「2つで1つの作品に」高羽彩×有澤樟太郎、池田亮×東啓介が新作バックステージもの2作同時上演に意気込む〜『TOHO MUSICAL LAB.』第2弾座談会〜

2023.10.26
インタビュー
舞台

「ミュージカルは非日常かつリアリティがあるもの(池田)」

ーーミュージカルならではの楽しさを、みなさんはそれぞれどう感じていらっしゃいますか?

有澤:ミュージカルはみんな好きですし、ミュージカルというだけでハッピーになれる作品が多いですし、僕自身も観に行くのが大好きです。しかも今回は短編2作の同時上演という、普段とは違っためちゃくちゃ贅沢な公演。観てくださる方に一つひとつの歌詞がダイレクトに刺さって前向きになれるような作品だと思うので、ミュージカルの魅力をたっぷり詰め込めるんじゃないかなと思います。

高羽:私は普段ストレートプレイを書くことがメインですが、ミュージカルって強制的にお客様の心の扉をバコッと開いちゃう力があると思うんです。ストレートプレイでこんこんとメッセージを伝えるよりも、もっとダイレクトに「オリャー!」って。

:文面で伝わるかなあ(笑)。

一同:(笑)。

高羽:お客様の心に直接触れて「グイッ」とするような(笑)、そういうことがミュージカルだからこそできると思ったんです。非日常的なミュージカル空間とお仕事ものという日常のテーマが重なったときに、お客様の日常の中に非日常を届けることができるんじゃないかって。例えば電車に乗るときに頭の中でテーマソングが流れているような、歌に溢れた日々を作ることができるんじゃないかなと。なので、あえてバックステージものをミュージカルで作ろうと思いました。

池田:ミュージカルというと、つい擬音表現に手を出しそうになるくらい感覚的な話になっちゃいますよね(笑)。僕が初めて観たミュージカルは市民ミュージカルだったのですが、なぜかわからないけれど歌った瞬間にものすごく感動したんです。心の奥底からグツグツと湧き上がる言葉にできないものを感じて「これは一体なんだろう」とずっと考えていました。そこで思ったのが、ミュージカルって実はすごくリアリティがあるんじゃないかということ。確かに登場人物は突然歌うかもしれないけれど、その歌は自分の心のどこかに引っかかるリアリティを持っていて、それによって感情が持っていかれる。ミュージカルは非日常かつリアリティがあるものだと感じたので、今回のバックステージものという作品のテーマに繋がったんだなと今改めて思いました。

:池田さんがおっしゃったようにミュージカルは音楽というツールであって、根本は思っていることを歌にして打ち明けているだけ。それがすごく素敵だなと思うんです。学校に行く前に音楽を聴いて元気が出たり、自分も歌ってみたらすっきりしたり、あるアーティストさんの歌詞を歌うだけで気持ちが晴れたり、そういう感覚とミュージカルは共通するものがあると思います。今回のバックステージものの作品はみなさんへのエールになると思いますし、みなさんにもたくさん歌ってほしい。恥ずかしいかもしれないけれど、思っていることを出せないのってストレスになりますよね。歌にすることによっていろんな色が見えてくるので、そこがミュージカルのすごいところ。力をもらえるし、かっこいいし、とても素敵だなと思います。

「ミニマムだけれど王道のミュージカルを感じられるような楽曲に(高羽)」

ーーミュージカルといえば音楽ということで、現時点でどのような音楽をイメージされていらっしゃいますか?

池田:僕の脚本を読んだ感じだと、一見暗いのかなと思いきや演出上では意外と明るかったりします(笑)。

:えーーー! 超楽しみなんですけど! 僕、まさにそのタイプでした。(最初に台本に目を通したとき)ちょっと暗い感じなのかなという印象があって。

池田:脚本を読むだけだとそうなりますよね(笑)。でも自分の中では、暗い言葉をあえて明るく元気に叫んだ方が開放感が出るんじゃないかなと考えていて。めちゃくちゃ疲れ切ったときって変なテンションになるじゃないですか。そんなイメージです。

高羽:私は自分がミュージカルを観るならなるべく長い時間音楽が流れていてほしい、歌を歌っていてほしいと思うので、基本的には常に何か音楽が聞こえていたらなと。バックステージものなので、バンドメンバーさんもバックステージにいる設定で登場してもらおうかなと考えています。あと、起承転結を感じられる音楽の流れを作りたいとも思っていて。テーマソングがあって、激しめの曲があったらバラードもあり、最後はフィナーレで大団円でテーマソングに戻ってくるという。ミニマムだけれど王道のミュージカルを感じられるような楽曲にしていきたいなと考えているところです。

ーーしかも生演奏なんですね。

高羽:はい! シンプルな編成ですが、だからこそポップでパワフルな楽曲にピッタリな編成だと思うので、その辺りもぜひお楽しみに。

池田:『DESK』も生演奏なのですが、僕、生演奏めちゃくちゃ好きなんですよ。生演奏なだけで「良いもの見た〜!」という気持ちになっちゃうくらい、生演奏に対してガバガバ(笑)。なのでめちゃくちゃ楽しみですし、本当にありがとうございますという気持ちです。

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