ミュージカル女優・濱田めぐみのトーク番組がスタート!

インタビュー
舞台
2016.1.20
濱田めぐみ

濱田めぐみ

声の仕事が本当にやりたかった。嬉しいです!

元劇団四季の看板女優で日本を代表するミュージカル女優、濱田めぐみが自身初の冠番組「濱田めぐみの『劇場こそ我が家』」に出演することになった。

この番組は舞台の裏話や情報などを発信していくトーク・コンテンツ。本人の楽しいトークはもちろん、時にミュージカル、舞台俳優をゲストに招いたり、舞台好きには垂涎モノの秘蔵トークを展開するという。

この番組の収録後、濱田に話を伺ってきた。

――まずは、収録を終わられての率直な感想を。

濱田:私、上手にしゃべれるかな、って思っていたんですが、やり終わったときに「これはイケる!」って思いました。しゃべるテクニックがあるわけでもないので、カッコつけずに素直に自分なりの言葉でしゃべっていけばいいかなって思って。(収録は)本当に楽しかったです。

ラジオには非常に憧れていたんです。私の場合、「画像」より「音」派なので嬉しかった。このお話がきたときは「やったー!」って思いました。不特定多数の見えない相手に向かって話しかける…「音」って心の中にすとんって入ってくるから。

――加えて、ラジオってファンの方に普段届けられない情報を本人の言葉で伝えていける良さがあると思いますよね。

濱田:「画像」よりも「音」だと、伝えたい事のニュアンスが言葉の端々にみえてくる面白さがあると思うんです。そういうのを聞きながらほくそ笑むのがいいんです。ラジオは、それを聴く側…自分のプライベートな時間帯にすんなり無駄なく入ってくるからいいですよね。

――では、今日の初収録は自己採点で何点くらいですか?

そうですね。60点くらい。もっと上手になりたいし、心のよりどころみたいなチャンネルを作っていきたいです。情報をばーっと発信するだけじゃなくて、「この濱田めぐみって人のとんちんかんな声を聴いてたら逆に安心するわ」って思っていただいたり(笑)そういう「居場所」みたいになれるといいなって。

もちろん番組なので台本はありますが、それを「読んでいる」感じではなく、台本を自分で咀嚼してあとはほぼフリーでしゃべる、みたいな流れができてくるといいですね。

そもそも舞台専門番組なんて、題材的にも難しいし、食いつかない人はとことん食いつかないですから(笑) でも、この人がしゃべることや見解がおもしろいなって思っていただいたり、そこから舞台にも興味をもっていただけたら、と思っています。

――これまで「スマホでUSEN」は利用されていましたか?

濱田:実は、あまり聴いたことがなかったんです。でも番組が始まるということでファンの方が「契約しました!」って伝えてくださいました。聴きたい人、好きな人がずっと聞いていられるUSENっていいですよね。こちらもお客さんが次の更新が待ち遠しい!って思ってくれるように、2週に1度の更新が週イチになるように頑張りたいです。

濱田めぐみ

濱田めぐみ

――今回番組でオンエアした曲の中で、特に思い入れのあるものはどれでしたか?
 
濱田:やっぱり1曲目に流した「命をあげよう」(「ミス・サイゴン」)ですね。自分が関わっているわけではないのですが。この曲は自分のお稽古のときに、死ぬほど歌っていましたね。もう身体に浸み込んでいる感じ。学生のときからずっと聴いていた歌ですし。

――この番組で舞台の魅力を伝えていくことになりますが、濱田さんが思う生の舞台の魅力って何ですか?

濱田:会場全体を包み込む一体感と感動ですね。生の舞台では、全員が同じ体験を3時間弱、強制的に同じ空間でするじゃないですか?好きでも嫌いでも。でも、それが終わる頃は全員が一つの塊のようになっていて、何も言わなくてもわかりあえる関係になっている。生の呼吸や空気感は、例えるなら毛穴から毛穴にプレゼントするような(笑)、もしくは波動のシャワーを浴びせるような感じ。舞台の醍醐味ですね。

不思議なんですけど、舞台を観に来るようになる人って何かしら心の浄化を求めている気がするんです。例えば、たまたま自分と同じ境遇の登場人物に出会い、その人物がまるで自分の追体験をするように演じている姿にカタルシスを感じ、そこからものすごいリピーターになるとか。

心の枯渇した部分を埋めにくるのか、「自分の人生これでいいのか?」って思いながら観に来られる方も多いです。人って人と会話したり接するときに、礼儀として、あるいは自分を守るためになんらかの「フィルター」を通していると思いますが、舞台だとそれがまったくない。現実ではできない大恋愛とか殺人とか処刑とか親子の間で言えなかった最期の「ありがとう」の言葉とか、日ごろやれないことを代弁してくれている気持ちよさがあるみたいです。

――濱田さんを応援しているお客様もそういう傾向があるんですか?

濱田:私は、舞台上では、本気で泣いて、本気で笑って、本気でどついてる(笑) それをずっと観続けているお客様は、新しい演目がくるたびに「“濱めぐ”は次はどんなことをするんだ?」って思っているようです。例えば先日の「デスノート The Musical」も「死神役なんてどういう風にやるつもりだろう?」って。そして本番をご覧になって「こうきたか!!」って。たぶん次は?次はどうする?早くちょうだい!的な禁断症状を抱えているのでは(笑)

でもこちらは魂を切り売りするように演じているので、1作品終わるたびになかなか自分が戻ってこなくてミイラ化しているんです(笑)。年に4本が限界。毎回終わるたびに抜け殻みたいにふぬけになって、2週間くらいおうちにひきこもって。それくらいしないと復活しないんです。

濱田めぐみ

濱田めぐみ

私、役にものすごくエネルギーを注いで没頭してしまう体質なんです。
例えば、チャールズ・ディケンスの「二都物語」。フランス革命の時代にフランスとイギリスの2都市の話を描いていましたが、私はフランス側の市民役。一家を惨殺されたショックで口がきけなくなって、家族を殺した貴族を見つけたことがきっかけで革命に参加するんです。2幕のアタマから旗を持って「殺せ!」って叫び吠えるのが本当に精神的にキツくて。公演中に4~5kg痩せてみんなから心配されました。衣装もぶかぶかになってアバラ骨が浮いて。帰り際にファンの方に体重チェックされて「ちゃんと舞台やれてました?」「今日は○○を食べてくださいね」って心配される。でも覚えてないんです。本当にヤバいくらい余裕がなくて、スタッフさんは「濱めぐには本番中に話かけてはいけない」って言っているそうです。その役のままで反応してくるから、と。そこまで役にのめり込まない状態で、舞台を観ている人の心のスイッチを押せたらいいんですが。

――話を伺っているだけで、舞台や演技に対するすさまじさが伝わってきます。そういう裏話が聞けるかもしれないこの番組、逆に濱田さんからリスナーの方に何か聞いてみたいことはありますか? 

濱田:今後どういう役を濱めぐに演じてほしい、と思っていらっしゃるのか伺いたいです。実は、私の中で本気でやりたい役はないんですよ。「ない」というのは「やりたくない」ではなく、どんな役でもなんでもやりたいので「私はこの役をやりたい」という特別な「我」がないんです。もちろん声の仕事をしたいという気持ちは別ですけどね。だから観てみたい役とか、こういう作品に出てほしいとかみなさんどうお考えなのか、逆に聞いてみたいので番組メール宛にドシドシご意見いただきたいです。

あと以前Twitterで聞いてみたかったんですが、「濱めぐに生活感を感じるか?」も。濱めぐは洗濯したりごはんを食べたり掃除したりするイメージはあるんだろうかと。大体当の自分にもないんですが。人間的じゃないんですが、実際はどういうイメージなのかなって。あ、でもこんな話、みんな知りたいのかな?(笑)

――おうちのワンちゃんたちも番組に登場したりとか?

濱田:え!?ラッキーとモコも呼んでいいんですか!?でもまったく鳴かないのでラジオだと意味ないかも(笑) でも、犬を飼っているお客さんを交えての座談会とかもしたいですね。公開収録とか。

――3月からミュージカル「ジキル&ハイド」も始まります。再演となりますが、今回ルーシー役にどう取り組む予定ですか?

濱田:前回は劇団四季を卒業して2作目で、役づくりもまだ慣れてなかったんです。役の大枠を作ってその中で自分はひたすら走り続けて千秋楽を迎えました。今回は一人の生身の女性として隅々まで丁寧にアプローチしてみたい、と思います。何せ娼婦という独特な環境で生きている女性なので。男性に対するコミュニケーション力には長けているけれど一般常識はない。そういう女性をリアリティのある状況で主観的に深めて演じてみたいですね。

濱田めぐみ

濱田めぐみ

――最後になりますが、この番組に対する意気込みをお願いします。

この番組が私の声の仕事の出発点になると思うので、愛でて愛でて、本当に大事にしてスタッフさんと一緒に作り上げていきたいです。

配信情報
濱田めぐみの「劇場こそ我が家」

■更新:隔週金曜日12:00更新
配信アプリ:スマホでUSEN(http://smart.usen.com
出演:濱田めぐみ
公式サイト:http://smart.usen.com/ch01954/
 

 

濱田めぐみ出演情報
ミュージカル『ジキル&ハイド』

<公演日程・会場>
16/3/5(土)~16/3/20(日・祝)東京国際フォーラム ホールC (東京都)
16/3/25(金)~16/3/27(日) 梅田芸術劇場 メインホール (大阪府)
16/4/8(金)~16/4/10(日) 愛知県芸術劇場大ホール (愛知県)

公式サイト:http://www.tohostage.com/j-h/

 
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