ナナクロニクル　ファンクラブ「ロルミンタウン」を題材にしたツアー『ようこそ！ロルミンタウンへ』、満員の新宿ReNY公演をレポート

ナナクロニクル全国5都市ツアー2025『ようこそ！ロルミンタウンへ』
2025.11.29 新宿ReNY

冒険をするたび 君を知ってく喜びーー
ナナクロニクルのライブには、いつだってそれがある！

Mese Moa.やパンダドラゴンを擁する株式会社DD所属の7人組ボーイズアイドルグループ・ナナクロニクルが、5都市を回った全国ツアー（※福岡公演は2026年1月9日に延期）『ようこそ！ロルミンタウンへ』東京公演を11月29日に新宿ReNYにて開催。自身のファンクラブ名称である「ロルミンタウン」を冠した今回のツアー。ナナクロニクルが満員の新宿ReNYで魅せた、愛情たっぷりのエスコートの模様をレポートする。

スタートを飾るのは、今回のツアーのテーマソングである「ようこそ！ロルミンタウンへ」。デビューシングル以来、実に2年ぶりの自己紹介ソングとなる本曲。メンバーのチャーミングな個性を連ねたフレーズも厚みを増し、ロルミンと駆け抜けてきた7人の歩みを彷彿とさせる、ライブの幕開けにぴったりのナンバーだ。

恒例の自己紹介で客席と軽快なコールを交わすと、「“ロルミンタウン”をメンバー7人が案内役として紹介していく」とのアナウンスで「グローリーデイズ」「LovE & PeacE」「群青恋歌」「Feeling Fine!!」「ナナクロニクル」をメドレー形式で披露。曲の繋ぎ方にはアレンジも加えられており、次曲のイントロにつながった時の会場の新鮮な反応がライブ感をより際立たせていく。

「みなさん、ナナロルは好きですか～？」「株式会社DDは好きですか～？」という呼びかけに、ロルミンの元気な「はーい！」の声を受け、続いてはMeseMoa.「街頭アンケート」へ。直球の愛らしいフレーズにあふれたこの曲では、パフォーマンス後に客席の至るところから「かわいい……」と堪えきれない感情がこぼれだしていた。

働きもの（すぎる）の7人のエスコートは、勢いを止めることなくまだまだ続く！ ジャジーなイントロが期待感を加速させる「わくせいカーニバル」では、今回のライブで追加されたダンスパートが。ステージのライティングも相まってボルテージも上がっていき、そのまま定番のダンスチューンである『NANADANCE』へ。ライブを経るごとに進化が目に見える本曲は、何度見てもライブごとに新しい。

MC明けは「パッとピカッと☆1000W」「ラッキーナンバー」の自己肯定感爆上がりソングを続けて披露。＜今日までテンパって踏ん張って頑張ってくれた ダントツ 星三つ 超絶 猛烈 かわいすぎる 君が大好きさ＞なんて、このフレーズはこれまでどれだけの人の日々を救ってきたのだろう……と思いを馳せてしまう。「群青恋歌」の＜どうか明日も 君のままで笑って＞というフレーズしかり、こんなにもありのまま包み込んでくれる地域が日本にあるとは。ロルミンタウンの土地を広めに購入させていただき、もちろん永住のうえ次世代にも受け継いでいきたい所存である。

ロルミンタウンのガイドツアーは、“一度入ったら出られない”禁断の森エリアへ。突入前に一人離脱し「普通に逃げるなんてありえなくね？」「ビビりなんじゃね？」としま・こむぎから散々言われてしまったしゅんだが、本ツアーの企画コーナーで1位となった特典として、MeseMoa.の「Polaris」をソロでパフォーマンス。どこまでも伸びていくような澄みやかなしゅんの歌声は、どんなに暗い場所でも光り、優しくじわじわと光度を増していくような灯かりを思わせる。だからこそ、彼がリーダーであるナナクロニクルはその灯かりを道標に、これからも迷わないのだろうと思う。

しゅんを見つけた6人が合流すると、「JUST ONE STORY」「Crazy for you」「ブルーラビリンス」と禁断の森を連想させるミステリアスで艶やかな3曲を続けて披露。

曲中でりんごを食べてしまったとらが、「体は何ともねえんだがよう」「寒気が止まらねえんでい」と令和には信じがたい口調に大変貌。「さっき食べたりんごで気付かないうちに江戸っ子になってるんじゃない!?」と医学的に聞いたことがない可能性をこむぎが挙げつつも、体は大丈夫そうなのでもっと進むことに（いいのか？）。謎に一番やる気のある江戸っ子・とらが江戸走りを披露すると、客席にも（なぜか）大きな歓声が。

先を進む7人は、「視えて」しまったしまの絶叫を合図に、ReLITの「おばけたちのパレード」へ！ フレーズも振付もキャッチーでキュートなナンバー。歌詞や曲調に合わせてころころ変わる7人の表情がとにかく楽しい。続く*ChocoLate Bomb!!の「コスモ」では一転、会場の熱気が目に見えて高まっていく。様々なグループが大切にカバーしてきたこの曲は、グループとそのファンによって色が違う覇気があるように思う。

5曲のパフォーマンスを経て、そろそろ禁断の森からもう帰りたい派・帰るなんて絶対嫌派で分かれた7人。ライブはそのままユニット曲パートへ！ 確かな歌唱力の基盤の上に、それぞれ「らしさ」の歌声を持つ3人のユニゾンがとても心地いい、しゅん・おと・しまによる「サヨナラが告げる答え」。ばらばらの個性を持つ4人が闘志露わに同じ方向を見つめる、かける・げんと・こむぎ・とらの「Rely On」は、熱い少年漫画のようなストーリーを思わせてわくわくする。

禁断の森から脱出するため、ようやく揃った7人（うち1人は未だ江戸っ子）がとっておきで繰り出したナンバーは、ナナクロニクルの兄貴分・パンダドラゴンの「マジ☆まじない」。本家に寄せた発声や、ライブ終盤ながらしゃかりきに踊る7人の姿に、最高のハッピーチューンながらもパラゴンベイビーズの血を感じてグッとこみ上げるものが。その後の「星空エレジー」では、7人横並びで聴かせるバラードバージョンを披露。1番サビを締めくくる、おとの＜今も綺麗だから＞のフレーズから、原曲のメロディックなイントロへ繋がるアレンジがたまらない……！

記念写真とTiktokの撮影を終え、いよいよライブも大詰め。これまでの盛り上がりをぎゅっと集めたようなロルミンのコールを受け、7人のキャストのテンションが呼応していく「C調アト楽ション」で最高潮に高まった会場で、ラストを飾ったのは*ChocoLate Bomb!!から暖簾分けした、どちらのグループにとっても大切な1曲である「推しが優勝」。ロルミンタウンの案内を終えて、＜キミの世界が 僕の居場所だ＞と隅々まで客席を見渡す7人の視線は、ロルミンへの信頼や感謝、そしてグループとしての揺るがない自信をはらんでいた。

アンコールでは、初お披露目となるナナクロニクル初のクリスマスソング「Happy Merry Christmas」をパフォーマンス！ “夢の続きは 一緒に叶えてゆきたい”と歌う、7人からロルミンへの等身大のラブソングながら、＜どんな星より眩しい 君を守りたい＞のようなロマンチックなフレーズも散りばめられていて、さすがにときめかずにはいられない。

新曲披露の後は10月20日からツアーファイナルまで毎日投稿されていた企画「#ロルミンタウン街あるき」の話題へ。ストーリー性皆無のお人形遊びや、「滝のように飲め!!」という体育会系が過ぎる水早飲み対決などカオスな動画もありつつ、愛情たっぷりのメッセージが込められた期間を振り返った。

めだんし提供の5thシングルリリースという嬉しいお知らせも発表され、7人それぞれが初めての5都市ツアーで生まれた出会いへの喜びや1年を通じての感謝を綴り、ラストは今回のツアーでロルミンと一緒に育ててきた「ようこそ！ロルミンタウンへ」をパフォーマンス。大事に積み上げてきた宝物いっぱいの街を共に歩んだライブを、＜出会ってくれたこと 本当ありがとう＞と締めくくった。

グループにとっても、ファンにとっても大切なファンクラブ名称を掲げた今回のツアー。コンセプトに合わせて綿密に練られたセットリスト、「まだ踊るか！？」と都度驚いてしまわずにはいられなかったパフォーマンス量。ナナクロニクルとロルミンが作るステージには、「アイドル最幸」と噛みしめる瞬間がいくつもきらめいていた。

ナナクロニクルのこれまで、そしてこれからを綴る年代記は、まだまだ輝く道に沿って続いていく。その年代記がZepp Hanedaという夢の舞台の景色を書き記すとき、ロルミンの数だけ、7人が立つステージ上の輝きを表現する言葉があると思うと、今からわくわくせずにはいられない。

文＝川崎葉月​
撮影＝株式会社ＤＤ