現代最高のチェリスト、ヨーヨー・マが大自然の中で演奏する「バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番」の最新ライブ映像をデジタルEPとともに公開
『ネイチャー・アト・プレイ「バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番」~ライブ・フロム・ザ・グレート・スモーキー・マウンテンズ~』
現代最高のチェリスト、ヨーヨー・マが大自然の中で演奏する「バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番」の最新ライブ映像が、デジタルEPとともに公開された。
テネシー州にあるグレート・スモーキー山脈国立公園の豊かな自然の中から届けられた約15分のパフォーマンスのタイトルは『ネイチャー・アト・プレイ「バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番」~ライブ・フロム・ザ・グレート・スモーキー・マウンテンズ~』。
ヨーヨー・マはこれまでバッハの無伴奏チェロ組曲全曲録音を3回発表。そして10月20日(金)には、第1回目の全曲録音発売から40周年を記念したアナログ3枚組コレクターズ・エディションが発売される。復刻に際し、ジャケット写真は当時20代半ばだったヨーヨー・マの未公開写真で新たにデザインされ、3枚のアナログ盤面には全6曲の楽譜が両面印刷されたピクチャーディスク仕様になっており、録音プロデューサーのリチャード・アインホーンが記した新規エッセイも掲載 。
『バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)』ハイブリッド盤
また日本独自企画として、2023年最新リマスターによるSA-CDハイブリッド盤が10月18日(水)に発売される。アートワークはアナログ盤と同じ新ジャケットでのリリースとなる。
『バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)』全曲アナログ3枚組展開写真
新たに公開された大自然の中での無伴奏第1番全6曲と合わせて、1983年に発売された第1回目の無伴奏録音が一緒に聴けるプレイリストも公開中。
バッハの無伴奏チェロ組曲全6曲はチェロの旧約聖書と言われる最難関曲。バッハの死後、長い間忘れられていたが20世紀最大のチェリスト=パブロ・カザルスによって発見され現在はソロ・チェロ・レパートリーの頂点として知られている。ヨーヨー・マは「バッハ:無伴奏チェロ組曲」第1番を4歳の時に父親の手ほどきで弾き始めた。以来、この組曲は人生を共に歩み、創造のインスピレーションの源として特別な意味をもつレパートリーだという。グラミー賞受賞歴19回のヨーヨー・マだが、20代半ばで挑んだ第1回目のバッハ無伴奏録音こそが彼に最初のグラミー賞をもたらしたアルバムなのだ。その後も40代(1990年代後半)、60代になった2017年の2回全曲録音を行っているが、第1回目の録音はヨーヨー・マの芸術性の並外れたスケール、深さと将来性を世界に示し、初発売から40年たった今も多くの人々に聴き継がれている。近年では、バッハの全曲演奏を通常クラシックのコンサートを行わない大規模な会場やレッドロックのような野外劇場でも行っており、2017年にはハリウッド・ボウルを埋め尽くした17000人の聴衆の前で「バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲」を1晩で演奏したこともある。
当時プロデューサーをつとめたリチャード・アインホーンはこの度の復刻に際し書き下ろしたエッセーの中で以下のように記している。
「今聴いても、ヨーヨー・マの解釈に夢中になってしまう。このエッセイのために最初に書き留めた言葉は<高揚感>だった。高揚感を示す例は冒頭から枚挙に暇がない。(略)……ヨーヨーはその後、バッハ無伴奏全曲をオーディオと映像の両方で再び録音している。そのどれもが素晴らしい出来栄えだが、当然ながらこれが今でも私のベスト盤だ。この世で最も素晴らしい音楽の1つである無伴奏チェロ組曲と、すぐれた解釈――そこに私は、若き畏友の沸き立つような人間性を聴くのである」(対訳:鉢村優)
「ネイチャー・アト・プレイ」は自然界と人間とが未来に共存していくため何ができるかを我々一人一人に問いかけるプロジェクト「Our Common Nature」の一環であり、このデジタルEPの収益は世界的気候変動の緊急事態に向けて活動するアースパーセントに寄付される。
なお、ヨーヨー・マは10月にピアニスト=キャサリン・ストットと2年ぶりの来日公演を行う。
リリース情報
1983年に発売された第1回目の無伴奏録音が一緒に聴けるプレイリスト
再生はこちらから
公演情報
名古屋公演 2023年10月25日(水)愛知県芸術劇場コンサートホール
京都公演 2023年10月27日(金)東寺 金堂前(屋外)
所沢公演 2023年10月28日(土)所沢市民文化センター ミューズ アークホール
東京公演 2023年10月29日(日)サントリーホール 大ホール
福岡公演 2023年10月31日(火)福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
ヨーヨー・マ(チェロ) キャサリン・ストット(ピアノ)