かのかり主人公・和也の目線でヒロインたちの魅力を再発見 『彼女、お借りします』展 DISCOVER内覧レポート
『彼女、お借りします』展 DISCOVER 会場エントランス (C)宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会 2023
2023年10月27日(金)から12月3日(日)まで、東京アニメセンター in DNP PLAZA SHIBUYAにて、『彼女、お借りします』展 DISCOVERが開催中だ。
本企画展は、『週刊少年マガジン』(講談社)で好評連載中の、宮島礼吏氏による人気ラブコメ『彼女、お借りします』のTVアニメーション作品から、主人公である木ノ下和也の目線で物語に登場する5人のヒロインたちの魅力を再発見するというもの。各キャラクターの関連エピソードを堪能できるほか、TVアニメシリーズのキャラクターデザインを担当した平山寛菜氏の描き下ろしイラストや、アニメーション原画などをたっぷり鑑賞できる。ここでは内覧会の様子をレポートしよう。
キャラクター相関図や台本、作者のサインも
会場に入ると、キャラクター相関図や、2021年に放送された第1期から2023年放送分の第3期までのTVアニメシリーズを紹介するパネル、TVアニメの台本が展示されている。
キャラクター相関図。関係性を確認してから鑑賞しよう。
TVアニメシリーズ第1期を紹介。各エピソードを振り返ることができる。
TVアニメシリーズ第2期・第3期を紹介。印象深いあのシーンが甦る。
アニメのキャストの声優たちや、漫画を執筆した宮島礼吏氏、キャラクターデザイン担当の平山寛菜氏のサインなども発見。『彼女、お借りします』の生みの親である宮島氏は、今風のかわいい女の子を描くことで定評がある作家で、本作品のヒロインたちも、個性があって生き生きとして、とても魅力的だ。本展のキービジュアルは平山氏の描き下ろしで、柔らかく繊細な筆致で描かれたヒロインたちは、華やかなオーラを放っている。会場中盤に飾られたキービジュアルのパネルにはイチョウの葉が装飾され、キャラクターの愛らしさや明るさを際立たせていた。
キービジュアルのパネル。イチョウの葉が季節感を盛り上げる。
充実の特集エリアで、ヒロインたちの魅力をたっぷり再発見
本展は、タイトルの一部「DISCOVER」が示す通り、ヒロインたちにフォーカスして魅力を再発見できる内容だ。
清楚可憐で芯の通った発言をするレンタル彼女、水原千鶴。見た目は愛くるしいが小悪魔的な性格の元カノ、七海麻美。妹系でちょっとエキセントリックな更科瑠夏。人見知りが激しいが笑顔がほのぼのとしてかわいい桜沢墨。少しマニアックな雰囲気の明るいコスプレイヤー、八重森みに。見た目も性格も異なる5人のヒロインたちは、それぞれのイメージカラーが使われた特集エリアで、名シーンとともに詳しく紹介されている。
ヒロインたちの目線や言葉の中には、鑑賞しているこちらに向かっているものもあるので、主人公である和也になったかのような気持ちになれるだろう。
清楚可憐なしっかり者、水原千鶴の特集エリア。
小悪魔な元カノ、七海麻美の特集エリア。
妹系の魅力が詰まった更科瑠夏の特集エリア。
かわいくてほんわかしている桜沢墨の特集エリア。
現代的なツールを使いこなすコスプレイヤー、八重森みにの特集エリア。
特集エリアでは、ヒロインたちのプロフィールのほか、身長や性格、ちょっとしたくせ、身につけているグッズなども公開されている。
例えば、レンタル彼女の千鶴はピアス、麻美はブレスレット、瑠夏はネックレス、墨は大き目のカバン、みにはアップルウォッチのような時計といった、個性やエピソードに合ったグッズを所持している。彼女たちの服や髪型、小物などには現代の流行が取り入れられており、キャラクターのリアリティを高めている。こうした細かい設定を確認すると、キャラクターをより身近に感じることができるだろう。
アニメーション原画をたくさん鑑賞できるのも嬉しい。原画の中のヒロインたちは、切り取られた瞬間の中でさまざまなポーズをとり、強いインパクトを与える。また、シンプルな線描と色味により、小首を傾げるなどのちょっとした仕草や、わずかに頬を赤らめるなどの繊細な表情が際立って見え、主人公ならずとも恋に落ちてしまいそうだ。
水原千鶴のアニメーション原画。笑顔にひきこまれる。
八重森みにのアニメーション原画。繊細な色味の表現などをじっくり堪能できる。
フォトスポットや大スクリーンの映像、病室上映シーンの再現も……彩り豊かな内容
本展は、体感して楽しめる工夫が盛りだくさんだ。主人公と千鶴が住んでいるアパート前を再現したフォトスポットでは、二人の熱いやりとりを思い出しながら、まるで作品の日常に参加しているような写真を撮ることができる。
等身大アクリルスタンドのフォトスポットでは、ヒロインたちがドレスを着こなしている。彼女たちは第3期のキービジュアルのいでたちで、それぞれにぴったり似合う衣装を纏っており、思わず見惚れてしまうだろう。しかも、アパート前のフォトスポットからは等身大アクリルスタンドが見えるので、ヒロインたちを見つめながら写真を撮ることができるのだ。
二人の感動エピソードを思い出す、アパート前を再現したフォトスポット。
等身大アクリルスタンドのフォトスポット。衣装やポーズなどがキャラにぴったりマッチしている。
展示の前半では、思い出深い映像が流れる大スクリーンがあるほか、会場終盤には、TVアニメシリーズ第3期で涙を誘った、千鶴と彼女の祖母・小百合の病室上映シーンの再現空間も。こちらでは、ベッドや寝具、カーテンといった小道具が忠実に再現されている。アニメに出てきた病室そっくりの空間で、思い出深い映像を鑑賞できるので、強い感動に見舞われることまちがいなしだ。
本展は物販も充実しており、アクリルスタンドやタペストリー、クリアファイルやキーホルダー、マグカップやTシャツや缶バッジなど、各種のグッズが揃っている。購入点数に制限がある品もあるので、確認して購入しよう。
また来場者特典として、平山氏による5人のヒロインの描き下ろしイラストを使用したポストカード全5種が、ランダムに1枚プレゼントされるのも嬉しい。
充実の物販コーナー。
主人公の目線で5人のヒロインたちの魅力を再発見し、物語の登場人物になった気持ちを味わうことができる『彼女、お借りします』展DISCOVER。本展は、個性豊かなヒロインたちを知り、親近感を強め、ストーリーを楽しむことができる内容だ。この機会を是非お見逃しなく鑑賞いただきたい。
(C)宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会 2023
文・写真=中野昭子