久本雅美「いくつになっても恋をする可愛らしい女性の思いを伝えられたら」 『花嫁 ~娘からの花束~』取材会レポートが公開

2025.4.15
レポート
舞台

(左から)丹羽貞仁、小林綾子、久本雅美、羽場裕一、石井ふく子

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2025年6月、三越劇場にて上演される、石井ふく子演出、久本雅美が主演を務める『花嫁 ~娘からの花束~』。この度、取材会が行われ、久本雅美、羽場裕一、小林綾子、丹羽貞仁、石井ふく子(演出)が登壇した。

『花嫁 ~娘からの花束~』取材会レポート

直木賞作家としても知られる脚本家・向田邦子が、『渡る世間は鬼ばかり』をはじめ数々の名作を生み出したプロデューサー・石井ふく子の依頼により執筆し、1977年に放送されたドラマ『花嫁』。東京・上野池之端の下町を舞台に、ある家族のもとへ舞い降りた母への縁談をきっかけに家族の絆を明るく深く描き出す名作は、昭和・平成と受け継がれ、ドラマ放送はもちろん、舞台化も繰り返されてきました。この度『花嫁 ~娘からの花束~』と題し、令和で初上演する。

石井ふく子

1977年に放送されたドラマ版から作品に関わる演出の石井は「『花嫁』は何回かやりましたけど、今回違う方々が出演されるので、もう1回『花嫁』の形を考えようとしております。私は、家の中に問題が起こってもそれをうまく解決できるような芝居を作っていきたいなと思いながら、ずっと家族のドラマをやってまいりました。今度も、心のあるドラマを作りたい。娘と息子と母親とがみんな心を通わせ、いろんな思いを表現できたらと思いながら、ここにお出でになる皆さんとご一緒に作りたいと思っております」と語る。

久本雅美

数々の名優が演じた主人公・片倉ちよを演じる久本は、「我慢強くて、ちゃきちゃきとして気持ちのいい人で、愛情もいっぱいあって、すごくかわいいチャーミングな人なので、自分なりに演じられたらいいな」と役への思い。「『還暦すぎて恋をしちゃった』というセリフがあって、同世代の人たちから見てもすごく素敵なセリフだなと思うので、自分の中でもうまく咀嚼して、いくつになっても恋をする可愛らしい女性の思いを伝えられたらいいなと思っております」と意気込んだ。

羽場裕一

ちよへ結婚を申し込む黒崎宇一を演じる羽場は、「台本を読ませていただいた時は、途中から涙腺がゆるみ始めて、最後までずっとポロポロ泣いておりました」と告白。「流れている空気感が柔らかくて、懐かしくて。難しいこともなく、ただただ真心同士が行き交っているだけという、本当に綺麗な台本だなと思って。それをやらせていただくということにはプレッシャーを感じているのですが、皆様に納得いただけるよう、ちよさんに『お嫁に行ってもいいよ』と言っていただけるような男を演じたいと思います」と、作品に感じた魅力と自身の思いを明かした。

小林綾子

ちよの長女・巴役の小林は、これまでに何度も同作に出演しており「向田邦子さんの、心のひだを描いている作品がとても大好き」とコメント。「10歳の頃からお世話になっている」という石井演出の魅力については「とても人の心を大切にされること。いつも先生は『形じゃなくて気持ちでお芝居をしなさい』とおっしゃるんです。大事なポイントを本当に熟知してらっしゃって、指導してくださいますし、だからこそ先生がいつも演出されるお芝居には、ずっとあたたかいものが通っている感じがします」と表した。

丹羽貞仁

ちよの長男・良一役の丹羽も、石井演出を受けてきた一人。「役者全員、カンパニー全員に心を配って、演出される時には目の前までお越しになられ、一つひとつの表情、目の動きなどをお客様の立場で見てくださり、細かなことまで1個ずつ教えていただいたのが僕の最初でした。本当に石井先生には感謝しかなく、今回『花嫁』で再チャレンジできるのはすごく嬉しく思っております」と、笑顔をみせた。

久本雅美

一方、久本は今回初めてタッグを組む石井について「正直、大先生でオーラがすごいですから、怖いというイメージはありました」と苦笑する。「でも、今まで先生とご一緒した丹羽さんや綾子ちゃんに『どういう人なの?』と聞いたら、皆さん『優しい』とおっしゃっていたので、やっと眠れるようになりました」と安心した様子。石井も「1度うちでお会いして、ちょっと台本を読んでいただいて、『ああ、よかったな』と思いました」と太鼓判を押し、会見の最後には、石井から「今度の皆さんとご一緒できることは、私の心の財産です。ありがとうございます」と心のこもった一言が飛び出した。

(左から)丹羽貞仁、小林綾子、久本雅美、羽場裕一、石井ふく子

『花嫁 ~娘からの花束~』は2025年6月1日(日)~24日(火)に三越劇場にて上演。さらに6月28日(土)富山県南砺市・南砺市井波総合文化センター、6月29日(日)石川県金沢市・北國新聞赤羽ホール、7月5日(土)福島県会津若松市・會津風雅堂、7月6日(日)岩手県一関市・一関文化センター、7月8日(火)宮城県仙台市・電力ホールと、全国で上演される。

公演情報

松竹創業百三十周年
『花嫁 ~娘からの花束~』

松竹創業百三十周年 『花嫁 ~娘からの花束~』

作:向田邦子  
演出:石井ふく子 
出演:久本雅美 小林綾子 上脇結友 瀬戸摩純 丹羽貞仁 羽場裕一 
鈴木章 生 児玉真二 兵頭有紀 小川絵莉

<東京公演>
日程:2025年6月1日(日)~24日(火)
会場:三越劇場
観劇料:10,000円(全席指定・税込)

【全国公演】
 日程・会場:2025年6月28日(土)14:00 富山県・南砺市 [南砺市井波総合文化センター] 
主催:南砺市井波総合文化センター
 
 日程・会場:2025年6月29日(日)14:00 石川県・金沢市 [北國新聞赤羽ホール] 
主催:一般財団法人北國芸術振興財団
 
 日程・会場:2025年7月5日(土)14:00 福島県・会津若松市 [會津風雅堂] 
主催:公益財団法人会津若松文化振興財団
 
 日程・会場:2025年7月6日(日)14:00 岩手県・一関市 [一関文化センター] 
主催:NPO 法人一関文化会議所
 
 日程・会場:2025年7月8日(火)11:00・15:00 宮城県・仙台市 [電力ホール] 
主催:藤崎友の会
 
※公演の詳細については、各主催者へお問い合わせください。
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