「今が一番楽しい!」41周年のPERSONZが導く『不思議の国』、ニューアルバムを携さえ全国15箇所を回るツアーへ
撮影=福家信哉
6月21日にデビュー41周年を迎えたPERSONZが23枚目となるアルバム『WHAT A WONDER WONDERLAND』をリリース。節目となる40周年の活動を経て、次のステージで見せるストーリーは“ワンダーランド”がテーマに。7月4日(金)から始まった全国ツアー『PERSONZ 2025【WHAT A WONDER WONDERLAND TOUR】』ではさらに進化したバンドの姿も見られるという。 「次はどんな花を咲かせよう♪」、「バンド活動、今が一番楽しい!」、意気揚々とした表情を見せるボーカル・JILLに話を聞いた。
40周年を超えると、毎年が周年気分ですね(笑)。35周年のときにはコロナ禍でバンド活動も思うようにできなくて。バンドとしても正直キツかったんだけど、コロナ禍が緩和された今では、これまで溜めていたものを発散している感じがすごくする。
ーー40周年でアルバム『40th FLOWERS』をリリースし、その1年後に今回のアルバム『WHAT A WONDER WONDERLAND』をリリースしたのも、そういった影響があったんですね。
もうね、止まらないんですよ。無理やり音源をリリースしているんじゃなくて、とにかく曲ができてしまう。今はバンドも良い感じに流れができているから、それなら楽曲制作をやろうかってなって。”41周年もやるぜ!”って気負うんじゃなく、自然にできた作品。
ーーとはいえ、昨年も全国ツアーを開催するなど、かなりのライブ本数がありましたが、多忙な時期のなか、どういうタイミングで楽曲制作をされていたんでしょうか。
昨年6~7月の全国ツアーのあと、8月に約2週間、東京タワーでバンド初のエキシビジョン『PERSONZ 東京タワー EXHIBITION』を開催したんです。初めてのこととはいえ、最初は気楽に考えていたんですけど、スタッフから「東京タワーで曲作りをすれば?」って提案があって。渡邉さん(渡邉貢/Ba)さんはいつも自宅で作曲をするんだけど、東京タワーに遊びに来たお客さんの目の前で作曲をすることになったんです。
ーーイベントではこれまでの活動を振り返る写真展示などもあったそうですが、アーティストが目の前で作曲活動をしている様子を生で観られるのはかなり貴重ですね。どの展示物よりも渡邉さん(渡邉貢/Ba)さんの姿を観ている人が多かったですね。
なかなかないことですよね(笑)。曲作りの最中は集中しているからお客さんも声を掛けることがないんだけど、ちょっとした休憩時間にファンと話をする時間がすごく良かったらしくて。
ーー制作風景を生で観るだけでも貴重ですが、言葉を交わす機会もあるなんて、ファンにとってはうれしいサプライズですね。
ライブだと自分たちは演者だから、ステージからお客さんを見ることはあっても、話をする機会というのはなかったですからね。例えば、ちょっとした話から「あの夫婦はどうして結婚したの?」なんて話もしたらしくて。
ーーものすごくプライベートな話まで⁉
そう。しかもそれがすごく面白かったらしくて。その時に録り貯めた曲の中から、昨年のうちにアルバムの6曲目にある「東京タワーであいましょう」をレコーディングすることになったんです。
ーー今作の軸となっているのが「東京タワーであいましょう」ですよね。
エキシビジョンもMVの撮影も、東京タワーさんの協力があってのことでしたから。MVの撮影なんて20年ぶりで。懐かしすぎて、えぇ~っとぉ……なんて言いながら撮影してて(笑)。でも、歌詞を完成させるのは結構時間がかかってしまっていて。東京タワーに対してどういう思いを描けば良いのか。何度も書き直して。
ーー「東京タワー」は名前の通り、東京という街を思わせる、象徴的な存在ですよね。
私にとって東京タワーは戦後の東京を復活させようという、復興の象徴でもあるんです。手作業で職人さんたちが作っている様子も小さい頃に見ていたし、66年経った今も東京の街の象徴でもある。すごく夢のある話だし、東京にいると、あの光を探すことがよくあるんですよ。
ーー東京に住んでいる人たちはもちろん、夢を持って上京した人にとっても東京タワーは特別な存在だとよく聞きます。
スカイツリーはまた違った象徴にもなっているけど、やっぱり東京タワーのオレンジ色の光がすごく良くて。そんな東京タワーにどんな思いを託そうかをすごく考えて。自分の中では復興だったり、“東京”や“日本”を思わせる力がある。“成し遂げる”パワーがあるんですよね。そこに引っかけて歌詞を書きだしたら、うまくいったんですよ。ファンの皆さんが東京タワーでのエキシビションイベントを目指してきてくれて、みんなと交流もできて、会える場所でもあった。そこでできたのがこの曲なんだよって、ファンにとっても分かりやすい曲になるんじゃないかなって。
ーーイベントに足を運んだ人はもちろん、そうでない人も思いを共有することができる楽曲になったんですね。前作では「花」をモチーフに。そして今回は「WONDERLAND」が作品のモチーフになっています。
「WONDERLAND」をモチーフにする流れは自然と見えてきたものなんです。40年目の時には、コロナ禍を経てライブをしたときに、会場全体がひとつの花になるのが見えたんです。お客さんがステージの向こう側でノっていたり、楽しそうに歌っている、そのひとつひとつの姿が花。お花畑みたいになっているのがすごく良くって。ライブが終わった後、お客さんが私のSNSに「今日も見事な花が咲きましたね」って書いてくれていて。すごく良い表現だなって。そして41年目に向けて、花が咲いた後にお客さんに何を見せたらよいのかを考えた時、“不思議の国”への道先案内みたいなものができたたらいいなって。
ーーお客さんひとりひとりが花という例えはすごく素敵ですね。しかも花は太陽の方角を向いて咲く。その太陽こそ、PERSONZのステージなんだと思うと、より納得できます。
今みたいなリリースインタビューだと、40周年を振り返ってどうでしたかって、やっぱりよく聞かれるんですよ。その時にうまく表現する例えが、結成の年から1本ずつ花を咲かせてきている。40周年を迎えた昨年の花も本当に素晴らしくて、どんな花束をもらうよりも、会場全体が花だったですよね。そのツアーのあとに「東京タワーであいましょう」という曲ができて、歌詞の中に<ウェルカム トゥワンダーランド>という言葉を書いたんです。それは東京タワーだったり、自分たちが演奏するステージという意味もある。次の作品のコンセプトにぴったりだなって思えたんです。今年に入って、3~5月までのツアーは「QUEST FOR TREASURE LAND」。その後、40周年の締めくくりとなった6月のライブのテーマはDREAM LAND。そして今回のツアーが『WONDERLAND』。全てに“ランド”の言葉をつけていたんで、すべての構想は去年のうちに出来上がっていたんですよね。
ーーこれまでの作品、活動を踏まえたうえで自然と生まれた言葉だったんですね。そしてアルバムに収録されていたほかの楽曲も、これまでのステージを重ねるなかで次から次に誕生していったと。
今回のアルバムに収録されている7つの新曲は、渡邉さんが東京タワーでのエキシビションイベントのときに土台を作っていたんです。2曲目にある「WONDERLAND」のような作品の核になるようなものは今年に入ってから、こういう風にしたらどうだろう?ってアドバイスも含めて私から伝えて。1曲目の「ADVENTURE」はライブのSEで流れるような曲がいいなって伝えたら“おぉ、いいよ~”って作ってくれて。
ーーこれから始まるステージに期待を高めるような、そんな世界観を持つ楽曲ですよね。
私がイメージを伝えると、すぐにピンときたみたい。うちは楽曲がまず先にあって、そこに歌詞をハメる“曲先(きょくせん)”が多いんだけど、曲が完成する前にこういうモチーフはどうだろうって、メンバーに伝えることは今まであんまりなかったんですよね。
ーー40年以上の長い活動の中でですか!?
そう。しかも、なんかスルっと言えちゃって。今回は渡邉さんも楽曲をすぐに作れるようなテンションにシフトしていたから、お互いに良い感じのキャッチボールができてて。
ーー今回の作品は23枚目のアルバムです。何度も40年という言葉を繰り返してきましたが、ベテランのバンドが今でも新しい挑戦を楽しんでいる姿はとても素敵です。
PERSONZは渡邉さんが楽曲制作の中心で、私の歌詞でひとつにまとめる感じ。でも今回は私のなかで“WONDERLAND”というイメージができていたから、それを彼に説明したら合点がいったというか、うまく噛み合って。「WONDERLAND」の曲はネオアコースティックツアーを回った後だっということもあって、その影響も色濃い楽曲で。きたきた!こういう曲イイね!って、彼にいった思い出があります。
ーー1曲目の「ADVENTURE」から「WONDERLAND」への繋がり、とてもワクワクする世界観が詰まっていますよね。時計の針がチクタクなって、これから何が始まるんだろうって思わせる。
ドキドキもあるけど、無限に目覚まし時計が鳴るのは悪夢に近いんじゃない?(笑)。
ーーワクワクの気分のほうが大きかったですよ(笑)。
人がパッと覚醒するようなものを表現したくって。それこそ『不思議の国のアリス』でアリスが違う世界にいくときの雰囲気、それがうまく表現できたと思う。
ーー楽曲の後半もドラマチックですよね。
渡邉くんが曲作り、アレンジをおおくぼけいくんにやってもらっているんだけど、彼のニュアンスが加わることで楽曲としてもすごく成功しましたね。
ーーここ数年、ライブでもキーボードにアーバンギャルドのおおくぼけいさんが参加されていますが、その存在はバンドにとって欠かせないものなんですね。
キーボードを生で弾いてもらうのはシーケンスを使うのとは全く違ってくるので、バンドとしてもうれしいんですよ。しかも彼は独特だしね♪ 彼にアレンジを頼もうって言ったのも渡邉さんだし、7曲目の「HAPPY UNBIRTHDAY」もおおくぼくんのアレンジです。
ーー楽曲が次から次に生まれ、バンドとしても勢いのある今。これから始まるツアーで楽曲がさらに進化するのが楽しみですね。
今回の作品のコンセプトはずっとやりたかったことなんだけど、コロナ禍でバンド活動が分断されていた期間で、良くも悪くも準備する時間ができたんですよね。もしもこれまで通り活動していたら、毎年アルバムは作らなかったかもしれない。コロナ禍にもライブは少しずつやっていたけど、いつも通りに表現ができないこともあってフラストレーションが溜まるんですよ。だからこそ、コロナ禍が明けたときに、その感情を吐き出そうと、すごく頑張って未来を見てた。しかもあの頃って、1年目は来年こそ、2年目も来年こそ、3年目の頃にようやく!っていう感じで世界中が待ち望んでいた。バンドとファンだけでなく、誰もが「次こそは!」って思いを共有していたはずで。世界中のみんなが耐えて、その困難をくぐり抜けているので、共有する思いもすごく密になっている。私たちは芸術家、アーティストだからそれを曲という形にすると、お客さんもあのときはそうだったよね、あぁだったよねって受け止めてくれるなかって。
ーーJILLさんの世界観を通して作品に込められた言葉の数々はどれもストレートに心に染み渡りました。
今のPERSONZのライブは、やればやるほどお客さんがいっぱいになっているんだけど、それってコロナ禍を経験してきたからこそで。“また次のライブに行こう”じゃなくて、“PERSONZが来てる!?行かなきゃ!”っていう感じがある。しかも、今はバンドもすごく良い状態だから、お客さんもライブに来てくれると“すっごい楽しかった!”って言ってくれるライブをしている自信もある。全部が合致している気がするな。
ーーバンドが良い状態とのことですが、アルバムに収録されている新曲ではJILLさんの歌声もいつも以上に響いていますよね。艶のあるハイトーンはもちろん、いつも以上にファルセットも出てるなって驚きました。
どうしたのかね?(笑) 。実際に自分がボイストレーニングを受けるようになったのは50歳手前の頃で、そこから10何年も経ってから、ライブでいろんな声が出せるようになったんですよ。昔の曲もキーを変えていなんだけど、当時苦しかったところがちゃんと歌えるようになっているのが自分でもうれしくって。最近は自分の中でもっとこうやって歌いたいというイメージがあるし。私、昔からレコーディングが好きじゃないのね?。
ーーベテランバンドのボーカリストなのに!?
昔のライブはイヤモニもつけていなかったし、会場の空間の中で感じる声の広がりが好きだったのね。でもレコーディングだとヘッドホンをつけて密室のなかで歌うのがどうしても嫌で。
ーー細かな作業の繰り返しですもんね。
いま思うと、テクニックがなかったからかなって思うんだけどね。今回と前作のレコーディングはすごく楽しくてしょうがなかった。入れてみたい言葉とかフレーズ、アイデアをまんべんなく入れられたし、曲も多彩だったからね。表現力という意味でも、この曲を歌いたい!っていう感情もあったし。
ーーJILLさんは今年65歳ですが、歌声も声量も少しの陰りもない。音源を聴きながら、この声はどうなっているんだ?と驚きの連続でした。
トレーニングを受けるまでは感覚的に直球で歌っていたけど、教えてくれる人がいると自分でもいろんな声が出せるようになって、ビブラートをかけたり、ファルセットが出せたり。可能性が広がるでしょ? ライブをやるときにも、ちょっと違うニュアンスの声を入れたりすると、メンバーからも“JILL、今日いつもと違う声が出てたよね?”って言われたりするのもうれしくって。
ーーお互いにとっても刺激になりますね。
昔は与えられた曲のなかで、頑張って声を出さなきゃってやっていたけど、いまは歌い手として曲の世界観を広げられるテクニックが持てるようなりましたね。
ーー4曲目にある「THAT’S MY TREASURE」はまさに、いまのPERSONZの現在進行形の姿を表現した曲ですよね。
ドラムのフレーズが入った瞬間にカチっとハマる世界観がありましたね。70、80年代に私がやろうと思っていたパワーポップサウンド。ロックサウンドにメロディがあって、広がりを感じられる、そんな曲だったから歌詞もすんなり書けたかな。
ーーPERSONZの世界観が密に詰まった曲ですよね。
ネオアコースティックライブに“冒険の旅”っていうタイトルをつけていたんだけど、そこで見つけた宝物っていうのが、その当時のツアーに参加していたお客さんは感じ取ってくれるんじゃないかな。
ーー5曲目の「BLUE ROSES」は一転、ロマンチックな仕上がりです。
これぞ渡邉節!っていう、潤いのある曲。この曲のタイトルは前作で使いたかった言葉だったんだけど上手く使えなくって。今回の作品で使えたらいいなと思っていたときに、この曲がきて。ブルーローズって現実世界にはない花の色で、“あり得ない”ものの代名詞。私は41年もバンドをやっていて、比較的自由に発言できる場所にいるけど、それでも私が20代のころなんて女性の居場所なんてまだまだなくって。女性が選挙権を得られるようになったのもちょっと前じゃん?って思うくらい(笑)。たとえ1人で何かできなくても、代が替わるなかで壁を突き抜ける人が出てくるといいなって、少し社会性のあるメッセージを入れていて。フェミニストではないけれど、同性として、やっぱり女性には頑張ってもらいたいしね。例え一世代では叶わなくても、何世代か経てようやく夢が叶うこともあるかもしれない。現実的にはまだまだ壁があるからね。
ーーエールを送る、そんな楽曲ですね。
私自身は男性だから~女性だから~っていう考えがないんですよ。PERSONZがそういうバンドだったし、紅一点だからっていうこともないし。
ーーJILLさんがエネルギーの塊みたいな人ですからね。
私が紅一点でしょ?っていっても、今では誰も何も言ってくれないからさ(笑)。でも、私は元々女性バンドがやりたくてバンドを始めてるんですよ。男性バンドがいっぱいいる中で、なんで女性はバンドをやれないんだろうっていう思いがあった。PERSONZが世の中に出たときも、メンバーみんな同列にいたし、私が年上ということもあって“ついてこいよ!”って最初は言っていたくらいだし(笑)。
ーーまさに姉御、ですね。
とにかく全員をプロにさせなきゃ!って思ってた。メンバーも最初は大学生だったし。こっちだよ~って導いてたら、それがうまくいっちゃって(笑)。そこからはメンバーはみんな平等に、同じ時代をクリアしてきている。よくライブでも言うんだけど、家族や同級生、友達よりも長くいるんですよ。でも、未だに繋がれているのは友情ではなく、ただ音楽好きってだけ。
ーー音楽が好き。そんな4人で描く「HAPPY UNBIRTHDAY」はすごく多幸感に満ちていますよね。
『不思議の国のアリス』の作品にも同じ言葉が出てくるんですけど、私の歌詞は意味が違ってて。自分の誕生日は1日だけど、あとの364日はどうするんだい? それなら祝おうよ!っていう、毎日が記念日みたいな、割と脳天気な曲で(笑)。毎日が誰かの誕生日だったり記念日だし、もし今日何かをやろう!と思い立ったのなら、それも誰かにとっての記念日になる。来年の今頃、その記念日をお祝いしているのかもしれない。その日々を祝いたい、ある種の子守歌みたいな感じ。あと、あくせくするんじゃなく、いつでも良いんだよ♪っていう安心を与えられるようなものにしたくて。当初はスローな曲調はひとつもなかったんだけど、渡邉さんにお願いしたら“わかったよ”のひと言ですぐに作ってくれて。
ーー渡邉さん、そこもするりと曲を完成させられるのも素晴らしいです。
そういうスタンスが今回のアルバムの柱になっていて。コンセプトは私の中に、渡邉さんもそれを理解できている。全く異なる方向を向いちゃう時もあるけど、今回は“WONDERLAND”というテーマにうまく合致できましたね。
ーー新作を携え、7月からは全国ツアーが始まります。コンセプチュアルな作品を携えてのツアー。バンドも脂が乗った状態のなか、どんなライブが観られるのか楽しみです。
3~5月にネオアコースティックツアーを開催したときは会場の規模が小さいだけじゃなく、メンバーが持つ楽器も違う。普通のライブとは異なる内容だったんですけど、そのツアーが終わって、6月にいつも通りのライブを開催したんですけど、いざライブが始まると全員がスキルアップしてたんですよ。アコースティックツアーは全国で16カ所開催したんだけど、それがバンドにとって良い起爆剤になっていて。7月からのツアーもよりスケールアップできちゃうんだろうな♪
ーーさらりとこれまで以上のスケールアップを宣言できるのがかっこいいです。
ネオアコースティックツアーがある種の“星飛雄馬の養成ギプス”みたいなもんで。
ーー外れた瞬間にムッキムキにパワーアップしているやつですね(笑)。
それくらい力がある(笑)。ネオアコースティックツアーは自分たちにとっても冒険で。メンバーも最初は嫌がっていたんだけど、何度もミーティングを重ねて。ツアー1本目のステージでの我々はもはや新人バンドでしたからね(笑)。でも16カ所も公演を重ねると見事にスキルアップしていて。今回はPERSONZとして本来の姿でライブをするわけだけど、以前にリハをしたときも「やっぱりこれだよね♪」って、すごく新鮮に感じたし。
ーー今回のツアーはお客さんはもちろん、バンドとしても楽しみが大きいようですね。
すごく楽しみ。会場はホールが多いから、背が小さな女性も観やすいし、なによりみんなを見渡せるのがいい!
ーーPERSONZでは高校生以下のは1000円、というのも驚きました。
はい! それがうちの売りで。物価高の世の中でも、渡邉社長は絶対にそこは曲げないんだ!って、言ってて。
ーーライブキッズにはありがたい料金設定です。
今の若いバンドよりも代が安いんじゃないかな? 私たちも中高生のころにバンドをやり始めているんだけど、いつの時代にもバンドがやりたい子はいると思うしね。熟年のプレイはどんなだろう? こういう風にやりたいけど出来ないのはなんでだろう?とかを実際に観にきてもらえたら。
ーー熟年のバンドのプレイがどんなものかを見に行ったら、「今が一番楽しい!」ってライブをしているPERSONZがステージにいる。めちゃくちゃかっこいいです。
高校生とか中学生の子にとって、私たちはお父さんお母さんどころか、おじいちゃんおばあちゃんの世代だからね。そんな人たちがこうやってバンドをやっているのは、今の日本は夢を持てない国って言われているけど、「こういう60代もいるんだ!」って思ってもらいたい(笑)。私たちが20代のころに60代でバンドをやっている人なんてほとんどいなかったから。ロックバンドでここまでやれるんだっていうのを見せていかないとね。
ーーいま若手のアーティストたちは上の世代がとにかく元気すぎる!と嘆くくらいですから。
なるほど! それはあるかも(笑)。私たちの時代のバンドブームはまだ景気も良いし、CDも売れていたけど、今の時代に音楽で食べようと思うとなかなか大変だと思う。でも、いつの時代でも絶対にバンドはやっていてほしいと思いますね。
ーーいまこの瞬間のバンドを、ライブを楽しんでいるPERSONZ。ぜひ全国の人にひと目観てほしいです!
取材・文=黒田奈保子 撮影=福家信哉
ツアー情報
【WHAT A WONDER WONDERLAND TOUR】
(41周年START公演)
7月4日(金) 熊本城ホール シビックホール(熊本)
7月6日(日) 福岡市民ホール 中ホール(福岡)
7月11日(金) JMSアステールプラザ大ホール(広島)
7月13日(日) 高知市文化プラザかるぽーと四国銀行ホール(高知)
7月18日(金)トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館) 中ホ-ル
7月20日(日)仙台PIT(宮城)
7月21日(月祝)仙台PIT (宮城)
8月8日(金)COMTEC PORTBASE(名古屋)
8月9日(土)大阪国際交流センター 大ホール(大阪)
8月22日(金)ホクト文化ホール 中ホール(長野)
8月23日(土)金沢市文化ホール(石川)
8月29日(金)りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 劇場(新潟)
8月30日(土)高崎市文化会館(群馬)
9月5日(金)Zepp Sapporo(札幌)
9月12日(金)東京国際フォーラム ホールC(東京)Final 公演
リリース情報
型 番:VPCC-87211
発売日:2025年06月11日
発売元:バップ
Online Store Link:vap STORE
【収録曲】
DISC 1
01.ADVENTURE
02.WONDERLAND
03.MOMENTS
04.THAT’S MY TREASURE
05.BLUE ROSE
06.東京タワーであいましょう
07.HAPPY UNBIRTHDAY
「QUEST FOR TREASURE LAND」neo acoustic tour 2025 20250406 LIVE AT KANDAMYOUJIN
01.MIDNIGHT TEENAGE SHUFFLE
02.FLOWER OF LOVE
03.RIVER
04.MAGIC MOMENTS
05.SING ALONG FOREVER~そばにいるよ~
06.硝子の涙
07.東京タワーであいましょう
08.DREAMERS
09.DEAR FRIENDS
10.MAY BE CRAZEE -I LOVE YOU-
公式サイト:https://personz.net/