渡辺翔太×森本慎太郎、カンパニーの支えのもとで新たな物語を紡ぐ 『DREAM BOYS』ゲネプロ&会見レポート
※以下、ゲネプロレポートおよび舞台写真あり
今回は、ボクシングジムでチャンプのシンタロウが練習生を従えて登場するシーンで歌うナンバー「CHAMPION」、マダム・エマの劇場に匿われたショウタが歌う「光」という新曲が加わったほか、2019年の岸優太&神宮寺勇太による公演以来4年ぶりに客席上のフライングも復活。新たな演出もあり、さらに臨場感と迫力を増したパフォーマンスが繰り広げられる。
渡辺は憂いを帯びた表情が美しく、苦悩を抱きつつ自らの境遇に凛と立ち向かう姿が胸を打つ。どこか寂しそうで儚げな雰囲気が、自然と目を惹く存在感を放っていた。コウキに向ける穏やかな視線や優しい声から本当の兄弟のように生きてきた二人の関係性が伺えて、ひたむきに頑張る彼らを応援したくなる。新曲の「光」は、ショウタの苦しみやチャンプへの友情を率直に紡ぎ、物語にさらなる深みを与えていると感じた。
森本が演じるチャンプは堂々としており迫力満点。余裕とプライドを感じさせる佇まい、久々に対峙するショウタへの態度はチャンピオンとして君臨してきた実力に裏打ちされていることが伺える。新曲の「CHAMPION」では7 MEN 侍らが演じる練習生たちを従えて王者らしい力強さと勇ましさを見せていた。一方で、コウキと会話するシーンなどでは情の深さや温かさをしっかり伝え、厳しいだけではないチャンプの魅力を繊細に描き出している。
新たな主人公とチャンプを支えるカンパニーの安定感も印象的だ。鳳と紫吹は、ショウタたちを見守る大人らしい視線や過去の因縁を匂わせる不穏な空気で物語を引き締める。歌唱では母親のような温かさからしたたかさまで幅広く表現し、物語に華を添えている。
7 MEN 侍による「Walking to the end」、少年忍者の「Make You Wonder」「Knock Out(K.O.)」といったオリジナル曲の歌唱・パフォーマンスのキレもさらにアップ。ボクシングジムでのシーンは強さへの意思をギラギラと見せ、試合の入場時はチームごとのカラーを出してショウタとチャンプを盛り立てている。ダンスやバンド演奏だけでなく、アドリブや芝居で魅せる部分も余裕が感じられて心地良い。ストーリーで重要な役割を担うコウキやレイア(中村嶺亜)はもちろん、他のメンバーも一人ひとりの個性とキャラクターをイキイキと描き出していた。
渡辺と森本により、また新たなイメージに生まれ変わった『DREAM BOYS』。本作は2023年9月9日(土)より28日(木)まで、帝国劇場で上演される。
取材・文・撮影=吉田沙奈
公演情報
日程:2023年9月9日(土)~28日(木)
会場:帝国劇場
演出 堂本光一
出演:
渡辺翔太(Snow Man) 主演
森本慎太郎(SixTONES) Champ
7 MEN 侍
(中村嶺亜 本髙克樹 菅田琳寧 佐々木大光 今野大輝 矢花黎)
少年忍者
(ヴァサイェガ渉 川﨑皇輝 北川拓実 黒田光輝 安嶋秀生 内村颯太 深田竜生 元木湧 檜山光成 青木滉平 豊田陸人)
紫吹 淳 鳳 蘭