「みんなが好きになっちゃうような二人に」柿澤勇人、矢崎広、桜井玲香、海乃美月らが出演!ミュージカル『ボニー&クライド』製作発表会見レポート

2025.2.1
動画
レポート
舞台

(左から)上演台本・演出の瀬戸山美咲、出演者の桜井玲香、柿澤勇人、矢崎広、海乃美月

画像を全て表示(22件)


ミュージカル『ボニー&クライド』が2025年3月10日(月)から東京・シアタークリエほか上演される。開幕を前に、1月31日(金)、本作の製作発表会見が都内で行われ、出演する柿澤勇人矢崎広桜井玲香海乃美月、上演台本・演出の瀬戸山美咲が登壇した。約50名の一般オーディエンスも会見を見守った。会見の様子を、写真と共にお伝えする。

1930年代、世界恐慌下のアメリカ中西部で銀行強盗や殺人を繰り返した実在の人物、クライド・バロウとボニー・パーカー。社会からはみ出した彼らの無軌道な生き様は、後のハリウッド映画に多大な影響を与えたアメリカン・ニューシネマの第一号として、今も語り継がれる名作『Bonnie and Clyde』(邦題:『俺たちに明日はない』)で描かれている。

この伝説のギャング・カップルを題材に、『ジキル&ハイド』『笑う男 The Eternal Loveー永遠の愛ー』『デスノート THE MUSICAL』『ケイン&アベル』などを手掛けた作曲家フランク・ワイルドホーンが、ジャジーなサウンドとポップなリズムで新たに創造したミュージカル『ボニー&クライド』は2011年12月にブロードウェイで上演し、翌12年に日本初演された。その後、ブラッシュアップされ、2022年ロンドン・ウエストエンドで再演、23年に日本で宝塚歌劇団雪組にて上演された。そしてこの度、満を持して、今年3月からシアタークリエで新演出版を上演する。

歌唱披露の様子

この日の会見は、歌唱披露から行われた。

1曲目は「ピクチャー・ショー」。クライドとボニーがそれぞれに、今の貧しい暮らしから逃れて、いつか必ずビリー・ザ・キッドやアル・カポネのような大物に、クララ・ボウのような映画スターになってみせると夢を歌うナンバーだ。そして、2曲目は「残すのさ名前を」。ボニーの協力で刑務所を脱獄したクライドがボニーと車に乗り、逃避行を始めるときに「2人の名前を世界に残そう」と歌う、1幕ラストを飾るナンバー。それぞれWキャストであるボニーとクライド4名が歌うということで、本番では見られない特別なパフォーマンスとなった。

歌唱披露の様子

歌唱披露の様子

続いて質疑応答が行われた。

ーーお一人ずつにご挨拶をいただきます。

瀬戸山美咲(以下、瀬戸山):映画『俺たちに明日はない』が私はもともと大好きでした。乾いた雰囲気だったり、ボニーとクライドの焦燥感のある、刹那的な生き方というものにすごく惹かれるものがあって、このお話をいただいたときはとても嬉しかったです。

ミュージカル版では、現実や映画とはまたちょっと違った、夢と現実のコントラストが色濃く描かれています。今皆さんに歌っていただいたフランク・ワイルドホーンさんの力強い楽曲が、 彼らの「どこかに行きたいけれどもいけない。でも飛び立ちたい」というエネルギーをものすごく表現している作品になります。疾走感のある、エネルギーに満ちた作品にしたいと思います。

柿澤勇人(以下、柿澤):カンパニー一同、一生懸命稽古に励んでいる毎日でございます。 疾走感あるストーリーと共に、「抜け出したい」「飛び出したい」「世の中をひっくり返したい」みたいな、そんな爆発力のあるクライドとボニーを中心に、カンパニー一同で素敵な作品に仕上げようと努力しています。期待していてください。

矢崎広(以下、矢崎):カッキー(※柿澤さんの愛称)も言ってましたけど、今本当に『ボニー&クライド』という2人のドラマに全力で、みんなでぶつかって稽古してる毎日です。取材の皆さまもそうですけど、今日は潜入捜査に来てくださった皆さまもいて! ボニーとクライドは本当に民衆に応援してもらった2人なので、 ぜひ今日はたくさんの同志になっていただき、ここからまた色々広めてもらって、たくさんの方に応援していただけるようなミュージカルになっていければいいなと思います。

桜井玲香(以下、桜井):初披露だったので、すごく緊張もしたんですけれども、こんな感じでとても疾走感があるスピーディーな作品になっています。ボニーとクライドは、皆さんもおっしゃる通り、世界中でかなり熱狂的なファンがたくさんいるカップルということで、観に来てくださった皆様に好きになってもらえるような2人を演じられたらいいなと思っております。

海乃美月(以下、海乃):私は今回の作品が宝塚を卒業してから初めての作品になるんですけれども、皆さまとても温かいカンパニーで、毎日エネルギッシュな稽古をさせていただいております。 この作品は、世界恐慌の時代にアンチヒーローとして有名になったこの2人の作品なんですけれども、エネルギーというか、2人の愛と信念みたいなものが混ざり合った人生のお話だなと感じているので、私も全力で生き抜きたいなと思います。他のキャストの皆さまもとっても魅力的な方々がたくさんいらっしゃるので、楽しみに観に来ていただけたら嬉しいなと思います。

(左から)クライド役の柿澤勇人、矢崎広

ーー柿澤さんと矢崎さんに質問です。今の歌からもとても情熱的な人物像というのが伝わってきたんですけれども、クライドの情熱的な部分の原動力はどういったところにあると思われますか。

柿澤:いろんなものがあるとは思うんですが、1番大きいのは、僕が考えるに、「怒り」の感情なのかな。この1930年代は世界恐慌や禁酒法など、ある意味抑圧された何かがあって、でもそれを変えるにも変えられない。もうみんな諦めている。希望の光も見えてない。もう諦めて生きていこう。神も救ってくれないし、みたいな。ざっくり言うと、そんな時代だと思うんです。クライドはそこに対して反逆というか、犯罪を犯してしまうんですね。だからその原動力は怒りなのかなと思います。もちろん僕らはその時代をリアルには知らないんですけど、やっぱり生きててね、「どうしようもない」とか「おいおい!なんだよこれ!ふざけんなよ!」みたいなことって、たくさんあるじゃないですか。だから、そういったものをぶつけられたらなと思います。

矢崎:クライドは、「なんで今自分はここにいるんだろう」「俺が今いる意味はなんなんだろう」ということを実はすごく自問してる人。俺は何者なんだ、もっと大物になるんだという、結構それだけの部分も実はあるんじゃないかなと思っています。その中でボニーと出会って、さらにその気持ちが加速していく。自分が持っていた情熱に、さらに気持ちが乗っかって、どんどん止まらなくなっていった2人なんじゃないかなと僕は思います。

歌唱披露の様子

ーー桜井さんと海乃さんに質問です。キービジュアルからのボニーという存在を大変力強いようなエネルギーを感じるんですけれども、現時点でお二人はどのような人物像だと捉えていますか?

桜井:(クライドとボニーを題材にした数ある作品のなかで)すごく真面目な素直な女の子という描写があったり、かたやすごくセクシーな女性だったり、ちょっと危ない片鱗が見えたり、いろいろな面が書かれていますが、ボニーは小さい頃から人を惹きつける魅力を持っていた女の子だったみたいなので、観ている皆さんが気になってしまう、目が離せない、そういう女性が近いのかなと現時点で私は思っております。

海乃:玲香ちゃんが仰っていたみたいに、とにかく幼少期から、いろいろな人にすごく好かれるボニーという像がまずあるんだなと思っています。その中で文章や詩を書くのが好きだったり文学的な才能もあって。きっと想像力がすごく豊かな女性だったんだろうなと。家庭環境だったり真面目な部分もあるんですけれども、だからこそクライドみたいな人に出会ったときに、すごく心が揺れ動いて惹かれて、むしろ惹かれすぎてしまうぐらい惹かれるところがあるのかなと思います。クライドと出会ってからは、自分の夢、そしてそれを引っ張ってくれるクライドの勢いとの相乗効果で、どんどん、どんどん前に進んでいく。この世界恐慌の時代を駆け抜ける存在になっていくので、信念の強さみたいなものも大事に演じていけたらいいなと思っております。

  • イープラス
  • 瀬戸山美咲
  • 「みんなが好きになっちゃうような二人に」柿澤勇人、矢崎広、桜井玲香、海乃美月らが出演!ミュージカル『ボニー&クライド』製作発表会見レポート