見どころは当て書き“凸凹バディ”、植田圭輔×稲垣成弥×吉谷晃太朗が胸を張る舞台「RE:BIRTH」は「魅力の詰め合わせセット」
左から吉谷晃太朗、植田圭輔、稲垣成弥
2018年よりスタートした「RE:VOLVER」シリーズの最新作として、植田圭輔が主演・演出を務める舞台「RE:BIRTH」が、いよいよ本格始動。W主演に稲垣成弥を迎え、演出家の吉谷晃太朗が原案・脚本を務める舞台「RE:VOLVER」の数年後が描かれるストーリーだ。稽古開始前、すでに熱量が高まりつつある3人にインタビューを実施。植田と稲垣の出会いや、吉谷による今作の当て書き秘話などたっぷりと話を聞いた。
――この取材時点では、植田さんと吉谷さんが打ち合わせを重ねられている段階だそうですね。
植田:めちゃくちゃしています! 読んでみて思ったのは、全部のキャラクターに愛が乗っているなと。書いている本人がこれだけ愛をもって色々なキャラクターを振ってくれているのなら、そりゃ面白いものになりますよ。
稲垣:僕は最新の台本はもちろん、じつは少し前の段階から読ませていただいていたんですが、話の途中まで読み進めた時点で、もう続きが気になりすぎちゃって! その後に吉谷さんと会ったときの第一声が「めちゃくちゃ面白いんですけど!」でしたもんね。
吉谷:覚えてるよ。あれ、めちゃくちゃ勇気もらったんだよなぁ。
稲垣:安直な感想になってしまうんですけれど、純粋に面白いなと心から思ったんです。あとは「植ちゃんとこのお芝居をするなんて、楽しみしかないじゃん!」って。僕は植ちゃんが大好きなんですよ!
植田:あはは!
稲垣:共演はしているんですけれど、しっかり絡んだことはないんです。今の心境としては、一緒にお芝居ができることを本当に楽しみにしています。
――W主演という点についてはいかがでしょうか?
稲垣:あの……僕が植ちゃんと肩を並べていいんですか!?
植田:もちろん! あれやで、吉谷さんはおそらく俺のことを思ったよりちいちゃく(小さく)見ているっぽくて。
稲垣:たぶん、僕もことも思ったよりでっかく見ていると思います!
植田:せやろ? たぶん、その対比を見たいんだと思う(笑)。
吉谷:……今、成弥が「肩を並べて」って言ったのも相当面白くて(笑)。
稲垣:物理的に肩を並べられないからね(笑)。わかります、絶対に画として面白くなりそうですもん。
聖木(植田圭輔) (c)FAB/舞台「RE:BIRTH」製作委員会
――ぜひ脚本についてもお聞かせください。
植田:モチーフとしては、川中島の戦いです。俺が演じる聖木(スズキ)が、とある島国に異国から来た人間として入っていくところから話が始まります。ただ、歴史上の川中島の戦い(上杉謙信や武田信玄の戦いのお話)をがっつりやるわけではありません。「RE:VOLVER」の世界観とうまく混ざったストーリーになっているので、歴史好きな方には嬉しい題材かもしれないですね。
稲垣:そうそう、キャラクターの名前がなぜこうなっているのか読んでみてわかりました。当て字っぽくて、最初はなかなか読めない漢字もあったんですが(笑)。
吉谷:それは申し訳ない! キャラクター名の表現については、初演から踏襲しているものなんです。「スズキ」や「イトウ」などメジャーな名前の響きではあるけど、字は変わっているという。“あるようで、ない”感じを出したいというのが意図ですね。
――演じる役について、人物像はどう捉えていますか?
植田:口が悪くて機動力が高くて、賢くて。なんやかんや仲間想い。一言で言えば、悪ガキ……っていうのが、聖木のすべて。こういう役、好きです。初演当時はあまり演じたことのない役柄でした。吉谷さんも俺もめちゃくちゃ中二病なので“カッケー要素をありったけ詰め合わせてみた!”キャラクターです。やりたいことをまっとうするタイプなので、すごく憧れのある役でもありますね。
稲垣:僕が演じる宇柄杉も当て書きをしていただいたと伺っていたので、自分で言うのもあれですけど……男らしい役柄ですよね。
植田:うんうん。成弥もね、男らしいもんね。
稲垣:宇柄杉が、ですよ(笑)!? 実直な男で筋の通った、すごく思いやりのある人間で。読みながら、吉谷さんはそんなふうに僕のことを思ってくれていたんだなと。
宇柄杉(稲垣成弥) (c)FAB/舞台「RE:BIRTH」製作委員会
――「RE:VOLVER」に続き、今作も当て書きをされたとのこと。吉谷さんが執筆時に意識されたポイントを教えてください。
吉谷:まず、バディであるというところ。凸凹コンビが罵倒したり協力し合ったりしている画がキャッチーさがあっていいなぁと思ったんです。そこを入口として書き進めたのですが、2人とも突出したキャラクターを持っているから、すごく書きやすかった。初稿を10日くらいで書き上げたくらい。
稲垣:早いですね……!
吉谷:最初の出会いの場面も、共闘の瞬間も「これだ!」っていうものがパッと浮かんだ。特に最初のシーンは、漫才みたいなやりとりにしたかった。ラフな雰囲気でありつつ、これから始まる物語にとって重要なことを言っている。軽快なテンポでやりとりをしてもらえると、観ている側も入りやすいかなと。個人的に好きなシーンです。
稲垣:僕も好き! 読んでいて、とても楽しかったです。
――イメージしやすかった要因とは?
吉谷:僕が演出家として携わっているときの圭輔と成弥は、稽古場で「ここ、こうやっていい?」って積極的に聞いてきてくれる役者ナンバー1、2なんです。
植田・稲垣:へー!
吉谷:作品について、ものすごく考えてきてくれているんですよ。2人が並んで芝居をしているところはこれまで見たことはなかったけれど、2人とも普段からより良い作品にするためにどうしたいかを表明してくれるタイプだったからこそ、すぐにイメージができた。こういう会話をしてくれるんだろうなと思えたんです。
――植田さんと稲垣さんは、お互いに役者としてどんな印象をお持ちでしょうか?
稲垣:初めて共演したのは、MANKAI STAGE『A3!』~AUTUMN & WINTER 2019~かな。
植田:うん。同じ作品にはいるけど別のチームだったので、少し離れたところにいるっていう関わり方でした。成弥が自分のチームでいるときの姿を客観的に見ていて、役者として、お兄さんとして、後輩としての立ち回りは結構似ていると感じる部分がありました。あ、もちろん成弥のほうが断然優しいんですけど。
稲垣:そんなことないから!
植田:俺のほうが口が悪いから(笑)。天真爛漫で、ボケたり愛嬌が良かったりするのが稲垣成弥の愛される所以ではありますが、俺が思う稲垣成弥の印象はクレバーですね。
稲垣:そんなこと言ってくれるんですかぁ!?
植田:これが、よく見かける姿ですね(笑)。でも、特に重い役回りになったときの成弥は本当にクレバーなんですよ。
稲垣:植ちゃんはプライベートと役の印象が全然違うんですけど、そこを違和感なくできるのがすごい。というのも、心が綺麗な人なんです。誰にでもフランクで、合わせてくれる。初めて共演した『エーステ』のときもそう。別のチームだったのに、僕のチームの(赤澤)遼太郎にすごく熱心に教えてくれていて……でもちゃんと自分のこともやることはしっかりやっていて。「この人、カッコいい!」って思ったんです。
植田:あざっす!
稲垣:だからプライベートでもお話したくて「遊んでください!」って誘っちゃう。芯があってポジティブマインドな人だから、一緒にいて楽しいんです。
(c)FAB/舞台「RE:BIRTH」製作委員会
――今作はシリーズ念願の続編。改めて初演を振り返って今、思うことは?
植田:おそらく『王室教師ハイネ-THE MUSICAL-』の打ち上げの場だったと思うんですけれど、「吉谷さんのオリジナル脚本を、俺の主演で書いてください!」ってお願いしたのがきっかけで立ち上がったのが『RE:VOLVER』でした。そのあと、続編の『RE:CLAIM』が上演予定だったのですがコロナの影響で中止になってしまって……。中止は稽古最終日に決まったんですよね?
吉谷:そう、通し稽古の終わりに。最後まで抗っていました。
植田:俺はゲストとして登壇予定だったんですが、無念でした。今回、主演と演出をやらせていただくことになったときに、「吉谷さんに書いてもらいたい」「『RE:VOLVER』みたいな作品をやりたい」とリクエストをしたんです。そうしたら、続編ができることになりました! 自分にとって大事なタイトルを、自分が演出しながら主演をすることはかなりの挑戦ですし、たぶんもう二度とない貴重な機会だと思っています。
吉谷:初演の映像を観ながら今作を執筆したんですが、あのときも「この役者に、このエピソードを背負ってほしい」っていうことをぎゅっと凝縮したなと思いだしました。
植田:大変だったなぁ。物量の多さもだけど、自分たちが作品についての理解を深めることに時間を割いていて。たしか櫻井圭登や橋本祥平、安西慎太郎がいたと思うんですけど、行けるメンバーでホテルに泊まって、皆で台本読みながら議論したこともありましたね。
稲垣:そうなんだ!
植田:そういうことを皆で率先してやっていて……大変だったけど、良い思い出として残っているんです。命をかけるくらいの熱量でやっていましたし、大事に思っています。
――ちなみに、植田さんが演出される際に意識されていることは?
植田:圧倒的に事前準備が必要であるというのが第一にあります。自分の場合は、配置やプランが完成してからじゃないと稽古場に行けないという感覚でやっているので、今回も吉谷さんに無理を言ってしまっているんですけど……。
吉谷:いえいえ。脚本に対して、圭輔は心情の流れがちゃんとハマっているかとか、気持ちが流れていくためのセリフの有無を重視していて……これって、上手な役者だからこその感覚なんです。これは圭輔にとって大きな武器ですし、役者としても信頼を置けるはずです。
植田:役者オンリーでやっているときは絶対そこまで必要ないんですけどね。むしろ現場でやってみて、演出家さんについていくスタンスで入りたい。でも、クリエイティブな仕事として皆を導く立場にあるなら、現場で答えられないことはないように臨みたいですね。
――最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
稲垣:正直にお伝えすると、今の時点ですでに、僕の中では良いゴールが見えています。確実に面白い作品になることは決まっていて、これからどういう過程で舞台にもっていくかというのが僕が楽しみにしていること。もちろん、大変なこともあるとは思いますが、それすら良い時間だったと思えるはずだと信じています。だからこそ100%の自信を持って素敵な作品になると言える作品なので、ぜひ観ていただきたいです。
植田:大前提として、「RE:VOLVER」に触れていなくても今作のみで楽しめる作品です。もちろん、「RE:VOLVER」を好きでいてくれた方がたくさんいらっしゃるということも感じておりますので、どちらでも楽しめるように作っています。はたから見たら真実じゃなくても、自分がどう生きたいかを貫いていいんだということを、キャラクターたちが証明してくれている作品。自分が思うことが正しい、それでいい。そう思わせてくれる作品なので、男らしく駆け抜けたいと思います!
吉谷:今回の僕の仕事は物語として面白くすることはもちろん、プラスアルファでやりたいと思っているのが、出てくださった役者みんなが魅力的に見えること。色付けは圭輔がやってくれるので、僕の段階では「こういう言葉を吐いてくれたらカッコいいよな」ってことをとにかく詰め込みました。W主演のおふたりはもちろん、他のキャラクターもとにかく魅力的に見えるようにと意識しています。全員が主役だと思っていますし、だからこそ圭輔と成弥はさらに主演としてもっと上を目指してくれるはず。そういう現場になるように準備をしています。「こういう役が見たかった!」という魅力の詰め合わせセットのような作品にしたいと思っているので、ぜひ楽しみにしていてください。
取材・文=潮田茗
公演情報
宇柄杉:稲垣成弥
原案・脚本 :吉谷晃太朗
演出:植田圭輔
アクション監督:川隅美慎
美術 :乘峯雅寛
照明 :加藤学(ブルーモーメント)
音響 :谷井貞仁
映像 :O-beron inc.
衣裳 :新朋子(COMO Inc.)
ヘアメイク : akenoko▲(杉野未香、鈴木りさ)
演出助手 :河原田巧也
技術監督 :寅川英司
舞台監督 :弘光哲也
主催 :舞台「RE:BIRTH」製作委員会
【公式X(Twitter)】 https://x.com/REVOLVER_STAGE(#ボルステ)
【権利表記】 (c)FAB/舞台「RE:BIRTH」製作委員会