「時代の閉塞感を壊す力がある」~アナログスイッチ『寝不足の高杉晋作』奥谷知弘・太田奈緒・佐藤慎哉インタビュー
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(左から)太田奈緒、奥谷知弘、佐藤慎哉
アナログスイッチ23rd situation『寝不足の高杉晋作』が、2026年2月25日(水)~3月8日(日)新宿シアタートップスにて上演される。幕末の重要な戦の最中に姿を消した高杉晋作とその妾、彼らをめぐる人びとの攻防戦を描いた本作は、2024年11月に同劇場で初演、今回はそれから約1年3ヶ月と短いスパンでの再演となる。初演でも高杉晋作を演じた奥谷知弘、妾・おうの役の太田奈緒、作・演出の佐藤慎哉(アナログスイッチ)に稽古場で話を聞いた。
■アナログスイッチ初出演の太田奈緒、観客を笑わせるコツは?
ーー初演から1年強で再演を決めた理由からお聞かせください。
佐藤:初演でお客さんからの反応がよかったのですが、その分
佐藤慎哉
ーー奥谷さんは初演に続き今回も高杉晋作を演じますが、役柄についてどんな思いをお持ちですか?
奥谷:最初は実を言うと彼がどんな人物なのかよく知らなくて、でも初演で高杉晋作を演じていくなかで、彼の生き様や考え方がめちゃくちゃかっこいいと知っていきました。幕末の時代の人の考えなのに、今を生きる僕らにも響くメッセージ性がある。強い意志を持った高杉晋作という人物を僕が体現して、「明日もまた笑って頑張っていこう」と観客の方に思ってもらえたらうれしいですね。
ーー太田さんはそんな高杉晋作と一緒に逃げる女性を演じます。
太田:おうのという人は、歴史上では天然っぽい人物だと最初に佐藤さんに教えていただいたのですが、この舞台では晋作さんへの愛を軸に生きるまっすぐで芯のある女性として描かれています。晋作さんが亡くなった後も彼への愛情を最後まで貫き通す生き方をしていて、おうののまっすぐなところがとてもかっこいいなと思いました。
ーー太田さんはアナログスイッチ初参加です。佐藤さんはどんなことを期待して太田さんにオファーをされたのでしょう?
佐藤:以前別の舞台でお芝居を見せてもらった時に、すごく芯のある演技をされる方だと思ったんです。だから今回芯のある女性であるおうのを太田さんに演じてほしいと思ってお願いしました。期待することとしては、コメディなので笑いをとってほしいですね。
太田:わぁ〜……(困った顔をしながら)。
太田奈緒
奥谷:嫌だよね、そんな期待をされてもね(笑)。
佐藤:でも、できるから!
太田:演技の幅を広げられるように頑張ります……!
ーーお客さんに笑ってもらうためのアドバイスはありますか?
佐藤:まずは目の前にいる俳優、稽古場にいる人を笑わせることですね。お客さんを笑わせようとすると難しいので、まずは近くにいる人を笑わせることを意識してもらえれば。あとはスベる恐怖心を一回無くしてほしいですね。
太田:難しいけど……やってみます!
■誰かを必死に説得した経験は?
ーー本作は隠遁生活をしようとしている高杉晋作を引き戻そうと説得するお話ですが、みなさんの実人生で誰かを説得した経験はありますか。
佐藤:これはちょっとどうなんだって話ですが、既婚者の男性とよからぬ関係に陥っている女性の友人に「流石にそれはやめた方がいいよ」と松屋で朝4時まで説得したことがあります。
(左から)太田奈緒、奥谷知弘、佐藤慎哉
ーー松屋って、「みんなの食卓でありたい」の松屋ですか?
佐藤:そうです。今思うとかなり迷惑ですよね……。しかも説得もうまくいかなかったんです。今は別の人と結婚して幸せにやってるみたいですが、恋煩いについては他人がどうこう言ってもダメだとその時に身をもって学びました。
太田:……そんなエピソードの後だとすごく軽い話になってしまうけど、いいですか(笑)
ーーもちろんです!
太田:わたしは小さい頃からピアノを習っているのですが、一度練習をサボった時にピアノの先生から母に告げ口をされて、「そんなのだったらやめちゃえ」って怒られたんです。だからわたしも「じゃあやめるわ」って返したら、「それは違うでしょ」って今度はやめちゃダメだと母さんから長時間説得されたことがあります。それで結局二十歳までピアノを続けました。
佐藤:それで言ったら、うちの父は教師なんですが、僕が何かほしいものがあるという時には、「作文で俺を説得しろ」という人で。だから携帯を買ってもらいたいと思って、小論文を書いて父を説得したことがありましたね。
奥谷:すごい親子! 自分も小さい頃に、説得とまではいかないけど自分のわがままを通してもらったことはよくありました。僕の誕生日がクリスマスの次の日で、放っておくとプレゼントをまとめて一個にされがちなんですよ。でもどうにか別々に二個ほしいじゃないですか。当時大好きだったスター・ウォーズのレゴをどうしても買ってほしくて「今年は二個ください!」とお願いしたら無事買ってもらった思い出があります。
奥谷知弘
ーーほしいものは口に出すのが大事ですね! 最後にこれを読んでくれている方へのメッセージをお願いします。
佐藤:初演から美術も大きく変わっていますし、物語もより良いものに書き換えたので、前回来てくれた方にもぜひ観てほしいです。
奥谷:僕自身大好きな作品で、再演できるのはうれしい反面、演じるのが大変な作品でもあるんです(笑)。どこが大変なのか実際に確かめてほしいし、会場で販売される台本とも照らし合わしていただけたらより楽しめると思います。初観劇の方にとっても入りやすい作品なので、たくさんの方に観ていただけたらうれしいです。
太田:わたしは歴史に苦手意識があって、同じように感じている人は作品のタイトルだけ見ると「高杉晋作のこと知らないけど大丈夫?」と思ってしまうかもしれませんが、そういう方にも絶対楽しんでもらえる作品です。みんな可愛らしくて愛おしいキャラクターばかりなので、どうか構えずに観にきていただけたらなと思います。
(左から)太田奈緒、奥谷知弘、佐藤慎哉
取材・文=碇 雪恵 撮影=池上夢貢
公演情報
会場:新宿シアタートップス
坂本龍馬:畑中智行(演劇集団キャラメルボックス)
おうの:太田奈緒
お雅:橘花梨
お千代:土本燈子
虎之介:渡辺伸一朗(アナログスイッチ)
田中顕助:藤木陽一(アナログスイッチ)
山本蔵六:忠津勇樹(アナログスイッチ)
2月26日(木)14:00公演 成井 豊(劇作家・演出家/演劇集団キャラメルボックス)
観劇日翌日時点で25歳以下が対象
後方席または見切れ席
※一般発売からのお取り扱いとなります
公式HP:http://www.analog-switch.com/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/analogswitch