一ノ瀬颯「“にのせ”のみなさん、イベントで楽しい時間を過ごしましょう!」~『一ノ瀬颯ファンイベント2026』に向けてインタビュー

インタビュー
舞台
イベント/レジャー
18:00
一ノ瀬颯

一ノ瀬颯

画像を全て表示(6件)


数々の人気ドラマへの出演や初舞台進出など2025年も俳優としての経験を着実に積んできた一ノ瀬颯が、2026年1月31日(土)神田明神ホールにて1年半ぶりのファンイベントを開催する。「作品を通じてではなく、応援してくれる方々と“いつもの自分”で会えるのが嬉しい」と、かねてよりイベントの大切さを伝えてくれた一ノ瀬。今年一年を振り返りながら、特別な時間への思いを語ってくれた。

ーー久しぶりのファンミーティング開催ですね。

はい。前回は昨年の8月、 “はやてのなつやすみ”って副題をつけ、1部と2部でちょっとテイストは変えたんですけど、縁日をモチーフにしたようなミニゲームとか夏っぽい感じを考えて…お客様を檀上にお呼びしたり、結構近い距離で一緒に楽しむことができました。やはり一時期触れ合う機会が限られてしまっていたこともあり、以前のように一緒に楽しめる空気というのが自分的にもすごく楽しい思い出になりました。今回もまずはそういうみなさんとの近い距離でのやり取りを中心に、ゲームなんかも工夫して、身近な気持ちで過ごせる時間にしたいです。

一ノ瀬颯

一ノ瀬颯

ーー具体的に決まっていることなどはありますか?

今回が4回目なので、以前からみなさんに好評な定番企画も生まれてきているのでそれは続けたいですし、まだ準備の段階で具体的にはお伝えできないんですけど、ふれあい系を中心に、新しいアイデアももちろん追加していきたいと思っています。あとは自分が好きでファンイベントだけでのお届けというか、いずれお仕事でやらせてもらえたら嬉しいこととして、毎回歌とダンスもやっています。もちろん今回もやりますよ!

ーー選曲はどんな感じに?

基本的にそのときの流行にはこだわらず、自分の好きなものを。前回はBUMP OF CHICKENさんの「天体観測」と、平井大さんの「Slow&Easy」など、どちらも自分が生きてきた中での思い出と密接に関係している歌を選びました。「天体観測」は勉強と部活しかしてないような毎日の中、テスト期間だけは部活もお休みなので、最終日に『お疲れ〜』ってみんなでカラオケに行った時や、文化祭、体育祭の打ち上げなんかでみんなが歌う曲の定番だったんです。B'zさんの「ultra soul」とセットで。だから今でもすごく思い入れのある曲。「Slow&Easy」は受験期によく聞いて元気をもらっていたし…って、そうか、こういうエピソード、当日はあんまりお話ししていなかったかもしれない。そうですね、自分の好きな曲とその曲への思いみたいなことももうちょっと話していきますね。「こんな気持ちでこの好きな歌を歌ってるんです」って。

ーーぜひぜひ。

実際、イベントが終わった後にみなさんがご自身で調べてそこから聴くようになったという感想をいただいたりもして。思い出を共有はできないけれど、「自分もこういう理由でこの曲が好きなんです」って気持ちは分かち合えるし…選曲ひとつでもそうですけど、このお仕事を始める前の自分の人生とか価値観とかも、少しずつこのイベントを通して伝えたり、僕のプライベートなところを知ってもらえたらいいですよね。

一ノ瀬颯

一ノ瀬颯

ーーOFFモードの一ノ瀬さんと触れ合えるのはファンイベントならではの楽しさです。ではONの一ノ瀬さん、2025年の俳優活動も振り返っていきましょう。今年の主な活動はドラマ『119エマージェンシーコール』、ドラマ『絶対零度〜情報犯罪緊急捜査〜』、そして劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』の3作でした。

本当に新しいものにチャレンジする年だったと思っています。まず『119エマージェンシーコール』に関しては、今までドラマでほとんど描かれたことのない指令管制員に焦点を当てた作品だったので、何かしらの過去作など自分が参考にするものが少なかった。だからまずは現場の方にお会いし、実際に働いているところを見学させてもらったり、あとはドキュメンタリー作品を見たりもしましたね。型が存在しないところでのトライ、本当に自分たちがこのジャンルのファーストペンギンになったと言える作品じゃないでしょうか。

ーー指令管制員とは119番通報を受けてその内容を精査し、消防隊や救急隊に出動指令を出すのがお仕事。インカムをつけ、消防本部の通信指令室で電話通報の対処にあたるわけですが、ドラマではその会話の様子自体に焦点を当てていた。その視点がとても興味深く、また、新鮮でスリリングでした。

そう言っていただけるとすごく嬉しいです。プロデューサーさんも非常にチャンレンジングな作品だったとおっしゃっていましたし、もちろん出演者もそう。電話の向こうの現場を映像で見せれば本当にわかりやすいし、物語としても感動させやすいと思うんですけど…でもここでは本当に現場を全く見せず、あえて声のみでドラマとして構成している。素敵な声優さんたちが通報者を演じてくださってその声のお芝居にもたくさん助けていただいたんですけど、映像では本当に自分の顔だけが映っていて、僕自身もその通報を受けてその場を想像して話しているし、視聴者の方たちも同じようにその場面を想像していく。ドラマだから圧倒的に視覚の領域であるはずなのに、その視覚をあえて減らして、聴覚とか想像力といったところが研ぎ澄まされる“引き算”の結果、作品により一層引き込まれて互いの集中力もとても上がっていたと思うんです。素敵ですよね。

ーー一ノ瀬さんメインの回、緊迫した電話でのやり取りのシーンもとても印象に残っています。

8分半くらいの長いシーンでした。その間、かなりカメラが寄った自分の顔だけが映っていて、ずっと相手に指示を出し続けて…あそこは自分としても入り込めていましたし、結果的に監督やプロデューサーさんもカットは割らず長回しで使おうとゴーサインを出してくれたのは、自分のお芝居を認めてもらえたんだなと思って。それも含め、あのドラマは自分にとってすごく自信に繋がる作品になりました。

一ノ瀬颯

一ノ瀬颯

ーー年明けにスペシャルドラマの放映も決まっています。

こんなに早く続編ができるなんてすごく嬉しい! キャストもスタッフさんもみんな仲良くて大好きな現場でしたし、役者としても成功体験をすごく積めた作品だったので、そういう素敵な現場がまた実現できて本当に良かったです。今回もいろんな通報があるわけですが、ひとつ個人的お楽しみポイントを挙げるとしたら、僕が演じる与呉のプライベートのほうでの成長。成長というか…なんて言ったらいいかな。「月9と言えば何の要素がありましたっけ?」みたいなところにも(笑)、ちょっと注目していただければと思います。

ーー『絶対零度〜情報犯罪緊急捜査〜』はシリーズ最新作への参加、刑事を演じました。

こちらは逆に刑事ものの作品って山ほどあるわけで、そこでどうやって自分の色を出すか、みたいなところをすごく大事に考えました。そもそも刑事役も初めてだったのでやっぱり大きなチャレンジではありましたが、誰の真似でもなく、ありきたりな感じにもしたくなく、というアプローチを探る、初めてな要素がすごく大きい作品でしたね。結構言葉も難しかったりしたんですが、例えば一連の説明をする際も、会話をしていくというよりはそれをみんなで割り振っていくような…「みんなでひとつの脳」みたいな感じで、ひとつの脳で同じものを考え、同じ方向を向いて喋っていく感覚がありました。そういう中での説明ゼリフの難しさは刑事役の難しさとしてもすごく心に残っています。

ーーそして、念願の初舞台も!

ずっと舞台を踏まれて第一線で活躍されている方々と一緒に初舞台。キャストにも、新感線ファンの人にも、そもそも舞台が好きな人たちにも認めてもらえるかなっていうところからスタートして、何とか必死に食らいついていきました。「そもそも舞台ってどうやって作られてくんだろう」っていうその過程すら知らない状態で入って、すぐに劇団員のみなさんに言われたのが「うちは特殊だから」。確かに稽古場ではいのうえ(ひでのり)さんが全部のお芝居をつけられるんです。動き方、しゃべるトーン…最初はそれを自分のものとして落とし込むのが難しくて。言われた通りにやりつつちゃんと噛み砕いて自分のものにした上で少し遊びを持たせていくということに、最初はなかなか気づけなくて…周りの先輩方のアドバイスで「そうか」と。初舞台が新感線っていうことは、映像でも舞台でもなく、「新感線というジャンルに挑んでいるんだ」ということが、実体験でじわじわわかっていった感じでした。

ーー本番はいかがでしたか?

目の前にお客さんがいらっしゃるっていうのが、すごく緊張にもなるけど、すごくやりがいにも繋がるものだなって感じていました。客席の反応がリアルタイムで目の前で受けられるのって、すごく楽しいんですよ! いつもは一緒にお芝居する相手から受けて上がってくっていうところが、もうひとつ、お客さんの反応とか熱量とか…それも回によって全然違うんですけど、映像作品は最終的には監督の解釈でひとつの作品に仕上げていくわけですが、確かに人によって受け取り方、楽しみ方が全然違うのは当たり前だよなぁというのを実際に目の前で感じられて。あらためていろいろ考えさせられることが多かったです。楽しんでくれているのは同じなんですが、いろんな楽しみ方があるのなら、こっちの伝え方もいくらでも…本当に、正解はたくさん存在するんだな、いやむしろ間違いっていうのが存在しないんだなというのを感じました。「どこを切り取って楽しむのかは自由なんだ」って。それは今後映像にも大いに活きてくるとも感じています。

一ノ瀬颯

一ノ瀬颯

ーーお芝居に対しての「新たな自由度」を手に入れた。

やっぱりいのうえさんに演出を全部付けてもらうっていうことが大きかったと思います。自分で作るというよりも、まずはいのうえさんの頭の中で出来上がってるものを最初に教えてもらって、そこに自分が寄せていく。それって自分の思考回路にないものを新たにひとつもらったようなものですから、「こういうアプローチの仕方があるんだ」とか、知らなかった表現の仕方みたいなものが理解できて、それを実際自分に落とし込み、その役として本番で演じるのは面白かったです。自分だったら選ばない選択肢、発声方法、言い方や動きも外から先に付けて、しっかり自分の中で理解していく。知らなかったやり方にちゃんと理由を見出すことで体の自由度や解釈…お芝居の全部が柔らかくなって、頭も柔らかくなって、そのおかげでより柔軟な対応ができるようになった気はしてます。俳優としての可能性を広げられたのかなと。

ーーほぐされ、鍛えられ、さらに“任される”俳優になっていく。お話を聞いていて、今はその地力が増している最中なのだと感じました。

ありがとうございます。デビューして7年目になるんですけど、この1年やっていたことは特に今まで以上に「全部新しいな」っていう感覚に溢れていて、その一つひとつというよりは、その全部で大きく新しいものが得られたように思うんです。それを自分のこれからのお芝居だったり、生き様みたいなところにも深みとしてプラスできていけたらいいですね。2025年はそういう新しさと共に、過去の自分がやってきたお芝居や役へのアプローチといった経験が積み重なって結果を出してこられた年でもあったし、ここからさらに自分の活動範囲、自分自身の幅を広げていきたいなとも思っています。今年新たに大きな武器をいろいろ身に付けることができたので、来年はまたその武器を駆使しながら、より一層魅力あるお芝居を、たくさんの方々にお届けできたらいいなと思ってます。

ーーそして一ノ瀬さんのことが気になった方は、ぜひイベントにも足を運んでいただいて。

ファンイベントのほうは、ちょっと久しぶりの開催になるので、みなさんにお会いできることが本当に嬉しいです。僕自身すごく楽しみにしてますので! みなさんもぜひ楽しみに来てください。また、こういうイベントを通じてファンの方々同士が仲良くなっていってるのも、すごく嬉しい。自分を介してたくさんの人たちが繋がってくださるのはすごく好きなことなので、まだ迷っている方も、一人でも大丈夫ですし、お友達同士でももちろんいいですし、ぜひ参加してほしいです。そして、みなさんのことは“にのせ”って呼ばせてもらってるんですけど(笑)、2026年も一ノ瀬と“にのせ”、みんなで楽しい1年にできたらいいな。素敵な時間を過ごしましょうね。

一ノ瀬颯

一ノ瀬颯


 

取材・文=横澤由香     撮影=福岡諒祠

イベント情報

『一ノ瀬颯ファンイベント2026』
 
[日時]
2026年1月31日(土)
第一部 開場11:45 / 開演12:30
第二部 開場15:45 / 開演16:30

[会場]
神田明神ホール

[料金]
6,500円(税込)
※全席指定席
※ドリンク代別途600円(現金または交通系ICのみ電子決済可)
※3歳以上有料

[イベント特設サイト]
http://ken-on.com/ichinose_fanevent2026/

放送・上映情報

『119エマージェンシーコール2026 YOKOHAMA BLACKOUT』
放送日:2026年1月3日(土)夜9時30分より放送
放送局:フジテレビ(フジテレビ系列)
公式サイト https://www.fujitv.co.jp/119emcall/

『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』
放送日:毎週月曜 よる9時より放送
放送局:フジテレビ(フジテレビ系列)
公式サイト https://www.fujitv.co.jp/zettaireido/

ゲキ×シネ『紅鬼物語』
【作】青木 豪 【演出】 いのうえひでのり
【出演】柚香 光/早乙女友貴 喜矢武 豊 一ノ瀬 颯 樋口日奈/粟根まこと 千葉哲也/鈴木拡樹 他
 
【公開日】2026年3月20日(金祝)※3週間限定上映 ※一部映画館は上映スケジュールが異なります。
【会場】新宿バルト9、T・ジョイ梅田他、全国の映画館にて上映 ※公開2週目以降、一部上映館にて日本語字幕上映も予定。
 
当日券:¥2,600(税込)
※特別興行料金につき、各種割引、招待券や無料鑑賞券等は適用不可。
前売券:¥2,300(税込)
・ムビチケ前売券(カード)単券¥2,300(税込)※数量限定
販売:2026年1月9日(金)より上映館及びメイジャー公式サイト他にて取扱い。
・ムビチケ前売券(オンライン) ¥2,300(税込)
販売:2025年12月4日(木)よりムビチケ公式サイト他にて先行販売。
★購入特典あり<メインキャスト8名の裏ムビチケデジタル画像&デジタルカード>
※デジタル映画前売券(ムビチケカードはつきません)
 
【WEB】 http://www.geki-cine.jp/sp/akaoni/
【その他】189分(予定)※別途幕間休憩あり
【配給ヴィレッヂ/ティ・ジョイ 【著作】 ヴィレッヂ/劇団☆新感線
シェア / 保存先を選択