波乃久里子と渡辺えりを中心に『初夏の新派祭』を上演することが決定 演目は『螢』と『喜劇 お江戸みやげ』の2作品

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2023.12.26
『初夏の新派祭』

『初夏の新派祭』

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2024年6月1日(土)~23日(日)三越劇場にて、『初夏の新派祭(しんぱさい)』が行われることが決定した。演目は、『螢(ほたる)』と『喜劇 お江戸みやげ』の2作品を上演する。

久保田万太郎作の『螢』は、1941(昭和16)年6月に有楽座で初演された。昭和初期の浅草鳥越神社附近が舞台の情緒あふれる作品で、根は良い男なのに酒癖が悪く身を誤ってしまう錺(かざり)職人の物語。本作は、2014年以来、三越劇場で10年ぶりの上演となる。

2本目に上演するのは、川口松太郎作の『お江戸みやげ』。対照的な性格の行商人、おゆうとお辻が宮地芝居を見物したことから起こる騒動を描いた作品で、二人のやりとりが楽しい人情味あふれる喜劇。1961(昭和36)年の初演(歌舞伎公演)以来、好評を博し、再演が重ねられている。

(上段左から)波乃久里子、渡辺えり(下段左から)喜多村緑郎、瀬戸摩純、河合雪之丞

(上段左から)波乃久里子、渡辺えり(下段左から)喜多村緑郎、瀬戸摩純、河合雪之丞

出演は、ますます円熟味を増した波乃久里子と、舞台や映画・ドラマなど多岐にわたって活躍する渡辺えりを中心に、喜多村緑郎、河合雪之丞、瀬戸摩純といった俳優陣を加え、初夏に相応しい新派の演目『螢』と、歌舞伎狂言としてお馴染みの『お江戸みやげ』を賑やかにおくる。

特に波乃は、2017年に『お江戸みやげ』のお辻を経験、今回はおゆうを演じる。渡辺は、初役でお辻に挑戦。息の合った二女優の掛け合いに注目したい。

公演情報

『初夏の新派祭(しんぱさい)』
 
■日程:2024年6月1日(土)~23日(日)
■会場:三越劇場
 
■ご観劇料:9,500円(全席指定・税込)
■一般前売開始:2024年4月28日(日)10:00
 
【あらすじ・配役】
 
久保田万太郎 作
成瀬芳 一 演出

一. 螢  二場
 
船木とき・しげ(二役):河合雪之丞
よし子:瀬戸摩純
鈴木重一:喜多村緑郎
 
浅草鳥越に二人の錺(かざり)職人がいた。実直な栄吉に比べ、兄弟子の重一(喜多村緑郎)は、酒に明け暮れ、酔ったあげく女房とき(河合雪之丞)の母親を刃物で傷つけ、刑務所暮らしを送る羽目となった。このまま夫婦ではいられない――こう思いつめた重一の心を汲んだ親方が二人を離縁させ、ときは栄吉と所帯をもった。大正の震災直後、重一は出所し、親方の世話もあり、苦労人のよし子(瀬戸摩純)を女房にした。重一は人が変わったように一筋に稼業に精を出した。だがその親方が亡くなり……。
昭和二、三年、鳥越神社の祭礼の夕方、栄吉夫婦の住居によし子がいる。心を入れ替えたはずの重一の暮らしがまた狂いだしたのだ。重一に意見をするため、栄吉はよし子と共に家を出た。
——やがて夕闇が迫る。とき一人の留守居の家を訪ねてきたのは重一であった……。

川口松太 郎 作
大 場 正 昭 演出

二. 喜劇  お江戸みやげ  三場
 
お辻:渡辺えり
阪東栄紫:喜多村緑郎
常磐津 文字辰:河合雪之丞
おゆう:波乃久里子
 
天保初年の春。湯島天神の境内にある芝居茶屋、松ヶ枝。
常磐津の師匠・文字辰(河合雪之丞)は養女のお紺を金持ちの愛人にしたいのだが、お紺は役者の阪東栄紫(喜多村緑郎)と言い交わした仲であった。文字辰は夫婦になりたければ二十両をよこせと栄紫に迫るが、二人にそんな金はない。そこに居合わせたのは結城から呉服の行商に来ていた大らかな性格のおゆう(波乃久里子)と倹約家のお辻(渡辺えり)。江戸のみやげ話にと、栄紫の演じる芝居を見物していたのだ。すっかり栄紫に惚れ込んでしまったお辻は、酒の勢いで大胆な行動に出てしまう……。

 
松竹 HP www.shochiku.co.jp
劇団新派公式サイト www.shochiku.co.jp/shinpa
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