東野圭吾『祈りの幕が下りる時』が舞台化 成井豊脚本・演出、小西詠斗・多田直人がW主演
2025年5月公演を皮切りに「東野圭吾シアター」が開催されることが決定した。第⼀弾は、5月に東京・サンシャイン劇場、6月に大阪・サンケイホールブリーゼにて、成井豊脚本・演出、小西詠斗と多田直人のW主演で舞台『祈りの幕が下りる時』を上演する。
『祈りの幕が下りる時』は、累計発行部数1400万部を突破した東野圭吾の人気シリーズの第10作にあたる作品。加賀恭一郎シリーズは、東野圭吾のデビュー2作目として1986年に刊行された『卒業』からスタートしており、学生だった加賀恭一郎が、大学卒業後は教師を経て警察官となり、シリーズを通してさまざまな事件に関わっていく。
本作では、加賀の失踪した母親が初めて登場し、失踪した理由が判明する。そして、加賀が優秀ながらなぜ所轄の刑事のままでいるのか、彼自身の謎も明らかになっていくシリーズの総決算ともいうべき作品で、第48回吉川英治文学賞に輝いている。
『祈りの幕が下りる時』東野圭吾(講談社)
舞台版の脚本・演出を務めるのは、これまでに『容疑者Xの献身』(2019、2012、2021年)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2013、2016年)、『仮面山荘殺人事件』(2020、2023年)など、東野作品の舞台化を手がけてきた成井豊。緻密に伏線が張り巡らされ、脚本化が難しい東野圭吾ミステリーだが、今回も成井豊が原作へのリスペクトと愛情を込めて作り上げる。
シリーズの顔となる加賀恭一郎役には、舞台『容疑者Xの献身』や『ナミヤ雑貨店の奇蹟』でも主演を務めたキャラメルボックスの多田直人。同じく、本作のストーリーを担う、警視庁捜査一課の刑事・松宮脩平役には、「舞台『刀剣乱舞』心伝 つけたり奇譚の走馬灯」や「進撃の巨人-the Musical-」など、話題作への出演が続く、小西詠斗。そして、被害者の中学時代の同級生であり、演出家の角倉博美役に原田樹里。脇を固める父親役に文学座の石橋徹郎、柿喰う客の田中穂先、中嶋海央、キャラメルボックスの岡田さつき、筒井俊作などが揃った。
東京都葛飾区小菅のアパートで腐乱遺体が発見される。
被害者は滋賀県在住の30代女性・押谷道子。
殺害現場となったアパートの住人・越川睦夫は消息を絶っていた。
捜査一課の松宮は、殺害時期や現場が近い新小岩での河川敷で発生した「ホームレス焼死事件」との関連性を調査していた。やがて松宮は、道子が中学の同級生で演出家の角倉博美を訪ねて、上京したことを突き止める。
しかし浅居博美には確かなアリバイがあり、捜査は進展しない。
捜査を進めるうちに、現場の遺留品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを発見する。その事実を知った加賀恭一郎は激しく動揺する。
それは失踪した加賀の母に繋がっていた。
脚本・演出 成井豊 コメント
ミステリは本来「謎解き」であり、本作も「カレンダーに書かれた12の橋の名前」という謎を、日本橋署の刑事・加賀恭一郎が解いていきます。が、その謎が解かれた時に明らかになる人間ドラマには、誰も涙を流さずにいられないでしょう。かくいう私も、初めて読んだ時は嗚咽が出るほど泣きました。東野圭吾さんの小説を舞台化するのは、今回が4回目。過去3回とも、できるだけ原作に忠実に、と心がけてきました。原作の持つ深さや熱さがそのまま表現できれば、それで舞台は成功すると確信するからです。だから、今回もできるだけ原作に忠実に。頑張ります。
小西詠斗 コメント
小西詠斗
舞台『祈りの幕が下りる時』で松宮脩平を演じさせていただきます、小西詠斗です。
今回、東野圭吾さんの世界でお芝居をさせていただけること、とても光栄で嬉しく思います。
原作の、バラバラになったピースを一つずつ組み立ていくような展開に一気に引き込まれました。
どんな演劇ができるのか、凄く楽しみです。
素晴らしい作品を作り上げられるよう、精一杯頑張りたいと思います。
是非劇場で楽しんでいただけたらと思います! よろしくお願い致します。
多田直人 コメント
多田直人
またこんなシビアな物語を舞台化するとは…。ハードルも高く、挑戦的な公演になると思っています。ですがその分、俳優にとってはとてつもない「やりがい」を感じられるはず。臆することなくぶつかって、たくさん悩みもするでしょうが、東野圭吾さんの世界観をしっかり描けるように頑張ります。
この事件の謎を、ヒリヒリする物語を、登場人物たちと一緒に体感してくださると嬉しいです。劇場でお待ちしております。