FM802 DJ'sが見た『MEET THE WORLD BEAT 2025』ーー「音楽の力とミラクルを感じた1日」DJ’s撮り下ろしの写真も独占大公開

2025.6.18
レポート
音楽

MEET THE WORLD BEAT 写真提供:FM802、撮影:田浦ボン・ハヤシマコ・キョートタナカ

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5月17日(土)、大阪・万博記念公園自然文化園 もみじ川芝生広場で『MEET THE WORLD BEAT 2025』が開催された。本公演は「ラジオで音楽を伝え、ライブでアーティストを伝える」をコンセプトに、1990年より毎年開催されている野外音楽イベントだ。コロナ禍での無観客開催もありながら、開局36年目を迎える今年は、アイナ・ジ・エンド、新しい学校のリーダーズ、いきものがかり、Omoinotake、Saucy Dog、Tele、RIP SLYMEが出演。数々の名曲を響かせて、大団円で終了した。今回SPICEでは「FM802 DJ'sが見た『MEET THE WORLD BEAT(以下、ミザワビ)』」をレポート! DJの落合健太郎と内田絢子に「写ルンです」を渡し、各々の目線で『ミザワビ』を切り取ってもらった。そして今年4月からFM802 DJに仲間入りした、中島大静と岡田夏旺にも密着! 同様に「写ルンです」を手に、初めての『ミザワビ』の裏側をキャッチしてもらうことに。果たしてDJ'sにとって、どんな1日になったのだろうか。

AM10:30を少し過ぎた頃、開場がスタートした。しかしこの日の天気は雨。しかも雨足がだんだん強まり、最も激しい時間に来場者が入場するという状況に。土砂降りの中でDJのハタノユウスケが「本日はお足元の悪い中ご来場いただきまして、誠にありがとうございます。気を付けて、1歩1歩お進みください」とオーディエンスに呼びかけながらも、「皆さん、雨関係なく全力で楽しめますか!」と士気を高めていた。

新人DJの中島と岡田は、両者とも現役の大学生。今回の『ミザワビ』は2人にとって、DJ就任以来初めての802のライブイベントだ。ちなみに岡田は2022年ぶりの、中島は初の『ミザワビ』だそう。雨でぬかるむ道を歩きつつ、カッパ姿で現れた2人。岡田は会場を見て「広い! 天気が良かったらすごい気持ち良いだろうな」と想いを馳せる。「でも雨だと逆にチーム感が生まれるというか。皆で立ち向かってる感じがします」と頼もしい言葉。そしてサッカー経験者の中島は、雨を弾き飛ばしそうな爽やかな笑顔で「雨が降れば降るほど、テンションが上がります!」とスポーツマンらしく目を輝かせていた。

2人は18:00頃、大トリのいきものがかりの出番前に先輩DJの大抜卓人と共に登壇し、14,000人のリスナーの前で挨拶するという一大ミッションを控えていた。「緊張しますよね~。14,000人の想像ができない」と言いつつも「楽しみしかない!(中島)」「楽しみます!(岡田)」と気合い十分。

トップバッターのTeleが登場する頃には、雨はすっかり上がり、気持ちの良い風が公園を吹き抜けた。その後も雨は降らずに推移。久しぶりに登場したアーティストも、初登場のアーティストも、音楽に想いを乗せて最高の時間を届けてくれた。まさに、リスナーとアーティストの願いが起こした奇跡だった。

そして、いよいよ見渡す限りのオーディエンスの前に立った中島と岡田。薄いピンクの羽をつけた2人(お祭りだからということで岡田が持参した私物だそう!)は、大抜に「4月から新しいDJの仲間が増えました!」と紹介されて、少し緊張した面持ちで挨拶。現在、隔週で担当している番組『RIVERSIDE IN YOUR HEART(毎週金曜27〜29:00)』を「学生なのでフレッシュな番組になっています。聴くときっと大らかな気持ちになれます(岡田)」「ゆっくりする時間をテーマにお届けしています(中島)」と、それぞれPRした。

17年ぶりに『ミザワビ』に出演したいきものがかりのライブは、言わずもがなの盛り上がり。名曲揃いのセットリストに会場全体が大興奮! ラストセッションの「じょいふる」ではFM802 DJ’sもステージに上がり、岡田と中島も先輩DJに混じって全力でタオルを振り回す。これ以上ないほどのキラキラした笑顔でスペシャルな時を楽しんでいた。

熱狂の渦に包まれて終了した今年の『ミザワビ』(オフィシャルライブレポートはこちら)。興奮さめやらぬバックステージで、落合を直撃してみた。

FM802 DJ落合健太郎が撮影

FM802 DJ落合健太郎が撮影

落合は「雨がどうなるのかすごく心配してたんですけど、本番中は雨が降らず、奇跡のような1日でした。今回は初出演のアーティストの方も多かったんですけど、久々のRIP SLYMEをはじめ、音楽を聴きながら「自分はこの音楽をどんなふうに聴いてたかな」と昔のことも思い出すような、すごくかけがえのないミラクルな『MTWB』でしたね」と総括。

FM802 DJ落合健太郎が撮影

新DJ'sの印象を訊いてみると「夏旺ちゃんは『Chillin' Sunday(毎週日曜15〜18:00)』で「東京くるーじん」というコーナーを2年半やってくれていたから、いよいよかという感じ。今日ステージに登場する時に羽をつけてくるあたりとか、この2人はこれから色々やってくれるんじゃないかなという感じがするし、中島くんもステージ映えしてたよ!」と、偶然居合わせたハタノも巻き込んで、わいわいと仲の良い様子を見せてくれた。

FM802 DJ落合健太郎が撮影

FM802 DJ落合健太郎が撮影

そんな先輩・落合のことを岡田は「いざDJをやってみると、喋ることの難しさを痛感するんですけど、オチケンさんがサラサラと喋っているから本当にすごいなって」。中島も「レジェンドです。ずっとオンエアを聴いていたから、目の前にいるのが信じられない気持ち。追いかけていきたいです」と尊敬の念を示す。落合も「2人が新しく仲間に加わってくれたのはすごく嬉しいし、色んな刺激をいただきたいなと思いました。共に頑張っていきましょう!」と激励していた。

FM802 DJ落合健太郎が撮影

落合はDJ’sのオフステージや、出番直前のアーティストとの自撮りなどを「写ルンです」におさめてくれた。フィルムカメラのため「今はすぐに答えが分かっちゃうことが多いけど、どう撮れてるかわからないというのはすごく良いなと思いました。27枚あっという間に撮り切っちゃいました」と笑っていた。

FM802 DJ内田絢子が撮影

FM802 DJ内田絢子が撮影

続いては内田の元へ。内田は1日を振り返り「皆の想いが通じて、ライブの始まりと同時に雨が止んだのが、またひとつ伝説になる気がしました。フレッシュなTeleから勢いよくスタートして、RIP SLYME、いきものがかりと久しぶりに出てくださるアーティストもいたので、これまでラジオで出会った名曲がたくさん聴こえてくる感じも、今年の『ミザワビ』ならではだった。皆「自分の思い出の曲が聴こえてきた!」という空気になっているのがすごく良かったな。そして最後の「じょいふる」の一体感! ステージから見た皆の笑顔が本当にキラキラしていて、やっぱりこれが『MTWB』だなと、すごく感じました」と、とびきりの笑顔で答えてくれた。

FM802 DJ内田絢子が撮影

中島と岡田については「2人とも素直な人柄がトークから滲み出ていて。「夏旺ちゃんは、大静くんはこういう子なんだろうな」と伝わるナチュラルなエピソードもいっぱい出てくるし、声のトーンもリラックスしてるし、ラジオは本当に人柄が伝わるものだなと改めて感じました。フレッシュな番組で、私たちも聴きながら大切なことを思い出させてもらったり。2人が好きなものを、ラジオから受け取ってほしいです」とお墨付きだった。

FM802 DJ内田絢子が撮影

FM802 DJ内田絢子が撮影

では内田は、2人にとってどんな先輩だろうか。「本当に優しい方です! 質問をした時は丁寧に答えてくれたり、嬉しいお言葉も投げかけてくれたりと、まだまだ不安なことが多い中で、内田さんには支えられてます。初回の収録前に内田さんに笑顔でお話ししていただいたおかげで、少しリラックスして臨めました(中島)」「「きっと笑顔で話しているんだろうな……」と表情が浮かぶような、爽やかで明るいトーンで話す内田さんが、DJデビューする前から大好きでした。実際にお会いしたら、あの素敵な笑顔でお話ししてくださり、すごく嬉しかったです。DJになったからこそ、毎週金曜朝の「6時間」生放送のすさまじさが分かり、内田さんの揺るぎないハッピーオーラはどこから来ているのか気になっています(岡田)」と、やはり尊敬が止まらないようだった。

FM802 DJ内田絢子が撮影

内田は声をかけてくれたリスナーや、ライブを楽しむ子どもたちの後ろ姿、裏でのアーティストの収録の雰囲気などを「写ルンです」でキャッチしてくれた。スマホのように撮り直しができないことから、あらかじめスマホで構図を確認しながらシャッターを切ったそうで、写真1枚の貴重さを噛み締めていた。

Tele

そして岡田と中島に、各アーティストのライブの感想を訊いてみた。まずはトップバッターのTele。「雨が上がってすぐで、どうなるんだろうという空気感があったと思うんですけど、すごくスカンと突き抜けて音楽で掌握するというか。私は18:00の登壇がずっと頭にあったんですけど、最初に同い年のTeleを見て励まされました(岡田)」「雨が降ってどんよりした空気を一気に変えてくれました。皆で風を浴びたのがすごく印象的で、一体感が生まれたのがすごかったです(中島)」と勇気をもらったようだった。

アイナ・ジ・エンド

続いてはアイナ・ジ・エンド。「初めて生でパフォーマンスを観たんですけど、巻き込み型というか、カッコ良いし可愛いし……もう射抜かれました(中島)」「表現力で仕草で歌で、全部で心を鷲掴みにされるというか……観ていいんだろうかとドキドキしました(岡田)」と、すっかり魅力にやられた様子だった。

Omoinotake

極上のアンサンブルを響かせたOmoinotakeは「個人的に「EVERBLUE」が聴きたくて、念願の生「EVERBLUE」だったんですけど、一言目から掴まれた感じがして感動しました(中島)」「好きでよく音源を聴いていたんですけど、ライブで聴くと伝える力にすごく引き込まれました。言葉が入ってきて足を止めさせられるというか、力のあるライブでした(岡田)」と生歌の力をしっかりと感じたと伝えてくれた。

新しい学校のリーダーズ

岡田が「世界を舞台に活躍されている人を観れるのが楽しみ」と話していた、新しい学校のリーダーズは「会場の空気が一気に盛り上がったパフォーマンスでした。「魅せる」ことが圧倒的に上手な方たちなんだなと思いました。観客を巻き込みながらの全く飽きない構成で、皆さんが本当に楽しそうで、僕自身も最高に楽しめました(中島)」「旗を風になびかせて登場した瞬間から、明らかに会場の空気が変わるのを感じ、これから何が起こるのかとワクワクしっぱなしの時間でした。SUZUKAさんが客席に降りてズンズン観客の中に入っていき、お客さんに囲まれた状況で思い切りパフォーマンスをするたくましい姿に、人はこんなふうに生きることもできるんだと感動しました(岡田)」と、興奮しきりだった。

RIP SLYME

18年ぶりの『ミザワビ』登場となったRIP SLYMEについては「生きる伝説という感じで、本当にカッコ良かったです。イントロを聴いただけでもすぐに分かる曲ばかりで、テンションがずっと最高潮でした!(中島)」「まさか5人のRIP SLYMEのライブを生で観ることができるなんて……しかも外で! 気持ちの良い風に吹かれながら!! 全てが心地良くてカッコ良くて、夢心地でした!!!「楽園ベイベー」は毎年万博記念公園で聴きたいくらいです……!(岡田)」と大スターの復活にアガりまくっていた。

Saucy Dog

第101回全国高校サッカー選手権大会の応援歌「現在を生きるのだ。」を歌っていたSaucy Dogが楽しみだと言っていた中島は、ちょうど裏で打ち合わせがあったようだが「裏にいても観客の皆さんが聴き入るようなパフォーマンスだということが伝わってくるライブでした!」と高揚。岡田は「登壇直前だったので、ものすごくドキドキしながらバックステージのモニターで観ていました。モニター越しに、Saucy Dogの作り上げる熱くて優しい雰囲気が伝わってきて、かなり緊張がほぐれました!! 普段どおりでいれば大丈夫だと言ってもらえるようなステージでした」と話してくれた。

いきものがかり

そして2人が「直撃世代」だと話していた、いきものがかり。中島は「名曲をたくさん歌っていただけて泣きそうになりました。「ありがとう」や「ブルーバード」など、小学生の頃に聴いていた曲たちが流れた瞬間、当時の記憶が一気に蘇ってきて、音楽と記憶ってこんなにも結びついてるんだなと思わされた圧巻のステージでした。今もまだ、いきものがかりと「じょいふる」を歌ったことが信じられないです!」と大興奮。

初めて自分でCDを買ったアーティストがいきものがかりだという岡田は「いきものがかりの音楽と人生を共にしてきたので、たくさんのことを思い出しながら聴いていました。同時に私といきものがかりとの物語も更新されている感動があり、ちょっと泣きました……。強烈な経験ばかりの1日の中で、真っ先に頭に浮かんでくるのは「じょいふる」の時間です。身体に染みついた「じょいふる」に合わせてタオルを思い切り振り回していたら、目の前で水野さんがギターを弾き、吉岡さんがのびのびと歌い、そして正面には14,000人のタオルを回す皆さんがいて。こんな場所に自分はやって来たんだと、その時急に理解した気がします。途中ギターを弾いている水野さんと目が合って、思わずお互いフッと笑みがこぼれた瞬間が脳裏に焼き付いています。1日緊張を溜めていた身体から全部を振り払うように暴れられて、最高でした。ステージは自己を解放するための場所なんだと思いました」と熱く語ってくれた。

FM802 DJ岡田夏旺、DJ中島大静が撮影

FM802 DJ岡田夏旺、DJ中島大静が撮影

最後に、2人に1日を総括してもらった。中島は「全てにテンションが上がりました! ステージに上がった時や、ライブを観ている時に観客の熱気がものすごく伝わってきて、『MTWB』は愛され続けてきたイベントなんだなと、改めて思わされる1日でした。14,000人の前に立つのは非常に緊張しましたが、一緒に上がった夏旺さんと憧れの卓人さんがとても頼もしかったです! 数分間だったのに、とても長く感じる楽しい経験でした。そしてどのアーティストも素晴らしいパフォーマンスで、「まだまだ聴きたい! ワンマンに行きたい!」と、さらに魅力にハマってしまいました」と多くのことを吸収した様子だった。

FM802 DJ岡田夏旺、DJ中島大静が撮影

FM802 DJ岡田夏旺、DJ中島大静が撮影

岡田は「100点満点中、500点!!!」と高得点をつけた。「ご褒美でもあり試練でもあるような、緊張と楽しさが入り混じった1日をよくぞ走り切った!!! と自分を褒め称えています。何といっても「これ本当に止むの……?」と誰もが思っていたであろう土砂降りが、Teleのステージが始まる少し前に止むという奇跡も起こり、低気圧と緊張でどんよりしていた自分の気持ちもぐんぐん高まり、音楽のすごさを色んな角度から感じた1日でした。

FM802 DJ岡田夏旺、DJ中島大静が撮影

またDJとして裏側を見て、『MTWB』というステージが、精神的にも物理的にも人の手によって作られていることを、生々しく実感しました。その一部として自分もここに立っているのだと思うと、気が引き締まりました。来年が楽しみです!」と熱意を見せた。これからの2人の活躍を心待ちにしていよう。

FM802 DJ岡田夏旺、DJ中島大静が撮影

取材・文=久保田瑛理 写真=FM802オフィシャル写真提供

放送情報

『FM802 MEET THE WORLD BEAT 2025 SPECIAL』
●放送日時=6月18日(水)21:00-23:48(生放送)
●DJ=飯室大吾・内田絢子
●ゲスト=アイナ・ジ・エンド/新しい学校のリーダーズ/いきものがかり/Omoinotake/Saucy Dog/Tele/RIP SLYME