MUCC 「フェーズが変わる実感がある」――最新アルバム『1997』とそのアルバムを携えたツアーの手応えの理由とは
MUCC
4月2日にリリースした通算17枚目のオリジナルアルバム『1997』を携えた全国ツアー『MUCC TOUR 2025「Daydream 1997」』では、そのアルバム収録全曲をセットリストに組み込み、新曲群ながらもツアー初日から過去にないほどの盛り上がりを体感しているという。「フェーズが変わるってこういうことなんだという実感がある」と語るメンバーたちに、改めてアルバム『1997』について、そしてツアーの手応えの理由を聞いた。
――現在続行中の『MUCC TOUR 2025「Daydream 1997」』では、4月2日にリリースされたフルアルバム『1997』の全収録曲を組み込んだフルボリュームのセットリストをもって各地を行脚されているみなさんですが、今のところライヴでの手応えについてどのように感じていらっしゃいますか。
ミヤ(Gt):けっこうそれぞれの土地によって反応は違うなというのはあるんですけど、今回はいつも以上にいろんな楽しみ方、ノリ方をしてくれてる人が増えてるみたいで、かなり多様な雰囲気になってる感じがしますね。やってる側としても毎回そこが新鮮で面白いです。
YUKKE(Ba):今までいろいろやってきたニューアルバムのツアーと比べても、今回はいきなり初日からお客さんたちもこっち側も最っ高に楽しめてる感じがありますね。ライヴをやっていくことで、あらためて『1997』っていうアルバムの持ってる強さを感じてます。
逹瑯(Vo):多分、新曲ばっかりやるツアーの中では歴代トップクラスに入るノリの良さなんじゃないかと思いますよ。
■毎回ライヴのたびにいろんな楽しみ方をみんなと1本ずつ作っていってる感覚がある。(逹瑯)
――そういえば、逹瑯さんはツアー初日だった新潟LOTS公演の段階で「楽しいねぇ。なんか初日とは思えない感じ。今回のアルバムは最初の構想からどんどん曲が増えていきまして、気が付けばライヴ1本ほぼほぼ新曲でやっていかなきゃならない状態になってました。けっこう心配してたんですが、そんな心配は1曲目から、いや最初にSEが鳴った瞬間からどっか行っちゃったね!!」とおっしゃっていましたっけ。
逹瑯:あの初日があって、次の日に金沢、翌週には水戸で2デイズやって、さらに四国・岡山でもやってきてますけど、やっぱりその土地ごとに雰囲気の違いはありつつ、毎回ライヴのたびにいろんな楽しみ方をみんなと1本ずつ作っていってる感覚がありますね。
逹瑯
――ちなみに、ミヤさんも先ほど言及されていた“土地ごとの違い”というのは言語化するとどのようなものだったりするのでしょうか。
逹瑯:東京近郊なんかと比べると、地方だとライヴ自体に行けてる回数が少ないっていう意味で、久しぶりにMUCCを観るっていう人たちもいると思うんですね。そうなると、ちょっと最初は様子見っぽい感じになっちゃう感じは若干あるので、そこをこっち側が導いてあげた方がライヴとしてわかりやすくなるんだろうな、っていうのはあるかもしれないです。でも、そこを差っ引いても今回のツアーはすごく良い感じですよ。
ミヤ:新曲の多いツアーって、地方とかツアー前半のうちは保守的な雰囲気になりがちというか、自分から率先して好き勝手に盛り上がろう!みたいな人ってそんなにいないんですよ。でも、今回はみんなかなり自由に楽しんでるな、っていう感じがしますね。こっちが別に説明とかしなくても、自然と曲に合ったノリが生まれてることも多いし。そのへんは、なんか海外でやるライヴに近い感じになってきてるような気もします。
――さすがです。MUCCも夢烏(※ムッカー=MUCCファンの総称)さんたちも、共にここまで百戦錬磨を経てきているだけありますね。しかも、バンド側についてはあれだけの新曲群を一気にライヴで披露して、それを初日から高いクオリティで聴かせてみせているところに圧倒的底力を感じます。『1997』の各曲をツアーの場で演奏している中で、今みなさん何か感じていらっしゃることはありますか。
ミヤ:『1997』の曲たちはどれもテーマが一貫しているので、曲調としてはそれぞれに違ったとしても、イメージの部分では90年代というキーワードが全体をつなぎ止めてるのかなっていう感覚を演奏していても感じますね。まぁ、人によっては“これまでのMUCCっぽくない曲が並んでる”っていう感想をもらうこともありますけど、きっとそれだけ新しいものになってるっていうことなのかなとも思ってるんですよ。そして、その新しさを受け取る側が感じてるっていうことは、フロアの様子にも良い意味でよく表れてるんじゃないですかね。うちら自身もステージでそこを楽しみながらやれてます。
ミヤ
――『1997』の各曲は凝ったつくりになっているものも多いように感じるのですが、演奏面で手強さを感じるようなことはないのでしょうか。
ミヤ:ないっす。細かく挙げていけばあるにはあるんですけど、それより楽しさの方が勝ってるんで。今回は初日から緊張しなかったくらいです。
YUKKE:僕はその点、初日の新潟だけは久しぶりのライヴだったこともあってちょっと緊張してました(苦笑)。でも、2本目以降はアルバムの曲たちの持ってるパワーに引っ張られていってるというか、やればやるほど楽しさがどんどん増してきてます。
――ステージ上での逹瑯さんは、初日の新潟でどの曲も伸び伸びと歌っていらっしゃるように見えたのですけれど、その一方で『1997』の楽曲たちは歌の面で多くのことを要求されるものが多かったりするのでは?と感じたりもしました。そのあたり、実際のところはいかがなのでしょうか。
逹瑯:思ってたほどではなかったけど、それでも歌はちょっと大変です。『1997』の曲たちって、今までと同じ感じで歌おうとすると成立しないようなものも多いんですよ。だから、ツアー前にはライヴでの歌に関することをあらためて見直したりする必要があって、モニター環境もけっこう細かく調整していきました。そこはツアーを続けながら、今もちょっとずつクリアしていってる状況ですね。
――ラップやファルセットにシャウトなど多くのアプローチのボーカリゼイションが交錯する楽曲「蜻蛉と時計」をはじめとして、滑舌の面だけをとっても今回の新曲たちは一筋縄ではいかなさそうな曲が多くありませんか。
逹瑯:個々の曲がどうこうっていうのもそうなんだけど、それ以上にシングル曲を抜かしたとしても一気に10曲以上の新曲をライヴでやってくっていうこと自体が“何年ぶりなんだろう?”っていう感じなんで。まずは歌詞を頭にしっかり入れないとライヴになんねーな、っていうところからのスタートでした。頑張りましたよ。
――裏ではそうした地道な努力があるにも関わらず、敢えてこの言い方をさせていただきますと見事に“しれっと”ステージで歌われている逹瑯さんはさすがです。
逹瑯:あぁ、そう見えててくれるんだったら嬉しいですね。
YUKKE:今回のアルバムって、これまで以上に曲の振り幅が広いと思うんですよ。今ツアーで固定してやってるセットリストの流れでいくと、中盤で「October」のあとに「Boys be an Vicious」を演奏していくあたりのライヴ構成は、プレイヤーとしてもはっきりとした切り替えが必要になってくる場面になってますね。ベースに関して言えば使う楽器がそこで替わるし、奏法も変えてるし、当然サウンドとして出てくる音も違うんで、ベーシストとしてはその目まぐるしさをむしろ楽しんでやっている感じなんですよ。できれば、そういう1本のライヴの中での場面による変化みたいなところまでお客さんたちに楽しんでもらえると、こっちとしては嬉しいですね。
YUKKE
――たとえば、音源でも非常に良い味の出ていた「不死鳥」でのスラップベースなども、ライヴではより聴き応えがあるものになっていますものね。
YUKKE:ほんとですか? だったらよかった。ありがとうございます(笑)。
――そんな「不死鳥」では、音源だとフェイドアウトするアウトロでのミヤさんのギターソロも大きな見せ場になっているように感じております。なおかつ、今回の『MUCC TOUR 2025「Daydream 1997」』では音の面のみならず、衣装・照明・バックドロップを使っての空間づくりなど、演出面でも『1997』の世界観を絶妙に打ち出したライヴが展開されていますよね。みなさんがこのツアーに向けて、“見せ方”の面で何か意識されていたことがありましたらそれも教えてください。
逹瑯:ライヴハウスを廻っていくツアーなんで、ホールみたいに大掛かりなセットとかを使えない分、今回は衣装やステージングで『1997』の世界観を最後まで醸し出していくようにしてます。普段だったら、ライヴの途中で動きにくいから上着を脱いじゃったり、最初っから裸足でライヴをやったりっていうことが多いんですけど、今回はどこのライヴでも靴はずっと履いてるし、ジャケットも本編最後まで脱がずに頑張ってる(笑)。
ミヤ:衣装とかメイクが『1997』のコンセプトにちゃんと沿ってるんで、基本それでステージに立ってりゃOKみたいな感じにはなってますね。イメージ的には逹瑯がロカビリーで、YUKKEがブリティッシュ、俺はジャパンって感じです。
――それぞれに90年代ネオロカビリー系、90年代ブリットポップ系、90年代やんちゃ系と、時代感は共通しつつも方向性は違っているところに味わい深さを感じます。しかも、てんでバラバラなようでいて不思議とバランスがとれているところも素晴らしいです。
ミヤ:衣装のカラーをメンバーごとに分けたら面白いんじゃない?っていう意見が若手のマネージャーから出て来て、うちらとしても“いいね”ってなったんですよ。そういう多彩さっていうのはアルバムの内容ともリンクすると思ったから、そのアイディアを長年やってくれてるスタイリストとも相談しながら拡げていって、こうなりました。みんなの意見がいい感じでまとまったんじゃないかと思います。
YUKKE:衣装って、やっぱり気持ちの部分を引っ張ってってくれる大切な要素だったりするんですよね。今回の衣装に関しては、特にピックでガシガシ弾くような曲をこういうストライプのシャツとネクタイっていう格好でやってる感じが、自分の気分的に凄くアガって楽しいです(笑)。あと、見せ方の面でいうとこれまでは僕が一番最初にステージに出て行くことがほとんどだったんですけど、今回はSEが鳴ってまずはサポートのAllen(Dr)とトオルさん(Key)が先に出て行って、2人がまずはちょっと演奏を始めるっていう流れになってるんで、既にフロアがわりと盛り上がった状態の中で自分も出て行けるっていうのが今までにない感じで新鮮です。
逹瑯
――サポートメンバーといえば、今回はキーボード・吉田トオルさんの衣装とメイクの風情がいつもより“濃いめ”ですよね。
ミヤ:あれは俺がちょっとワガママ言って、敢えて“ああいう感じ”にしてもらったんですよ。江戸川乱歩の現代版みたいな感じで、って頼んだんです。似合ってますよね(笑)。
――今ツアーでのトオルさんは、90年代どころか80年代の面影まで発している「LIP STICK」にて、ショルダーキーボードでのソロをステージセンターまで躍り出ながら披露してくださっており、あの場面もひとつの見どころとなっている印象です。
ミヤ:ただ、新潟の時は音がちゃんと出なかったんですよ(苦笑)。あの後も何回も失敗してるんですけど、徐々に成功率は上がってはきてますかね。
YUKKE:弾いてることも毎回違ってて、あれは完全にナマモノです(笑)。
■「Daydream Believer」の可能性をもっと伸ばしたい。この曲はこの先のMUCCにとっても重要な曲になっていくと思う。(YUKKE)
――ナマモノだからこその醍醐味が詰まったツアーは、ファイナルとなる6月7日の川崎CLUB CITTA' 公演までさらに続いていくことになりますが、みなさんがここから“さらにこのツアーで追求していきたいこと”は何かございますでしょうか。
逹瑯:さっきYUKKEが言ってた、「October」以降の中盤ブロックに関する見せ方、聴かせ方をもっと掴み切れたらいいなっていうのはありますね。あのあたりって、もっと深く濃くできる気がするんですよ。アタマの方とか後半はもうかなり良い感じでやれてるし、中盤もこの段階で全然良いんだけど、まだ良くなる余地はありそうなのかなと。
――本編中盤はテンポ的にそこまで速くはない曲たちが並んでいることもあり、歌の力でいかに惹き込んでいくか?という部分も大きそうです。
逹瑯:理想としては、歌とリズムで観てる側を躍動させたいんですよ。じっと観る感じになっちゃうとか、じっくり聴き入っちゃう感じではなくて。フロントマンとしてそこをどう導き、どう促していくかがもっと明確に見えてくると、さらに良くなると思います。
YUKKE:僕がこのツアーでさらに追求していきたいと思ってるのは、アルバムの最後に入ってて、毎回本編でも最後にやってる「Daydream Believer」の持ってる大きな可能性をもっと伸ばしたいっていうことですね。去年からちょこちょこライヴでやってて、その時からお客さんたちもノリやすそうだなっていう感覚はあったんですけど、アルバムが出てツアーが始まってみると、これはもう『1997』に入ってる曲だからとか、そういう次元さえ既に超えつつある曲として成長してきてるな、と感じるようになってきてるんです。きっと、この曲はこの先のMUCCにとっても重要な曲になっていくと思ってます。
――確か、ライヴで「Daydream Believer」が初披露となったのは昨年11月5日にZepp Shinjuku公演で開催された『YUKKE 45 BIRTHDAY LIVE!<今日だけは許してください Daydream>』の場でしたよね。あの場で初めて聴いた時から、この曲は普遍性を内包しているなと感じてはいたものの、まさに今回のツアーではその予感がいよいよ確証に変わったように感じます。
ミヤ:「Daydream Believer」は、今回のツアーでお客さんが歌うみたいな新しいパートも自然と出来上がってきてますからね。まぁ、このままツアーを続けていけばそれ以外の部分も含めたあらゆる面で良くなっていくのは間違いないと思いますよ。「蒼」なんかも、初日より明らかに進化してますしね。かなりディープになってきてて、1日ごとに変化を感じるくらいなんです。まだツアーが1/3しか終わってない(※取材当時)って考えると、ここからどうなってくのかも楽しみですね。お客さんたちがフロアで揺れてる感じも、雰囲気としていいなって思います。
ミヤ
――それから、ツアー初日の新潟では逹瑯さんが“今日やるのはほとんどが新曲になりますが、新しい曲たちでのライヴでみなさんと一緒に時間旅行をしていけたらいいんじゃないのかな、と思っております。新しい『1997』の曲たちで懐かしさを感じていってください”とMCされる場面もありました。現状その“時間旅行”がどのような進み方をしていってるのか、ということもぜひうかがわせてください。
逹瑯:今回の曲たちは時間を感じさせるサウンドを持ったものが多いし、いろんな時代の空気感を醸し出すような新曲たちになってますからね。人によっては初めて聴くのになんだか青春を感じたり、人それぞれが持ってる記憶を呼び覚ましたり、誰かの想い出をくすぐるような感じになったりとか、各曲がみんなの心の中に触れていくことになればいいなと思っているんですよ。要は、その気持ちから出て来たのがあの“時間旅行”っていう言葉だったんです。こっち側としては、そういうたくさんのことを感じたうえで帰ってもらえれば嬉しいなと思いつつ日々やってますね。
ミヤ:『1997』はいろんな時代を回遊するようなアルバムにしたいっていうことで作り始めたんで、そこはライヴでも表現できてるんじゃないかと思います。手紙とかDMでもいろいろ感想をもらってて、このあいだ来てたのは“当時の歯がゆかった記憶を、音を聴くだけで思い出してちょっとイヤな気分になりました。でも、それって凄いことだなとも思いました”っていう内容でしたね。
――なるほど。2025年にリリースされた新曲なのに、聴いていたら90年代のトラウマが甦って来てしまった、ということだったわけですか。
ミヤ:そういうの、面白いっすよね。2025年のリリースなんだけど、当時にしかなかったようなサウンドになってるから、その頃の空気感を思い出してしまうみたいな。
――90年代をリアルに生きていた世代からすると、当時は誰もが今よりも“若かりし頃”だったはずですので。“振り返ってみると、あれはイタかったなぁ”という経験をお持ちの方も、そこそこはいらっしゃるはずですよ。
逹瑯:そういう経験、なんかあります?
――えっ。逆質問ですか?? ……ベタで恐縮ですけれど“何故あの人ことを好きだったのだろう”とか、“あの発言・行動はさすがに若気の至り過ぎた”など諸々あります(苦笑)。
逹瑯:あははは、そうなんだ(笑)。
――話を元に戻しましょう。YUKKEさんは“時間旅行”を今どのように感じています?
YUKKE:今回のツアーは自分にとっての時間旅行でもあるし、いろんなタイプの曲を演奏することで、音楽のいろんなジャンルを渡り歩いて旅してるような感覚もありますね。あと、アルバムのコンセプトと付随するところで今回はツアーと同時にインストアで“プリントムッ倶楽部”っていうプリクラ企画も各地でやってて、それも時間旅行的な感覚で楽しめる遊びになってるんじゃないかと思います。
YUKKE
■『1997』を作ったことで新しい視点を発見できた。コンセプトを立てて作品を仕上げた時に、さらに見えてきたものがあった。(ミヤ)
――MUCCにとっての『1997』というアルバムは、単なる新作という以上の深い意味を持った作品として、今その存在感を日に日に強めてきているようですね。
ミヤ:こういうテーマでアルバムを作ってなければ、MUCCを始めた1997年当時の気分を今になって俯瞰しながら詞を書くとか、そういうことは多分やってなかったと思うんですよ。そういう意味でいくと、今回『1997』を作ったことで新しい視点を発見できた感じはありますね。コンセプトを立ててそういう作品を仕上げた時に、さらに見えてきたものがあったっていうのが良かったです。
逹瑯:90年代オマージュでアルバムを作ろうってなった時、あの時代ってどんな感じだったかな?って思い返すところから始まり、曲や詞を作り出して、いざ出来上がってみたら『1997』って“セルフタイトルがついたみたいなアルバムになったな”って感じたんですよ。MUCCにとってはここまでの28年とか30年近い歴史の中でもけっこう大きい位置づけの作品になったし、なっていくんじゃないかと思います。
YUKKE:最初からこれだけはっきりしたコンセプトを掲げて始まった制作って、実はこれまであんまりなかったんですよね。そして、出来上がってみたら90年代っていうテーマもしっかり表現されてる内容になったんですけど、それだけじゃなくてちゃんと“今のMUCC”の作品として成立したものになったんだなっていうことは、実際にリリースされてからみんなの感想とか反応を通じて認識したことなんですよ。自分が想像していた以上にみんなが楽しんで聴いてくれてる、っていう事実がほんとに嬉しいです。作った側としても凄くいいアルバムを作りました!っていう達成感があるし、みんなが“このアルバム大好きです!”って言ってくれる気持ちが合わさって、今ツアーも凄くいい状態でやれているのでとてもありがたいです。
――新曲たちをたくさん楽しめる本編に対し、アンコールではMUCCのライヴにおける鉄板楽曲などが楽しめるセトリとなっているところも今ツアーの嬉しいところですよね。
ミヤ:アンコールで2曲目にやる曲はほぼ日替わりで毎回変えてるんで、今回のツアーではそこに新ネタを入れて遊んでる感じがあります。
――さて。6月7日の川崎 CLUB CITTA' 公演まで続く『MUCC TOUR 2025「Daydream 1997」』は、ここから佳境を迎えていくことになると思いますが、もし今この記事を読んでくださっている方たちの中に“今回のツアー、行くかどうかまだ迷っている”という方がいるとしたら、みなさんはどのようなお声がけをされますか。
YUKKE:今のところ6本やってみて、同じライヴってないんですよ。目に見えて毎回いろんなことが違ってきてるし、新しい部分も出て来て、それが最高に面白いんです。今もし迷ってるくらいだったら、その人はおそらくアルバムも聴いてくれてるだろうから、この曲たちを生でも体験しに来て欲しいですね。一緒に時間旅行しましょう!
ミヤ:アルバムの曲をフルで聴けるって、リリースした直後のツアーくらいじゃないですか。だから、今のうちに体感してもらいたいっていうのはありますよ。でも、もしアルバムを聴いてなくても充分に楽しめるライヴだとは思います。中には、それこそ“ライヴで観てからアルバムを聴きたい”っていうファンの人もいるみたいだし、俺もその気持ちはわかるんで。まずは遊びに来て欲しいし、なにしろ自分ら自身が過去イチでステージを楽しめてますからね。それも今までとは別次元な領域にまで入ってきてるんですよ。
――5月4日で始動から28年を迎えたMUCCが、ここに来てさらなる別次元に突入しているというのは素晴らしいことですね。
ミヤ:フェーズが変わるって、こういうことなんだなっていう実感があるんで。そういうMUCCの別次元っていうものを、思いっきり体感してもらいたいっす。あと、今回どこの会場にも必ず子連れのお客さんがいるんですよね。それも前の方とか最前とかに。これまでも後ろの方に来てるのは知ってたけど、最近は親子でフロアにいる姿をよく見かけるんです。高松の時もいたよね?
逹瑯:いたいた。見えにくいからなのか、お父さんがずっと抱っこしながら観てたよ。
――MUCCが世代を超えて愛されるバンドになってきた、というのは感慨深いですね。
ミヤ:子育てしてた人たちの子供が大きくなってきて、だんだんライヴにも連れて来られるようになってきてるんでしょうね。そういう傾向って良いと思います。
逹瑯:まぁ、みんなにも生活とかある中で、人によってはライヴに行ける機会って貴重なものだったりすることもあるとは思うんですよ。だけど、そんな中でも新譜のタイミングでこういうインタビューをチェックして読んでくれてる人っていうのは、気持ちがまだつながってるわけじゃないですか。だとしたら、やっぱりライヴってワクワクするし、ドキドキして何が起こるんだろう!?っていう気持ちになれる楽しい場所だよ、っていうことをここで再確認するのにメチャメチャちょうどいいアルバムが『1997』なんで、まだ触れてない人たちもこの時間旅行の世界にぜひ触れに来て欲しいです。待ってます!
取材・文=杉江由紀 撮影=冨田味我
ライブ情報
■ミヤ
https://55-69.com/news/25346
リリース情報
品番:TKCA-75270 価格:6,900円(税込) スリーブケース+40Pブックレット付
<Blu-ray収録内容>
LuV Together 2024 2024.09.16 EX THEATER ROPPONGI
品番:TKCA-75271 価格:3,400円(税込)
<CD収録曲>※初回限定盤、通常盤 共通
01.Daydream
02.桜
03.蜻蛉と時計
04.invader(2025 Remaster)
05.Boys be an Vicious
06.Guilty Man
07.B&W
08.October(2025 Remaster)
09.LIP STICK
10.Round & Round
11.△(トライアングル)
12.不死鳥
13.空っぽの未来
14.蒼
15.愛の唄(2025 Remaster)
16.Daydream Believer
イベント情報
参加方法等は徳間ジャパンHPをご確認ください。
https://www.tkma.co.jp/jpop_news_detail/MUCC.html?nid=17569
■MUCC ニュー・アルバム「1997」発売記念 インターネットサイン会 「リミスタムッ倶楽部」