岡山発、アニメ『はたらく細胞』の世界が広がる展示イベントが開催中、注目は本邦初公開となる約100点のスケッチ
『はたらく細胞展 IN 岡山』 撮影=田辺ユウキ
はたらく細胞展 IN 岡山 2024.12.21(SAT)~2025.1.26(SUN) イコットニコット
清水茜の同名漫画(講談社)をテレビアニメ化した『はたらく細胞』の世界が楽しめる展示イベント『はたらく細胞展 IN 岡山』が1月26日(日)まで、岡山・イコットニコット 4階イベントスペースで開催されている。
『はたらく細胞』は、人の体内にある37兆個の細胞を擬人化し、赤血球が配達業者のごとく酸素を運んだり、白血球が細菌とバトルを繰り広げたりする姿を描いた物語。2018年7月からアニメ化され、2025年1月時点でシリーズ累計1,000万部超を記録。2024年12月には、永野芽郁、佐藤健らが出演する映画化作品も全国公開され、1月6日(月)付の映画観客動員ランキング(興業通信社調べ)で4週連続1位を記録するなど大ヒットしている。
●指示やコメントが書き添えられている、貴重なラフ画の数々
会場の様子
そんな同展の一番の見どころは、アニメ『はたらく細胞』の原点でもあるスケッチが本邦初公開されているところ。貴重な美術ボード、美術設定など制作資料が約100点揃っている。ラフ画、色などを加えた絵、そして実際に放送されたシーンというふうに3段階の変化を見比べることができる。さらにラフ画には、最終的にどんな場面に仕上げたいかなどの指示やコメントも書かれているので、1枚、1枚、時間をかけてじっくりと鑑賞したいところだ。
心音の聴診を体験できる
また、「からだのメカニズムを学ぼう」のコーナーでは、川崎医科大学(岡山)協力のもと、からだの仕組みを知ることができる体験型の展示がおこなわれている、「心臓のはたらきって?」では聴診器を使って、心臓の音を聴くことができる。病気のときの心臓の音も再現されており、通常時との違いに驚かされる。「においを感じるメカニズム」では、においはどのように伝達されるかについての解説とともに、フレッシュな匂いと臭い匂いを詰めた瓶がシャッフルして用意され、ちょっとしたゲーム感覚で嗅ぎ分けることができる。
フォトコーナー
子どもから大人まで遊べるアトラクションでは、ボールを投げ入れてミッション達成を目指す「がん細胞をやっつけろ!」や、反射神経が試される「ピロリ菌をやっつけろ!」などを設置。そのほか、赤血球、白血球と一緒に記念撮影ができるフォトスポットや、アクリルスタンド、キーホルダー、ステッカーなどがゲットできるグッズコーナーなどがあり、『はたらく細胞』の魅力にどっぷり浸ることができる。
●岡山から全国へ、異例の展開を目指す「人体のことが楽しく学べる作品の世界観を伝えたい」
「がん細胞をやっつけろ!」
そんな『はたらく細胞 IN 岡山』を企画・主催しているのが、岡山県、香川県、地上デジタル7チャンネルを放送対象とするTSC テレビせとうち。こういった大ヒット作の展示イベントは従来、東京、大阪など大都市圏のメディアが企画・主催する場合が多い。今回のように地方から発信されることは異例とあって、新たな展示イベントの形としても注目されている。
場面者を観る親子
同展に携わる、テレビせとうち総合ビジネス局事業コンテンツ部・森通憲副部長は「『はたらく細胞』は子どもから大人まで、人体のことが楽しく学べる作品。赤血球、白血球の役割も自然と知ることができます。そういった部分を伝えられる展示イベントができないかと考え、岡山をスタート地点とし、全国を巡回したいという思いで講談社さんに相談させていただきました」と、展示イベントが実現するまでの経緯を説明。
そんな同展には、漫画、アニメのファンや映画化作品の鑑賞者はもちろんのこと、親子での来場者も目立つという。森副部長は「子どもたちに、からだのことを学んでほしいです。学びのコーナーでは川崎医科大学さんにも協力していただき、心音を聞くことができたり、実際のアニサキスの標本の展示をおこなったりもしています。普段なかなか見聞きできないことが、『はたらく細胞展 IN 岡山』では体験できます」と見どころを挙げてくれた。
『はたらく細胞 IN 岡山』は1月26日(日)まで岡山・イコットニコット 4階イベントスペースで開催。
取材・文・撮影=田辺ユウキ、一部写真=オフィシャル提供