ハンドメイドや「古き良き」ものの味わいを実感 『群馬クラフトマーケット×高崎アンティークフェス』レポート
『群馬クラフトマーケット×高崎アンティークフェス』
2025年6月14日(土)、15(日)の2日間、Gメッセ群馬 1F展示ホール全面(ABC)・野外展示場全面にて、『群馬クラフトマーケット×高崎アンティークフェス(GUNMA CRAFT MARKET × TAKASAKI ANTIQUE FES 2025)』が開催された。
『群馬クラフトマーケット』は、今回が初となる北関東最大規模のクラフトマーケット。2日間で総勢1,000ブース以上ものクリエイターが全国各地から集結し、さまざまなクラフト・ハンドメイド・フードが揃い、多様なワークショップが開催された。なお、同会場内で高崎初の大型アンティークイベント『高崎アンティークフェスエリア』も同時開催。新しいモノを創り出すクリエイターとアンティークの良さを知りつくす古物商が集結した。会場に並んだ魅力的なブースを紹介しよう。
ものづくり精神が光る! 一点ものやオーダーメイドの逸品が集結
素敵なペンダントランプを扱っているのは「WoodyWood(ウッディウッド)」のお二人。もともと山登りが好きでDIYを行ううちに、自分でランプをつくってみたのが創作のきっかけとのことだ。
「WoodyWood」のブース
形の良い流木をベースにソケットなどをつけたランプは、温もりがありつつとてもおしゃれで、木肌とグリーンなどの取り合わせが洗練されている。素材は天然の流木なので、世界に一点しかないオリジナルなのも嬉しい。オーダーメイドも承っているとのことだ。
「WoodyWood」のブース
「Atelier Cuir(アトリエ クイール)」では、大小さまざまなサイズの鞄や靴が揃う。「誰が使うんだろう……?」と思う小さなものまで並んでいる。実はこのミニサイズは人形などに持たせるもので、多くがオーダーメイドとのこと。大切なぬいぐるみのバッグやブーツをつくってほしいといった要望のほか、ベルトの調整といった細かい依頼も来るそうだ。
「Atelier Cuir」のブース
「今までつくったことがないものに挑戦したい」というクリエイターの意欲のもと、人形の持ち物になるポシェットや、人間と人形でお揃いで持つことができる靴などを広く展開。いずれもおしゃれであるだけではなく、きれいな縫い目や選び抜かれた革の質感など、クリエイターの高い技巧と丁寧な仕事ぶりを伝える。
「Atelier Cuir」のブース
アイディアやコンセプトがユニーク 出会えて嬉しい品々
会場で「かわいい!」と注目を集めていたのは「häkke(ハッケ)」のブース。クリエイターの「誰もつくっていないものをつくりたい」という気持ちから生まれたガラスの花々は愛らしさと温もりにあふれていた。赤、青、オレンジ、黄色といった花はいずれも発色が美しく、たくさん集めて飾りたくなってしまう。
「häkke」のブース
「häkke」のブース
「yohaku.(ヨハク.)」の蝋燭は、白やグレーで無彩色に近いが、どこか温かみを感じさせる絶妙なカラーリングで、静けさや癒しを感じさせる。珍しい透明のキャンドルはジェルワックスで制作しており、溶けた後も透き通って美しい。
コンセプトは「余白時間を過ごしてほしい」とのことで、キャンドルの炎を見つめると心穏やかになり、日常が豊かになりそうだ。まだ実店舗はないそうなので、イベントで実物を手に取り、繊細な色味や質感を確かめられるのは貴重な機会といえる。
「yohaku.」のブース
「yohaku.」のブース
「kobayashi pottery studio(コバヤシポタリースタジオ)」には、淡い色のうつわがずらりと並ぶ。複数の色で塗り分けられた皿など、デザインや色の組み合わせがユニークだ。素朴な味わいを残しながらもシンプルでスタイリッシュなので、現代の日本家屋はもちろん、北欧家具のある部屋など、幅広い空間にすっきりと馴染むだろう。大きさや形も手に取りやすく、使い勝手が考え抜かれているのも嬉しい。
「kobayashi pottery studio」のブース
「kobayashi pottery studio」のブース
「古き良き」ものの味わいと魅力 洗練された骨董やヴィンテージを堪能
「fossette(フォセット)」では、ヨーロッパのアンティークを中心に展開している。選び抜かれた品々はいずれもセンスが良く、大切に使われてきたことが分かる逸品ばかり。ブースにいると、古道具の醸し出す味わいや、昔のガラスや金属などの美しさが伝わってくる。クリエイターは庭関連の仕事をしながら古道具を扱っているとのことで、いずれの品も美しい庭園や豊かな緑との相性が良さそうだ。
「fossette」のブース
「fossette」のブース
「Iochi’s(イオチーズ)」のアクセサリーは、ヨーロッパやアメリカなどのガラスビーズやガラスストーンなどを使って制作されている。きらきら光るビーズや石の多くは、かつてのコスチュームジュエリーのためにつくられ、倉庫で眠っていたヴィンテージのストックとのこと。
「Iochi’s」のブース
クリエイターがパーツを組み合わせてつくったネックレスやリングは、時を経てなお美しい光を放つ素敵なものばかり。ビーズやストーンの輝きや複雑な色味は、是非実物を見て確認してほしい。
「Iochi’s」のブース
おしゃれな焼き菓子や手摘みのハーブティーなど 地元の食材を生かしたフードも充実
本マーケットはフードも非常に充実している。まるでフランスの古城や別荘のような雰囲気と、おいしそうな焼き菓子が目をひくのは「L’atelier it。(ラトリエイット)」のブースだ。
「L’atelier it。」のブース
コンセプトは「フランスの倉庫」とのことで、お菓子が載っている皿やインテリアもアンティークのおしゃれなものばかり。群馬に実店舗があるそうで、店内の内装もさぞ素晴らしいのだろうと想像が広がった。
「L’atelier it。」のブース
「渋川飯塚(しぶかわいいづか)ファーム」は、畑を運営しながら群馬の農家と直接取引し、ハーブやスパイスを組み合わせた季節のジャムやハーブティーを扱っている。
「渋川飯塚ファーム」のブース
ずらりと並ぶ品はどれもおいしそうだが、特筆すべきはカモミールティーで、手摘みのきれいなカモミールがぎっしりと入っている。一般のカモミールティーは葉などが混入していることが多いが、渋川飯塚ファームの商品は咲き切る前の花だけを摘んでいるため、見た目も美しくお茶にしたときのえぐみも少ない。カモミールは1年で枯れるが、毎年畑で取れた種をまいて咲かせているため、その畑ならではの味になっているそうだ。
「渋川飯塚ファーム」のブース
その他、会場にはイベントオリジナルグッズやコラボバームクーヘンなどの販売、フォトスポット、オフィシャルキャラクター投票パネルなど、各種イベントも盛りだくさん。たくさんのブースを回りながら多様な企画を楽しむことができた。
オフィシャルグッズもかわいくておしゃれ
イベントスタッフの皆さんが着用しているTシャツも販売。
オフィシャルキャラクター投票パネル。栄冠はどのキャラクターの手に……!?
クリエイターとの交流を楽しみながら、ユニークで素敵な品々を手に入れることができる『群馬クラフトマーケット×高崎アンティークフェス』。次回も是非お見逃しなく。
文・撮影=中野昭子