150年モノのジーンズも!? マニアも垂涎の逸品が勢揃い『Vintage Collectables Museum produced by VCM』レポート
『Vintage Collectables Museum produced by VCM』
2023年9月29日(金)から10月9日(月祝)まで、渋谷PARCO 4FのPARCO MUSEUM TOKYOにて『Vintage Collectables Museum produced by VCM』が開催されている。
本展は、国内最大のヴィンテージ総合プラットフォームであるVCM(Vintage Collection Mall)が監修した書籍『Vintage Collectables by VCM』の発売記念として行われ、400点以上ものアイテムを掲載する書籍の中から、更にえり抜きの逸品70点以上を紹介するものだ。以下、貴重なアイテムが盛りだくさんの展示を紹介しよう。
スニーカーやスウェットなど……エッジの効いたアイテムが勢揃い
選び抜かれたヴィンテージのビジュアルを楽しめる本展は、魅力的なアイテムが目白押しだ。多くの著名人に愛されてきた、コンバースのチャックテイラーとジャックパーセル。「作曲家シリーズ」「偉人シリーズ」などと呼ばれ、ヴィンテージスウェットの定番とされる肖像画プリントシリーズの “3Bs” スウェット。その他、ラグジュアリーブランドとして名高いエルメスのジュエリーや、スタイリッシュでデザイン性が高い1940~50年代のヴィンテージメガネのフレンチフレームなど、エッジの効いたセンスの良いものが揃っている。
歴史的な名品、コンバースのチャックテイラーとジャックパーセル
“3Bs” スウェットをまとめて見られる機会は貴重だ
左:エルメスのジュエリー、右:ヴィンテージのフレンチフレーム
展示構成も巧みで、関連アイテムや対比できるものが分かりやすく、それぞれの魅力が際立つようになっている。そのため、鮮やかな色やユニークなデザインを堪能し、好きなアイテムをじっくり鑑賞し、複数のアイテムを比較しながらコーディネートを考えるなど、いろいろな楽しみ方が可能だ。
幅広いジャンルの、オーラを放つ逸品を堪能
アイテムのジャンルが幅広く、それぞれの個性が強いのも、本展の魅力である。アメリカやヨーロッパを中心に、古いものでは1873年代のデニムから、新しいものでは1990~2000年代のアーカイブからなる9つのエリアを作成、さまざまな歴史と背景を持つ品がずらりと並ぶ。
カラフルなスウェット。会場にあるジーンズやスニーカーと合わせたら……
伝統を大切にし、ヴィンテージを独自に解釈して現代に活かし続けるラルフ・ローレンのシャツや、時代を反映し続けるマルタン・マルジェラやコム・デ・ギャルソンといったモード系ブランドの名作、映画やコミックやアートの世界観を体現したTシャツなど、いずれも時代の空気を閉じ込めた、強烈なオーラを放つ名品ばかりだ。
マルタン・マルジェラとコム・デ・ギャルソンの名作も
多種多様なアイテムを見ていると、ヴィンテージは第一印象で気に入ることもあるし、歴史的背景やエピソードに興味を持ってハマっていくこともあるのだろうと実感する。本展はジャンルが幅広いので、何かしらお気に入りの品や興味のあるアイテムを見つけることができるだろう。
およそ150年前のジーンズも!?希少なアイテムに出会える展示
見どころの多い展示の中でも、特筆すべきは1873年のリーバイスのデニムパンツ(の一部)だろう。もともとは、1800年代半ばにアメリカ・カリフォルニアで起こったゴールドラッシュで労働者の着用したワークウェアから派生したリーバイスのデニム。その中でも、1873年に作られた超レアなファーストモデル「1873 LEVI'S “226” XX Riveted Overalls」が鑑賞できるのだ。
1873年製の貴重なリーバイスのデニム、1873 LEVI'S “226” XX Riveted Overalls
「1873 LEVI'S “226” XX Riveted Overalls」という名称は、諸説はあるものの、ラベルに記載があったロットナンバーに由来するとのことだ。文字だけのラベルが縫い付けられた初期製品の中で、ラベル左上に数字が書きこんであるのは、出展されているアイテム以外では、リーバイス社が所有するアーカイブの2点のみだという。およそ150年もの時を経て、良い状態で残っているとは奇跡に近い。こちらはぜひ、実物を目の当たりにしてほしい。
その他、会場にはさまざまなデニムジャケットやパンツがずらりと並び、かたちや色味、雰囲気や、細かいディティールなどを堪能することができる。
1873 LEVI'S “226” XX Riveted Overallsの正面の写真
さまざまなデニムがずらりと並ぶ
デニム以外にも、ミリタリーのアイテムやスーベニアジャケットなど、貴重なヴィンテージが勢揃いしている。こうした品は、各地に散らばるヴィンテージショップやコレクターの方が所蔵するものなので、マニアでもなかなか見ることができない。しかもきれいな状態のものが集結するということは、非常に珍しいと言えるだろう。
華やかで奇抜なスーベニアジャケットなどは、とりわけ目を惹く
物販コーナーには、書籍『Vintage Collectables by VCM』が先行販売(一般発売日:10月11日)され、出展されているアイテムと親和性の高いヴィンテージアイテムが販売されている。物販にあるものも、非常にかっこよくて見ごたえがある。
本展を鑑賞していると、ヴィンテージアイテムは一つひとつに個性とオーラがあり、現代でもインスピレーションの源となっていることが伝わってくる。展示されているアイテムは、ファッションの歴史を形づくってきたのだと強く実感できる内容だった。この秋は、珠玉の品が一堂に会する『Vintage Collectables Museum produced by VCM』を、どうぞお見逃しなく。
文・撮影=中野昭子
イベント情報
会期:2023年9月29日(金)~2023年10月9日(月祝) 11:00~21:00
※入場は閉場の30分前まで。最終日は18時閉場。
会場:渋谷PARCO 4F・PARCO MUSEUM TOKYO(東京都渋谷区宇田川町15-1)
入場料:1,000円(税込) ※未就学児無料 ※e+(イープラス)にて前売券を販売
展覧会公式HP:https://art.parco.jp/museumtokyo/detail/?id=1305
※企画内容は予告なく変更になる可能性がございます。