大谷亮平「お姫様抱っこは楽勝です」ーーホイットニー・ヒューストン主演映画のミュージカル版『ボディガード』取材会レポート

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2024.1.30
大谷亮平

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2月18日(日)を皮切りに4月まで、東京・山形・大阪の3都市で上演されるミュージカル『ボディガード』で主演を務める大谷亮平。1月25日(木)にカンテレ本社(大阪市・北区)で取材会を開き、同作にかける思いを語った。オフィシャルレポートが到着したので紹介する。


1992年にケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストン主演で、世界中で大ヒットを遂げた映画『ボディガード』。そのミュージカル版となる本作はイギリスで誕生し、『ローレンス・オリヴィエ賞』で、最優秀作品賞を含む4部門にノミネートされると、たちまち世界中で上演されるヒットミュージカルとなり、2020年の春には新演出で日本キャスト版初演を控えていたが、コロナ禍の影響によりほとんどの公演回が中止に。その2年後の2022年に大阪・東京で念願の再演が叶い、大好評のうちに閉幕。そして2024年2月、更なる進化を遂げて、東京・山形・大阪で再び上演する。大谷は人気絶頂の歌姫・レイチェル(新妻聖子/May J. ダブルキャスト)を守るボディガード・フランクを演じる。

大谷亮平

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2020年の初演から本作への出演は3度目となる大谷。ダンディなボディガード役はまさに「ハマり役」という声もあがる中、「そう言ってもらえるとありがたいです。フランクは基本的にしゃべらない人なので、レイチェルとの距離感の詰め方をセリフ以外で表現しなくてはいけない。最初は信用してもらえず、受け入れてもらえなかったけど、徐々に本人さえも気づかぬうちに彼女の魅力にハマっていく。そういう過程の見せ方が難しくて。愛情を言葉には出さないけれど、実は心の中では揺れ動いているフランクという役は、3度目となる今回改めて考えて取り組むと難しいところがありますね」と寡黙なキャラクターのフランクを演じる難しさを語った。

現在稽古真っ只中。2年ぶりに作品と向き合う中で新たな発見も多いと言う。「前回納得して終わったはずなのに、2年たつと見方が変わることもあって、「このセリフって何なんだろう?」「こういう意味だったんだ!」とレイチェルたちと議論しています。あと、今回はフランクの先輩ボディガード役と、ストーカー役のキャストが変わっていて、前回と同じセリフだけど違う演技を見せていただいています。先輩ボディガードはすきが多く、劇中お菓子を食べながら仕事したり、ミスをしたりとキャラクターの立つ役ですし、ストーカーは、彼が怖いほど対照となるラブストーリーが際立ち、物語をひっぱる役でもあるので、そういうスパイスになる役の演じ方が変わることで、舞台の空気が変わるのではないかと思います」と新たなキャスト陣との共演にも期待を寄せた。

大谷亮平

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共演の新妻聖子、May J.の印象について聞かれると「新妻さんはすごくサバサバしていますね。「学級委員長みたいだね」って言ったら、「自分で立候補してやったことある」と言っていました(笑)。思ったことは素直に表現されますし、納得がいかないシーンがあれば「みんなもう1回やろうよ」と引っ張ってくれます。初対面のフランクに対して、敵対心をむき出しにするシーンがあるんですけど、そこでは強気で堂々としたレイチェルに近いところを感じます。May J.さんはすごく冷静に物事を見ていて、繊細な感じ。レイチェルの強気な部分というよりは、ストーカーに追われて不安になったり、フランクにかよわい部分を見せる、そういうレイチェルの一面にMay J.さんの本来の姿が現われている気がします」と対照的な2人のレイチェルの魅力を語った。

ミュージカル『ボディガード』の魅力の1つが、新妻・May J.による圧倒的な歌唱力で、ホイットニー・ヒューストンの誰もが知るヒットナンバーを浴び続け、まるでレイチェルのライブ会場に入り込んだかのような感覚にもなる、華やかなステージシーン。舞台の最初から最後まで、歌姫2人によって名曲の数々が紡がれていくのだが、そんな中、実は大谷も1曲だけ歌を披露するシーンがある。「あそこが一番難しいんですよね……。そのシーンのどのタイミングで歌うかを決めていなくて、毎回気分で歌っているんです。音程をあえて若干外すんですが、実はハモリのラインを歌っています。ふざけているように見えるかもしれないですけど、真剣に悩んでいます。観た人から「あれは本当に音痴なの? それともわざと?」と聞かれることがあって、それを聞くと「じゃあもっと外したほうがいいのかな」と考えてしまって。答えが出ないです(笑)。答えが出ないまま本番を迎えるんだろうな……」と若干の不安もにじませた。

大谷亮平

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そんな歌唱シーンもさることながら、本作におけるフランク屈指の名シーンと言えば、やはりレイチェルをストーカーから助け出す「お姫様抱っこ」。このシーンのために「スクワットをしている」と過去に語ったこともある大谷だが「普段からバレーをやっていて筋トレは日常的にしているので、常に動ける状態ではあります。2年ぶりにお姫様抱っこのシーンを稽古でやってみましたが、全然問題なく……楽勝というか。2人(新妻・May J.)とも「大丈夫?」「重くない?」と気にしてくれますが、全然大丈夫です」と頼もしい発言をする一方、「体にガタは来ていないんですか?」という記者からの質問には「来ていないわけないじゃないですか(笑)。ボロボロですよ」と正直に答え、会場は笑いに包まれた。

最後に本作を楽しみに待つファンに向け「前回はコロナの影響で来られなかった、という方もいると思います。キャスト全員でより素晴らしいものを作りたいという気持ちで稽古に励んでいます。声出しNGだったカーテンコールも今回は制限がなくなりますので、お客さんと一緒になって盛り上がっていきたいです。カーテンコールのダンスは前回からフルモデルチェンジをしています。フランクという役は置いておいて……「大谷が精いっぱい練習したんだな」と思ってもらえたら(笑)。僕自身、今回は思いっきり楽しみたいと思います」とメッセージを送った。

ミュージカル『ボディガード』は、2月18日(日)から始まる東京公演を皮切りに、山形公演が3月9日(土)~10日(日)、そして大阪公演が3月30日(土)~4月7日(日)梅田芸術劇場メインホールにて上演される。大谷演じる不器用ながら一途な愛を貫くボディガード・フランクに「守ってもらいたい」とトキメクこと間違いなし! 是非劇場へ。

文・写真=(提供:カンテレTIME)

大谷亮平

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公演情報

ミュージカル『ボディガード』日本キャスト版
2024年2月18日(日)~3月3日(日)
東京都 東急シアターオーブ
2024年3月9日(土)・10日(日)
山形県 やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)
2024年3月30日(土)~4月7日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
原作:ローレンス・カスダン ワーナー・ブラザース映画「The Bodyguard / ボディガード」
脚本:アレクサンダー・ディネラリス
演出・振付:ジョシュア・ベルガッセ
出演
新妻聖子(Wキャスト)、May J.(Wキャスト)、大谷亮平 / AKANE LIV、水田航生、加藤潤一、大久保祥太郎 / 内場勝則 / 青山航士 / (以下五十音順)飯田一徳、岡田治己、加藤翔多郎、鹿糠友和、熊澤沙穂、後藤裕磨、斎藤葉月、杉浦小百合、杉山諒二、橋本由希子、深瀬友梨、Micco、吉元美里衣
スウィング:新井健太、江崎里紗
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