魔法のように美しいシーンに彩られた、誰をも幸せな気分に包み込むバレエ 新国立劇場バレエ団『シンデレラ』を上演

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2025.8.13
新国立劇場バレエ団『シンデレラ』        撮影:瀬戸秀美

新国立劇場バレエ団『シンデレラ』        撮影:瀬戸秀美

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2025年10月17日(金)~10月26日(日)新国立劇場 オペラパレスにて、 2025/2026シーズン『シンデレラ』が上演される。

新国立劇場バレエ団の定番演目として多くの観客に愛されているバレエ『シンデレラ』。色鮮やかなメロディとリズム感にあふれたプロコフィエフの音楽にアシュトンが振り付けた作品は、英国ロイヤルバレエを始め、世界中で一流のバレエ団によって上演されている。日本では唯一、新国立劇場バレエ団だけが持つ貴重なレパートリーでもある。魔法のように美しいシーンに彩られた、誰をも幸せな気分に包み込むバレエだ。

新国立劇場バレエ団『シンデレラ』        撮影:瀬戸秀美

新国立劇場バレエ団『シンデレラ』        撮影:瀬戸秀美

本公演の見どころは魅力的なキャラクターたち。童話やディズニー映画などでもおなじみのシンデレラ。アシュトン版で描かれるシンデレラは、実母を亡くし、義理の姉たちから好き勝手な振る舞いをされても優しさを失わずに生きる前向きで健気な少女。箒を持ちながら踊る1幕のソロでは、チャーミングなキャラクターが垣間見える。意地悪な義理の姉たちは英国のマイムの流れを組み、男性ダンサーが演じる。1948年初演時は偉大なキャラクター・ダンサーでもあったアシュトン自身が踊り、男性が演じることで滑稽で憎めない役となっている。義理の姉たちのコミカルなキャラクターは、舞台を大いに沸かせ、主役に負けない人気を博している。

新国立劇場バレエ団『シンデレラ』        撮影:瀬戸秀美

新国立劇場バレエ団『シンデレラ』        撮影:瀬戸秀美

また、シンデレラを導く妖精も重要なキャラクターたちだ。童話やアニメの魔法のおばあさんは、このバレエでは美しい仙女の姿で現れる。四季の精たちは豊かな四季を奏でる音楽に合わせて、それぞれ特徴のある踊りを披露する。春の精は新鮮な光で新しい生命力に満ち溢れ、夏の精は暑くけだるくて夢見がち。秋の精は風が吹きすさび、冬の精は氷のように冷たくきらめきを放つ。これらのソロは技術的には難しいが四季それぞれの感覚や雰囲気を表現している。

そしてもう一つの見どころは、息を呑むほど美しいシーンの数々。アシュトン版『シンデレラ』では色鮮やかで抒情的な音楽にのせて、魔法のように美しいシーンの数々が繰り広げられる。シンデレラが舞踏会に登場し、夢見ているかのようにポワントで階段を降りる場面はハイライトのひとつ。他にも、大きなかぼちゃが魔法の杖で光り輝く馬車に変わるシーンや時計が12時を打つと同時にシンデレラの魔法がとける瞬間の驚くような仕掛け、シンデレラと王子が星空のなか仙女に祝福を受ける幕切れなど、見どころが満載。

新国立劇場バレエ団『シンデレラ』        撮影:瀬戸秀美

新国立劇場バレエ団『シンデレラ』        撮影:瀬戸秀美

なお、本公演は、アシュトンの生誕120周年を祝い、アシュトン財団が主催する国際的なイベント「ASHTON WORLDWIDE FESTIVAL」に参加している。

【ものがたり】
シンデレラは、父親と二人の義理の姉と暮らしている。姉たちは好き勝手に振る舞い、シンデレラを召使のように扱っている。汚れた灰色の服で家中を掃除するシンデレラ。それでも笑顔を絶やさず、物乞いの老婆にも優しく接する。
宮殿の舞踏会に招かれている姉たちは、派手に着飾り、ダンスのレッスンを受け、父親とともに出かけていく。一人残されたシンデレラのもとに、先ほどの老婆が現れ、美しい仙女に姿を変える。仙女は四季の精を呼び集め、四季の贈り物を授ける。そして、かぼちゃは馬車に、シンデレラは美しいドレス姿に変身。
12時の鐘が鳴り終わる前に戻ってくるよう念を押す仙女に見送られ、シンデレラは期待に胸を膨らませ、お城へと向かう。

宮殿の舞踏会。シンデレラが広間に入ってくると、輝くばかりの気品と軽やかな足どりで人々を魅了し、王子までもが心を奪われる。踊りながら距離を縮めていく王子とシンデレラ。しかし12時を告げる鐘が鳴りはじめ、シンデレラは大慌てで立ち去り、ガラスの靴を片方落としてしまう。
家に戻ったシンデレラは、夢のような時間を思い返している。そこに王子一行がやってくる。片方残った靴を手掛かりに、舞踏会で出会った女性を探しているのだ。小さな靴に無理やり足を入れようとする姉たちを見かねたシンデレラが飛び出したとき、ポケットから転がり落ちたのは、もう片方の靴。王子は、身なりは貧しくとも、彼女こそが自分が探している女性だと悟り、その手を取る。仙女の祝福を受けた二人は永遠に結ばれるのだった。

 

公演情報

2025/2026 シーズン 新国立劇場
令和7年度(第80回)文化庁芸術祭主催公演
新国立劇場バレエ団

『シンデレラ』
Cinderella
日程:2025年10月17日(金)~10月26日(日)
会場:新国立劇場 オペラパレス
予定上演時間:約2時間35分(休憩含む)
 
スタッフ
【振付】フレデリック・アシュトン
【監修・演出】ウェンディ・エリス・サムス / マリン・ソワーズ
【音楽】セルゲイ・プロコフィエフ
【美術・衣裳】デヴィッド・ウォーカー
【照明】沢田祐二
 
キャスト
10月17日(金)18:30
【シンデレラ】米沢 唯
【王子】渡邊峻郁
 
10月18日(土)13:00
【シンデレラ】木村優里
【王子】速水渉悟
 
10月18日(土)18:00
【シンデレラ】小野絢子
【王子】井澤 駿
 
10月19日(日)13:00
【シンデレラ】池田理沙子
【王子】水井駿介
 
10月19日(日)18:00
【シンデレラ】柴山紗帆
【王子】渡邊峻郁
 
10月21日(火)18:30
【シンデレラ】木村優里
【王子】速水渉悟
 
10月22日(水)14:00
【シンデレラ】小野絢子
【王子】井澤 駿
 
10月23日(木)13:00
【シンデレラ】池田理沙子
【王子】水井駿介
 
10月24日(金)18:30
【シンデレラ】米沢 唯
【王子】ワディム・ムンタギロフ(英国ロイヤルバレエ)
 
10月25日(土)13:00
【シンデレラ】柴山紗帆
【王子】渡邊峻郁
 
10月25日(土)18:00
【シンデレラ】小野絢子
【王子】井澤 駿
 
10月26日(日)14:00
【シンデレラ】米沢 唯
【王子】ワディム・ムンタギロフ(英国ロイヤルバレエ)

【指揮】マルク・ルロワ=カラタユード / 冨田実里
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

Cinderella is one of over 100 ballets created by Frederick Ashton (1904-1988).
These performances are presented as part of the Ashton Worldwide 2024-2028 festival.
For further information, visit frederickashton.org.uk
 
【前売り開始日】
一般発売日:2025年8月16日(土)10:00~
 
※アシュトン版『シンデレラ』の優美で幻想的な世界を、ビストロノミースタイルのコース料理で楽しむことができる、モダンラグジュアリーホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」とのコラボによる特別ランチ&ディナープログラムも実施中。
 
【他劇場での公演日程】
日程:2025年10月4日(土)16:00、10月5日(日)14:00
会場:札幌文化芸術劇場 hitaru
 
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