恐ろしいほど美しい『幕末土佐の天才絵師 絵金』後期展示開始、オフィシャルレポート到着
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6月18日(日)までの期間、あべのハルカス美術館にて開催中の展覧会『幕末土佐の天才絵師 絵金』。同展にて5月23日(火)からは、メインビジュアル「伊達競阿国戯場 累」など後期展示が始まった。今回オフィシャルレポートが到着したので紹介する。
あべのハルカス美術館で開催中の『幕末土佐の天才絵師 絵金』。謎の天才絵師とも呼ばれる土佐の絵師・金蔵は、幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風を残し、「絵金さん」の愛称で親しまれてきました。絵金の作品群がこれほどまとまって見られるのは、地元・高知でもめったにないと話題を集めています。展示室には高知の夏祭りの環境が再現されおり、写真撮影を楽しむこともできます。
5月22日(月)に展示替えを行い、いよいよ後期展示が始まりました。後期から展示する24点の中から主要な作品をご紹介します。(作品点数97点の内、前期のみ21点、後期のみ24点)
[第1章 絵金の芝居絵屏風]
高知には現在、約200点の芝居絵屏風が現存していますが、その中で圧倒的な質と量を誇るのが、香南市赤岡町の絵金蔵の23点です。本展ではそのうち21点をお借りすることができました。こんなにも多くの芝居絵が大阪に来るという、破格のスケール感が伝わりますでしょうか。
前期の11点(河田小龍の作品1点を含む)を全部入れ替え、後期は10点を展示。ポスター・チラシのメインビジュアル「伊達競阿国戯場 累」がいよいよ登場します。前期作品と同様に、絵金蔵の白眉ともいえる芝居絵屏風がいくつも含まれております。前期にいらした方も、まだ見ていないという方も、後期展示をお見逃しなく!
「花衣いろは縁起 鷲」 (高知県指定文化財)二曲一隻屏風・紙本彩色 香南市赤岡町本町二区
「伊達競阿国戯場 累」 (高知県指定文化財)二曲一隻屏風・紙本彩色 香南市赤岡町本町二区
第1章では、芝居絵屏風以外の絵金の作品もご紹介しておりますが、後期には下記の作品を展示します。
芝居絵を得意とし、町絵師として名を知られた絵金ですが、「朝比奈奮戦図」は、故事人物を狩野派風の様式で描いており、若い頃、御用絵師であった絵金の、狩野派の絵師としての実力を知ることのできる作品です。「大原女図」には、京・大坂の系統の絵師たちの画風の影響が見られ、絵金が多様な様式を独学した跡が見られます。
「朝比奈奮戦図」 枠貼、絹本彩色 高知県立美術館
「大原女図」 軸、紙本彩色 高知県立美術館
[第2章 高知の夏祭り]
絵馬提灯の一部が展示替えとなりました。高知の夏祭りの情景の中で、絵金作品をお楽しみください。
[第3章 絵金と周辺の絵師たち]
第3章に登場する「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」は男の子の初節句に贈られた横幟です。紙に描かれているため、現存する作品が非常に少なく、「菖蒲打 まさりをとりもなかりけり 友竹」と絵金の句と画号の署名が添えられていることも貴重な作品です。
「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」 横幟、紙本彩色 原利夫(香南市赤岡町)
この章では、絵金の周辺の絵師や弟子の作品をご紹介しておりますが、後期には、香美郡佐古村深渕(現・野市町)の紺屋で本名が金蔵であったことから「野市絵金」とも呼ばれた野口左巌の2点の芝居絵屏風を展示します。「伊達競阿国戯場 累」は、同じ画題の絵金蔵の作品が第1章に展示されていますので、違いを比較してみると面白いと思います。
野口左巌「伊達競阿国戯場 累」 二曲一隻屏風、紙本彩色 深渕神社(高知県立歴史民俗資料館寄託)
『幕末土佐の天才絵師 絵金』は6月18日(日)まで開催。当日券はイープラスほかプレイガイドにて発売中。
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イベント情報
会 場:あべのハルカス美術館(〒545-6016 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F)
会 期:2023年4月22日(土)〜6月18日(日)
開館時間:火〜金/10:00~20:00 月土日祝/10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
観 覧 料:一般 1,600円(1,400円)/大高生 1,200円(1,000円)/中小生 500円(300円)※税込
※障がい者手帳をお持ちの方は、美術館
協 賛 :清水建設、大和ハウス工業
お問合せ:06-4399-9050(あべのハルカス美術館)
展覧会公式HP:https://www.ktv.jp/event/ekin/
美術館公式HP:https://www.aham.jp/
※開催内容の変更や入場制限等を行う場合があります。最新の情報は展覧会公式HP、美術館公式HPをご確認ください。