島 太星&吉高志音が青年たちの青春を微笑ましく描き出す ミュージカル『GIRLFRIEND』ゲネプロレポート

レポート
舞台
2024.6.15
ミュージカル『GIRLFRIEND

ミュージカル『GIRLFRIEND

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ジュークボックスミュージカル『GIRLFRIEND』は、90年代のパワーポップシーンで最も輝いたアメリカのシンガーソングライター、マシュー・スウィートの名盤『GIRLFRIEND』をベースにしたポップでロックな作品だ。脚本家のトッド・アーモンドは、男性から女性に向けたアルバムの歌詞に自身の経験を織り交ぜ、たった2人の役者で紡ぐ魅力的なミュージカルに仕立てた。

日本初演となる今回、演出はストレートプレイやミュージカルを幅広く手がける注目の演出家・小山ゆうなが務める。 キャストは全員が東宝ミュージカル初参加。学校に馴染めないウィルを高橋健介、島 太星、井澤巧麻がトリプルキャストで務め、スポーツ万能な人気者・マイクを萩谷慧悟、吉高志音、木原瑠生が同じくトリプルキャストで演じる。

 

この日は島太星と吉高志音ペアによるゲネプロが行われた。

島 太星

島 太星

吉高志音

吉高志音

(左から)吉高志音、島 太星

(左から)吉高志音、島 太星

物語は、高校を卒業する1週間前、マイクがウィルにミックステープを渡したことから始まる。母子家庭なことをはじめとする様々な理由で周囲から浮いていたウィルは学校で1、2を争う人気者のマイクが自分に話しかけてきた理由がわからず困惑するが、テープをきっかけに2人の距離はどんどん縮まっていく。

島が演じるウィルは、無邪気でどこか天然。絶妙な間や空気感が可愛らしい。話し方や佇まいの柔らかい印象に対し、歌声は力強く厚みがあるギャップも魅力だ。

吉高が作り上げたのは、穏やかで気さくな雰囲気のマイク。会話シーンから見える少年らしさが歌唱にものっており、まっすぐな声で紡がれる歌詞がすとんと心に入ってくる。

学校では話したこともなかった2人が音楽で繋がり、ドライブインシアターで過ごすうちに惹かれあうようになる。毎晩同じ映画を見ながら、作品に対する感想を言い合ったり、お互いの進路や家族について話したり。ぎこちないが、相手への思いやりに満ちた交流が微笑ましい。

一方で、大学進学が決まっているマイクといまだに迷っているウィルの間にはズレも出てくる。進学や就職で故郷を離れたり、逆に地元に残ったりして友人や恋人との間に物理的な距離が生じた経験がある方にとっては、シンパシーや懐かしさを覚えられる状況だろう。

時代や国、家庭環境や性的志向など、見る人によって共感・理解できる範囲に違いはあるだろうが、とても普遍的な青春の甘酸っぱさやほろ苦さが描かれている。島と吉高は等身大の愛すべき青年としてウィルとマイクを演じており、見ているうちに自然と2人の幸せを祈りたくなった。

(左から)島 太星、吉高志音

(左から)島 太星、吉高志音

(左から)吉高志音、島 太星

(左から)吉高志音、島 太星

また、タイトルロールの「Girlfriend」を筆頭に、キャッチーで魅力的な楽曲たちが作品を彩っている。元々の楽曲が持つ力、作品にマッチしたアレンジに加えて特筆すべきなのが、上田一豪による訳詞ではないだろうか。難しい言葉や言い回しはなく、それでいてドラマティックな歌詞は、音楽好きな青年たちが本心を語るための曲にぴったりハマっている。等身大の言葉がストレートに胸に響き、原曲の歌詞もチェックしてみようという気持ちになった。

(左から)島 太星、吉高志音

(左から)島 太星、吉高志音

島 太星

島 太星

(左から)島 太星、吉高志音

(左から)島 太星、吉高志音

当然ながら前日にゲネプロを行った高橋・萩谷ペアと設定やセリフは同じ。だが、演じるキャストによってここまで印象が変わるのかと驚き、新たな物語に出会うような感覚で新鮮に観ることができた。多くの違いがある中で特に興味深かった点をいくつか挙げようと思う。

念のために言っておくが、どちらがより良いという比較ではない。「他のペア、シャッフルも気になるけど、見るかどうかまだ迷っている」という方の参考になればという思いで、いずれも魅力的な2ペアの個性を紹介する。

例えば、ドライブインシアターで映画を見ている途中、ウィルが修道女の話をするシーン。高橋演じるウィルは、沈黙を恐れ、気まずさを誤魔化すためにあれこれ話している印象。島は思いついたことをマイペースに口に出しているような天然っぽさがある。萩谷は落ち着かない視線の動きから、頭の中で話題を探しているのだろうと感じさせ、吉高はウィルのとりとめもないお喋りを優しく見守っている。

距離が縮まって以降も、どちらからどんなふうに触れるかなど、細かい部分に個性が出ている。高橋と萩谷ペアは、関係が深まるにつれて「学校の人気者でプロム・キング」なマイクがウィルに甘えるような姿を見せたり、それをウィルがしっかり受け止めたりと、初々しいながら大人びた色気があった。島・吉高ペアは、無邪気で自分の心に素直なウィルを、あどけなさの残るマイクが精一杯リードしているように見え、応援したくなってしまう。

キャストの雰囲気や歌声、芝居から見える性格にマッチしたテンションで作られており、それぞれがとても自然に役を生きている。これは演出の小山やキャスト陣が丁寧に作品と役に向き合ってきたからこそだと思われる。

吉高志音

吉高志音


(左から)吉高志音、島 太星

(左から)吉高志音、島 太星

組み合わせによってウィルとマイクの関係性は大きく変わって見えるだろうと感じられ、井澤巧麻・木原瑠生ペアに対するワクワクが高まった。シャッフル公演ではどんな化学反応が起きるのか見てみたいという気持ちも湧く。

(左から)吉高志音、島 太星

(左から)吉高志音、島 太星

 

本編後のカーテンコールで開催されるミニライブでは、作中で披露された楽曲がダイジェストで披露される。物語の流れの中で聴くよりもロックでポップな雰囲気があり、改めて楽曲の魅力に気付くことができた。同じくカーテンコールでは写真撮影タイムもあり、ここでもペアごとの個性が見えるのが楽しい。

本作は2024年6月14日(金)から7月3日(水)までシアタークリエにて上演。6月21日(金)~29日(土)昼公演まではペアをシャッフルして上演するほか、上演回によってトークショーや様々なイベントが予定されている。

公演情報

ミュージカル『GIRLFRIEND』
日程:2024年6月14日(金)~7月3日(水)
会場:シアタークリエ
 
<イープラス特別企画:特別価格&飲食券付>

会場:シアタークリエ
日程:
2024/6/21(金) 開演:18:00~
2024/6/22(土) 開演:18:00~
2024/6/23(日) 開演:18:00~
2024/6/27(木) 開演:18:00~
2024/6/29(土) 開演:18:00~
2024/6/30(日) 開演:18:00~

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※グラスシャンパンまたは和央ようかコラボレーショカクテル”Duchess”(ダチェス)、ノンアルコールよりお選びいただけます。
※アペタイザープレートは数種のアペタイザーを少量ずつ一皿盛でご提供致します。
利用可能期間:9/30(月)まで
利用可能時間:16:00~22:30(22:00ラストオーダー)


・詳細は【こちら】から
 

CAST:
高橋健介/島 太星/井澤巧麻(トリプルキャスト)、萩谷慧悟/吉高志音/木原瑠生(トリプルキャスト)
 
CREATIVE:
脚本 トッド・アーモンド
作曲・作詞 マシュー・スウィート

翻訳・演出 小山ゆうな
 
訳詞 上田一豪
音楽監督 小澤時史
振付 Sota(GANMI)
美術 乘峯雅寛
照明 勝柴次朗
音響 山本浩一
衣裳 伊藤佐智子
ヘアメイク 小林雄美
映像 石原澄礼/上田大樹(&FICTION!)
 
歌唱指導 tekkan
音楽コーディネート 東宝ミュージック
バンドコーディネート 新音楽協会
ギター指導 成尾憲治
歌唱指導助手 田中俊太郎
稽古ピアノ 杉田未央/西 寿菜

演出助手 末永陽一
舞台監督 馬淵だいき

制作 村上奈実
プロデューサー 江尻礼次朗
スーパーバイザー 増永多麻恵

宣伝フォトグラファー 嶌村吉祥丸
宣伝アートディレクション 大江早季

製作:東宝

料金】11,500円(全席指定・税込)
 
【作品公式サイト】
https://www.tohostage.com/girlfriend/
【作品公式Instagram】
https://www.instagram.com/girlfriend_toho/

 
【お客様からの問い合わせ先】東宝テレザーブ 03-3201-7777
  
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