入山杏奈×神志那結衣×関根優那、“3姉妹”それぞれの演技タイプが明らかに 舞台『呪縛の家』インタビュー
左から、神志那結衣、入山杏奈、関根優那
世界の名作ミステリーを舞台化するプロジェクト『ノサカラボ』による舞台『呪縛の家』が9月3日(日)に東京・サンシャイン劇場で閉幕。東京公演を終えた本作は、9月16日(土)・17日(日)に福岡・キャナルシティ劇場、9月21日(木)から24日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼで上演される予定だ。
明智小五郎、金田一耕助と並ぶ「日本三大名探偵」に数えられる神津恭介シリーズの舞台化である本作では、頭脳明晰な美貌の天才探偵・神津恭介を林一敬(ジャニーズJr.)が演じている。また、神津の親友・松下研三役で濱田龍臣が出演。手島麗央(ジャニーズJr.)、入山杏奈、神志那結衣、関根優那、賀集利樹、福室莉音、岡田達也、内海光司、片岡鶴太郎(特別出演)らがキャストに名を連ねている。神津恭介が新興宗教の卜部(うらべ)一族を襲う連続殺人事件に挑む本作。卜部家の三姉妹役で出演しているのが、関根優那、神志那結衣、入山杏奈だ。関根は卜部家長女の澄子、神志那は次女の烈子、入山は三女の土岐子を演じている。3名の女優が、インタビューで作品やそれぞれの役の見どころなどを語った。
――本作への出演が決まった時の率直な心境は?
入山杏奈
関根:率直に、ミステリーの舞台に関われることが初めてだったので、嬉しかったです!
役柄が3姉妹の長女の役だったので、この綺麗なお2人の長女か……本当に長女に見えるかなあ? 大丈夫かな? という不安が少しあり、嬉しい気持ちと不安な気持ちの両方でした。でも、役を知っていくと、本当にやりがいを感じる役だったので、どうアクセントをつけて、遊んでいけるかなという楽しみの方が強くなってきました。
入山:私は、前々からノサカラボさんの作品に出たいなと思っていました。観に行きたいなと思っていた矢先に、ノサカラボさんからオファーをいただいたので、本当にびっくり! 嬉しい! という気持ちでしたね。自分が出たい!とか、興味を持っているところからお声掛けいただくことはなかなかないと思うので、すごく嬉しかったです。オファーをいただいた時はメキシコにいたんですけど、日本の帰国タイミングともバッチリはまって、日本で約2年ぶりの舞台が出来ることで楽しみにしていました。
神志那:共演者の方々が小さい頃から見ていた方々だったり、あんにんさん(入山)も48グループで一緒だったりしたので、長い期間を一緒に過ごせるのが楽しみでした! 今回は福岡での公演があるということで、私は元々博多で活動をしていたので、1年越しに福岡に帰れると思うと、もっと嬉しい気持ちになりました。
――自分の役柄について、自分と重なるところなどありますか?
関根:澄子はすごく妖艶で、肉感的な美女と台本に書いてあったのですが、役的には、男性をころがし、人に本音を見せず、何を考えているのか分からない人なんです。なので、発言一つひとつにおいて、何重にも意味があるように感じ取っていただかなければならない役だと思っています。澄子と自分が、似ているところがあったらやばいと思うくらい、自分の欲に奔放に生きている人だなと感じます。私はどちらかと言うと、分かりやすいタイプだと思うので、含みを持ったり、人を手で転がすようなことは出来ないので、似ていないとは思っています(笑)。存在感と威厳と、妖艶な雰囲気を出していけたら良いなと思ったのがこの役の印象でした。
入山:卜部家は、歪んだというか主張の強い家族で、お姉さんたち2人とも本当に性格がキツくて怖いんです。でも、土岐子は唯一、純真な心を持ってすごく真っ直ぐで、真っ当な人間だし、心の綺麗な人だなと思います。本作は、やはりミステリーなので、登場人物がみんな容疑者になっていくと思うんですけど、その中でもパッと見た感じは、唯一心の綺麗な役なのかなと思って、本当に私自身と全く一緒だなと思いました(笑)!
神志那:烈子は、唯一3姉妹の中で気性が激しくて、一つひとつ言葉に棘がある女性です。そして烈子は、このキャストの中で、唯一表に感情を出して、熱量があるので、空気感を変えられたらいいなと思いました。私自身と似ているところを考えると、私の反抗期の頃に似ているなと思います(笑)。妹や、お母さんには反抗期の時に、私が演じる役並みに言ってしまっていたかなと思います。
神志那結衣
――役作りをする上で、憑依型やドライなど、自分自身はどのようなタイプだと思っていますか?
関根:私は、事前に固めてはいかないタイプですね。自分で決めすぎていくと、「私はこうだから」という固定概念が入ってしまい、それがすごく嫌なので、周りの方から受けた気持ちを1番大切にすることを心がけています。現場で感じ取ったものを受けて、役を徐々に作り上げていく形でやっています。
入山:私は、全く憑依型では無く、引きずることも全然ないです。稽古場に入ったら役。稽古場から出たら終わり。ステージに立ったら役。ステージから降りたら終わり。という感じなので、引っ張られたり、憑依したりというタイプではないなと思います。
神志那:私は、グループ活動の現役の時も舞台に出演させていただいていたのですが、その時はけっこう憑依型でした。当時は、男性の役が多かったのですが、足を開いて座ったりとかもしてしまっていたくらいなりきってしまう時があったり、苦しい役とかだったりすると日常でもポロっと涙を流したりもありました。でも、今は全然そんなことなくて、あんにんさんみたいにパッと切り替えられるかは分からないのですが、ちゃんと切り替えられるようになりました。役作りする時は、台本をしっかり読みながら、台本に書かれていないところまで自分でイメージしながら作っていくようにしています。
――お互いの印象は?
神志那:あんにんさんは、48グループ時代にご一緒させていただいたことはあったのですが、全然お話はしていなかったので、怖いということではないのですが、気が強いのかなと思ってしまっていました(笑)。でも、話してみたら全然そんなことなくて、一言話すとそれよりも多い言葉で返答いただいたりだとか、ラフな感じで話してくださる方だなと思いました。自分が思っていたよりも、何百倍も優しい方だなと!すみません(笑)。
入山:どんなイメージしてたの(笑)。
神志那:ひとりで何でも出来ちゃうわよ~! というようなイメージを、最初は持っていたので、すごく印象が変わりました。そして、優那さんは、めちゃめちゃ可愛らしい方で、周りが見えている方だなと思いました。稽古には、遅れて合流されたのですが、急に来て、すぐに馴染まれて。
関根:急に来て(笑)?
入山:呼ばれてないのにみたいな言い方だなあ(笑)。
神志那:すいません(笑)! でも、そのくらい溶け込みが早くて、周りを見られている方だなあと思いました。
入山:じーなは、グループ活動の現役の時から知っているので、ちゃんと関わっていなくても、同じグループにいて、同じ環境にいて、名前も顔も知っているとすごく知っている感じになっていました。現役の時に顔が似ているとすごく言われていたんですよ。
神志那:え、知ってくださっていたんですか! 嬉しい!
入山:うん!それで、今回姉妹役というのが、すごく腑に落ちる部分もあるし、嬉しいなと。
神志那:あんにんさんと私が、顔が似ていると言われていたこともあって、それをあんにんさんも知ってくださっていたのは、本当に嬉しいです!
入山:優那は、本当に嘘みたいにすぐカンパニーに馴染んでいて、それがすごいなと本当に思いますし、まだプライベートな部分は全然知らないんですけど、多分プライベートでも魔性の女じゃないのかなと私は見ています(笑)。
関根:怖っ(笑)!
入山:魔性の女そう(笑)。
関根:中身は、本当にただのおじさんですから(笑)。じーなは、まだ会って数回ですけど、最初からすごく溶け込んで話して、駆け寄ってきてくれて、すごい謙虚な子だなと思いました! 一生懸命で真面目だし、見た目はクール系だけど、中身は可愛らしい、ふわふわしている癒し系なので、そのギャップも可愛いなと思います。最初にじーなと話せて、ちょっと安心したというのがあったので、とても助かりました。あんにんは、じーなが話していたようにクールな感じかなって思っていたんですけど、話してみると飾らずにそのままな感じでした。すごく真面目な方なんだなと、稽古場でも感じていたので、これからもっと仲良くなっていくのが楽しみだなという気持ちです!今回、(入山と神志那は)顔が似ている2人の長女ということで、出来るのかなと不安はありますけど、衣装を着て、舞台に立てば大丈夫だろうと勝手に思っています(笑)!
関根優那
――本作で特に見てほしいポイントを教えてください。
関根:全体の見どころとしては、ミステリーの謎解きを皆さんも一緒に考えられる部分がありますし、どのキャラクターも個性的なので、会話の中の一言一言のセリフが伏線になっていたり、キャラクターが立っている分、コミカルなテンポや会話劇だったり、バランスがすごく良いなと思っています。私たち3姉妹のシーンはドロドロとしているんですけど、物語の中で色々な雰囲気があって、幅の広い作品だなと思います。また、私の役としては、セリフの一言一言が、「何を考えて発言しているんだろう?」と感じていただけるような役だと思っていて、全体を通して、後継者の座を狙って、みんなをたぶらかしている姿が見どころかなと思います。
入山:全体の見どころは、神津恭介は、日本三大名探偵としては、今までそこまで取り上げられてこなかった探偵なんですけど、すごく天才肌で、切れ味があって。本作で、初めて神津恭介に触れる方がいらっしゃると思うので、純粋に楽しんで見てもらえたらなと思います。個人的には、「この家にもまともな人はいたんだ」と、みんながほっとするような役になっているのかなと思うので、「良かった。いい人間もいた」と、安心して見てもらえるような存在になれたらなと思います。
神志那:舞台のセットも、とても大きくて盆が回る見ごたえのあるものになっているので、面白いステージの作りにも、是非注目していただきたいです。美術さんが、色々なセットをこだわって作ってくださっています! 自分の役としては、刺々しい女性なので、「この女性、本当にうるさいなあ」と、嫌ってもらえたら嬉しく思います。
――最後にメッセージをお願いします。
関根:今回、ミステリーの舞台化ということで、なかなか生で見られる作品ではないなと思いますし、目で見ても、耳で聞いても、何度でも楽しんでいただける作品だと思っています。一緒に謎を解いていく楽しさや、キャラクター一人一人も、愛せるというよりは、全部のキャラに対して自然と、様々な感情が湧き上がるような作品になっているので、楽しく、何回でも見ていただきたいなと思います!
入山:座組が仲良い舞台って、見ていて安心感があると思うんですよね。仲が悪いと舞台を見ていても危うさを感じてしまったりもするので。その点では、自信を持ってお届けが出来ると思っています。原作もので、原作がすごく面白いので、自分たちで仕上げて最高のものに出来るように持っていくだけだなと思います。是非、劇場に足を運んで頂いて、客席から一緒に謎解きを楽しんでいただけたら嬉しいです!
神志那:ミステリー作品なので、誰かが命を絶つと思うんですけど、そういうところとか、トリックがどのように描かれていくのかを楽しんでいただきたいです! また、ミステリーとはいえど、気負わず、気軽に見ていただける、楽しんでいただける作品になっていると思うので、ワクワクしながら見ていただけたら嬉しいです!
左から、神志那結衣、入山杏奈、関根優那