【3・13後楽園ホール大会直前インタビュー】大仁田厚率いる邪道軍団との対戦に関根“シュレック”秀樹が咆哮「邪道に与したら負け。ストロングスタイルで勝つ!」
両手でのアイアンクローを見舞う関根“シュレック”秀樹が思いを激白
『ストロングスタイルプロレス Vol.33ーTHE 20th ANNIVERSARY YEARー』が3月13日(木)、後楽園ホールで開催される。
同大会には、大仁田厚率いる邪道軍団が来襲。間下隼人が迎撃に立ち上がると「俺がいるだろ!」と関根“シュレック”秀樹がこれに続いた。ここへ村上和成も加わり邪道軍を迎え撃つことになった。
レジェンド王座奪取を狙う関根は、戴冠歴のある自軍2人を強く意識。イデオロギー対決だという今回の対戦だけでなく、ベルトへの思いもを語った。
スーパー・タイガーへのジャーマン
『ストロングスタイルプロレス Vol.33ーTHE 20th ANNIVERSARY YEARー』
▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
村上和成(フリー)&間下隼人(ストロングスタイルプロレス)&関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)
vs
[邪道軍]大仁田厚&矢口壹琅&ザ・シューター2025
――今回邪道軍団の参戦を受け、すぐに対戦相手として名乗りを挙げました。
関根 元々学生時代によくFMWを観に行っていて、大仁田さんの聖水もよく浴びていたんです。だからそう考えると、今になって自分の人生の伏線回収ですよね。これまで色々やってきたことが、ここに来て全部回収に入ってます。やっぱりレジェンドには間違いないし、レジェンドには触れられるうちに触っとかなきゃいけないと思ってます。
永田裕志へのラリアット
――大仁田選手とは21年8月、電流爆破バット6人タッグデスマッチで対戦がありましたが、実際に対峙した邪道はいかがでしたか?
関根 これは大仁田さんに限らず、やっぱりレジェンドとやると“なんで俺がここにいるんだろう”っていう、そういう感覚に陥ります。かつてのいち観客だった自分がここに立っているっていう、そういう感慨もあって、もう気持ちが行ったり来たりします。
――同じように長くプロレスを観てきたファンは、シュレック選手のそうした気持ちがよく分かると思います。
関根 けど、やっぱりプロレスラーたるもの、いい試合をしてお客さんに満足して帰ってもらわないといけないから、自分の嬉しさとの間で感情が行ったり来たりするんです。でも、これって実は格闘技でRIZINとかのリングに立ってる時も同じなんです。一度は夢を諦めた自分が、憧れたリングに立って試合をしている。これは対戦相手や団体があるからこそやれている訳で、そういう感謝があります。これは柔術の時でもそうです。“この場に立てた”ということで対戦相手に感謝の念が絶えないです。
――ファイターとしてのシュレック選手の根底には、そういった思いがあると。
関根 今回タッグを組む間下選手も大仁田選手のファンだったというコメントを出してますけど、本当はダメなんです。でも、それをたしなめられない自分もいます(苦笑)。
スーパー・タイガーとの対戦
――そんな間下選手は大仁田選手が提示してきた「ストリートバンクハウスデスマッチ凶器準備全部集合」ルールをいち早く受けて立つ姿勢を示しました。
関根 間下くんはアントニオ猪木さんがいて佐山先生がいて、その下にスーパー・タイガーとともにいて、いわばストロングスタイルの直系です。その直系、最も濃いところが邪道を否定するどころか受け入れていくのはどうかという考えもあるかと思います。これは昭和の基準で言ったら間違いでしょう。
でも、時代に則して生き残っていかなきゃいけない。だから自分はある種の進化だと思います。昭和のストロングスタイルを今やってもダメだし、新しいストロングスタイルをやっていかなければならけない。だからストロングスタイル直系の間下くんが邪道すらも飲み込んで成長していく、そういうところも見どころじゃないかと思います。
――他のスタイルすら飲み込んでいくのがストロングスタイルと言いますか。
関根 それこそ猪木さんも海外で仕掛けられて、それまでのプロレスの概念にないものをやってきた。それで日本に戻って格闘技路線をやり、それが後のUWFや今のRIZINに繋がっています。だからステレオタイプにストロングスタイルは凶器を使わない、肉体と技で勝負をするっていう風に決めつけてしまうのもいかがなものだろうっていう思いが自分はあります。なので間下くんも邪道ルールを受け入れたからには進化したストロングスタイルを見せてほしい、そういう気概であってほしいです。
――シュレック選手自身はどのようにこの試合をとらえていますか?
関根 自分としてはシューターが気になりますけど、FMWの亡霊に負けないようにやるだけです。自分はプロレス歴ではまだまだひよっこかもしれないですけど、今年52歳で人生においてはいろんなことをやってきました。そろそろプロレスラーとしてひとつの形ができてきたと思うので、その自分流のプロレスで、邪道にもストロングスタイルにもタッグを組む村上さんにも負けたくないです。
――シュレック選手の場合は警官としてのキャリアや柔術をはじめとした格闘技を経てプロレスラーとなり、独自のスタイルがあると思います。
関根 もう今後は自分を出していく、出していかないといけないですよね。出せると思うし、もう既に出しているとも思います。
――そういった、いわば“シュレックスタイル”が確立されてきたと。
関根 だからこの試合は大会後半に置かれると思いますが、出場の6人はそれぞれ強烈なキャラクターを持っているので、自分がどれだけ魅せられるかだし、ここでやっぱり負けちゃいけないと思います。
永田戦
――そんな中で大会メインでは王者スーパー・タイガー選手に船木選手が挑むレジェンド王座の選手権試合が行われます。シュレック選手もレジェンド王座の獲得を目標に掲げられていますが、この試合についはいかがでしょう。
関根 今までレジェンド王座には真霜拳號選手と間下選手に2回挑戦して、ギリギリのところで手が届いていません。これはやっぱり自分のプロレスの浅さだと思います。プロレスには懐の深いところがあって、普通の試合であれば“これで決まるだろう”っていうところで試合が決まるんです。ただ、やっぱり王座、ベルトが懸かった時は“これで決まるだろう”から起きてくるのがチャンピオンシップなんです。それだけの力がベルトを持ってる者には宿っていると思います。やっぱりそういう第2エンジン、第3エンジンっていうのを真霜選手にしろ間下選手にしろ、やった時には感じました。
――チャンピオンにはそういった土壇場で発揮できる力があると。
関根 これは単純な耐久力だけでなく、心の問題もあると思います。それはやっぱり強烈な自負と自信だったり、それをこれからどうつけていくか。俺もまだ全然諦めていません。
――今は自身のスタイルも確立し、王座に手の届かなかった頃とは違う?
関根 やっぱりあの試合を機に“これでは勝てない”ということが分かって、1つ1つやってきました。試合では粘りを出して、普段の練習も日本のトップファイターであるサトシやクレベルと毎日やってます。そういう自信もあるので、そろそろプロレスに昇華していかないといけないと思ってます。
――では、今回の試合で培ってきた実力を見せ、アピールしないとならないですね。
関根 村上選手と間下選手は前チャンピオンと前の前のチャンピオンなので、チームですけどこの2人には負けたくないです。
――では、王座挑戦をにらみ、自軍の2人に対しても強く意識するところがあると。
関根 タッグは組みますが、自分として一番負けたくないのは村上選手と間下選手。相手が大仁田軍団なので何をしてくるか分からないけど、ストロングスタイルプロレスの王座を狙う者として相手よりも味方の2人に勝ちたいっていうのはあります。
――この試合を経て、近々のチャンピオンシップ実現が視野に入っている感じですね。
関根 メインでスーパーが勝つのか船木さんが勝つのか分からないけど、勝った方に照準を絞って自分も結果を出していかないといけないです。この試合の後でチャンピオンとタッグマッチが組まれたら当然チャンピオンを狙っていくし、直接取っていかないといけないと思います。スーパーにはシングルで負けてるし、船木さんは自分にとって憧れですけど、それを超えていかないといけないです。
――では、試合を楽しみにするファンの方たちへ最後にメッセージをお願いします。
関根 大仁田選手が何してくるか分かりませんが、俺たちはストロングスタイルプロスとして勝つ、それだけです。
――邪道に与しないと。
関根 邪道に与したら、それでフォールを奪ったとしても負けだと思います。これは単純な勝負の勝ち負けじゃなく、邪道vsストロングスタイルプロレスで組まれたからにはストロングスタイルで勝たないとダメなんです。こっちが凶器を使ったり反則をしたりして勝っても、それは大仁田さんの勝ちです。これは歴史が証明しています。
――結果だけでない、目に見えるものを超えたもっと大きな勝敗があると。
関根 これは単純な勝負じゃない、いわゆるイデオロギー対決です。全く別の思想に基づくプロレスがぶつかり合う、それを見てほしいです。
ポーズをとる関根“シュレック”秀樹