の花陽みくが、公演1ヶ月以上前から店舗を巡り、それぞれの店の特徴をInstagramで紹介。4月8日(土)から配信中。さらに舞台来場者にもカフェを巡ってもらうため、千住珈琲MAPも作成。また、
〈協力店舗〉
BUoY café&Bar、千住宿 珈琲物語、くし処 いわ咲、Tama Coffee Roaster、select gallery&bar“baku”、はれてまりカフェ、□□□(シカク)、café Kova Garden、SLOW JET COFFEE、喫茶 蔵、SHANTY、マメココロ 北千住店、LUSH COFFEE、八重洲珈琲 千住中居町店、Sd coffee、わかば堂、寛味堂
店舗1店舗それぞれのオーナーさんたちが温かくて。お店に込める思いや一杯に込める思いがあって、 お豆を焼きながらお客さんにどういう風に飲んでもらいたいかまで考えていらっしゃいました。17店舗それぞれが全然違うんです!店内の作りも、もちろん人柄も、テーマにしているものも違いましたね。私は今回の取材でノート2冊なくなりました(笑)。もう自分の勉強、人生の勉強をさせてもらいました。観てくださったお客様にも帰り道に17店舗寄っていってほしいです。本当に素敵なお店ばかりで、北千住という地域が好きになりました!
花陽みく
ーーコーヒーを飲む時間は皆さんにとって癒しの時間だと思いますが、コーヒー以外で皆さんの日常生活の癒しの時間を教えてください。
菅野:僕、旅行が好きでして、神社に行くのが好きなんです。それにコーヒーも好きなんで、美味しいコーヒーがありそうな神社によく行くんです。で、この間、北千住の千住本氷川神社に行ってみたんです。そうしたら、リアルにコーヒーのキッチンカーがあって!店主の方とお話をして、ちょっと繋がりができたりして……そんなミラクルがあったりするので、「神社」と「コーヒー」というコラボレーションはすごいですよ。よって、僕の癒しはコーヒー以外なら、神社です!
校條:僕は猫を飼ってまして、 猫と群れる、猫を眺める時間が癒しの時間ですね。最近は、自分でコーヒー豆を挽いて飲むようになったんですが、ガラガラやってるときに猫が寄ってくるんですよ。 だから、コーヒーの癒しと猫の癒しが同時にあって、癒しが倍増しています。
太田:私は夜の散歩が癒しの時間。大体決まった時間ぐらいに出るんですけど、サラリーマンの方などだいたい同じ時間に帰ってこられる方々の表情を見たり、人間観察をしたりしています。今日はなんかあったのかな?と想像しながら、夜道を歩くのが、癒しの時間です。
花陽:私は夜ではなく、朝の散歩。朝に散歩をして、ベンチでぼけっとするのが最高です。
校條拳太朗
太田奈緒
ーー最後に意気込みを改めてお願いします!
校條:原作、ドラマがあって、そして今回は舞台。移動販売店って、オープンな場所にありつつも、コンパクトでぎゅっとしていて狭い感覚になるような場所だと思うんですけど、その身近さについては舞台が1番感じられるかなと思うんです。観に来てくださったお客さんも、まるで自分もコーヒーを買うのを待っているような、それぐらいの距離感で作品を観られるかなと思います。
いろいろ聞いていると、本当に体感型の舞台になるんじゃないかなと思います。僕も役者として演じる上で、皆様に間近で観ているようなの舞台の良さを踏まえながら、この作品をしっかり届けていけたらなと思っております。
太田:ドラマと漫画があって、それらを観ている方はもちろん舞台がどうなるか、すごく楽しみにしていてほしいし、逆に観たことない方もこの舞台を通して、人間関係で疲れている気持ちが癒される物語に触れてみてほしいなと思います。しっかりお届けできるように、精一杯頑張りたいと思います!
花陽:観てくださった方がこの作品を通して、帰りに扉を出たときに何か温かいものがほっと芽生えていたら嬉しいなと思います。そして、その流れで喫茶店に寄っていっていただけたらとも思っております。今から稽古頑張りたいと思います。よろしくお願いします!
取材・文・撮影=五月女菜穂
公演情報
会場:シアター1010
青山一 校條拳太朗
垣根志麻 太田奈緒
杉三平(ぺい) 久下恭平
大門雅 新谷姫加
礼 花陽みく
アケミ 進藤学
小比類巻 芹沢尚哉
モタエ 斉藤レイ
ヤイ子 音羽美可子
部長 横田大明
馬場 松原もか
遠藤 本間健太
姫子 安井摩耶