「承認欲求もここまで暴走したら気持ちいいわ」[Alexandros]川上洋平、承認欲求が暴走する“セルフラブ”メディケーションホラー『シック・オブ・マイセルフ』を語る【映画連載:ポップコーン、バター多めで PART2】

2023.9.22
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『シック・オブ・マイセルフ』より

■僕としては自分が何かを作って勝負するのが流儀 

──何者でもないカフェで働いている女性が、血まみれになったことで初めて注目を浴びて、その快感によってモンスターみたいな部分が目覚めてしまったというか。シグネが選んだ道はすごく極端ですが、誰にでもそういう危険性はあると思わせるところがまたこの映画のおもしろさなのかなと。
 
まあそうですよね。
 
──人前で歌った時に良い反応をもらったことをきっかけにアーティストを目指す人もいますが、そういうことにも繋がる快感なのかなと。
 
確かに。「わからなくもないな」っていう部分もありますけど、やっぱり僕としては自分が何かを作って勝負するのが流儀だったりするので、何もなしにただ単に自分を承認してほしいっていうのは空っぽな感じがしました。承認してもらいたい気持ちはわかるけど、中身が伴ってないんだったらやる意味はない。だから僕は、私生活においては人に対して「どうだ」っていうことはあまり言わないし、言えるところがそもそもない(笑)。 

──(笑)そこは明確な違いがありますね。
 
そう。だからシグネが自伝を書くみたいなところは唯一「まあわかるかな」というシーンでしたけど、それ以外は共感するところはなかったかな。そういえば、『シック・オブ・マイセルフ』のポスターとかのデザインを大島依提亜さんが手がけてますけど、すごく素敵ですよね。大島依提亜さんが手がけた映画のポスターはこれまで何作か見てますけど、今回もいいですね。
 
──フォントがかわいいし、血が流れてるみたいなデザインも素敵ですよね。

ね。これまでのデザインと少し雰囲気が違って、ありそうでなかった。かわいくて素敵です。やっぱり映画のポスターって大事ですよね。

 

取材・文=小松香里

※本連載や取り上げている作品についての感想等を是非spice_info@eplus.co.jp へお送りください。川上洋平さん共々お待ちしています! 

上映情報

『シック・オブ・マイセルフ』
脚本・監督:クリストファー・ボルグリ/出演:クリスティン・クヤトゥ・ソープ 、エイリック・セザー、ファニー・ベイガー/配給:クロックワークス
あらすじ:シグネの人生は行き詰まっていた。長年、競争関係にあった恋人のトーマスがアーティストとして脚光を浴びると、激しい嫉妬心と焦燥感に駆られたシグネは、自身が注目される「自分らしさ」を手に入れるため、ある違法薬物に手を出す。薬の副作用で入院することとなり、恋人からの関心を勝ち取ったシグネだったが、その欲望はますますエスカレートしていき──。
10月13日(金)、新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほかロードショー
© Oslo Pictures / Garagefilm / Film I Väst 2022

アーティストプロフィール

川上洋平(Yoohei Kawakami)
ロックバンド[Alexandros]のボーカル・ギター担当。ほぼすべての楽曲の作詞・作曲を手がける。毎年映画を約130本以上鑑賞している。「My Blueberry Morning」や「Sleepless in Brooklyn」と、曲タイトル等に映画愛がちりばめられているのはファンの間では有名な話。

ツアー情報

[Alexandros]『NEW MEANING TOUR 2023』
11/15(水)、16(木) Zepp Osaka Bayside
11/29(水)、30(木) Zepp Nagoya
12/08(金)、09(土) Zepp DiverCity (TOKYO)
代 ¥8,800- (D代別)
 
詳細は公式HPをご確認ください。
https://alexandros.jp/
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