開催直前!朗読劇「富江」佐倉薫、高森奈津美、野津山幸宏、高塚智人、村上ロッククロストーク

2026.1.10
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撮影:成田颯一

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ホラー漫画の鬼才・伊藤潤二のデビュー作にして代表作の「富江」が朗読劇として、2026年1月12日(月・祝)から18日(日)にヒューリックホール東京にて上演される。絶世の美女・富江の妖しい魅力の虜になった者たちの執着は、やがて殺意に変わっていく。殺されてもバラバラにされても何度も蘇る富江。そんな富江の美貌と魔性に翻弄され、運命が狂っていく人々の物語を、本朗読劇では、総勢27名の声優・俳優・怪談師たちが10公演を日替わりで演じる。SPICEでは、本作で富江/中村アヤカ役を務める佐倉薫、中村保子役の高森奈津美、森光夫/雪夫役の野津山幸宏、小泉リョウ/岩田忠夫役の高塚智人、語り部を務める村上ロックの5名による座談会を実施。「富江」との出会いや朗読劇への意気込み、演じる役柄の印象や“富江”というキャラクターに対する思いなどを語ってもらった。

――朗読劇「富江」への参加が決まった時はどのように感じましたか?

佐倉:原作の大ファンなのですごく嬉しかったです。しかも演じるのは富江ということで、緊張もありつつ楽しみながら演じたいという思いで稽古に臨んでいます。

高森:朗読という形が生々しくて面白いと思いました。私の役は富江にすごく振り回される役なので、本当に楽しみです。あの富江に人生を振り回していただけるなんて! という気持ちです(笑)。

野津山:富江は本当に美しいし、登場する男性キャラクターはみんなかっこよくて美形です。そこで富江と男性キャラクターが張り合ったりするのも興味深いなと。普段美形キャラをあまり演じることがないので、どんな役だろうと思っていたのですが、本当に美形で(笑)。いつもとは違うアプローチができるのを非常に楽しみにしています。

高塚:僕はホラーがすごく苦手で、ホラーを遠ざけて生きてきましたが、そんな僕でも知っている作品なので、すごく大きなタイトルに関わらせていただけるという喜びもあります。原作を読んでいる時は、「なぜ僕はこれを読まなければならないのか?」と何度も思ってしまうくらい、メチャクチャ怖かったです。でも読み進めていくうちに、怖いだけの作品ではなく、いろいろな魅力があることを知ることができました。みんなが富江におかしくされてしまうのですが、その中でも、僕が演じる役は人生のすべてを狂わされてしまうキャラクターなので、すごく楽しく演じさせていただけるのではないかと思っています。

村上:僕は普段怪談を専門でやっているので、朗読劇の経験がほとんどありません。数年前に伊藤潤二先生の作品を朗読する企画に参加したことはあるのですが、その時もなぜ自分に声がかかったのか分からないまま悶々としつつ参加しております(笑)。「富江」という作品は高校の頃から好きだった作品です。高校時代の友人のお姉さんが伊藤先生の作品をたくさん集めていて、その友人宅に遊びに行き読んでいました。それが僕と伊藤先生の作品の初めての出会いでした。

稽古中の様子 撮影:成田颯一

――村上さんのお話で伊藤先生の作品との出会いが出ていましたが、みなさんが「富江」という作品に触れた時の第一印象をお聞きしたいです。

高森:「富江」を初めて読んだのは大人になってからです。もし子供の頃に出会っていたら……と考えずにはいられませんでした。人生が狂ってしまうな、と(笑)。

佐倉:祖母の妹の家に「富江」があり、そこで読んだのが初めての出会いです。祖母の妹はいわゆる見える人で……怖いものをたくさん買い集めていたので、その怖いものを見る、読むために祖母と一緒に遊びに行っていました。小さい頃からホラーは大好きです。

村上:高塚さんの血の気が引いています……。

高塚:ホラーを好きな方って、話し方というかトーンというか、めちゃくちゃ上手いですよね。今もみなさんがホラーの話をちょっとしただけなのに「何が始まるんだ?」みたいな空気になってゾワゾワしちゃいます。

村上:僕の場合は職業病なんですよね。コンビニでも「お箸付けますか?」と訊かれたら、「あっ…スプーンで」みたいな感じになってしまって。

佐倉:ホラー特有の“間”が入る感じですよね。すごく分かります。

高塚:稽古の時も村上さんの第一声でゾワゾワっとしたので、さすがだなと思って聞いていました。

稽古中の様子 撮影:成田颯一

――「富江」は世界中で人気の高い作品です。世界中の人を魅了する理由が皆さんはどこにあると思いますか?

佐倉:まずは美しさだと思います。富江っぽいメイクなども流行っていますし。

高森:伊藤潤二先生の絵柄が写実的というか。真似したくなる感じがあるのはすごく分かります。

佐倉:富江のようになりたい、という女の子は結構いると思います。

村上:伊藤潤二先生の作品全般に通じるのは、まず絵がすごく綺麗だということ。物語も奇想天外で不気味なものが多い反面、実はすごくユーモアのセンスを感じる面白いシーンもあって。僕は伊藤先生の作品に出てくる双一くんというキャラクターがすごく好きなのですが、ただ怖いだけじゃない、ちょっとクスッとなる要素もいっぱいあるんです。恐怖と笑いの絶妙なバランスが日本以外でもウケる要素なのかなと思っています。

高塚:僕も怖いのは本当に苦手ですが、「富江」を読んだ時にただ怖いだけではなく、クリーチャーの芸術性というか、グロテスクではあるけれど、その中にある美しさみたいなものがしっかりと描かれていると感じました。富江というキャラクターの、そういう芸術性に引き込まれていくのだろうなと思いました。好きな人は本当に好きだと思います。

稽古中の様子 撮影:成田颯一

――皆さんご自身が演じる役について伺います。キャラクターをどのように捉えているのでしょう?

佐倉:役として私は“一番美しい”という気持ちで頑張っています(笑)。私は自分のことがあまり好きじゃなく、“誰かになりたい”という気持ちから役者になったのですが、富江になれるなんて正直まったく思っていなくて。でも、やらせていただくからには、私についてこい! じゃないですが、私を見て! という気持ちで演じています。

――富江のことをすごく近くで見ている保子もどんどん気持ちが変わっていくのが伝わってくる役どころですよね。

高森:保子は本当に振り回されるポジションで、決して簡単な役ではないと思うのですが、気持ちとしてはちょっと楽でいられるというか。富江はすべての登場人物を翻弄しなくてはいけないというプレッシャーがあって、やっぱりすごく難しい役だと思うんです。振り回される側の保子は、むしろのびのびやらせてもらえる。来たものを受け止めるみたいな感じで、素直にやれるので、気持ち的にはやりやすい役を担当させていただけたと思っています。ただ、お祖母ちゃんになるとは思っていなかったので、そこはちょっと頑張らなくてはいけないなと思っています。

――長い間、愛も慈しみもありながら、人生を富江に振り回される気持ちは高森さん自身、理解できるところありますか?

高森:現実であればしんどいなと思うけれど、もし、富江のように訳の分からない人が現れたら……難しいけれど、保子的には救いの物語でもあるような気もしていています。

稽古中の様子 撮影:成田颯一

――そんな保子を引き寄せてというか、一緒にいるリョウ役はいかがでしょう?

高塚:本当に役柄がぶっ飛んでいます。最初はトップモデルとして頑張っているリョウとして登場するけれど、途中から別人のように豹変していく。富江に狂わされ、どんどん人が変わって、でも人生の目標みたいなものは変わらずに持っているという。その狂気じみた執着が演じるのが難しい部分です。一人で四役やっているみたいな気持ちですね。普通のリョウ、ちょっと壊れ始めたリョウ、黒い装束の男になってしまったリョウ、そしてお爺ちゃん。だけど、途中からは信念みたいなものは変わらない、そういう心境の変化みたいなところを演じ分けるのはすごく難しい分、とてもやりがいがあります。稽古では、ずっと狂気を演じることで呼吸がキツくなったので、本番ではしっかりとエネルギーをつけてから挑みたいと思っています。

――野津山さんが演じる森光夫/雪夫役は、愛と憎しみのどちらも持っている役柄です。

野津山:光夫は物語の中では富江の最初の被害者。原作のラストでは画がすごくリアルで、光夫の表情だけを見ていると、その変化が大きすぎないというか、彼のプライドがそれを邪魔しているように感じました。プライドとの葛藤、富江にどんどん引き込まれていくグラデーションのようなところはしっかり表現していきたいと思っています。最後のありえない絶命の仕方は、画があると分かりやすいのですが、音だけ、声だけでどう表現しようかというのは結構悩みました。それが終わったとホッとしたところで、雪夫としてまた出てくるのですが、この雪夫がまた大変な役で(笑)。死の表現は結構エネルギーを使うし、しんどいものなんです。なのに、またすぐに死んでしまうという(笑)。まあ、森光夫/雪夫、彼らの必死な翻弄されながらの生き様みたいなものは大切にして演じたいと思っています。

撮影:成田颯一

――皆さん今回の台本を読んで気になったところや、印象に残っているシーンはありますか?

野津山:富江が増えるところ。朗読劇では分裂という表現をどうやるのかなと思っていましたが、そうくるか! と。台本で一番気になっていたところなので、朗読でもちゃんとあの気持ち悪さが出ることを知ってちょっと嬉しかったです。ここは見せ場でもあるのかなと。

佐倉:美しくいたいし、いなきゃいけないけれど、気持ち悪くもならなきゃいけない。その塩梅って意外と難しいんだなと思っています。

高塚:漫画での表現というか、急展開で物事が起きたりするので、画がない状態でどう表現するのかは、最初不安でしたが、心境を詳しく説明してくれる語り手の方がいてくださることやSEがあることで、聴いていたくない! と思うくらいリアルで怖いものがあって。原作を知っている方はもちろん、舞台上でどういうことが起きているのか分かると思いますし、ちゃんとそういうものが伝わるような台本作りというか。そういう朗読劇ならではの演出がいろいろなところに散りばめられていて、なるほど、と。

村上:町内放送がめっちゃくちゃ怖いですよね?

佐倉:雰囲気があって怖かったです。

村上:自分の家の町内であんなの(町内放送)が流れたら……って思ったら本当に怖くて。稽古場で初めてみんなで聞いたのですが、音響テストで急に流れてきてビクッ! となりました。あとは僕が語り部として一箇所、ちょっと笑いそうになったのは「私はかつてトップモデルだった」というセリフ。どう頑張っても僕はトップモデルじゃないので、自分で言っていてちょっとおかしくなっちゃうんですよ。

野津山:それは僕もです。「男前だろ?」みたいな(笑)。

佐倉:そんなことを言ったら、富江だってそうですよ!(笑)

野津山:申し訳ないと思いながらやっています(笑)。

佐倉:入り込まないと、やっぱりね、笑っちゃったりしますよね(笑)。

高塚:世界観は大切にしたい作品ですよね。

佐倉:みんなそれぞれがおかしくなってないと、成り立たない世界なので。成り切るは大切。自分は美しいと思ってやらないと!

撮影:成田颯一

――ちなみに……もし自分の前に富江が現れたらどういうリアクションをとると思いますか?

高森:男性陣は気をつけないと!

高塚:会った瞬間に終わった……ってなるかな。出会っちゃったら終わり。あとは理性がどんどん壊れていく。抗えません。

高森:絶対に殺したくなっちゃう……。

高塚:できれば会いたくない!

村上:視界に入った瞬間に、自分の眼球を潰すしかない!

高塚:抗えるものなら抗いたいですけれど……。

村上:でも逆に富江が近づきたくないと思う男性ってどんな感じなんだろう?

佐倉:作中では、お父さんに対しては気持ち悪い、みたいな感じにはなっていましたよね。

野津山:お父さんみたくなれば近づかれることはないのか……。

佐倉:でも、お父さんとのことは関係値みたいなところもある。他人からのスタートは難しいかもしれないかな。

村上:気持ち悪いくらいでは、近づくのを避けることはできないのか……気持ち悪いの上をいく感じ?

野津山:というか富江側からNGを出される男性は、社会的にもNGなのでは?

村上:確かにそうですね(笑)。

高森:同性には響かない感じはあるかも。

佐倉:確かに!

高森:保子の場合はもともと美しい顔が好き、というベースがあったので。見た目に興味がないタイプの同性には引っかからないタイプかも。

佐倉:私は、富江の言うことを聞いちゃうと思います。もうすでにハマっているので手遅れです。もう富江のために生きます!

高塚:刺さる人にはめちゃくちゃ刺さりそう。何かに目覚めそうなぐらいの言葉を美しい顔で言ってくれるので。

高森:ブスって軽やかに(笑)。春風が去っていくかのように言ってくれそう。

高塚:春風のように去っても、それが一生残るんだろうな……。

村上:本当に興味本位だけど、富江が目の前に現れた時、自分を見てなんて言うのか、ちょっと気になります。

野津山:確かに。だって、下の下とか言われちゃうんでしょ? トップモデルが普通! って言われているのだから、元々そうではない我々は下の下の下の……って言われちゃう(笑)。

高塚:そういう意味ではそもそも興味を持たれない可能性が……。

佐倉:私なんかじゃ視界に入らないかも。

野津山:言い返せないですよね。本当にトップモデルだったら「この俺が?」ってなるけれど、「はいそうです、確かに!」としか言えない。そういう男には富江は萌えないのかもしれないですね。

撮影:成田颯一

――確かに富江との相性みたいなものもあるかもしれませんね。では最後に。朗読劇「富江」を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします!

村上:僕が高校生の時初めて「富江」を読んでから何十年も経っています。その間に自分の中で「富江」という存在をどう解釈したのかというのを観に来てくださる皆さんにちょっとでも伝わったら楽しいかなと思っています。

高塚:食わず嫌いは良くないということを、「富江」に触れることで改めて思いました。怖いのはちょっと苦手だという方でも、多分「富江」は面白く楽しめる作品です。ホラーへのすごくいい入り口になるんじゃないかと思うので、原作を読んでからでも、あえて読まずに来て、想像力をいろいろと膨らませた上で原作に触れるみたいな楽しみ方ができると思います。まずは朗読で「富江」の世界を楽しんでいただけたら嬉しいです!

野津山:めちゃくちゃ寒い時にやるという逆張り! それも「富江」なのかなって変な勘繰りをしちゃっていますが(笑)。僕は語り部の方が一番見える位置なので、当日もお互いアイコンタクトじゃないですけど、気持ちのコンタクトをとりながら一緒に作品を盛り上げていけたらなと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

高森:日によってキャスト変わって、こんなにたくさんの“富江”が観られる機会はなかなかないと思います。美しくて得体の知れない存在の“富江”を、贅沢を言えば全通しして欲しい(笑)。人によって全然アプローチの仕方も、全てのキャストが全ての役柄違うと思うので、そういった意味で回によって全然別の“富江”の世界が生まれる可能性もあると思っています。私自身、それぞれのキャストさんが演じる富江の違いを楽しみにしている一人なので、一期一会の富江をぜひ愛していただいて、ぜひ公演ごとの多種多様な富江を堪能してください。

佐倉:幼少期から大好きだった伊藤先生の作品の世界に入り込んで、まさか富江をやらせていただくなんて! 私も増殖した富江の一人になったつもりで、今回しっかり演じられたらいいなと思っております。高森さんもおっしゃっていましたが、本当にいろんな“富江”がいろいろな組み合わせで演じられます。私なりの解釈の“富江”を頑張って演じたいと思いますので、よろしくお願いします。

取材・文:タナカシノブ 撮影:成田颯一

公演情報

Lemino presents アニマックス朗読劇「富江」

■日程:2026年1月12日(月・祝)~1月18日(日)
■会場:ヒューリックホール東京
■原作:伊藤潤二『伊藤潤二傑作集』(朝日新聞出版刊)
■脚本・演出:烏丸棗劇団『牡丹茶房』主宰
 

■出演者・スケジュール:
2026年
1月12日(月・祝)
【19:00開演】佐倉薫、井澤詩織、中澤まさとも、高塚智人、村上ロック
1月13日(火)
【19:00開演】佐倉薫、紡木吏佐、増元拓也、寺島惇太、たっくー
1月14日(水)
【19:00開演】伊藤かな恵、福圓美里、中澤まさとも、岩崎諒太、はやせやすひろ(都市ボーイズ)
1月15日(木)
【19:00開演】佐藤日向、伊瀬茉莉也、増元拓也、仲村宗悟、九十九黄助
1月16日(金)
【19:00開演】松井恵理子、紡木吏佐、野津山幸宏、笠間淳、はやせやすひろ(都市ボーイズ)
1月17日(土)
【13:00開演回】内田彩、福圓美里、山下大輝、寺島惇太、たっくー
【16:00開演回】内田彩、伊瀬茉莉也、山下大輝、竹内栄治、たっくー
【19:00開演回】松井恵理子、伊瀬茉莉也、野津山幸宏、竹内栄治、村上ロック
1月18日(日)
【13:00開演回】井上麻里奈、高森奈津美、河西健吾、阿座上洋平、九十九黄助
【16:00開演回】井上麻里奈、高森奈津美、河西健吾、阿座上洋平、はやせやすひろ(都市ボーイズ)
※開場時間は開演の30分前
■料金:全席指定席10,000円(税込11,000円)
【一般発売】
2025年12月13日(土)10:00~
https://eplus.jp/animaxreading-tomie/
 
■公式HP:https://www.animax.co.jp/animaxreading/tomie202601/
■公式X:https://x.com/animax_reading
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  • 開催直前!朗読劇「富江」佐倉薫、高森奈津美、野津山幸宏、高塚智人、村上ロッククロストーク