『CENTRAL』2日目のオフィシャルレポートが到着 キタニタツヤ×角野隼斗のスペシャルコラボやVTuber×リアルアーティストのライブパフォーマンスも
キタニタツヤ
2025年4月4日(金)から6日(日)に横浜で初開催された、新しい都市型フェス『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025』(以下『CENTRAL』)。2日目・4月5日(土)はKアリーナ、横浜赤レンガ倉庫 赤レンガパーク特設会場、KT Zepp Yokohama と3つの会場それぞれに独立したコンセプトを持ったフェスが開催された。本記事では、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。
【CENTRAL STAGE】
トップバッターは2024年に世界デビューを果たしたピアニスト・角野隼斗。誰もが知るラヴェルの「ボレロ」を角野隼斗のアレンジで奏で始めた。静謐な演奏は徐々に熱を帯びていった。自らも所属する6人組ツインリードヴォーカル・バンドPenthouseの浪岡真太郎と大島真帆を招き、Penthouseの楽曲「一難」と「恋におちたら」を披露。浪岡と大島の美しいボーカリゼーションと角野の流麗なピアノのハーモニーにオーディエンスは酔いしれた。角野が「実はもうひとりコラボしたい人がいます」と言って、この日のトリを務めるキタニタツヤが登場。実は大学の同級生同士の二人。角野がピアノアレンジしたキタニの「Moonthief」と「ユーモア」を披露するというスペシャルなコラボを展開した。
角野隼斗
二番手は人気アニメ「ぼっち・ざ・ろっく」の作中に登場する結束バンドだ。パワフルなアンサンブルの中、結束バンドのボーカル・喜多郁代を演じる声優、長谷川育美が姿を見せた。「忘れてやらない」「ラブソングが歌えない」を続けて歌った後、「結束バンドのライブが『忘れてやらない』みたいな明るい曲で始まるのは今回が初めて。『ラブソングが歌えない』はワンマンライブで披露して以来の2度目の披露です」とレアなセットリストであることを明かした。後半、結束バンドのギタリスト・後藤ひとりを演じる声優・青山吉能が登場。後藤ひとりの初のオリジナル曲「夢を束ねて」と、「ぼっち・ざ・ろっく」とは切っても切り離せないバンドであるASIAN KUNG-FU GENERATIONの「転がる岩、君に朝が降る」を愛とリスペクトを込めて歌った。
結束バンド
トリは先ほど角野のステージにも登場したキタニタツヤだ。気合が漲った表情を浮かべ、日本を代表するアニメ『BLEACH 千年血戦篇』のオープニングテーマであり、エッジーなギターロック曲「スカー」からライブをスタート。続いては、これまた日本を代表するアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』第1クールのオープニングテーマ曲としてなとりとコラボした「いらないもの」。MCでは「日本の音楽を世界に聞いてもらおうという野望がこのフェスにはあります。今日の角野隼人、結束バンド、キタニタツヤというぐちゃぐちゃしてて統一感のないラインナップこそJポップ。それを誇りに思って俺は演奏します」と伝えた。もちろんTVアニメ『呪術廻戦』 「懐玉・玉折」のオープニングテーマであり、キタニタツヤの名前を日本のみならず、世界に拡散した「青のすみか」も演奏し、オーディエンスを熱狂させ、堂々たるトリのパフォーマンスを見せつけた。
キタニタツヤ
【Echoes Baa】
赤レンガ倉庫 赤レンガパーク特設会場では、2024年4月に設立された新レーベル“Echoes”がキュレーションする「Echoes Baa」が2日間に渡って開催。ここでは“音楽や様々な表現があらゆる垣根を超えてこだまし、呼応し、成長していくための発信基地”というEchoesの理念を具現化。極上のライブパフォーマンスのみならず、様々なクリエイティブで表現される新しいエンタテイメント体験が、赤レンガ倉庫にこだました。
Echoes所属アーティストのライブパフォーマンスに加え、DJフロア、アートウォール、Echoesオリジナルグッズを販売する初のポップアップショップ「Echoes Maaket」の出店。YOASOBIと移動式書店・BOOK TRUCKのコラボレーションによる「旅する本屋さん YOASOBI号」も登場。シルクスクリーン体験やタフティング体験といった、ここでしか参加出来ないワークショップも大いに賑わっていたEchoes Baa。
快晴に恵まれ、絶好のフェス日和となったDAY1。メインステージにトップバッターで登場したのは、YOASOBI。OPナンバーの「アイドル」でオーディエンスを沸かすと、「夜に駆ける」、「UNDEAD」と人気曲を惜しみなく披露。MCでは「今年、初めて日本でやるライブなんです」と明かし、嬉しそうな笑顔を見せたikura。PlayStation(R)30周年記念プロジェクト『Project: MEMORY CARD』として、書き下ろした新曲「PLAYERS」を初披露すると、サビでは「もう一回 もう一回」の大合唱が生まれた。「ハルカ」、「ハルジオン」と続き、圧巻のパフォーマンスを魅せると、「群青」に会場中のシンガロングが起き、最高潮の盛り上がりでフィニッシュ。トップバッターの役割をしっかり果たした。
YOASOBI
続いての登場はKAFUNÉ。「大人ごっこ」、「脳内反省会」と人気曲でオーディエンスの心を掴むと、「カッコいいMC考えてきたんだけど、感謝が溢れちゃって……本当に嬉しい」と感謝を告げた人生。「最後、ブチアガって帰ろう!」と、ラストは「メルティラブ」を披露。渾身のパフォーマンスで会場中を踊らせた。
KAFUNÉ
「盛り上がっていけるか!?」とみきまりあ(Vo)が煽り、ツミキのかき鳴らすノイジーなギターが印象的な「INAZMA」で始まったNOMELON NOLEMONは、力強く堂々とした歌と演奏でオーディエンスをけん引。MCでは4月1日からEchoesに所属したことを報告し、「世界をびっくりさせる音楽を作りたい」と野望を語った彼女ら。「どうにかなっちゃいそう!」や「イエロウ」、最新曲「ミッドナイト・リフレクション」と振り幅のある楽曲たちでオーディエンスを魅了した。
NOMELON NOLEMON
キュートな笑顔を振りまいて登場したasmiは、「ドキメキダイアリー」で明るく元気にライブをスタート。夕暮れに似合う、チルなサウンドの「memory」や感動的なバラード「例えば」といった楽曲で豊かな表現力と多面的な魅力を見せると、「な、なんと!今日は発表があります」と4月からレーベルがEchoes所属になったことを発表。ラストは「PAKU」で会場に集まった全員がSNSでバイラルした手振りで大盛り上がりを見せ、とびきりの笑顔でステージを締めくくった。
asmi
「インザバックルーム」の攻撃的なパフォーマンスで始まったのは、スペシャルゲスト・syudouのステージ。イントロに歓声が上がった「ビターチョコデコレーション」にクラップを合わせたり、ライブが進むほどに一体感が生まれる会場。MCで5月に日本武道館ワンマンを行うことを告知すると、「あいきるゆぅ」で始まり激しい曲が続いた終盤戦は、アグレッシブなステージングで会場を沸かせた。
syudou
そして、初日のトリは、MAISONdes。“住人たちの部屋を覗き見して欲しい”という管理人の説明から、asmi&すりぃの「アイワナムチュー」で始まり、かやゆー&乃紫、meiyo&Pii、りりあ。、水槽と、MAISONdesの住人たちが次々と曲を繫いでいくステージは豪華で贅沢。
みきまりあ、れん、『ユイカ』、KAFUNÉがオーディエンスの熱を上げ、アユニ・D、くじらが自身の世界観に惹きこむと、煽りVTRで派手やかに登場したのは、少年サンデー&サンデーうぇぶりの漫画作品とのコラボが話題になっている、日曜日のメゾンデ。「モドキスキップ!」と新曲「ふり」の2曲を披露すると、ボーカル礼衣の歌唱力の高さに大きな拍手と歓声が起きた。ツミキがドラムを叩く生演奏に乗せて、バーチャルシンガーの花譜が歌った「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」に続き、最後に登場したのはasmi。「あ~、楽しかった!」と素直な感想を語り、「これはみんなの歌です」と披露した曲は「ヨワネハキ」。オーディエンスの歌声も響く中、MAISONdesのステージ、そして「Echoes Baa」初日を締めくくった。
すりぃ
かやゆー、乃紫
水槽
アユニ・D
くじら
花譜
【VIVAL】
VIVAL 第一部
▼天籠りのん
第1部のトップバッターを務めたのは天籠りのん。曲調が目まぐるしく展開する「虚無虚無です。」を炸裂し、キャッチーなメロディと振り付けがクセになる「メメメのメ」で一気に会場のボルテージを上げた。
▼NAO
NAOは姿を見せたと同時に「midnight parade」を歌うと一気に夜の世界へ誘った。続く「ジレンマ」は彼女にしか作れない刹那的な情景を描いた。
▼甘葛すもあ
甘葛すもあは「ショコラ・ザ・バス」でピンクでキュートな世界を作り、アコースティックで温かみのある「冠」、「Carol」で煌びやかさと心地よさをもたらした。
▼月白 累
月白 累は力強く生命力を感じるピアノと歌の「絶対零度の世界から」、心がギュッと締め付けられるような「メーデー」で感傷と希望を見せた。
▼IMI
IMIはストイックなビートとラップの「Bad girl」、ダークさと美しさのコントラストが印象的な「DRIVE」で活動半年とは思えないほど、高い表現力・歌唱力を見せつけた。
▼常勝無敗ぐぬぬ
常勝無敗ぐぬぬは、1曲目「黙ってらんない」を今の心境を表すかのように快活に歌っていて実に痛快だった。その後も「シャンパン」「恩反し」と雰囲気の異なる2曲を届け、音楽性の豊かさを提示した。
▼CULUA
CULUAはアッパーなダンスチューン「ハレバレ」で登場早々に勢いづけたかと思ったら、「ベビ・デビ」でさらに観るものに高揚感を与え、まさに圧巻のステージだった。
▼AKAGIMI
AKAGIMIは般若の面が飾られたインパクトの強いステージに現れ、和を感じる「序⿁」で唯一無二の宴へと誘い、「死花」「裏裏」で危険なムードにそそられる乱舞の空間を創出した。
▼奏みみ
奏みみは「ナニサマ?」の第一声からパワフルな歌声で圧倒。「Crazy Crew」では彼女の歌に合わせて無数のペンライトが上がり、“一体感”という絶景を生成した。
▼白玖ウタノ
トリを飾ったのは白玖ウタノ。のっけから「未来証明」で惚れ惚れするようなステージングで魅了した。物語性の高い「主人公になれるはずのストーリー」から、最後は新曲「BREAK OUT DREAMER」を初披露して特別感の高いライブで第1部を締めくくった。
VIVAL第二部
▼七海うらら
第2部の1番手を務めたのは、パラレルシンガーの七海うらら。「七海うららです! 私を知らなくても大丈夫です、誰1人置いていきません!」と発して、去年11月にリリースした1stフルアルバムの表題曲「Kiss and Cry」で幕を開けた。「命を懸けて生き様を歌います」と言って「Trigger」「Love and Hate」と力強いナンバーを投下し、会場の熱気を高めていった。最後に歌ったのは彼女にとって初のバラード曲「茜光」だ。 “美しい”と表現したくなる素晴らしいステージを魅せると、会場から盛大な拍手が起きた。
▼ClariS
続いて登場したのは、今年10月にデビュー15周年を迎えるClariS。この日は、オリジナルメンバーのクララに、新メンバーのエリー、アンナが加入した新体制として、初のライブハウスでのステージとなった。そんな記念すべきステージは、代表曲「コネクト」で序盤から熱狂を生んだ。続けて歌ったのは、新体制で初披露となった春にピッタリなポップチューン「STEP」。「SHIORI」「CLICK」「ヒトリゴト」を経て、最後に届けたのは“ClariS史上最もエモーショナル”と言われている新曲「Trigger」。彼女たちは明るくてかわいい曲や爽やかな曲を歌う印象が強いが、それを裏切るアグレッシブさに魅了された。
▼ヰ世界情緒
3番手は、バーチャルダークシンガーのヰ世界情緒がステージに上がった。まずは壮大なスケール感の「描き続けた君へ」、神々しい歌声が素晴らしい「果てなきソラへ」を披露。ここで観客に和やかに元気よく挨拶。歌っているときと違って、MCはいい具合に力が抜けているギャップも素敵だ。3曲目「みらいのかたち」はヰ世界情緒が作詞を手がけていて、彼女が自分の歩んできた人生と向き合い、“私”は何者なのかを表出しているように思えた。ラスト「シリウスの心臓」は、ここがライブハウスであることを忘れ、まるでヰ世界情緒という宇宙にいる感覚になった。
▼Reol
Reolはダンサー2人を引き連れ、ストリーミング1億再生超えをした代表曲「第六感」でライブスタート。<今が一番若いの>というフレーズの通り、今この時の歌唱が一番輝いて聴こえるのが素晴らしい。その後も勢いを緩めるどころか、「飛べるよ横浜! もっと飛べるよ!」と扇動して「煩悩遊戯」「十中八九」で観客の興奮を加速度的に高めていく。「みんなと歌いたいと思うんですね、一緒に歌えますか?」と声出しをレクチャーして「Boy」へ。ラストナンバーは「劣等上等」だ。会場全体がダンスフロアと化して、観客みんなが恍惚の表情を浮かべて音の渦に酔いしれた。
▼HIMEHINA
第2部のトリを任されたのは、田中ヒメと鈴木ヒナからなるVTuberユニット・HIMEHINAだ。大きな拍手に迎えられ、注目の一発目はクールな雰囲気を放つダンスナンバー「LADY CRAZY」を届けた。田中が「なんと我々が最後ということで…ここから怒涛の、怒涛の、怒涛のライブをしていきます!」と宣言すると、新曲「キスキツネ」をパフォーマンス。観客も2人と一緒に全身全霊で踊った。「マザードラッグ」「Hello, Hologram」「アダムとマダム」「絶望を翔る恒星」のショートアレンジを連発し、曲を重ねるごとに場内の熱が上昇していき、もはやカオスな状況。最後は大ヒット曲「愛包ダンスホール」を繰り出し、全員の心に特大の花火を上げて有終の美を飾った。
『CENTRAL』はライブだけにとどまらず、観客を巻き込む様々なエンタテインメントで横浜の街を賑わせた。
「Echoes Baa」では、数量限定のEchoesオリジナルグッズを販売する初のポップアップショップ「Echoes Maaket」や、シルクスクリーン体験やタフティング体験などユニークなワークショップも開催され参加者は作品づくりを楽しんだ。
また入場無料エリア「「CENTRAL FIELD」(臨港パーク)は4月4日(金)に引き続き開園。CENTRAL×金村美玖 展示企画「おもむく」では、他の企画に加え、本日横浜スタジアムで開催された『6回目のひな誕祭』の会場から、金村美玖が撮影した写真がリアルタイムで写し出される展示企画がスタート。
また「ぼっち・ざ・ろっく!」のトークステージではKアリーナでのライブに出演する直前の結束バンドのメンバー・青山吉能、長谷川育美の2人が登場するなど、晴天にも恵まれ『CENTRAL FIELD』は多くの来場者で賑わった。
桜木町駅前広場では、横浜市立桜丘高等学校吹奏楽部が『CENTRAL』出演アーティストの楽曲を演奏し、会場を盛り上げた。また、ライブ終演後には『横浜ナイトフラワーズ2025』と連携した花火が打ち上げられ、横浜の街全体が音楽とエンタテインメントの熱気に包まれた。